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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 懐かしき人々と・1

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そして、いじけっぱなしのチビは……。
 
「きゅぴ、……お腹すいたよお……、いい匂いする……、ほんとは
チビもお肉食べたい……」
 
「チービっ、ほーれ、肉貰ってきたぞー!!」
 
襖ががらっと開いて、今度はジャミルが部屋にやって来た。
 
「……ぷんっ!」
 
チビは部屋に入って来たジャミルを見ると慌ててそっぽを向く。
 
「何だよ、お前それでツンのつもりかー?似合わない事は
よしたまえ、はっはっ!」
 
「……」
 
チビは黙りこくり、更に不機嫌になる……。
 
「チービ、チビチビ、ほーら、降りてこい~、食いしん坊の
意地汚いチビちゃん、……ほ~ら、ほ~ら……、お肉だよ~、
ほーれほれほれ……」
 
それはアンタである。ジャミルはわざわざタンスの傍まで近づき、
チビを刺激させてしまう。
 
「ジャミル、うるさい……、……馬鹿きゅぴ?」
 
チビは一言、ぼそっとジャミルを半目で見て、冷たく言い放つ……。
 
「チビっ……!この野郎……!!いい加減に降りて来ねえとっ!」
 
「こらっ!脅してどうする!!」
 
「イテッ……!!」
 
アルベルトがジャミルの頭にチョップでげしっ……。
 
「こんな事だろうと思ったわ……」
 
「本当だよ、もう少しやり方考えなよお……」
 
他の3人も心配で様子を見に来たのだった……。
 
「……うるせーなっ、甘やかすばっかりじゃ駄目なんだよっ!」
 
「それは、そうだけど……、でも……」
 
アイシャが心配そうにタンスの上のチビを見上げた。
 
「チビ……、ジパング嫌い……、もう帰りたい……、
すぐ船に戻るなら……、チビ、此処から降りるよお……」
 
「……チビちゃん、それは駄目よ、謝りなさい……」
 
「ぴ?」
 
「此処は私達にとっても大切な思い出の場所なのよ……、
そんな悲しい事言うなんて……、幾らチビちゃんでも酷いわよ……、
もう口聞いてあげないんだから……」
 
……アイシャがぐしぐし泣き出した……。
 
「ぴ、ぴ、ぴ……、きゅぴ~……」
 
泣き出したアイシャの姿を見てチビがオロオロ、焦り出す。
 
「……どうすんだよ、チビ……、アイシャが泣いちまったぞ……?」
 
「ぴきゅ~……、アイシャ……」
 
アイシャが泣き出した事で更に騒動は広がりそうになる……。
 
「ごめんなさい……、アイシャが口聞いてくれないの嫌……、
チビも悲しいよお……、アイシャ……、泣かないで、ごめんね、
ごめんね……」
 
泣き出したアイシャの姿を見て、等々チビが観念し、
タンスから降りて来た……。
 
「……じゃあ、ちゃんと皆にご挨拶に行くのよ……?約束して……」
 
「きゅぴ、わかったよお……」
 
4人はチビを連れ、皆の集まっている居間へ戻る。
 
「おーい、どうしたんだい?主役がいなくなっちゃ駄目だろう!」
 
「あはははは!」
 
「へえ……」
 
どう返事をしたらいいのか、困って頭を掻くジャミル。
 
「あらららー、かわいいねー!それは何だい?鳥かい?
変わった鳥だねえー!」
 
チビの目の前でお酒を飲んでいたおばさんがチビを見て興奮しだす。
 
「チビは鳥じゃないよー、ドラゴンなのー!」
 
「そうなんだー、ドラゴンて言う鳥さんなんだねー、へえー!」
 
「凄いなあ、……喋るんだなあ!」
 
「きゅぴ……」
 
ちょこっとチビが又不機嫌そうな顔をする……。
 
