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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 光と闇

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話さなくて宜しいんですか……?」
 
ジャミルは怒り爆発寸前でもう話を聞く状態ではなかった……。
 
「そうですか……、あなたもいずれ僕の支配下に置き、教育を
施してやろうと思っていましたが……、そうですか、そんなに
死にたいのなら……」
 
「……!?」
 
「フ、フフフフフ、ふははははは!!」
 
闇の国の使者はジャミルを見ると、声を荒げて大笑いしだし……、
そして……。
 
「……死ぬが良い、……それを自ら望むのなら……、もう貴様は
仲間の所へ帰るなど不可能だ、心配せずともよい、此処で始末してくれよう……」
 
「お前も……、ドラゴンだったのか……」
 
「そう、……我も闇の力を持つダークドラゴン……、この世界の
支配権を人間共などに渡さぬ……、我ら闇の国の一族が支配する……」
 
「絶対に、テメエを倒してここから脱出してやる……、俺一人だって、
やってみせらあっ!!俺を舐めんなよ!!」
 
ジャミルはそう言うと王者の剣の矛先をダークドラゴンに向けた。
 
「いつまで強がっていられるか……、楽しみだな……、フフ、フフフフ……」
 
 
 
……一方の仲間達も最初は善戦していたが……。
 
「駄目だよおっ!多少のダメージ与えたぐらいじゃ、全然話に
ならないよっ!!……それに、雨で身体が冷えちゃって……、
何だか寒いよ……」
 
「ダウド、諦めないでっ!少しずつでも確実にダメージは
与えているんだから、もう少し頑張れば……、ジャミルが……、
きっと、きっと来てくれるわ……」
 
「……りゅ~……、腹減ったりゅ~……、もう、うごけんりゅ……」
 
「リトル、ありがとう……、よく頑張ってくれたね……、
後はもういいから……」
 
アルベルトはそう言い、小悪魔を抱き上げた。
 
「りゅ?金髪……」
 
「君も今すぐ、ファラの所まで避難するんだ、一緒にチビを守って
あげてくれないかな……?」
 
「けど……、おめーらだけじゃ心配りゅ……、よわっちいのに……」
 
「あまり考えたくないけど……、もしもの場合……、君だけは
逃げて欲しいんだ……、リトルは転生した友達を探す大事な役目が
残っているんだから……、大切な約束は絶対に守らなくちゃね……」
 
