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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 助っ人、小悪魔!?

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辺り一面、草と木が生い茂る場所で……、行けども行けども同じ様な
場所ばかりでジャミルは方向感覚が可笑しくなりそうだった……。
 
「何だか、美味しそうな果物が生ってる、お腹すいたなあ……」
 
ダウドが指を銜え、木の上の果実を見上げた。
 
「おい、うかつに食うなよ……、頼むからよ……」
 
「でも……、お腹が空いて……、我慢出来ないよお~」
 
「実はよ、……さっき……」
 
ジャミルはさっきの小悪魔の暴走をダウドに話した……。
 
「あはははっ!それで、ジャミル襲われたわけ?ぎゃはははは!!」
 
「……笑うなっ、こっちはマジでもう……、婿に行けなくなるかと……」
 
いやにジャミルが真剣な顔をして話す為、更にダウドが爆笑しだした。
 
「おい、バカ猿!このリトル様を置いて逃げるとは……、どういう
根性してるりゅ!?」
 
「……うわああっ!!」
 
突如、ジャミルの後ろから小悪魔が出現した。
 
「あ、リトル、お帰り……、残念だったね、ププ……」
 
「何がりゅ?」
 
「……オメーは少し黙ってろバカダウド!!」
 
「ヘタレも無事だったりゅ、ふーん……、後は、団子娘と金髪と
バカドラゴンがいないのりゅ?」
 
「うん、後、ラーミアもだよ……」
 
「?フンフン、フフン……」
 
突然、小悪魔が森の奥の方を見て鼻の穴を広げ、クンクンし始める。
 
「普段、ねえくせにどっから鼻が出てくんだよ……、んとに……」
 
「……りゅ~、この奥から……、とても香ばしくて、美味しい香りが
するりゅ~……」
 
「ホント?食べ物があるのかな……」
 
「ダウド、あんまりこいつの言う事間に受けんなよ……」
 
しかし、お腹の空いたダウドはどうしても鼻をクンクンしている
小悪魔の様子が気になってしまう。
 
「ご馳走りゅ~……」
 
小悪魔はふらふらと森の奥に勝手にどんどん進んで行く。
 
「ジャミル、リトルが行っちゃうよ、オイラ達も行こうよお!」
 
「……仕方ねえな、たく……」
 
小悪魔を追ってジャミル達も更に森の奥深くへと足を踏み入れる。
 
「りゅ、りゅ、りゅりゅ~……」
 
「……何か奥へ進めば進む程……、凄い臭いがするんだけど……、
オイラ、気分が悪くなってきた……」
 
口を押えながらダウドがぼやいた。
 
「おい、本当に香ばしいモンなんかあるんだろうな……」
 
「りゅ~、あったりゅ……」
 
「あれって……」
 
漸く、小悪魔が香ばしい匂いと言っていたらしき物まで辿り着く。
……しかし、それは何と、物凄い悪臭をまき散らす巨大な人食い
植物であった……。
 
「……ラフレシアじゃねーか!何が香ばしい香りだっ!!」
 
「お、おえええええ~……」
 
「だから、こいつの言う事真面に聞いちゃ駄目なんだよっ!!」
 
「お前ら野蛮人にはこの、美麗な香りがわからんのりゅ、
イヤりゅねー!」
 
「どっちがだよっ!!」
 
小悪魔はルンルンな足取りでラフレシアに近づいていき、ラフレシアを
平気でガツガツ齧り始めた。
 
「……く、くさいよおお~!!」
 
「む、むぐっ、駄目だっ……!おげええええ~っ!!」
 
ジャミルとダウドは耐えられず、一旦その場を逃げ出し、
森の外へと走って避難した……。
 
「おほほ、美味りゅ、美味りゅ!!」
 
 
「やっぱり、オイラ達と、全然感覚が違うんだねえ……、おえっ……」
 
