二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 英雄達の帰還

INDEX|1ページ/7ページ|

次のページ
 
第二部

英雄達、帰る

ジャミル達は漸く、懐かしいアリアハンの土を踏んだ。
そして、ジャミルが自分で予想した通り……。
 
 
帰宅した直後、ファラにフルボッコで殴られる……。
 
 
「なあ、まだ怒ってんのかよ……」
 
「……当たり前だろっ!冗談じゃないよっ!こっちは一体、どれだけ
あんたの事、心配したと思ってんだい!!ちょっとは反省しなっ!!」
 
ダウドは自宅に一旦戻り、アルベルトは宿屋、そしてアイシャは
ジャミルの自宅に迎えられたが、ジャミルは暫くの間、ファラの
お怒り攻撃を食らう羽目になる……。
 
「だってよ、中々こっちに帰る手段が見つからなかったんだぜ、
仕方ねーじゃん……」
 
「そうよね、結果的にチビちゃんのお蔭で、私達、上の世界に
戻ってこれたんだもの……」
 
「あら?アイシャ、あんた随分元気ないね?ジャミルに
虐められたのかい?」
 
「……」
 
「……ファラっ!!たくっ、アイシャ、もうチビの事は忘れろよ……」
 
「何?何?チビって犬かい?」
 
「……!」
 
「アイシャっ……!」
 
「お願い、少し一人にして欲しいの……、すぐに戻ってくるから……」
 
事情を知らないファラがアイシャに発した言葉にアイシャは
外へ飛び出して行ってしまう……。
 
「あら?あたい何か、悪い事言った?」
 
「空気読めよな、たく……」
 
「……あんたがちゃんと説明してくんないと……、空気読めも
何も解らないだろっ!!」
 
ファラがジャミルにコブラツイストを……。
 
 
「……うっぎゃあああーーっ!!」
 
 
ジャミルは大魔王ゾーマよりも何よりもこっちの方が怖いのであった……。
 
「ジャミル……」
 
ダウドがひょっこりと家に顔を出した。
 
「おー、ダウド、どうした?」
 
「寝る前に、話したい事があってさ、ちょっと……」
 
「ふ~ん……、ま、いいや……、入れよ」
 
「えへへ、お邪魔します……」
 
「ダウド、あんたも久しぶりだねー!元気だった?」
 
「まあ、それなりにね……」
 
「アルはどうしてる?」
 
「うん、明日……、実家に戻るみたいだから、宿屋で
支度してるよお……、アイシャは?」
 
「ちょっとな……」
 
「そっか、……辛いよねえ……」
 
「で、何だよ、話って……」
 
「うん……、チビちゃんの事なんだけどさ……」
 
ダウドは側にあった椅子に適当に腰掛ける。
 
「お前まで……、いい加減にしろよ!もうチビの事は
終わったんだよ!」
 
「怒らないで聞いてよお、どうせ怒るんだろうけどさ……、
もう怒ってるよね……、はあ……」
 
「だから、あんたら、さっきからチビチビって何?あたいにも
判る様に説明してくれる……?」
 
ファラが腕組みをし、ジャミルとダウド、二人を睨んだ……。
 
「ハイ……、すみません……」
 
「ごめんなさい……」
 
「もうっ!!」
 
大魔王ゾーマよりも怖い存在、それがアネゴ肌のファラである……。
 
その頃、一人、外に出たアイシャは夜空の星を眺めながら、
スラ太郎だけになってしまったバッグの中を探る……。
 
「元々、この中はスラちゃんだけの場所だったんだもんね、
そう考えると淋しくないわ、そうよ、すべてが前に戻っただけよ……」
 
そう言ってバッグの中からスラ太郎を取り出す……。
 
「でも……、心の中に何だか空洞が出来ちゃって……、
埋まらないの……、チビちゃん……、会いたいなあ……」
 
 
 
「そう、それで落ち込んでんだね、アイシャは……」
 
「……」
 
「あーっ!それにしても苛苛すんね!本当にあんたは!!
この、馬鹿ジャミルっ!!」
 
話を聞いたファラがいきなり椅子から立ち上がり、ジャミルを伐倒する。
 
「……ななな!?何だよ!!」
 
「女の子が落ち込んでんのにあんたは慰めてもやれないのかい!!
このヘタレ!!」
 
「ひ……!?」
 
一瞬、自分の事を言われたのかと思い、ダウドが飛び上がる。
 
「そう言うけどよ……、俺にだってどうにもならねえ事だって
あるんだよ……、……どうしようもねえじゃんか……」
 
「それがあんたらしくないって言ってんの!どうしたんだい……、
いつもだったら……、例えどんな状況だって……、無理矢理にでも
いい方向に変えようと頑張るじゃないのさ……、結果がどうあれ……、
やるだけやるのがあんたじゃないの……?」
 
「けど、俺にどうしろっつんだよ……、チビをまた誘拐でもして
連れて来いっつーのか……?」
 
「あ、あのね……、オイラが言いたかった事なんだけどね……」
 
この場の状況で、更にジャミルの機嫌が悪くなるのを覚悟で
ダウドが話に割り込んでくる。
 
「何だよ……」
 
「うん、やっぱり、あのままじゃ……、チビちゃん可哀想かなと……」
 
「!!!」
 
ジャミルが噴気し、椅子からまた立ち上がろうとするが……。
 
「だから、怒らないでってば!確かに、あそこの場所は、
竜の女王様がいた場所で……、天空に一番近い、聖なる場かも
知れないよ……、けどさあ……、馬とホビットのおじさん達だけ
しかいないじゃない……、そんなとこ、置き去りにされたら……、
オイラだったらとてもじゃないけど……、耐えられない……、まだ
小さいチビちゃんが可哀想だよ……」
 
「お、おい……」
 
「う、うっ……、ううう……」
 
真面目な意見なのか、ふざけているのか……、ジャミルには
分らなくなった為……、ダウドに対し、怒る気にもならなく
なってしまった……。
 
「確かに、女王も今はいないし、警備は手薄で不安な面は
あるな……、何せ、うっかり卵を盗まれるぐらいのすっとぼけ
連中だからな、その辺は俺だって心配してんだよ……」
 
「でしょ、でしょーーっ!?」
 
目を輝かせてダウドも椅子から立ち上がる。
 
「だからって、それは向こうがこれから管理と護衛の強化を
どうにかする事だ、俺達が口出しする事じゃない……」
 
「あう……、オイラ、もう帰るね……、おやすみ……」
 
「ダウド……?ちょっ、ジャミル……」
 
「ほっとけっつーの……」
 
ダウドはしょぼくれて肩を落とし、家に帰って行った。
 
「はあ……、やっと暫らくぶりで皆の顔を見れたと思ったら……、
何なのさ、この状況……」
 
ファラも大きな溜息をついた、其処に……。
 
「ただいま……、えへへ……」
 
「アイシャ……」
 
ダウドが出て行って数分後、入れ替わりでアイシャが
帰って来た。
 
「……この馬鹿から話きいたけど……、あんた大丈夫なのかい……?」
 
「うん、私は平気よ!もう終わった事をいつまでもくよくよ
してても仕方ないもん、私達はチビちゃんのこれからの幸せを
願うだけよ、ね?ジャミル!」
 
「あ、ああ……」
 
「それより、ファラ、明日の朝ごはんの準備しよう!
私、手伝うから!」
 
「え?う、うん……」
 
「さあ、行こう行こう!」
 
アイシャがファラの背中を押した。
 
「俺も……、立ちションでもしてくるかな……」
 
女の子達を見ながらジャミルも、のそのそと立ち上がり、
外に出て行った。