二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 小悪魔の秘密

INDEX|7ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

「返って迷惑さあ、全く!余計な事しやがってよ!」
 
「そうさい、密輸商売の俺らにとっちゃ平和なんざ
どうでもいいのさ、畜生め!」
 
(……こいつら、密猟者か……)
 
「おい、同僚よお」
 
其処へ、男達の側に別の密猟者らしきグループがやって来る。
 
「そう悪い話ばかりでもないぜえ?……最近な、どうやら、
ゾーマが死んでから、奴が生きてる時に封印してた塔や洞窟らが
ぞくぞく見つかってる話だぜ?」
 
「へえ……」
 
「中にはどうやら……、相当の当りも隠れてるらしいぞ……、
あくまで噂だがな……」
 
「これか……!?」
 
「だ、そうだ……」
 
密猟者グループは揃ってむさ苦しい顔を近づけて
嫌らしい笑いを浮かべる。
 
(……当りって、ドラゴンの事だな、なんつー汚い奴らなんだ……、
顔も汚いけど……、許せないよお……)
 
「そういや、通常なら今の時期は、奴らの産卵期だな……、
おい……」
 
「いっちょ、儲け探してみるか…?厄介なのもいるかもしんねーがな」
 
「構わねえさ、金になるのならよ、命がけでやるだけやるだけだ、
それが俺らの生きざまよ!」
 
「だな……」
 
「いひひっ……」
 
「マスター、勘定……」
 
それまで黙っていた少年の姿の小悪魔が立ち上がった。
 
「あ、はい……」
 
小悪魔……、少年は金を払うと酒場を後にする。
 
「……全く、余計な約束させてくれるよ……、ドラゴンに
生まれ変わるから探せとか……、無理に決まってんだろ、
本当にバカだ、そんなの判る訳ないだろ……」
 
そして、少年の姿の小悪魔は独りで又何処かに歩いていく……。
 
(……もしかして……、小悪魔がチビちゃんを狙うのは……)
 
見ていた光景が歪みはじめ……、ダウドの精神体は又、意識が遠のき、
ダウドの周囲は真っ暗になり、何も見えなくなった。
 
そして、ダウドに成り変った小悪魔ダウドがチビを抱えて
辿り着いた場所、其処は……。
 
「!?」
 
 
「……うわーーーっ!!」
 
 
「お、お前ら……、何で……!?」
 
小悪魔ダウドの頭上に旅の扉が出来上がり、其処の中から
光に包まれたジャミル達が揃って姿を現し……、小悪魔ダウドの
上に揃って落下した……。
 
「いてててて!」


踏まれても蹴られても

「……何ここ……、何処だろう……?」
 
「お墓?……があるわ……」
 
「降りろー!アルー、アイシャー!」
 
上に二人、乗っかられたままジャミルが喚く。
 
「お前が先に降りろりゅー!このナウマン象共めがー!!
お前ら併せて一体体重が何トンあるのりゅー!!」
 
更にその下になっている小悪魔ダウドが吠える。
 
「……何トンて……、失礼にも程があるわっ!!」
 
組体操状態で、一番上のアイシャが怒鳴った。
 
「じゃあ、マンモス3バカ兄妹の方が良かったかりゅ!?」
 
「……」
 
「……あっ!チビちゃん!」
 
アイシャが反応的に、倒れているチビの姿を見つけ、チビを
助けようと上から急いで飛び降りた。しかし、小悪魔ダウドも
素早く下から抜け出ると邪魔をし、先にチビを捕えてしまう。
 
「……このドラゴンは、お前らに渡さないりゅよっ!」
 
ジャミル達も体制を整え、小悪魔ダウドを睨む。
 
「オメーが何でチビを狙ってるのか知らねえけど、ダウドもチビも、
ちゃんと返して貰うからな!!」
 
ジャミルが背中の鞘から王者の剣を抜いて小悪魔に付き付ける。
 
「オウ!やれるモンならやってみやがーれりゅ!」
 
小悪魔も対抗し、自身の持っているフォークの矛先をジャミルに向ける。
……両者が互いに睨み合うのを見ていられない、小悪魔に取りつかれた
精神体のダウドは苦しむ。
 
(くっ、……何とか……、皆に話をしないと……、決して
小悪魔だけが悪いんじゃない……、でも……、どうやって
オイラの身体から小悪魔が離れるの……)
 
