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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 助っ人、小悪魔!?

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「あいて!!」
 
ジャミルが小悪魔の頭を思い切りぶん殴る。
 
「何するりゅーっ!!このバカ猿ーっ!!」
 
「状況を考えろっ!!こんなとこでラーミアを眠らせて
どうすんだっつーの!!」
 
「落ちるだけ……だよね……、あは、あは、あはは……」
 
悟りきった様にダウドが白目を向いた……。
 
「皆、しっかり掴まってるんだ!絶対落ちるし……、どうにも
ならないから……」
 
アルベルトがそういうや否や、意識を失ったラーミアはそのまま
下に落ち始めた……。
 
 
 
「……あああ~……、はあ、今回も何とか助かった……、たく、
冗談じゃねえや……」
 
気が付くとジャミルは見た事もない何処かの小島に振り落とされて
いた様であった。
 
「フン、リトルは悪くないりゅよ!」
 
「そういや、皆何処行ったんだ……、バラバラに振り落とされた
みてえだな……」
 
「リトルは知ったこっちゃねえりゅ」
 
「……何で、俺と一緒に近くに落ちたのがこいつなんだよ、たく……、
……最悪の状況じゃねえか……」
 
ジャミルが横目で小悪魔を見、疲れてしまったかの様にその場に
しゃがみ込んだ。
 
「……何か腹も減ってきたなあ……」
 
「お前、連中と逸れて落ち込んでるのかりゅ?け、けけけっ!」
 
「べ、別に落ち込んでねーよ!うるせー奴だな、んとに!」
 
「はあー、困ってるやつを見るのは気分がいいりゅ、けけっ、
けけけけー!」
 
まるでジャミルを嘲笑うかの様に小悪魔が踊り出す。
 
「此処でしゃがんでてもしょうがねえ、周りを見てくるか、
……お前は其処でずっと踊ってろ」
 
ジャミルが立ち上がり、小悪魔を置いて歩きだす。
 
「け、けけけ?」
 
「何か、変な島に落ちたみたいだな……、無人島か……?」
 
周囲は森だらけ、木に沢山の果実が生っている光景であった。
ジャミルは取りあえず森の中へ足を踏み入れる。その後を小悪魔が
ちょこちょこ着いてくる。
 
「おお、上手そうな果物りゅね、……これはリトルが全部食ってやるりゅ!!」
 
(何でパートナーが本当にこいつなんだよ……)
 
「好きにしろよ、俺は魚でも取ってくるわ……」
 
「けけっけけ、けけけのけー!!」
 
小悪魔はさっさと木に登り、生っている果実を自分だけむしゃむしゃ
食べ始めた。呆れたジャミルは小悪魔を放っておき、浜辺に戻ると木の棒で
器用に竿を作ると釣りを始める。
 
(それにしても……、あの厄介な結界をどうすりゃいいんだよ……、
ホビットのおっさん達が心配だなあ……、クソっ……、アル達も……、
一体何処に落とされたんだろう……)
 
