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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 31

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 ガルシア達は想った。するとバラバラだったエナジーが少しずつ合わさっていき、ついに一致した。
 一致したエナジーは、それぞれ異なった色が七つ輝き、まるで虹のようである。
「一致しました! 今が好機です。そのエナジーを『アルカンシエル』と唱え、シバに向けて放つのです!」
『アルカンシエル!』
 ガルシア達は、シバに七色に輝くエナジーを当てた。
 輝きを受けたシバは、その輝きを身に纏い自身を中心に回転させる。激しく回転する輝きはやがて、大きな翼となった。
「今です! 行きますよロビン!」
「ああ!」
 二人はシバに出現した翼に手を触れた。すると二人は光りに包まれ、翼と共に空へと舞い上がる。
 翼と翼の間に一つの存在となったロビンとイリスの姿があった。
 絹のローブだけを身に纏い、片手にはソルブレードがある。髪型はイリスのものであるが、色はロビンの黄金色である。
 ロビンとイリスは、シバから出た翼をその背に付けた。
「融合は成りました!」
『オレの意思もある? 不思議な感じだ……』
 ロビンとイリスの融合体は、一つの体に二人の意思がある。体のコントロールも二人でそれぞれできるようであった。
『融合は成ったようだが、これからどうするんだ?』
 ロビンが脳裏に訊ねる
「これで最後の段階ですよ。これでいよいよ使えます。ソルブレードの第二の力を!」
 ロビンの意思にも、その力の正体が明らかになっていた。
『なるほど、これが最強の癒しの力……ハルマゲドンとは正反対だな』
 ロビンは構えた。すると、ソルブレードの切っ先からドーム状に出ていたエネルギーが虹色になった。
『行こう、イリス! 全てを終わりにするために!』
「ええ、行きましょう。消えていった三人のためにも!」
 ロビンとイリスは翼を羽ばたかせ、空を飛んで暴走した錬金術の所まで近付いた。
 アズール達の決死の特攻によって膨張した光球は半分ほど縮まっていたが、いつ爆発するか分からなかった。
『最高の再生を!』
「最強の癒しの力!」
「『ソ・ラルカンシエル!』」
 虹の女神イリスと太陽神ソルの力が合わさったエネルギーが顕現した。
 エネルギーに満たされたロビンとイリスは虹と化した。
 ソルブレードも虹色の軌跡を描いて、暴走した錬金術にぶつかった。
「ぐぎぎぎぎ……!」
 暴走した錬金術は思いの外固く、一度に断ち斬ることはできなかった。
『ぐっ、固い……! ここまで強化したソルブレードと二柱の神の力を以てしても斬れないだなんて……!』
「ですが負けるわけには行きません! ロビン、力を合わせるのです。私達二人でこれを断つのです……!」
「ロビンとイリス、圧されているのか?」
 ガルシアは言った。
 地上にいる仲間達は、暗黒の球体と虹色の光球がぶつかり合っているのが見えていた。
「アズール達が削ってくれたのに、まだあれほどの力があるなんて……!」
 イワンは嘆くように言った。
「バカ野郎! オレ達が諦めてどうする。信じるんだ、アイツらならやってくれるって!」
 ジェラルドは鼓舞する。
「そうです、僕達のエナジーも与えたのです。二人なら必ず勝てます!」
 ピカードは、勝利を確信していた。
 しかし、状況は虚しく、ロビンとイリスの光球は暴走した錬金術に少しずつ圧されていた。
『ぐぐぐ……! 駄目だこのままじゃあ……!』
「気をしっかり持つのです……! 皆さんの力、無駄にしてはいけません……!」
『ぐぐっ! もう駄目だ...…!』
『諦めるな、ロビン!』
 突如として、ロビンの心に語りかける声がした。
 その声はイリスに似ているが、違う者によるものだった。そしてそれは、どこか懐かしい声音であった。
『その声は……?』
 イリスには聞こえていないようであった。
『私はイリスの片翼、かつてお前達と旅した者だ!』
『かつて一緒に……?』
 ロビンは、少しずつ思い出してきた。
 男勝りの性格で、負けず嫌いだった少女の記憶が甦った。
『お前はまさか、リョウカ!?』
『そうだ、私だ』
 イリスの依り代であり、イリスが復活すると同時に存在が消えたはずのリョウカが、ロビンに語りかけていた。
『お前、消えたはずじゃ……!?』
『そうだ、消えた存在だが、なぜかこうして声を届けることができる。だが、そう長くは声を届けることはできないらしい。だから、これだけは伝えておく』
 リョウカの意思は、想いを伝える。
『イリスを助けてやってくれ! 僅かだが私も力を貸す! それができるのはお前だけだ、ロビン。だからどうか、諦めないでくれ!』
『リョウカ……』
『ロビ……ン、も……じか……よう、だ。イリス……たの……!』
『リョウカ!』
 リョウカの声は、途切れ途切れとなり、ついには消えてしまった。
ーーリョウカ、お前の想いは無駄にしない……!ーー
 ロビンは、体に力が満ちていた。それが、リョウカの言っていた、僅かな力を貸してくれたものだとすぐに分かった。
「ロビン、その力は一体!?」
 リョウカとの一連のやり取りに、イリスは、やはり気付いてはいないようだった。
『これは、オレの仲間だった奴から託された力だ! 今がチャンスだ。一気に畳み掛けるぞ!』
 暴走した錬金術に、火花を散らして当たっていたソルブレードに変化が生じた。
 切っ先からドーム状に出るエネルギー体が激しい虹色になり、刀身も眩いばかりの虹色の輝きを持った。
「これなら行けます! ロビンの発揮してくれた力があれば、この球体を断つことができます!」
『せーので行くぞ!』
「はい、せーの……!」
「『ソ・ラルカンシエル・ブレイク!』」
 虹と太陽、そして心の炎を七色に輝くソルブレードの力で、ロビンとイリスは錬金術の塊を断ち斬った。
「やああああ!」
『はああああ!』
 ロビンとイリスは叫びながら、暴走した錬金術を真っ二つにした。錬金術の核となっていたウィズダムストーンも打ち砕いた。
 ウィズダムストーンが消えたことにより、暴走した錬金術も全て消え去った。
 ウェイアードを包んでいた闇も晴れた。
 ロビンとイリスの通った空には、ウェイアード全てを包みそうな大きな虹がかかったのだった。