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サブエピソード集・続勇者、始めます。

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「何よっ、かっこつけて!中身はリトルの癖にっ!」
 
「きゅぴ、でも……、リトル、前にカップラーメン
じゅるじゅる食べてたよお?」
 
「単なる我儘なだけだ、よしっ、あいつの分は俺がっ!」
 
「……アンタは食べ過ぎなんだよっ!これはチビちゃんが
食べるのっ、はいっ、チビちゃん!いっぱい食べなっ!!」
 
ファラはジャミルの後頭部をポカリとフライパンで殴ると、
リィトの分のカレー皿をチビの方へと回した。
 
「きゅっぴ、ありがとう、ファラ!」
 
アルベルトはカレーを食べながら……、そんな皆のやり取りを
微笑ましい目で眺めていた。
 
 
そして、夜……、ジャミルとアイシャは皆が落ち着いた頃、
外に出て星空デートを楽しんでいた。
 
「色々あったけど……、これでチビちゃんも、もう本当に大丈夫……、
なんだよね……、又、誰かに狙われたりしないよね……?」
 
「だといいけどな……」
 
「ジャミル……?」
 
「チビの生れつき持った、竜の女王から受け継いだ宿命の血は
決して消えない、何時、何が起きても不思議じゃねえよ……、
だけど……」
 
「……」
 
「これからも、俺達がチビを守ってやんなきゃ……、な……」
 
「ん、そうだね、……ジャミル……」
 
2人は暫らくぶりで唇を重ねようとするが……。
 
(……何か、許せんりゅ、この間っから……、団子を見てると
異様にムラムラしりゅるし……、いつも団子に的回りついてる
バカ猿も見てると殴りたくなりゅ……、何なのりゅ?これは……、
何だか分かんないけど、……邪魔してやりゅ……)
 
二人の様子をこっそりと、物陰から覗っていた小悪魔は、
呪文を唱え始める。
 
「……出でよっ!リトルの遣い魔軍団っ!」
 
「……?何か、やけに騒がし……、っ、ああっ!?」
 
「モンスターっ!?どうしてっ……」
 
ジャミルとアイシャの前に、小悪魔が召喚したモンスター
集団が現れた。
 
「けけっ!イチャイチャしてりゅ、不衛生なバカ二人を
お仕置きしてやるりゅ!……けけっ、けけっけけっ!
けけけのけー!」
 
「ぴい~?……リトル、何してるきゅぴ?あ……、分った……」
 
「りゅっ!バ、バカドラゴンっ!!」
 
隠れていた小悪魔、あっさりとチビに見つかるのであった。
 
「ジャミル~、アイシャ~、あのねえー!」
 
チビがふよふよと二人の処に飛んで来る。
 
「チビっ、危ねえぞ!……早く家にっ!!」
 
「このモンスターはリトルが呼んだんだよお、バカ二人
お仕置きするって言ってたよお……」
 
「……んきゃ~っ!バカドラゴンめえ~っ!!」
 
「ん?リトル……?だと……」
 
「バカ二人って……、私達の事……?」
 
「おめーらしかいねーだろうがよっ!りゅっ!……あ」
 
隠れていた小悪魔、自分から姿を現し、墓穴を掘った。
 
「そうかい、そうかい、どうも今更、こんなとこで
又モンスターが出るのはおかしいと思ったんだよなあ~……、
ふーん……」
 
「チビ、アルとダウドを呼んで来るね!」
 
「バカドラゴンめえ~……、余計な事をおおーっ!……じゃあ、
リトルは一旦逃げりゅ!もうこの際、バカ共を揃ってお仕置きして
やれりゅ!んじゃあね!」
 
「あっ!待ちなさいっ!これどうするのよっ!!」
 
「けっけーけ!けっけっけー!ちゃんとケツ拭けりゅよーっ!」
 
アイシャが怒鳴るが、小悪魔は遣い魔をその場に残し、
夜空へと逃走した。
 
「全くもうっ!何考えてるのよっ!!リトルの方こそ明日、
徹底的にお仕置きしてやるからっ!!」
 
「何も考えてねえのが小悪魔なんだから……、ま、仕方ねえのさ……」
 
「ジャミルーっ!アイシャーっ!」
 
「大丈夫ーっ!?」
 
チビが早速、アルベルトとダウドを連れて来る。
 
「二人とも来たよおーっ!」
 
「はいっ、ジャミルっ!王者の剣っ!!」
 
「よしっ、サンキューな、ダウドっ!」
 
ジャミルがダウドが投げた王者の剣を受け取り、身構えた。
 
「ま、下級雑魚モンスターだな、屁でもねえな、あの馬鹿も
気を遣ったのか知らんけど……」
 
「気も何も遣ってないわよ!もうっ!……こうなったら全力で
暴れてやるわっ!」
 
「……僕もっ!暫くは皆と一緒に戦えなくなっちゃうからね!」
 
「はあ、……もう勘弁してよお~……、うう、町民の皆さん……、
こんな夜遅くに……、毎度お騒がせ致します……」
 
「ぴいーっ!チビもやるーっ!」
 
 
4人は大量のモンスターを目の前にし、がむしゃらに突っ込んでいく……。
それでも4人の表情は何故か嬉しそうであった……。
 
 
翌朝……。
 
「で、昨日のは何だ?何が気に入らなかったんだ?
……言ってみろ、オラ!」
 
ジャミルは小悪魔をとっ捕まえ、質問攻めにする。
 
「りゅ、昨日の通りりゅよっ!不衛生なバカ二人をお仕置きして
やりたかったんだりゅ!」
 
「ふーん、じゃあ私も……、お仕置きしていい?」
 
小悪魔は、アイシャにスペシャルサービスで、今回は団子を
30発プレゼントされたのであった。
 
「はあ、全くもうっ!何考えてんのよっ!でもすっきり!
……チビちゃーん!一緒にお買いもの行きましょーっ!」
 
「りゅりゅりゅ、りゅ……」
 
「ん?オメー、やけに嬉しそうだな、殴られて気が狂ったか?」
 
「うるせーりゅっ!バカ猿っ!早く動物園に帰れりゅっ!」
 
小悪魔は又、窓から何処かへと飛んで逃げた。
 
「……変な奴だなあ、んとにっ!でもま、あれはあれで構うと
おもしれーけどなっ!」
 
 
「……りゅ、だ、団子から団子貰ったりゅ、……う、嬉しい、りゅ……」
 
 
小悪魔の中に微かにある、この不思議な気持ちを自分で
理解出来る様になるには……、まだまだ相当の年月が
掛りそうであった……。