「チビ、今日は宴会だからな、皆と仲良くしてくれよ、ホラ……、
酌代わりに挨拶して来い」
 
「わかった……」
 
ジャミルが軽くチビを肘で突くと、チビは頷き、皆の所へ飛んでいく。
 
「きゅぴーぴっ、ぴっ!」
 
チビはくるっと一回転し、ポーズを決め、尻尾ふりふり、
皆にキュートなご挨拶。
 
「あはははー、いいぞーいいぞー!」
 
「可愛いー!がんばってー!!」
 
酔い始めている所為もあるのか、大人達はチビを見て大騒ぎである。
 
「チビの奴……、段々機嫌が直って来たな……」
 
「ほーら、お小遣いだぞー!これでうまいモン食べなー!」
 
「きゅぴ?ぴ?ぴ?」
 
終いには……、遂におひねりをチビに向かって投げ始めた。
 
「……!!」
 
「ジャミル、駄目だよ……、明日、皆の酔いが醒めたら全部集めて
お返しするんだからね……」
 
咄嗟に動こうとしたジャミルの肩をアルベルトがポンと叩いた……。
 
「……くう~っ!」
 
「泣かんでもいいっしょ……」
 
アホ丸出しのジャミルにダウドが呆れた……。
 
「チビちゃん、凄いわ……、うふふ、皆さんを楽しませてくれて
本当に有難う」
 
弥生がトウマを抱いてチビの傍までやって来る。
 
「だっ、ちー、ちー!」
 
「きゅぴ……」
 
トウマがチビの頭をなでなでする。すると。
 
「ぴっきゅ!」
 
チビもお返しにトウマの頬をペロペロ舐めたのであった。
 
「良かったわ……、チビちゃんとトウマ君……、やっと仲良しに
なれたのね……」
 
様子を静かに見守っていたアイシャは安心し、胸を撫で下ろした。 
そして、宴会も終わり、酔っぱらった大人達はそのまま寝てしまい、
居間は火が消えた様に静かになった……。
 
「さあさあ、あたし達も片付けが終わったら寝ましょうかね!」
 
「楽しかったわ、本当に……、久しぶりにこんな時間が
過ごせたのもジャミルさん達のお蔭です……、楽しい一時を
本当に有難うございました……」
 
弥生が皆に向かって丁寧に頭を下げた。
 
「いや、そんな……、俺らは何も……、なあ?」
 
ジャミルが照れながら他の3人を振り返った。
 
「皆、此処で寝ちゃったけど……、大丈夫なんですか?」
 
「ああ、明日、酔いが覚めりゃ皆勝手に帰るから
いいのいいの!」
 
弥生の母親が笑いながら、心配しているダウドに
向かって手を振った。
 
「はあ……、自由奔放なお付き合いなんですねえ……」
 
「あはは!あたしらいつもこんなモンさ!」
 
弥生の母親が大きな声で豪快に笑った。
 
「ぷーぷうー……」
 
「きゅぴ……」
 
そして、トウマとチビは一緒に座布団の上で眠ってしまっていた。
 
「あなた、トウマをお願いします、私達はまだ後片付けが
有りますので……」
 
「ああ、……ジャミルさん達も……、今日は楽しい夜を
有難うございました、それでは私は明日も早いのでこれで
失礼します……」
 
「俺達の方こそ……、有難う、機会が有ればまた騒げるといいよな」
 
ジャミルが挨拶すると、旦那は笑みを浮かべて頭を下げ、トウマを連れて
自室へと姿を消す。
 
「それにしても、今回は久々の凄い反抗期だったねえ、オイラ
びっくりしちゃったよ……」
 
「玉に悪さもするけど、大体普段から基本的にチビはいい子過ぎんだよ、
……玉にはこういう事もなくちゃな……」
 
「……はあ、玉にはジャミルもいい子になってくれれば……」
 
「何だとっ……!?このシスコンめ!!」
 
「……うるさいっ!最近毛が薄くなったなあ!よし、決めた!
増毛するぞ男めっ!」
 
「ぎゃはははは!ジャミルもアルも……、バ、バカだよお~!」
 
「よしなさいったら、……本当にもう~!!」