「……んっ、んーっ!くっ、くーっ!」
 
小悪魔の中のダウドは……、何とか自分の本体を
取り戻そうと踏ん張ってみるのだが。
 
「何だ?ダウド!どうした!?おいっ!!」
 
「こいつ……、無理矢理身体からリトルを引き離そうと
してるりゅね、……そうはいかんりゅ……」
 
(小悪魔っ!……リトルっ!駄目だよっ!!)
 
「ヘタレ、お前……、何がりゅ……?リトルに説教したいのりゅ?」
 
(ちゃんと皆に説明しなきゃ……、誤解されたままになっても
いいの……?)
 
「……余計なモン見たりゅね!うるせー奴りゅ!!お前には
かんけーねーのりゅ!黙りやがれりゅ!!」
 
「チビちゃんを返しなさーいっ!!」
 
「……アイシャっ!!またっ……!!あいつ!!」
 
いつもの如く、ジャミルが止められないまま、暴走アイシャが
小悪魔に飛び掛かって行くが……。
 
「……今日のリトルは一味ちがうりゅ……、なめたらアカンりゅ!
飛んでけりゅー!」
 
「きゃあーーっ!!」
 
小悪魔ダウドがバシルーラを放ち、アイシャを遠くへ
飛ばそうとしたが、咄嗟にジャミルが素早くアイシャを庇い、
間一髪で魔法を避けさせた。
 
「ジャミル、ありがと……」
 
「……こらっ!ムキになるなって、何回言ったらわかんだっ、
オメーは!!」
 
「いったーい!!」
 
ジャミルがアイシャのおでこにぴしっとデコピンした。
 
「……だって、チビちゃんが……、すぐ目の前にいるのに……、
手が届かないなんて……、酷いわ……、耐えられないのよ……」
 
チビはすぐ側にいる……。しかし、手が届かず、どうにも出来ず、
アイシャが涙ぐむ……。
 
「とりあえず、落ち着かなきゃ、アイシャ……、冷静になって
作戦を考えないと……、このままじゃダウドもチビも救えない……」
 
「アル……」
 
「だ、駄目だよお……、みんな……」
 
「……ダウド……?ダウドか……!?」
 
「りゅっ!ま、また……、お前はしゃしゃりでてくんなりゅ……、
あう……」
 
精神体のダウドが必死に小悪魔を押さえ、皆に真実を
話そうとするのだが……。
 
「……小悪魔が……、チビちゃんを狙ってる……本当の……、り……」
 
「ダウド!?」
 
すぐに小悪魔に邪魔をされてしまう。
 
「がーーーっ!!……んとに、お喋りな奴りゅっ!!」
 
(やっぱり駄目だ……、小悪魔がオイラから離れてくれないと……、
このままじゃ……)
 
 
そして……、眠っているチビの心の中に……、呼び掛ける声があった……。
 
(チビ君……)
 
(きゅぴ……?)
 
(起きて、小さなドラゴン君……)
 
(……?お兄ちゃん、だあれ……?)
 
(小さなドラゴン君……、どうか君の力を貸して……、
リトルを助けてあげて……)
 
(どうして助けるの……?チビ、あいつ嫌いだよお……、意地悪ばっかり
するんだもん……)
 
(ごめんね、……全部……、僕の所為なんだ……、僕の所為で……、
リトルは……)
 
(ぴい?)
 
チビの心の中に呼び掛けているのは、リトルと出会った
少年の魂であった……。少年の魂はダウドが見た記憶を
チビの心にも伝える……。
 
(……ぴいい~……)