zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ミニマム・カルテット編
山竜の塔へ
「……本当に……、その薬は効くんだな……?」
「くどいねえ、天才魔法薬剤師のこの俺が調合して
作った薬だぞ……、当たり前だろうが……」
「……フン、とりあえず……、信用してやるよ……」
アレフガルドの何処かに存在する隠れたほこらで二人の
人物が謎の取引をしていた……。
「ねえ、次の洞窟って……、何処にあるのかな……」
今日は甲板でチビにお昼ご飯のおむすびを食べさせながら
アイシャが皆に聞く。
「まあ、片っ端から、まだ行ってない場所、
回ってみるしかねえだろ……」
「大変だよお……、ねえ……」
「どっちみち、竜の涙も後1個なんだし、そんなに気を
揉む事もねえ……」
「だから……、そんなに簡単に上手くはいかないって
言ってるだろ……?いい加減に学習しなよ……」
ジャミルの言葉が聞こえたらしく、舵を取っている
アルベルトがジャミルの方をチラ見する……。
「へえへえ、どうせ俺は学習能力たんねーよ、
悪うござんしたねー!」
「……ジャミルもすぐそうやって不貞腐れるのやめなさいよ……」
「……きゅぴ?」
チビが又首を傾げだした。
「どしたい?チビ……」
「またドラゴンさんのこえする……、こんどはおやまの
ドラゴンさん……?」
チビはそう言ってパタパタと船首の方へ飛んで行く。
「声が聴こえたのか?、ん、山の竜……?」
「……うん、ずーっとむこうのおやまのほう……」
「前回が海だったから、今度は山岳の方向なのかしら……?」
アイシャがそう言うと、チビは宙に浮いたまま、
きゅぴきゅぴ歌をうたいだす。
「仲間が呼んでるのかなあ……」
ダウドもチビの方を見る。
「また歌ってるのかい?チビが……」
アルベルトも一旦舵の手を止めて皆の処に来た。
「でも、山の中……、もしも山岳地帯なら、また船で
行けないよお……?」
「ラーミアも今はいねえしなあ……」
「……あっ?ま、また……!」
アイシャの手元にある竜の涙が光り出した……。
「ジャミル、もう一つの竜の涙を……、お願い……」
「わ、分った……」
二つの竜の涙を重ねると……、甲板に再び
旅の扉が出来た……。
「新しい扉だ……、前の時と同じ様に、きっとこの扉も
ドラゴンの処へ続いている筈だ……」
「……行こう……」
「う~ん?」
アルベルトが旅の扉を見据え、ダウドもしゃがみ込んで
旅の扉を見つめる。
「ダウド、どうしたのよ、早く行きましょうよ……」
アイシャが急かすが、またダウドの悲観的な悪い癖が始まる。
「この扉……、このままだと、まーたあの変な小悪魔に
見つかったら後を追ってくるんじゃないかなあ……」
「……隠せねんだからしょうがねえだろ……、来たら来たで
又追い返せばいいんだ、ほらいくぞ!」
「あ~う~……」
ジャミルがダウドの手を引っ張り、4人は旅の扉の中へ……。
「……着いたか、ん?今度は洞窟じゃねえぞ……?」
「今回は塔みたいだよ……」
「この塔の中にドラゴンさんがいるのかしら……」
チビを抱いたまま何となく心配そうな声を
アイシャが出した。
「……ぴいっ!……いちばんたかいところ……、
ドラゴンさんのこえがするよ?」
チビがドラゴンの気に反応しだす。やはりこの塔には
ドラゴンが存在するらしい。
「最上階か……、よしっ、行くぞ!」
モンスターの心配はない為、楽に進めるかと思いきや……、
2階へと続く階段が見えて来た処で、やたらと顎の長い、
変な顔のエルフが立ち往生していた。
「よお、俺達、此処の塔、登りたいんだけど…、
あんたもしかしてこの階の守護者とかだったりする……?
