zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 奇妙な出会い
不思議な出会い
ジャミル達はラダトームの彼方此方で色々と奇跡の扉について
情報収集してみるが……、誰も詳細について知っている者はおらず……。
「さあねえ、聞いた事ないよ……」
「悪いけど、忙しいから……」
「はあ、厳しいなあ……」
誰にも相手にして貰えず、ジャミル達は肩を落とす……。
「きゅぴ~……、チビ、お腹……、ぎゅるぎゅる……」
「ジャミル、チビちゃんがお腹空いちゃったみたいなの……」
「え?もうかよ……、宿屋で飯貰ってからまだそんなに時間立ってないぞ……」
「ぴい~……」
「ねえ、ジャミル、チビ、何だか又少し大きくなったみたいな
気がしないかい?」
アルベルトがそっとチビに触れてみる。
「……」
「私達の知らない処で、どんどん大きくなっていっちゃうね、
チビちゃん……」
何となく切なげな表情でアイシャもチビを見つめた。
「とりあえず、ジョニーの所行くか……、気を揉んでてもしょうがねえ……」
情報収集は後回しにして、取りあえず4人はジョニーの経営する
路地裏の武器屋へと向かう。
「……あれ?誰だい……」
店の前でエプロンをした見知らぬ女性がほうきでさっさか掃除をしていた。
「従業員さんかしら……」
「……?あ、お客さんでしょうか……」
女性はジャミル達に気づくと店に入って行く。暫く立つと、
店からジョニーが出て来た。
「ジャミルさん……?ジャミルさん達ではないですか!」
「よお、元気だったか?」
「ジャミルさん達もお元気でしたか?あれからラダトームに
お顔を見せなかったので、どうなされたのかと心配していたんですよ……」
「お友達だったんですか?あなた……」
店の奥から又さっきの女性が顔を出した。
「ん?あなた……?」
「あ、紹介します……、僕の奥さんです」
「初めまして、ジョニーの家内です」
「……マ、マジで……?所帯持ったのか……」
「はい、昨年めでたくゴールイン致しました……」
照れ臭そうに……、ジョニーが奥さんの肩を抱いた。
「うわあ!おめでとうございます、ジョニーさん!!」
アイシャが嬉しそうに二人を祝福する。
「おめでとうございます!」
「おめでとうだよお!」
アルベルトとダウドもお祝いの言葉を掛ける。
「……本当に、時間の流れってあっという間だよな……、ヘッ……」
ジャミルがくしゅっと鼻をこすった。ジョニーは4人を
店の中へと招き入れ、リビングへと案内する。奥さんは早速
おもてなしの準備を始める。
「僕も、色々とあった訳でして、あ、家内は店に来てくれた
お客さんでありまして、こうしてご縁があって、出会いまして……、その……」
ジョニーのノロケ話が始まったらしい……。
「あ、すいません、この話になると、つい……」
「いや、幸せそうで何より……、処で国王さんは……?」
「ああ、陛下は漸く城の方へお戻りになられました」
「そっか、じゃあ今は城の方に戻ってるんだな……」
「皆さんの事もとてもご心配されていました様ですし、
折角ラダトームに来られたのですから、お城の方にも
是非、顔を出してあげて下さい……」
「きゅぴ!チビ、顔出したよお!」
バッグからチビが顔を出した。
「……こ、こら……!駄目だろが……!」
「おや……?何と……!ドラゴンの子供ではないですか……!
モンスターの育成ボランティアでも始めたので……?」
この夫婦も全然動じず、チビを珍しそうに眺める。
「少し違うんだけどさ、色々あってな……、話せば長くなるけど……」
「まあ、可愛いわねえ……、ふふ……」
奥さんがチビをなでなですると、チビも嬉しそうに奥さんにスリスリ。
「随分と人懐っこい子ですね、本当に可愛いわ……」
ジャミルはジョニー達にもこれまでの経緯を聞いて貰う事にした。
チビに聞かれたくない話は除き……、大体を簡単に説明する。
「そうでしたか、色々と大変だったのですね……、しかし、
奇跡の扉ですか……、難しいですね……、聞いた事もありませんし……、
なあ……」
「ええ……」
ジョニーが奥さんと顔を見合わせる。
「やっぱり、難しいのかな……」
「そうよねえ……」
「ダウー、ダウー、遊ぼー!」
チビがダウドの頭によじ登り、遊び始めた。
「チビちゃん、駄目だよお、今は大事なお話してるんだからね……」
「きゅぴ~……」
「可愛いわねえ、私達の子供もこんな風に元気に可愛く育って
くれるといいわね……」
「そうだなあ……」
「……ジョニー……、あんた、手も随分早いなあ……」
ジャミルが目を丸くして夫婦を見た……。ジャミルの目線はじっと……、
奥さんの膨らみ掛けたお腹に釘着けである……。
「あはははっ!ですねえー!」
ジョニーが照れてまた頭を掻いた。
「とにかく一度、王宮にも顔を出して見て下さい、国王様なら
何か力になって貰えるかも知れませんよ?」
「そうするか、んじゃ俺達はこれでお暇するよ、新婚さんの
邪魔しちゃ悪ィしな……」
からかう様な顔でジャミルがジョニーを見ると、顔を真っ赤にして
ジョニーが慌てた。
「そ、そんな事ないですよ、もう……!いつでも遊びに来て頂いて
構わないですから……!」
「へいへい、それじゃ、また……」
「お気をつけて……」
夫婦に見送って貰い、4人はラダトーム城へ……。
城兵はジャミル達の顔を見ると、喜んで謁見の間まで通してくれる。
「……おお、勇者達よ……、久しぶりであった……、ゾーマを討伐後、
行方が判らぬ様になったと聞いておったので心配しておったのだ……」
「その名称で呼ばれんのも久々だわ!俺、勇者だったんだっけ?
