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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 新たなる冒険へ

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「やりましょうよ……、折角だし……」
 
「だけど……、怪しい様な……、怪しくないような……」
 
「もしも駄目でしたら……、他の冒険者様にでもお伺い致しますが……、
お仕事を探されている方は他にも沢山いらっしゃいますので……」
 
「……あ!や、やる……、やるよ!任せてくれや!」
 
ジャミルが焦って返事をする。
 
「でしたら……、この契約書にサインをお願いします…」
 
「アレフガルド、冒険者組合……ね、ふーん……、
こんなのあったのか……」
 
結局……、単純な4人は男の素性も良く調べないまま、
高額ゴールドに釣られ契約書にサインしたのだった……。
 
「……ふふ……、これでおーけーりゅ……」
 
「何か言ったかい?」
 
「……な、何でもないです、では、明日又早朝にこの場所で……」
 
男は去って行った……。
 
「……変な奴だなあ……」
 
「この話で真面な人求めちゃ駄目だよお、主役からして
真面じゃないんだし」
 
「そうだよなあ……、って、うるせーよ、バカダウド!」
 
「いたっ!」
 
「……はあ」
 
アルベルトが溜息をつく。世界を救った英雄達だが、中身は
相変わらずの変わらないメンバーであった。
 
 
……4人は男との早朝の待ち合わせも兼ね、結局その日は
宿屋に泊る事にしたのだった。
 
そして、早朝……。
 
「……来ないな……」
 
「来ないね……」
 
「もう約束の時間だけど……」
 
「眠いよお~…」
 
「お、遅れた……、寝過ごしたりゅ……」
 
「やっと来たか……、ん?」
 
「な、何りゅ?……あ……」
 
「あんた今……、変な喋り方……」
 
「!な、何がですか……?別に何も変わり映えしていないですが……」
 
「そうかい……、なら別にいいんだけどよ……」
 
「さあ、行きましょう……」
 
慌てた様に先に男が歩き出した。
 
「……処で……、あんたいつまで顔隠してんだ……?
すっげー気になるんだけど……」
 
「べ、別にいいじゃないですか……、嫌です……」
 
男が咄嗟にフードを押さえた。
 
「良かねえよ!見せろよ!これから暫く一緒に行動するんだからよ!
こそこそ隠し事すんなっ!」
 
「あっ……!?」
 
ジャミルが無理矢理男のフードを剥ぎ取ろうとフードをひっ掴んだ。
 
「こ、こらジャミルっ!嫌だって言ってるんだから……!」
 
アルベルトが慌てて止めるが……。
 
「へえ……」
 
外れたフードから童顔の綺麗な顔立ちが見え、束ねてある
さらさらの長い水色の髪がふわりと舞い上がった……。
 
「ふーん、ごついおっさんかと思ったのに……、意外だな……」
 
「……僕の何処がおっさんなんだ……、失礼な奴だな……」
 
まだ男性と呼ぶには早い容姿……、少年は嫌げに髪をかきあげ整える。
 
「……」
 
驚いた様にアイシャが少年の顔を見つめた……。
 
「ぼ、僕の顔に……、何か……?」
 
「い、いえ……」
 
アイシャが一瞬顔を赤くする……。
 
「あ……、何だお前?……その反応……」
 
アイシャの態度を見ていたジャミルが剥れる……。
 
「べ、別に……、何でもないわよ……」
 
男と女と言うのは実に不思議で……。
 
「あの、ジャミル、もしかして妬いてくれてるの……?」
 
「はあ~?べ、別に知ったこっちゃねえよ、俺には何も関係ねえし……」
 
「……何よ!その態度!あったまきちゃうわ!」
 
「勝手にしろよ!俺には関係ねえって言ってんだから!お前こそ、
ちょーっと俺が他の女、横目で見たりするとすーぐギャーギャー騒ぐ癖によ!」
 
「……何よーっ!ジャミルのバカーっ!!」
 
「うるせー!ジャジャ馬!」
 
「あの……、これは……、一体……」
 
突然始まった痴話喧嘩に少年が口をあんぐりと開けたままになる。
 
「ああ、気にしないで下さい、いつものこの二人の
コミュニケーションみたいな……?物なんです、時間が
立てばすぐ収まりますから……」
 
「はあ……」
 
「でも、アル……、今日はそろそろ止めに入った方が
いいかもよお……」
 
「分ったよ、たく……、仕方ないなあ……」
 
「……」
 
時に複雑でややこしい生き物なのであった……。

傷だらけのドラゴン

「さあ、着きました……、ここが皆さんにお仕事をして頂く洞窟です」
 
「……あ……」
 
「ジャミル……、どうしたの……?」
 
アルベルトが尋ねるとジャミルの顔が青ざめている。
 
「……小、催した……」
 
「なっ……、何やってるんですか……!?どうして街に
居る時にきちんと済ませておかなかったんですか……!!」
 
少年が呆れた様な……、怒った様な表情を見せた……。
 
「だってよお……」
 
「……すみません、これも……、これの日常茶飯事なので……」
 
アルベルトが申し訳なさそうに少年にぺこぺこ謝る。
 
「……おい、これとは何だ!これとは!!」
 
「いいから……、さっさと早くしてくる……!!」
 
アルベルトがジャミルの背中をどつくとジャミルは
慌てて用足しに走って行った……。
 
「……やだもう……、いつもの事だけど……」
 
顔を真っ赤にしてアイシャが下を向いた。
 
「……フン、変な人なんですね……」
 
少年が呆れたまま露骨に嫌な顔をすると、すぐにダウドが
フォローを入れる。
 
「確かにジャミルは変だし……、すーぐ怒るけど……、
でも、いつも一緒にいると、とっても楽しいよお?」
 
「楽しい?あれがですか……?フン、見てると只の
馬鹿にしか思えないんですが……」
 
「君も友達になってみればわかるよお!」
 
ダウドが笑うが、少年は機嫌が悪いままである。
 
「……僕はあくまでも、ビジネスの為にあなた方をお誘いし、
一時的に行動しているだけです、そんな事は関係ないです、
下らない事は言わないで下さい……、余分な口は謹んで頂けますか?」
 
「はあ、ごめんなさい……」
 
少年のきつい言い方に少しダウドがしょげる。
 
「何よ……、顔はイケメンなのに、口調も段々嫌な感じに
なってきたし……、何だか感じ悪い人ね……」
 
ジャミルをコケにされたのが気に入らないのか、アイシャも
少年をムッとした顔で見る。
 
「ふふ、そうだね……」
 
「なに?アル、何かおかしい?」
 
「いや、何でもないよ……」
 
ついさっきまでの二人の喧嘩を思い出してアルベルトが笑った。
 
(こんな連中といると……、頭がおかしくなりそうりゅ……、
早く目的を達成したらさっさと逃げないと……)
 
「わりい、わりい!」
 
やがてお騒がせジャミルが走って戻って来た。
 
「こほん……、では、仕事の内容の続きをご説明致します……、
昨日も申し上げました様に、皆様には、これから此処を訪れる
冒険者の皆様の為に先駆けて、この洞窟の主な様子などを
レポートして欲しいのです」
 
「安全面……、などでしょうか?」
 
「はい、それは勿論の事、中の主な鉱石なども収集して
貰って……、……後は洞窟内の地図のマッピングなどを……」
 
「おー、任せろよ!んじゃ皆、中行こうぜ!」