二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 英雄達の帰還

INDEX|2ページ/7ページ|

次のページ前のページ
 

「♪らんらんらーん、うふふっ」
 
「……」
 
アイシャが楽しそうにじゃがいもの皮を剥いているが、
皮を厚く剥き過ぎである。ファラは特に何も言わず、アイシャの
手つきをじっと見ていた。
 
「あはっ、おいも、剥き過ぎちゃった……、こんなに食べたら
またジャミルがおならしちゃうね!」
 
「いいよ、余ったのはまた何かに使えるからね……」
 
「そう?ごめんね……」
 
「うん、その内、ポテトグラタンでも作るよ」
 
「わあー!楽しみー!ファラって本当、お料理上手だもんねー!!」
 
「あんた、あんまり自分に嘘つくんじゃないよ……、
あたい、心配だよ……」
 
「え?どうして……?私、いつもどうりだよー!ほら元気元気ー!」
 
「バカだねっ、全く……、本当に……、あんたもジャミルも……」
 
アイシャの無理している気持ちがファラにはちゃんと分かっており、
ファラはアイシャをそっと抱きしめる……。
 
「ふぇっ、ファラ……、うっ、ひっ……、ごめんなさい……、
うっ、うわあああーん!!」
 
と、その時……。
 
「えっ……?な、何だい、この変な光……」
 
「……何……?床が……、光ってる……?」
 
「え?えええええ?」
 
光の中から……、其処に現れたのは……。
 
「……きゅぴ~……」
 
「……チビちゃんっ!?」
 
「はあああっ!?マジで……?」
 
「きゅぴ……」
 
「嘘でしょ……、チビちゃん……、どうして……?」
 
「きゅぴ~、アイシャ……、会いたかったよお……」
 
「チビちゃんっ……!」
 
アイシャが思わずチビに駆け寄る……。
 
「チビ……、寂しくて、とっても悲しくて……、皆に会いたくて……、
もう一度……、皆に会いたいって思ったら……、気が付いたら
ここに来たの……」
 
「……チビちゃん、チビちゃん……!チビちゃんっ!!」
 
状況は全く理解出来ないままだったが、アイシャはただ、
目の前に突然現れたチビを力いっぱい抱きしめた。
 
「きゅぴ~……、ごめんなさい……、チビ……、悪い子だね……」
 
「そんな事ないわよっ……!チビちゃん、私だって……、どんなに
会いたかったか……!ごめんね、ごめんね……、寂しい思いさせて……、
本当にごめんね……」
 
「きゅぴ~……、アイシャ……、ママあ~……」
 
「あはっ、可愛いー……、うわあ、この子がチビなんだ……、って、
んな場合じゃないね、あたい、ジャミルに知らせてくるっ!!」
 
ジャミルに知らせるべく、ファラが慌てて外に飛び出していった……。

小さな休息

ジャミルを探しに外に出て行ったファラが戻って来た……。
 
「どこ行ったんだろう、本当にもう……、馬鹿なんだから!
ジャミルは……」
 
アイシャに再び会えたチビはご機嫌でいつも通り、椅子にきちんと
ちょこんと座って尻尾をフリフリ。
 
「あーっ、それにしても、本当に可愛いねえ、この子……、
いやーん!」
 
ファラまでチビの虜になりそうであった。
 
「こんにちは、新しいお姉さん、チビです、宜しくね、きゅぴっ!」
 
「……きゃーっ、やだーっ!挨拶したあーっ!きゃああーっ!!」
 
「うふふ、私達が愛情を込めて育てたんだもん、ね?チビちゃん?」
 
「きゅっぴ!ねーっ!」
 
「……はあはあ、チ、チビちゃんが……、も、戻って
きたんだって……?」
 
「ダウド……?」
 
自宅に戻った筈のダウドが血相を変えてすっ飛んで来た。
 
