zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ガライ、ふたたび。
小悪魔の旅立ち
ダウド、そしてチビも無事小悪魔から取り返し、ジャミル達は漸く
自分達の船に戻って来たのだが……。
「……」
「おい、あいつ、まだいるぞ……」
「……もう用はない筈だよね……?」
アイシャに数発殴られ、頭に団子コブを5つ作った小悪魔が……、
休憩室のドアの隙間からじっとジャミル達を眺めていた……。
「気色わりィなあ……、呪いのビデオかよ……」
アイシャは自分の船室でチビと一緒に疲れてぐっすり寝ている。
「……お前、いい加減に一旦魔界に帰れば?」
「けけ、ウンコなバカ共を社会科見学してるのりゅ……」
「……はあ?」
「よっ!」
小悪魔はそう言うと休憩室の中にずけずけ入って行き、皆の前で
リィトに姿を変えた。
「……」
「しかし、よく化けたモンだよなあ……」
「フン、君達、下級生物には到底真似出来ない技だろ!」
「ねえ……、化けても頭のコブそのままだよお……」
「ホントだ、プッ…」
頭部の左右に出来た団子コブにアルベルトが吹きだす……。
「う、うるせーりゅ!」
「……姿はリィトなのに、口調が小悪魔に戻ってるよお?」
「う……、だからうるさいんだよっ!」
「もう~、うるさいのよ、チビちゃんが起きちゃったじゃない……」
と、其処へチビを抱いた不機嫌な表情のアイシャが立っていた……。
「何よ、あなた、まだいたの?」
「社会科見学だとさ……」
「ぴいい……」
「チビちゃん、どうかした?」
「お、おい……」
チビがアイシャの手を離れ、リィトに化けた小悪魔をクンクンする。
「前より……、嫌なにおいしない……」
「フ、フン……」
そして、チビがリィトの顔をペロッと舐めた。
「う、うわ……!何するんだっ!!」
びっくりしてリィトが後ろに後ずさる。
「しょっぱい……」
「……お前、顔ちゃんと洗ってんのか?」
「失礼な……」
「でも、チビちゃんに顔舐められたいう事は、リィトも少しは
チビちゃんに認められたんじゃないの?」
ダウドが笑った。
「チビのペロペロは仲良しと信頼してるの証だからね……」
「フン……」
「りゅ、りゅ、りゅ、フンフン~♪」
「……こ、こらっ!糞ドラゴン!真似するなっ!!」
「りゅ~っ!りゅ~っ!」
チビは嬉しそうにパタパタ休憩室を飛び回る。
「おいっ!やめろったら!!」
……チビを止めようと慌てるリィト。
「ねえ、それより……、私、今日、夕飯担当なんだけど、どうしよ……、
何も材料が無くて……」
「パンもねえのか?トーストでいいよ」
「食パンぐらいならあるけど……、それじゃ皆お腹持たないでしょ、
特にジャミルは……、無理しちゃ駄目よ……」
「ねえ、リィトの頭に串刺していい?お団子になるよ」
チビがリィトの頭のコブを気に入ったらしく、ずっと突っついている。
「チビちゃん、お腹空いちゃったのね、でもそのお団子はお腹を
壊しちゃうからやめましょうね」
「何りゅーっ!!失礼りゅねーっ!!」
リィトが小悪魔に戻って吠えた……。
「チビ、カップラーメンでいいよお、お味噌の食べたい」
「ん?カップラーメンなら、まだ数個あったよな……」
「手軽に、僕も今日はラーメンでいいよ」
「オイラも」
アルベルトとダウドも揃って頷き、同意した。
「……仕方ないわねえ、お湯沸かすわ」
「フン、リトルも我慢してやるりゅ」
「おい、オメーはいい加減帰れよ……」
そして、お湯が沸き……、4人+チビ、何故かおまけの小悪魔は……、
揃ってカップラーメンをズルズル啜り始めた……。
「ふんふん、これは具が少ねーりゅ、スープの味も薄い、
パチモンのやつりゅね」
「うるせーぞ、黙って食えっ!!」
「何かおかしいよね、変なのがいると……」
ダウドが不思議そうにラーメンを食べる小悪魔を見つめた。
「だよねえ、変な光景だよね……」
「きゅぴっ!皆で食べると本当においしいね!!」
「そうね、皆で一緒に食べると、どんな物でも、美味しいご飯に
なっちゃうわね」
つい最近まで敵同士で争っていた小悪魔を囲んで……、何だか良く分からんが
楽しい夕飯のひと時となったのだった。
そして……。
「……チビちゃん、寝たわよ……」
「そうか、よし……、話始めんぞ……」
「リトルはどうした?」
「甲板に行ったわ、風に当りたいんだって」
「あいつ、まだ帰らないのかよ……、まあ、もう悪さはしねーだろうし、
どうでもいいけどよ」
