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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 新たなる冒険へ

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「フン、……リトルはそんじょそこらのベビーサタンと
違うのりゅ……!MPはいつでもたっぷり、もりもりりゅ!!」
 
ベビーサタンが鼻息を荒くして威張る。
 
「厄介な奴って事だよな、分ったよっ!」
 
「くらえりゅ!ザラキっ!」
 
「……通じねえよっ!」
 
ジャミルが王者の剣を構えてベビーサタンに突っ込んでいく。
勇者の盾がザラキの魔法を瞬く間に打ち砕いた。
 
「……バカの癖に威張ってんじゃねーぞりゅ……!
クソ生意気りゅ……!」
 
「ぴゅ、ぴゅ……?あいしゃ……、こわい……」
 
アイシャに抱かれた赤ん坊ドラゴンが心配そうに
彼女を見上げた。……赤ん坊ドラゴンにとって、
生まれて初めて芽生えた、怖い、不安……、という感情……。
 
「大丈夫、大丈夫よ、チビちゃん……」
 
(取りあえず……、この厄介な野蛮馬鹿猿だけ何とか
抑えられれば……、後はどうでもいい雑魚りゅ……)
 
ベビーサタンが、持っているフォークの様な武器を構え……、
一歩後ろに下がった。
 
「……今日は帰るりゅ、次は容赦しないりゅ……!必ず
そのちっこいドラゴン頂くりゅ!」
 
「あっ!?」
 
「消えちゃったよお……」
 
「何なんだよ、あいつ……、すげー腹立つなあ……」
 
ジャミルが舌打ちしガッと地面を蹴った。
 
「皆、大丈夫……?」
 
「じょ……ぶ?」
 
赤ん坊ドラゴンをしっかり抱いたまま、アイシャが
心配そうに皆に声を掛けた。
 
「今日の処はな……、追い返したっつーか、逃げられちまった……」
 
「そう……」
 
「ぴゅ?」
 
「お前、モテモテだなあ、密猟者といい、あの変な小悪魔といい……」
 
「もて?」
 
「……冗談言ってる場合じゃないわよ、ジャミル……、
チビちゃん狙われてるのよ……?」
 
「分ってるよ、けど……、今はただ守ってやるしか俺達には
どうにも出来ねえじゃんか……」
 
「ぴい?」
 
ジャミルがそっと赤ん坊ドラゴンの頭を撫でた。
 
「なんかまーた……、夜寝られなくなりそうだよお……」
 
突然の厄介な来訪者に不安を感じながら……、4人は
寝れなくなってしまった夜を過ごす。
 
そして、朝……、眠い目を擦りながらも4人は又リムルダールヘと
買い出しに出掛ける……。赤ん坊ドラゴン、(チビ・仮名)をアイシャの
バッグに入れ、リムルダールの街の中へ入った。……やっぱり
ほっかむりは余計目立つからとアルベルトがジャミルに注意したので
していない。
 
「チビちゃん、ちょっとの間、いい子にしててね……、お願いね……」
 
「ぴいー?ねー?これ、ちゅらたろ?ねー?」
 
判ってるのか、判らないのか、チビが首を傾げてアイシャを見た。
 
「早く買いモン済ませちおう……」
 
「こんなハラハラな買い出しって初めてだよお……」
 
「ぴー!」
 
ダウドも心配そうにバッグの中で尻尾ふりふり、スラ太郎と並んで
お愛想を振りまいているチビを覗き込んだ。
 
「あっ……!あなた達っ……!!」
 
「……え……?」
 
一行が呼び声に恐る恐る振り向くと……。
 
「げっ!!」
 
そこにはあの依頼人の青い髪の少年が立っていた……。
 
「……あんた達生きてたんですか?なら、何処行ってたんですか!?
仕事ほっぽり出してっ!立派な契約違反ですよっ!!」
 
「……なーにが契約違反だっ!!この糞詐欺師野郎めっ!!」
 
「ジャミルっ!!声が大きいよっ……!!」
 
アルベルトが慌てるが、案の定、騒ぎに気づき、街の者が
こちらを振り向き、一斉に見る。
 
「何の事です……?」
 
少年が不思議そうな顔をする……。
 
「てめえ、密猟関係の組織ぐるみだろうが!!」
 
「……人聞きの悪い事を言わないで下さい!!何なんですか?
僕は皆さんが洞窟へ入られた後、ずっとお帰りをお待ちして
おりましたが、中から全然出て来られる様子がないので、落石
事故にでもあって死んだのかと思いましたので先に帰りましたけど……!?」
 