んなモン、すっかり忘れてたわ!はっはー!」
ラルス国王の前でもマイペースなジャミルであった……。
「……メルキドの神父さんの処でも、ちゃんとそう呼んで貰ったでしょ……」
アルベルトがジャミルの脇腹を突っつく。
「だって、どうでもいいんだもんー!」
「……もう、ジャミルったら……!」
「そなたも相変わらず、元気そうで何よりであった、安心したぞ……」
「はっはー!俺は元気だよー!ははっはははは!」
「……申し訳ありません、陛下……、ですが、陛下もお元気そうで
本当に良かった……」
「うむ、何も変わらぬと言う事は……、本当に素晴らしい事よの……」
「いてーな!頭抑え付けんじゃねえっての!腹黒っ!」
「うるさいっ!バカジャミルっ!!」
アルベルトが軽調子ジャミルを注意するが、それでも国王は
優しく温かい目で4人をずっと見つめている。城内には大勢の
人間が沢山いる為、流石にチビも今はバッグの中で大人しく寝ている。
「それでさ、今日はちょっと国王さんに聞きたい事があって……、
尋ねて来たんだけどさ……」
「ふむ?……儂の知っている知識で良かったら力になるが?」
ジャミル達はラダトームの彼方此方で色々と奇跡の扉について
情報収集してみるが……、誰も詳細について知っている者はおらず……。
「さあねえ、聞いた事ないよ……」
「悪いけど、忙しいから……」
「はあ、厳しいなあ……」
誰にも相手にして貰えず、ジャミル達は肩を落とす……。
「きゅぴ~……、チビ、お腹……、ぎゅるぎゅる……」
「ジャミル、チビちゃんがお腹空いちゃったみたいなの……」
「え?もうかよ……、宿屋で飯貰ってからまだそんなに時間立ってないぞ……」
「ぴい~……」
「ねえ、ジャミル、チビ、何だか又少し大きくなったみたいな
気がしないかい?」
アルベルトがそっとチビに触れてみる。
「……」
「私達の知らない処で、どんどん大きくなっていっちゃうね、
チビちゃん……」
何となく切なげな表情でアイシャもチビを見つめた。
「とりあえず、ジョニーの所行くか……、気を揉んでてもしょうがねえ……」
情報収集は後回しにして、取りあえず4人はジョニーの経営する
路地裏の武器屋へと向かう。
「……あれ?誰だい……」
店の前でエプロンをした見知らぬ女性がほうきでさっさか掃除をしていた。
「従業員さんかしら……」
「……?あ、お客さんでしょうか……」
女性はジャミル達に気づくと店に入って行く。暫く立つと、
店からジョニーが出て来た。
「ジャミルさん……?ジャミルさん達ではないですか!」
「よお、元気だったか?」
「ジャミルさん達もお元気でしたか?あれからラダトームに
お顔を見せなかったので、どうなされたのかと心配していたんですよ……」
「お友達だったんですか?あなた……」
店の奥から又さっきの女性が顔を出した。
「ん?あなた……?」
「あ、紹介します……、僕の奥さんです」
「初めまして、ジョニーの家内です」
「……マ、マジで……?所帯持ったのか……」
「はい、昨年めでたくゴールイン致しました……」
照れ臭そうに……、ジョニーが奥さんの肩を抱いた。
「うわあ!おめでとうございます、ジョニーさん!!」
アイシャが嬉しそうに二人を祝福する。
「おめでとうございます!」
「おめでとうだよお!」
アルベルトとダウドもお祝いの言葉を掛ける。
「……本当に、時間の流れってあっという間だよな……、ヘッ……」
ジャミルがくしゅっと鼻をこすった。ジョニーは4人を
店の中へと招き入れ、リビングへと案内する。奥さんは早速
おもてなしの準備を始める。
「僕も、色々とあった訳でして、あ、家内は店に来てくれた
お客さんでありまして、こうしてご縁があって、出会いまして……、その……」
ジョニーのノロケ話が始まったらしい……。
「あ、すいません、この話になると、つい……」
「いや、幸せそうで何より……、処で国王さんは……?」
「ああ、陛下は漸く城の方へお戻りになられました」
「そっか、じゃあ今は城の方に戻ってるんだな……」
「皆さんの事もとてもご心配されていました様ですし、
折角ラダトームに来られたのですから、お城の方にも
是非、顔を出してあげて下さい……」
「きゅぴ!チビ、顔出したよお!」
バッグからチビが顔を出した。
「……こ、こら……!駄目だろが……!」
「おや……?何と……!ドラゴンの子供ではないですか……!