「ダウドも……、いいね?」
「アル、うん……、分ってる……」
そして、皆が今後の事について話を始めた頃、小悪魔は夜風に当って
星をぼーっと眺めていた。
「……なーんか、変な気分りゅ~……、……アホなあいつが死んでから、
リトルはまた一人になっちゃって……、んでもって、ドラゴンの卵を
探して……、変な糞奴らと出会って、色々あって……、今こうして……、
何だかんだで、またあいつと少しだけ会えて……、此処にいるのりゅ~……、
……運命って、不思議……、おかしいりゅ~……」
小悪魔はそう言って甲板にねっ転がると再び夜空を見上げた。
「オイラも、もう決めた、迷わないよ……、チビちゃんを、竜の女王の
お城に連れて行こう……」
「ダウド……、お前……」
「それが……、チビちゃんの未来の幸せに繋がるのならね……、
お別れは辛いけど……、本来のいるべき所に返すべきだよ……、
でも、例え遠く離れても……、オイラ達、気持ちはずっと一緒なんだ……、
これからも……、いつだってね……」
ダウドが微笑み、皆の顔を見た。漸く皆の気持ちが完全に一つに纏り
4人はチビの為に……、新たな決意を交わしたのだった。
「ねえ、ジャミル、少し……、甲板行ってお話しよ?」
会議も終わった頃、船室へ戻ろうとしたジャミルにアイシャが声を掛けた。
「別にいいけど、チビは平気か?」
「うん、今夜はぐっすりだもん、よーく寝てるわ、幸せそうな顔してね」
「そうか、んじゃちょっとだけな」
二人は甲板へと上がるが……。
「ありゃ……」
「zzzz……ぐ~す~う~、ぴい~……」
甲板でそのまま小悪魔が寝転がったまま爆睡していた。
「……おい、いい加減に帰れってば、コラ……、おい……」
ジャミルが小悪魔の頭から生えている変な物を引っ張って、
突っついてみる。
「このまま寝かせておいてあげましょ、色々で、リトルも疲れてるのよ」
「しかし……、おかしなモンだなあ……、つい最近まで、俺ら、こいつと
敵対してたのにな、信じらんねえ……、随分気ィ許しちゃったなあ……」
「そうねえ、私、此処でリトルに酷い目に遭わされたなんて、嘘みたいだわ……」
「ん……、必ず……、オメーを、見つけて……、やる……、
りゅ……、むにゃ……」
「リトル……」
ダウド、そしてチビも無事小悪魔から取り返し、ジャミル達は漸く
自分達の船に戻って来たのだが……。
「……」
「おい、あいつ、まだいるぞ……」
「……もう用はない筈だよね……?」
アイシャに数発殴られ、頭に団子コブを5つ作った小悪魔が……、
休憩室のドアの隙間からじっとジャミル達を眺めていた……。
「気色わりィなあ……、呪いのビデオかよ……」
アイシャは自分の船室でチビと一緒に疲れてぐっすり寝ている。
「……お前、いい加減に一旦魔界に帰れば?」
「けけ、ウンコなバカ共を社会科見学してるのりゅ……」
「……はあ?」
「よっ!」
小悪魔はそう言うと休憩室の中にずけずけ入って行き、皆の前で
リィトに姿を変えた。
「……」
「しかし、よく化けたモンだよなあ……」
「フン、君達、下級生物には到底真似出来ない技だろ!」
「ねえ……、化けても頭のコブそのままだよお……」
「ホントだ、プッ…」
頭部の左右に出来た団子コブにアルベルトが吹きだす……。
「う、うるせーりゅ!」
「……姿はリィトなのに、口調が小悪魔に戻ってるよお?」
「う……、だからうるさいんだよっ!」
「もう~、うるさいのよ、チビちゃんが起きちゃったじゃない……」
と、其処へチビを抱いた不機嫌な表情のアイシャが立っていた……。
「何よ、あなた、まだいたの?」
「社会科見学だとさ……」
「ぴいい……」
「チビちゃん、どうかした?」
「お、おい……」
チビがアイシャの手を離れ、リィトに化けた小悪魔をクンクンする。
「前より……、嫌なにおいしない……」
「フ、フン……」
そして、チビがリィトの顔をペロッと舐めた。
「う、うわ……!何するんだっ!!」
びっくりしてリィトが後ろに後ずさる。
「しょっぱい……」
「……お前、顔ちゃんと洗ってんのか?」
「失礼な……」
「でも、チビちゃんに顔舐められたいう事は、リィトも少しは
チビちゃんに認められたんじゃないの?」
ダウドが笑った。
「チビのペロペロは仲良しと信頼してるの証だからね……」
「フン……」
「りゅ、りゅ、りゅ、フンフン~♪」
「……こ、こらっ!糞ドラゴン!真似するなっ!!」
「りゅ~っ!りゅ~っ!」
チビは嬉しそうにパタパタ休憩室を飛び回る。