「けっけ、けっけ……」
 
ふらふらしながら小悪魔……、森からリィトがジャミルのいる
浜辺に戻って来た……。
 
「……何だよ、またお前リィトになったのか、落ち着きねえ奴だなあ……」
 
「ジャミルさん、あちきを嫁に貰ってほしいんだりゅ……」
 
「……ハア?」
 
「あちきを貰って下さい……、りゅ、でありんす……」
 
突然、リィトの言動が挙動不審になる……。これも何かの洗脳なのか……、
リィトの目つきがおかしい……。顔も何となく……、ほんのりと赤い。
 
「おい、ふざけてんなよ……、って、お前酔ってんのか……?何で……、
もしかして……、さっき欲かいて食ってた果実の所為か……?」
 
「りゅーっ!!」
 
「……!?あうっ!!」
 
突然、リィトがジャミルに飛び掛かり、砂だらけの地面に押し倒した……。
 
「……くおら!マジでいい加減にしろっつーんだよ!!」
 
「ふざけてないでぁリンス!あちきは本気んあだりゅーっ!!」
 
……リィトは呂律がどんどん回らなくなり、様子がおかしくなっている……。
 
「あんさんを……あちきの……てぃんぽにぢゅうで……す……、
クワーーっ!!」
 
リィトの目が怪しく光り、ジャミルの身体を動けなくしてしまう。
ジャミルは金縛りに遭ったのかと思い、もがくが、とにかく身体が
動かない。
 
「く、くそっ……、や、やめろーっ!!そこはーっ、……あ、
ああっ、……ああああーっ!!」
 
と、ジャミルが絶叫し、状況がやばくなってきた処で……。
 
「……けけっ」
 
突然、パタッとリィトが眠ってしまった……。
 
「はあ~、マジでびっくりした……、今回は本当に俺もビクビクもんだあ……、
だったわ……」
 
……よほどびっくりしたのか、流石のジャミルも自分で何となく……、
顔が真っ青になって血の気が引いているのが分った様であった。
 
「やっぱり、……皆いないとこんなに不安になるモンなのかな……、
なーんか、俺らしくねえなあ…」
 
「りゅーっ、りゅーっ……」
 
そう言いながら、ジャミルは酔って寝てしまったリィトの姿のままの
小悪魔を見た。
 
「……珍しく今日は弱気な俺……、なのであった……」
 
「と、一人ナレやってねえで、早く他の皆を探さねーと!」
 
もう一度、自分に気合をいれ、ジャミルは一人、見知らぬ島を走り出した。

仲間はいずこ

「……しかし、もしもラーミアが此処に落ちたんだとしたら
すぐ分かりそうなモンだよな、あれだけでかいんだからよ……」
 
ジャミルはぶつぶつ言いながら更に島を歩いてみるが、
他にはモンスター、動物さえも一匹も見掛ける気配が無い。
 
「やっぱり後は森か、もう一度行ってみるかな……」
 
……と、再び森に向かって足を踏み出し、歩き出した瞬間……。
 
ガサガサ音がし、ぬっと木の陰から何かが出現した。
 
「……うわっ!カリフラワー頭のモンスター!?」
 
「失礼だな、誰がカリフラワー頭だよお!!」
 
「だよお……?もしかして、ダウド……、か?」
 
「シャミル……?あはっ、ジャミルだあ!無事だったんだねえ!!」
 
ダウドが喜んで飛び出してきたが、後の二人とチビの姿が
見当たらないのがジャミルは気になった……。
 
「ダウド、お前だけなのか?アイシャとアルとチビは……?」
 
「ううん、気が付いたらオイラ一人だけ、森の中に
取り残されてたんだ、ついさっき、目が覚めてね、ジャミルの
方こそ、どうしてたのさ?」
 
「俺の方は……浜辺に倒れてた、リトルも一緒に……」
 
「そっか、リトルも大丈夫だったんだ、良かった……」
 
「……はあ~……」
 
ダウドが聞くと、ジャミルは溜息をつく。
 
「どしたの、何かあった?」
 
「……いや、別に……、それよりも、二人とチビを探そう、
後、ラーミアも……、特にアルは今、魔法が使えねえ状態だから、
何かあったら心配だな……」
 
「うん、でもリトルはどうしてんの?一緒にいるんでしょ」
 
「あいつは寝てるから暫く放っておこう……、ダウド、お前森の方から
来たんだよな?他になんかなかったか?」
 
「奥の方まで行ってないから分からないよ……」
 
「そうか、なら森の奥まで足を踏み入れてみるか」
 
「うん……」
 
ジャミルはダウドを連れて森の奥を目指し、一緒に歩いて行く。
……ヘタレでも、やはり、仲間がいれば多少は心強さがあった。
 
「凄いね、密林みたいだあ……」