別にいい?んじゃね……、登るよ……?」
「……駄目だ、この先に進みたければ試練を受けろ!」
「……試練だと……?」
突然エルフが弓を構え、4人の前に立ち塞がった。
「そうだ……、で、ないとこの先は進ませない!」
「……仕方ねえな、たく……で、何すりゃいいんだい?」
「あそこにある回転する床を通って見せろ……、お前たちの
智恵と根性を見せるがよい……」
「げ……」
毎度おなじみの回転する床が階段の前に広がっている……。
ただ、ここはまだ1階なので落とし穴の心配こそないものの……。
此処を通らないと、先に進めないらしい。
「通ればいいんだろ、通ればよ……、んじゃいつも通り、
俺が先に行くわ……」
ジャミルが床に一歩足を踏み出し適当な方向へ進みだそうとする
「この床は……、罠が仕掛けられているぞ、……正しい方向の
床に乗らないとトラップが発動するぞ!」
「う、うわっ!?」
早速、床を踏み間違えたらしく、ジャミル目掛けて何処からか
電撃が飛んでくる。
「あぶねえ……、最初に踏んだのがダウドだったら、
お前丸焦げだったぞ……」
間一髪で電撃を避けてジャミルがほっとする。
「……あうう……、何だか最近……、雷づくし……?」
「……ジャミル!大丈夫!?」
「踏む前に言えよな!たく……、危ねえモン作りやがって……」
アイシャ達も慌てて心配し、ジャミルも一旦床から降りた。
「これじゃ殺されちゃうよお……!!」
涙目でダウドが絶叫する。
「困ったわねえ……、どう通ったらいいのかしら、
先に進めないわ……」
4人が立ち往生していると……。
「ぴ~~~いいい!」
「わっ!チビっ!!お前っ!な、何……、炎のブレス
吹いてんだ!?」
「チビちゃん!何やってるの!?」
「床が……、真っ黒漕げだ……」
アルベルトが呆然と立ち尽くす……。しかし。
「で、でも……、あれ見てよお!ほら……」
「え……?」
チビはどうやら床にブレスを吹き、罠の箇所の部分の
床だけを選別して燃やし、皆が通れる道を作ってくれたらしい。
「あぶないところ、もやしたよお!」
「……すんげえ……、お前……、やっぱり知能とテクニック
半端じゃねえな……」
「凄いわ!チビちゃん!!」
アイシャがチビを抱きしめてチュッチュする。
「ぴいっ!」
「な、何という……」
エルフが呆然としている間にジャミル達はさっさと
全員床を渡り終えた。
「渡ったぞ?んじゃ、今度こそ2階へ通してくれるんだな?」
「仕方がない……」
エルフは納得行かない様な、渋い顔をしていたものの、約束なので
4人は2階へと通して貰った。
「けど……、本当にチビちゃん凄いねえ……、
罠だけを狙って燃やすなんてさあ、凄すぎだよお……」
ダウドも感心して、チビをヨイショしまくる。
「チビ、みんなをいじめるあぶないのがどこにかくれてるか、
なんとなくわかったの!だからもやしたんだよお!」
きゅぴきゅぴとチビが手をパタパタ振って喜ぶ。
「でも……、くれぐれもあんまり危ない事はしないでね」
アイシャがチビのほっぺにキスをした。
「はあーい!きゅっぴ!」
「……本当に……、その薬は効くんだな……?」
「くどいねえ、天才魔法薬剤師のこの俺が調合して
作った薬だぞ……、当たり前だろうが……」
「……フン、とりあえず……、信用してやるよ……」
アレフガルドの何処かに存在する隠れたほこらで二人の
人物が謎の取引をしていた……。
「ねえ、次の洞窟って……、何処にあるのかな……」
今日は甲板でチビにお昼ご飯のおむすびを食べさせながら
アイシャが皆に聞く。
「まあ、片っ端から、まだ行ってない場所、
回ってみるしかねえだろ……」
「大変だよお……、ねえ……」
「どっちみち、竜の涙も後1個なんだし、そんなに気を
揉む事もねえ……」
「だから……、そんなに簡単に上手くはいかないって
言ってるだろ……?いい加減に学習しなよ……」
ジャミルの言葉が聞こえたらしく、舵を取っている
アルベルトがジャミルの方をチラ見する……。
「へえへえ、どうせ俺は学習能力たんねーよ、
悪うござんしたねー!」
「……ジャミルもすぐそうやって不貞腐れるのやめなさいよ……」
「……きゅぴ?」
チビが又首を傾げだした。
「どしたい?チビ……」
「またドラゴンさんのこえする……、こんどはおやまの
ドラゴンさん……?」
チビはそう言ってパタパタと船首の方へ飛んで行く。
「声が聴こえたのか?、ん、山の竜……?」
「……うん、ずーっとむこうのおやまのほう……」
「前回が海だったから、今度は山岳の方向なのかしら……?」
アイシャがそう言うと、チビは宙に浮いたまま、
きゅぴきゅぴ歌をうたいだす。
「仲間が呼んでるのかなあ……」
ダウドもチビの方を見る。
「また歌ってるのかい?チビが……」
アルベルトも一旦舵の手を止めて皆の処に来た。
「でも、山の中……、もしも山岳地帯なら、また船で
行けないよお……?」
「ラーミアも今はいねえしなあ……」
「……あっ?ま、また……!」
アイシャの手元にある竜の涙が光り出した……。
「ジャミル、もう一つの竜の涙を……、お願い……」
「わ、分った……」
二つの竜の涙を重ねると……、甲板に再び
旅の扉が出来た……。
「新しい扉だ……、前の時と同じ様に、きっとこの扉も
ドラゴンの処へ続いている筈だ……」
「……行こう……」
「う~ん?」
アルベルトが旅の扉を見据え、ダウドもしゃがみ込んで
旅の扉を見つめる。
「ダウド、どうしたのよ、早く行きましょうよ……」
アイシャが急かすが、またダウドの悲観的な悪い癖が始まる。
「この扉……、このままだと、まーたあの変な小悪魔に
見つかったら後を追ってくるんじゃないかなあ……」
「……隠せねんだからしょうがねえだろ……、来たら来たで
又追い返せばいいんだ、ほらいくぞ!」
「あ~う~……」
ジャミルがダウドの手を引っ張り、4人は旅の扉の中へ……。
「……着いたか、ん?今度は洞窟じゃねえぞ……?」
「今回は塔みたいだよ……」
「この塔の中にドラゴンさんがいるのかしら……」
チビを抱いたまま何となく心配そうな声を
アイシャが出した。
「……ぴいっ!……いちばんたかいところ……、
ドラゴンさんのこえがするよ?」
チビがドラゴンの気に反応しだす。やはりこの塔には
ドラゴンが存在するらしい。
「最上階か……、よしっ、行くぞ!」
モンスターの心配はない為、楽に進めるかと思いきや……、
2階へと続く階段が見えて来た処で、やたらと顎の長い、
変な顔のエルフが立ち往生していた。
「よお、俺達、此処の塔、登りたいんだけど…、
あんたもしかしてこの階の守護者とかだったりする……?