「おいっ!やめろったら!!」
……チビを止めようと慌てるリィト。
「ねえ、それより……、私、今日、夕飯担当なんだけど、どうしよ……、
何も材料が無くて……」
「パンもねえのか?トーストでいいよ」
「食パンぐらいならあるけど……、それじゃ皆お腹持たないでしょ、
特にジャミルは……、無理しちゃ駄目よ……」
「ねえ、リィトの頭に串刺していい?お団子になるよ」
チビがリィトの頭のコブを気に入ったらしく、ずっと突っついている。
「チビちゃん、お腹空いちゃったのね、でもそのお団子はお腹を
壊しちゃうからやめましょうね」
「何りゅーっ!!失礼りゅねーっ!!」
リィトが小悪魔に戻って吠えた……。
「チビ、カップラーメンでいいよお、お味噌の食べたい」
「ん?カップラーメンなら、まだ数個あったよな……」
「手軽に、僕も今日はラーメンでいいよ」
「オイラも」
アルベルトとダウドも揃って頷き、同意した。
「……仕方ないわねえ、お湯沸かすわ」
「フン、リトルも我慢してやるりゅ」
「おい、オメーはいい加減帰れよ……」
そして、お湯が沸き……、4人+チビ、何故かおまけの小悪魔は……、
揃ってカップラーメンをズルズル啜り始めた……。
「ふんふん、これは具が少ねーりゅ、スープの味も薄い、
パチモンのやつりゅね」
「うるせーぞ、黙って食えっ!!」
「何かおかしいよね、変なのがいると……」
ダウドが不思議そうにラーメンを食べる小悪魔を見つめた。
「だよねえ、変な光景だよね……」
「きゅぴっ!皆で食べると本当においしいね!!」
「そうね、皆で一緒に食べると、どんな物でも、美味しいご飯に
なっちゃうわね」
つい最近まで敵同士で争っていた小悪魔を囲んで……、何だか良く分からんが
楽しい夕飯のひと時となったのだった。
そして……。
「……チビちゃん、寝たわよ……」
「そうか、よし……、話始めんぞ……」
「リトルはどうした?」
「甲板に行ったわ、風に当りたいんだって」
「あいつ、まだ帰らないのかよ……、まあ、もう悪さはしねーだろうし、
どうでもいいけどよ」
「ダウドも……、いいね?」
「アル、うん……、分ってる……」
そして、皆が今後の事について話を始めた頃、小悪魔は夜風に当って
星をぼーっと眺めていた。
「……なーんか、変な気分りゅ~……、……アホなあいつが死んでから、
リトルはまた一人になっちゃって……、んでもって、ドラゴンの卵を
探して……、変な糞奴らと出会って、色々あって……、今こうして……、
何だかんだで、またあいつと少しだけ会えて……、此処にいるのりゅ~……、
……運命って、不思議……、おかしいりゅ~……」
小悪魔はそう言って甲板にねっ転がると再び夜空を見上げた。
「オイラも、もう決めた、迷わないよ……、チビちゃんを、竜の女王の
お城に連れて行こう……」
「ダウド……、お前……」
「それが……、チビちゃんの未来の幸せに繋がるのならね……、
お別れは辛いけど……、本来のいるべき所に返すべきだよ……、
でも、例え遠く離れても……、オイラ達、気持ちはずっと一緒なんだ……、
これからも……、いつだってね……」
ダウドが微笑み、皆の顔を見た。漸く皆の気持ちが完全に一つに纏り
4人はチビの為に……、新たな決意を交わしたのだった。
「ねえ、ジャミル、少し……、甲板行ってお話しよ?」
会議も終わった頃、船室へ戻ろうとしたジャミルにアイシャが声を掛けた。
「別にいいけど、チビは平気か?」
「うん、今夜はぐっすりだもん、よーく寝てるわ、幸せそうな顔してね」
「そうか、んじゃちょっとだけな」
二人は甲板へと上がるが……。
「ありゃ……」
「zzzz……ぐ~す~う~、ぴい~……」
甲板でそのまま小悪魔が寝転がったまま爆睡していた。
「……おい、いい加減に帰れってば、コラ……、おい……」
ジャミルが小悪魔の頭から生えている変な物を引っ張って、
突っついてみる。
「このまま寝かせておいてあげましょ、色々で、リトルも疲れてるのよ」
「しかし……、おかしなモンだなあ……、つい最近まで、俺ら、こいつと
敵対してたのにな、信じらんねえ……、随分気ィ許しちゃったなあ……」
「そうねえ、私、此処でリトルに酷い目に遭わされたなんて、嘘みたいだわ……」
「ん……、必ず……、オメーを、見つけて……、やる……、
りゅ……、むにゃ……」
「リトル……」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ガライ、ふたたび。 作家名:流れ者