「金髪……、りゅりゅ……」
 
アルベルトは抱いていた小悪魔を静かにおろし、そして促す……。
 
「さあ、行って……!必ず僕らは勝ってみせるから……!
絶対負けたりしないよっ!!」
 
「フン……、おめーも約束守れりゅよっ!!」
 
アルベルトは小悪魔に頷き笑い掛けると草薙の剣を構え、
再びダークドラゴンの元へと走って行く……。
 
「クソッ……!バカ猿めーーっ!てめーがあっさり連れて
行かれたりするからリトル達はこんなエライ目に会うのりゅーーっ!!
糞バカウンコ猿ーーっ!!」
 
小悪魔は絶叫しながらどしゃぶりの雨に打たれ、皆のいる場所を離れる……。
 
「おめーら、もしも死んだら全員、特大生屁の刑りゅよーーっ!!
バカ猿ーっ、バカ金髪ーっ!バカ団子ーっ!バカヘタレーっ!
……バカドラゴン……、りゅ~……」

魔法、再び

「……りゅ~……」
 
「……?」
 
外から変な声がし、ファラは慌てて窓の外を見ると、頭部が
にゅっと突き出ている変な生き物を見つける。
 
「あ、あんた、確か……、リトルだっけ?ずぶ濡れじゃないのさ!
何そんなとこ突っ立ってんの!早く中に入りなよ!」
 
ファラはびしょ濡れの小悪魔を慌てて家の中に招き入れた。
 
「……すまんりゅ、……MPが尽きて……、金髪に撤退するよう
言われたりゅ、悪魔族……、魔界の王子として情けないりゅ……」
 
「やるだけやったんだからいいんだよ、ほれ、頭拭きな!
後はあんたは此処で皆の帰りを待てばいいんだよ!……よいしょ!
あ……?」
 
ファラは小悪魔の頭をタオルで拭いてやろうとするが、頭部が角上に
尖っている為、タオルが破けて突き抜けてしまった。
 
「……重ね重ねすまんりゅ……、りゅ……」
 
「……なになに?……えっ!?」
 
小悪魔はリィトになると、ファラからタオルを受け取り、
もう一度頭を拭いた。
 
「はあ~、……あんた人間にもなれるんだねえ……、結構
いい男じゃん……」
 
「……な、何だよ、それよりも、バカドラゴンは……?」
 
「……相変わらずこのままだよ、チビちゃん、寝てばっかりいちゃ
駄目だよ……、もうすぐ皆帰ってくるからね……、あんたも
頑張るんだよ……、ね?」
 
ファラはそう言うと、優しくチビの手を握りしめた。
 
「バカドラゴン……」
 
「……ぴ……、きゅ……」
 
「チ……、チビちゃん……?今、微かに反応した……、ねっ、あんたも
チビちゃんの手、握ってやって!ほら、早くっ!!」
 
「え?ええええっ!え、えと、えーと……」
 
「……お願いっ、早くっ!!」
 
「あああっ!くそっ、何で僕がこんな……、バ、バカドラゴンめ!
恥ずかしいだろ、……いい加減起きろっ!!」
 
顔を赤らめながらリィトも必死でチビの手を握りしめた。
 
「……ぴ、きゅぴ……」
 
「い、今……、きゅぴって、きゅぴって……、……チビちゃーん!!
本当に頑張るんだよっ!!……チビちゃん……」
 
皆の帰還を信じ……、ファラとリィトは必死でチビに呼び掛けるので
あった……。
 
 
 
「……きゃあーーっ!!」
 
「アイシャっ!!」
 
ダークドラゴンがアイシャの身体に体当たりし、アイシャは強く地面に
叩き付けられる。
 
「大丈夫!?今、賢者の石で回復するからね!!」
 
「……ダウド……」
 
しかし、間髪入れずにダークドラゴンは、今度はアイシャを
回復しようとしたダウド目掛けて猛突進してくる。
 
「……うわあああーっ!!」
 
ダウドも弾き飛ばされ、アイシャから離された挙句、賢者の石も
手放してしまう……。
 
「う、いたた……、あっ!」
 
ダウドがうっすら目を開けると、暗い周囲をほのかに照らす僅かな輝き……。
……まるで自分を呼ぶかのように賢者の石が小さく輝き、近くに転がって
いるのが分った。ダウドは急いで石を拾おうと……、身体の痛みを堪え、
よろよろと立ち上がる。
 
「やばっ、い、石を……、賢者の石を拾わないと……、あれがなくちゃ……」
 
「……グウウウゥ……」
 
「あっ……」
 
しかし、賢者の石を拾おうとしたダウドの目の前にダークドラゴンが
立ち塞がる……。
 
「何だよお……、どいてよ……」
 
「……ダウド……、だ、駄目……、うう……、に、逃げて……」
 
アイシャが何とか立ち上がろうとし、ダウドを助けに行こうとするが、
激痛で倒れたまま、それ以上動く事が出来ず……。
 
「ダウドっ!!逃げるんだっ……!!うああああっ!!」
 
「アルっ!!」
 
アルベルトがダークドラゴンに向けて決死の渾身の一撃を振り下ろすが
ダークドラゴンはびくともしない。
 
「グウウウウ……」
 
「あ……あああああっ!!」
 
「……アルーーっ!!」
 
ダークドラゴンがアルベルトの方を向き、爪攻撃でアルベルトの身体を
ざっくり引き裂く……。