「あたいが知らせたんだよ」
 
「う……、うわあああーっ!チビちゃんチビちゃん……!
チビちゃああーんっ!!」
 
ダウドは顔中くしゃくしゃでチビを抱擁する。
 
「バカだね……、たく、ダウドも男の癖に……、顔拭きなよ、
あーっ!もうっ!!」
 
「だってえ、……ぐしっ……」
 
呆れてファラがダウドにタオルを渡す。
 
「チビがダウのお顔拭いてあげるね、ふきふーきだよお……」
 
「あ、チビちゃん……、ありが……って、鼻の穴にタオル
突っ込まないでェーーっ!!」
 
「また始まったわ、チビちゃんたら、もう~……」
 
「オイラ、アルにも知らせてくるねーっ!」
 
鼻の穴を押さえてダウドが外へと走って行った。そして、数分後に
アルベルトも急いで宿屋から駆けつけ、ジャミル以外のメンバーが再び
顔を合わせた。
 
「……本当に……、チビが自分の力だけで此処に来たって言うのかい……?
信じられないよ……」
 
「チビちゃんは凄い力を秘めたドラゴンなのよ、又新たな力が
覚醒したのかもしれないわね……」
 
「みんな、余ったジャガイモで軽くサラダ作ったよー!」
 
ファラがアイシャが剥き過ぎたジャガイモでポテトサラダを作り、
話のつまみに出した。
 
「美味しそうだねえ!食欲そそる~!いい匂い~……」
 
ダウドが思わずテーブルに身を乗り出した。
 
「きゅぴ?これなあに?」
 
チビが珍しそうに首を傾げ、マヨ山盛りのポテトサラダを眺める。
 
「あたい特製のお芋のサラダだよ、沢山食べてね、チビちゃん!」
 
「きゅぴっ!おいしーーい!」
 
野菜嫌いのチビが夢中になってサラダを頬張る。
 
「あはは、良かったー、チビちゃんに喜んで貰えて、
あたいも嬉しいーっ!」
 
「ところで、ジャミルはどうしたの?何処かに出かけたのかい……?」
 
「あいつ、立ちションに行ったまま戻ってこないんだよ……、
チビちゃんが帰って来たのを知らせに、あたいも外を
探したんだけどさあ」
 
「随分長い用足しだよねー、ギネスブックに載るかもねー!世界一の
長ション猛者あらわ……」
 
 
……ごんっ!
 
 
「……いったああ~っ……、何でこういう時タイミングよく
戻ってくるんだよお~……」
 
ジャミルに殴られたダウドが頭を押さえた……。
 
「あ、お帰り、ジャミル……」
 
「何だよ、アルまで、皆して集まって、何し……」
 
「きゅぴ……」
 
「ジャミル、あのね……、チビちゃんは……」
 
ジャミルは、通常ならその場にいない筈の……、チビの姿を
見て呆然とする……。アイシャが急いで説明しようとするが……。
 
「何で、お前……、此処にいるんだよ……」
 
「ジャミル……、チビちゃんは寂しくて……、どうしても
皆に会いたくて……、どうしてなのか、チビちゃん自身も
よく判らないのだけれど……、気が付いたら此処に来て
しまったみたいなの……」
 
アイシャもどう説明していいのか分からず話をするが、
ジャミルは放心状態のまま、暫く無言で立ちつくす……。
 
「きゅぴ……、ジャミル……、ごめんなさい……」
 
チビがトコトコとジャミルの側に寄って来て切なそうに
ジャミルの顔を見上げた……。
 
「チビ……」
 
「……ジャミルは……、チビの事嫌い……?チビ……、悪い子……?」
 
「バーカっ……、んな訳ねえだろっ!!」
 
ジャミルがチビのおでこを突っつく。先程まで険しかった
ジャミルの表情はいつもの表情に戻っていた。
 
「きゅぴっ!ジャミルっ……、ジャミルっ……!ぴいい~!」
 
チビはそのままジャミルに抱き着き、顔をペロペロ。