「そりゃそうだよ、あいつは悪魔族なんだから、大体普段だって
何が主食なんだかわかりゃしねえよ、さっきの果実だって……」
 
「……?」
 
また騒動を思い出したのか、ジャミルが嫌な顔をするがすぐに思い直し
ダウドに声を掛けた。
 
「そろそろ食い終わった頃だろ、森に戻るか……」
 
「うん……」
 
二人は立ち上がって再び森の奥へと歩き出し、小悪魔がいるであろう
先程の場所へと戻った。
 
「……げーっぷりゅ……、腹ぽんぽこぴんりゅ……」
 
「ありゃりゃ……」
 
どうやらラフレシアは小悪魔がすべて食い尽くした様で、跡形も
無くなって消えていた……。
 
「すげえな、マジで全部食ったんか、はあ~……」
 
「でも、これでもっと先に進めるね……、良かったじゃん、一応……」
 
「あははは、はは……」
 
取りあえず、ジャミルは笑っておくしかなかった。
 
「ねえ、リトル……、オイラ達先に行くよ?起きなよお、
ねえったら……!!」
 
「りゅりゅ~……」
 
ダウドが膨れた小悪魔の腹を揺さぶってみるが、小悪魔は
気持ちよさそうに眠っているだけで起きず、返事もせず……、
実に幸せそうだった。
 
「ま、いいさ……、ダウド、このまま静かに眠らせてやろう、
……短い間だったけど、一応は世話になったな、安らかに眠ってくれ……、
起きてこないでくれ……、頼むから……」
 
「……まだ死んでないってば……」
 
 
小悪魔を放り、二人は更に森の奥へと進んで行った。
 
「……誰かいるよお!」
 
「マジか!?」
 
ダウドの言葉にジャミルが身構える。
 
「……」
 
「アイシャ……!!」
 
森の奥から出てきたのは……、アイシャであった……。
 
「良かったあ、アイシャも無事だったんだねえ!」
 
「ああ、後はアルとチビとラーミアだけだな!」
 
「死んで……、お願い、メラミ……!!」
 
「え?ええ?ええええっ……!!」
 
突然、アイシャが二人に向けて呪文の詠唱を始める。
 
「ダウドっ!ボーっとしてんな!!」
 
「……うわあああっ!?」
 
アイシャがそのまま魔法を放ってきた為、ジャミルが慌てて
ダウドを突き飛ばし魔法を避けさせた……。
 
「あー、危なかった……、でも、どうして……、アイシャ……?
……チビちゃんは一緒じゃないの……?」
 
「ダウド、んな事聞いても無駄だよ、アイシャも洗脳されてる……、
目を良く見てみ……」
 
「ああっ、う、嘘でしょ……、アイシャにまで……あの変な奴の手が
のびちゃったの……?」
 
「洗脳者2人目か……、たく……、ラーミアは人間じゃねえから
カウントしねえとして……」
 
「え?ふ、2人……?」
 
「お前も2回、小悪魔に洗脳されたんだよっ!」
 
ジャミルがダウドの背中を引っ叩いた。
 
「あはは、そ、そうだったねえ~……」
 
「ふざけないで頂戴……、あなた達、……死になさい……!!」
 
アイシャがジャミルとダウドに向けて再び詠唱を始める……。
 
「アイシャ、やめろよ、よせ……」
 
「ジャミルっ!!」
 
しかし、ジャミルは動じずアイシャの傍まで近寄って行く。
 
「……来ないでっ、ほ、本当に……、ま、魔法……、
……ふええええ……」
 
自分に近寄って来たジャミルの姿を見て、突然アイシャが
泣き出した……。
 
「こ、こんな事……、したくないのに……、身体がいう事聞かないの、
助けて、ジャミル……」
 
涙ながらにアイシャがジャミルの顔を見て訴えた。
 
「やっぱり、無理なんだよな……、こんな優しい泣き虫、完全に
洗脳するのはよ……、卑怯な事しやがって……、許さねえ……」
 
「……ぐすっ、泣き虫じゃないもん!……もう~!!」