別にいい?んじゃね……、登るよ……?」
「……駄目だ、この先に進みたければ試練を受けろ!」
「……試練だと……?」
突然エルフが弓を構え、4人の前に立ち塞がった。
「そうだ……、で、ないとこの先は進ませない!」
「……仕方ねえな、たく……で、何すりゃいいんだい?」
「あそこにある回転する床を通って見せろ……、お前たちの
智恵と根性を見せるがよい……」
「げ……」
毎度おなじみの回転する床が階段の前に広がっている……。
ただ、ここはまだ1階なので落とし穴の心配こそないものの……。
此処を通らないと、先に進めないらしい。
「通ればいいんだろ、通ればよ……、んじゃいつも通り、
俺が先に行くわ……」
ジャミルが床に一歩足を踏み出し適当な方向へ進みだそうとする
「この床は……、罠が仕掛けられているぞ、……正しい方向の
床に乗らないとトラップが発動するぞ!」
「う、うわっ!?」
早速、床を踏み間違えたらしく、ジャミル目掛けて何処からか
電撃が飛んでくる。
「あぶねえ……、最初に踏んだのがダウドだったら、
お前丸焦げだったぞ……」
間一髪で電撃を避けてジャミルがほっとする。
「……あうう……、何だか最近……、雷づくし……?」
「……ジャミル!大丈夫!?」
「踏む前に言えよな!たく……、危ねえモン作りやがって……」
アイシャ達も慌てて心配し、ジャミルも一旦床から降りた。
「これじゃ殺されちゃうよお……!!」
涙目でダウドが絶叫する。
「困ったわねえ……、どう通ったらいいのかしら、
先に進めないわ……」
4人が立ち往生していると……。
「ぴ~~~いいい!」
「わっ!チビっ!!お前っ!な、何……、炎のブレス
吹いてんだ!?」
「チビちゃん!何やってるの!?」
「床が……、真っ黒漕げだ……」
アルベルトが呆然と立ち尽くす……。しかし。
「で、でも……、あれ見てよお!ほら……」
「え……?」
チビはどうやら床にブレスを吹き、罠の箇所の部分の
床だけを選別して燃やし、皆が通れる道を作ってくれたらしい。
「あぶないところ、もやしたよお!」
「……すんげえ……、お前……、やっぱり知能とテクニック
半端じゃねえな……」
「凄いわ!チビちゃん!!」
アイシャがチビを抱きしめてチュッチュする。
「ぴいっ!」
「な、何という……」
エルフが呆然としている間にジャミル達はさっさと
全員床を渡り終えた。
「渡ったぞ?んじゃ、今度こそ2階へ通してくれるんだな?」
「仕方がない……」
エルフは納得行かない様な、渋い顔をしていたものの、約束なので
4人は2階へと通して貰った。
「けど……、本当にチビちゃん凄いねえ……、
罠だけを狙って燃やすなんてさあ、凄すぎだよお……」
ダウドも感心して、チビをヨイショしまくる。
「チビ、みんなをいじめるあぶないのがどこにかくれてるか、
なんとなくわかったの!だからもやしたんだよお!」
きゅぴきゅぴとチビが手をパタパタ振って喜ぶ。
「でも……、くれぐれもあんまり危ない事はしないでね」
アイシャがチビのほっぺにキスをした。
「はあーい!きゅっぴ!」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ミニマム・カルテット編 作家名:流れ者