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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 奇妙な出会い

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「ドラゴンの子供なのよ、とっても可愛いのよ!お喋りも出来るの!」
 
「うわっ、みたいみたい、みたいよー!」
 
(き、来たっ……)
 
「お~い、アイシャ……」
 
「大丈夫よ、この子なら、もうそろそろ起きる時間だと思うから……、
連れてくるね、待っててね」
 
「むう~……」
 
ジャミルが不満そうな顔をした。裏事情を知らないアイシャはペースケを
完全に信頼してしまっていた……。そして、暫く立ち、アイシャが自分の
部屋からチビを連れ、戻って来る。
 
「はい、お待たせ、チビちゃんよ、宜しくね!」
 
「ぴきゅ……?」
 
まだ眠たそうな、不思議そうな顔でチビがペースケを見た。
 
「わ、本物だ……、マジで……、すげえ……」
 
「抱いてみる?」
 
「いいの?」
 
アイシャがチビをペースケに渡し、ペースケがチビを恐る恐る抱っこしてみる。
 
「きゅぴ!」
 
「……う、うわ!おれの顔なめたよ!?」
 
「仲良しの印なんだよ、ふふ……」
 
アルベルトが笑う。
 
「一応……、気に入られたみたいだな……、良かったな……」
 
「うるせーやい!短足親父……!!」
 
「きゅぴー!きゅぴー!」
 
チビは嬉しそうにペースケの顔を小さな手でぺちぺち触った。
 
「は、はは……」
 
(どうしよう……、金が欲しかったとはいえ……、おれ……、
この子を悪いおっさん達に渡そうとしてる……、皆もだまして……、
何だか胸がズキズキしてきたよ……)
 
チビの愛らしい姿に触れるうち……、ペースケの心の中にある良心が
痛みだしたのだった……。
 
(……こんな、はずじゃ……)
 
「ぴきゅ~っ!!やっ!いやっ!!」
 
「う、うわあ!な、何するんだよ!?」
 
急にチビがぐずりだし、ペースケの鼻の穴に爪を突っ込んだ。
 
「お腹空いたのよ……、もう朝ご飯の時間だからね……、
チビちゃん、おいで……」
 
「きゅぴーっ!」
 
チビはペースケから離れると、再びアイシャに抱っこして貰う。
 
「はあ、腹が減って機嫌悪くなったのか……、びっくりしたあ……」
 
「……つーことで……、俺らも朝飯だからさ……」
 
「今夜に備えて……、ふわあ……、今からもう何もしたくないよお……」
 
ダウドが口に手を当て大欠伸する……。
 
「あの……、さ……」
 
「ん?」
 
「お願いが……その……、あるんだけど……」
 
ペースケが自分の指と指をちょんちょん突っついて、モジモジする……。
 
 
そして、密猟者の男共は相も変わらず酒場を拠点として朝まで飲み明かしていた。
 
「では、今夜……、ですね……」
 
「ああ、相手はまだ浅知恵の子供連中だ、時間掛らずさくっと
消してやるさ……、フン……、闇組織なんぞと関わり合いに
ならなければ長生き出来た物を、可哀想にな……」
 
「あのハナタレ……、ドラゴンをちゃんと連れて来られるんでしょうか……?」
 
「まあ無理だろう……、どうせ、途中で報告があるだの、
なんのかんの言って、理由つけて逃げ帰ってくるだろうからな、
ガキなんぞに期待しても時間の無駄だ……、まあ、最初から
期待なんぞしとらんがあのガキは引き続き鉄砲玉様に温存しておけ、
ドラゴンは俺達で捕まえてやる、目障りな餓鬼集団を始末した後にな……」
 
「へえ……」
 
「それよりも、対、今夜用に戦力をスカウトしてきた……」
 
「へ……?」
 
「もう、そろそろ来る頃だがな……」