モンスターの育成ボランティアでも始めたので……?」
この夫婦も全然動じず、チビを珍しそうに眺める。
「少し違うんだけどさ、色々あってな……、話せば長くなるけど……」
「まあ、可愛いわねえ……、ふふ……」
奥さんがチビをなでなですると、チビも嬉しそうに奥さんにスリスリ。
「随分と人懐っこい子ですね、本当に可愛いわ……」
ジャミルはジョニー達にもこれまでの経緯を聞いて貰う事にした。
チビに聞かれたくない話は除き……、大体を簡単に説明する。
「そうでしたか、色々と大変だったのですね……、しかし、
奇跡の扉ですか……、難しいですね……、聞いた事もありませんし……、
なあ……」
「ええ……」
ジョニーが奥さんと顔を見合わせる。
「やっぱり、難しいのかな……」
「そうよねえ……」
「ダウー、ダウー、遊ぼー!」
チビがダウドの頭によじ登り、遊び始めた。
「チビちゃん、駄目だよお、今は大事なお話してるんだからね……」
「きゅぴ~……」
「可愛いわねえ、私達の子供もこんな風に元気に可愛く育って
くれるといいわね……」
「そうだなあ……」
「……ジョニー……、あんた、手も随分早いなあ……」
ジャミルが目を丸くして夫婦を見た……。ジャミルの目線はじっと……、
奥さんの膨らみ掛けたお腹に釘着けである……。
「あはははっ!ですねえー!」
ジョニーが照れてまた頭を掻いた。
「とにかく一度、王宮にも顔を出して見て下さい、国王様なら
何か力になって貰えるかも知れませんよ?」
「そうするか、んじゃ俺達はこれでお暇するよ、新婚さんの
邪魔しちゃ悪ィしな……」
からかう様な顔でジャミルがジョニーを見ると、顔を真っ赤にして
ジョニーが慌てた。
「そ、そんな事ないですよ、もう……!いつでも遊びに来て頂いて
構わないですから……!」
「へいへい、それじゃ、また……」
「お気をつけて……」
夫婦に見送って貰い、4人はラダトーム城へ……。
城兵はジャミル達の顔を見ると、喜んで謁見の間まで通してくれる。
「……おお、勇者達よ……、久しぶりであった……、ゾーマを討伐後、
行方が判らぬ様になったと聞いておったので心配しておったのだ……」
「その名称で呼ばれんのも久々だわ!俺、勇者だったんだっけ?
んなモン、すっかり忘れてたわ!はっはー!」
ラルス国王の前でもマイペースなジャミルであった……。
「……メルキドの神父さんの処でも、ちゃんとそう呼んで貰ったでしょ……」
アルベルトがジャミルの脇腹を突っつく。
「だって、どうでもいいんだもんー!」
「……もう、ジャミルったら……!」
「そなたも相変わらず、元気そうで何よりであった、安心したぞ……」
「はっはー!俺は元気だよー!ははっはははは!」
「……申し訳ありません、陛下……、ですが、陛下もお元気そうで
本当に良かった……」
「うむ、何も変わらぬと言う事は……、本当に素晴らしい事よの……」
「いてーな!頭抑え付けんじゃねえっての!腹黒っ!」
「うるさいっ!バカジャミルっ!!」
アルベルトが軽調子ジャミルを注意するが、それでも国王は
優しく温かい目で4人をずっと見つめている。城内には大勢の
人間が沢山いる為、流石にチビも今はバッグの中で大人しく寝ている。
「それでさ、今日はちょっと国王さんに聞きたい事があって……、
尋ねて来たんだけどさ……」
「ふむ?……儂の知っている知識で良かったら力になるが?」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 奇妙な出会い 作家名:流れ者