「はあ~!?とぼけてんじゃねえぞ!この野郎……!!今まで
何人もの密猟者と契約結んでドラゴンの卵を取って来させようと
してたんだろうがよ!!何で俺達にだけ仕事の内容に嘘つきやがった!」
 
「……言われている意味がわからないのですが!!……もういいです、
これ以上あなた達と話しても無駄の様ですね……、仕事は失敗したと、
……そう言う事でいいですね……?では……」
 
少年はそう言って話を速攻で纏めて歩いて行こうとする。
 
「……ちょ、ちょっと待てよ……!この……!」
 
「ジャミルっ……!」
 
アルベルトがジャミルを押さえる。
 
「……アルっ!邪魔すんなよっ!何でだよっ……」
 
「今は抑えよう……、あまりこれ以上変なのと係らない方が
いいんだよ……、チビの為にも……」
 
「分ったよ……、くそっ……」
 
「あっ、当然ゴールドは支払いませんよ、仕事は失敗ですからね、
ではっ!」
 
少年が去り際に4人の方を振り返り、ニヤニヤと笑った。
 
「……何だ、もうケンカは終わりか……」
 
「つまらんね、もっとやらないのかい」
 
騒動が終わると街の者は又皆何処かへと散って行った。
 
「はあ~……」
 
アイシャも安心してほっと胸を撫で下ろした。
 
「アイシャ、チビは……?」
 
「うん……、スラ太郎に寄りかかって寝ちゃってたから
大丈夫だったのよ、大人しくしててくれたし、誰も見て
なかったわ……」
 
「生きた心地しないよお~、もう……、ジャミルってば……」
 
ダウドがへたっとその場に座り込む。
 
「……だってさ、このままだと何かすっきりしねーじゃん……、
本当にあのガキが何か密猟と関係があんのか気になるだろ……?」
 
「それでも今は……、チビにもしもの事があったら大変だよ……」
 
アルベルトはバッグの中ですやすやと眠るチビを見つめた。
 
「ぴゅぴ……」
 
「たく……、んとに、幸せそうなツラしてらあ、こいつ……」
 
ジャミルも寝ているチビの鼻をちょんと突っついた。
 
 
そして、少年は……、薄暗い街の路地裏へと姿を消し……。
 
「ふん、野蛮集団共め……」
 
少年はベビーサタンへと姿を変えた……。
 
(……確かにあの時、リトルは奴らが信用出来なかったから、
他の奴らに洞窟探索の仕事を頼みに行ったりゅ……、けど……、
他に真面な取引相手が見つからなかったりゅ……、だから一旦
仕方なく、あの洞窟まで戻ったりゅ、けど奴らが全然出てくる
気配も無かったから中で落石にでもあって死んだのかと思ったの
りゅ……)
 
「……そうか、チビドラゴンは、あの洞窟に眠ってたのりゅね……、
ふ~ん、新しい洞窟はすでに密猟者達が目をつけてたのりゅ、
これはリトルがうかつすぎたりゅ……、けど、結果的に奴らが
ドラゴンを見つけてくれたから、まあ、これはこれで結果オーライ
りゅ……、ふふ……、それにしても、あの野蛮猿め、偉大なる魔界の
王子、リトル・デビルと人間の無能糞密猟団と一緒にすんなりゅ、
リトルは無関係りゅ……、一緒になんかされて……、あー、胸糞
悪いりゅね……」