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サブエピソード集・続勇者、始めます。

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「全く、すぐ飛びつくんじゃねーりゅ!……但し、……ドラゴンとして
じゃねーりゅ、今のお前のまんまを側近にするりゅ!だから、死んで
ドラゴンに生まれ変わったら探せだのふざけた事言ってねーで
さっさと病気なおせりゅ!分ったか!?りゅ……」
 
「……うん、約束するよ、リトル……、僕、ちゃんと何処かで働く……、
お金を稼いでお医者に行ってちゃんと病気治すよ……、だからそれまで
待っていてくれる……?」
 
「リトルは気がみじけーりゅ、けど一度言った事はまもりゅ……、
ちゃんとお前を側近にしてやりゅ、人間からナンバーワンの
悪魔族にしてやりゅ!」
 
「ありがとう、リトル……、人間から悪魔族になる事が
出来るんだね、凄いや……、かっこいいなあ……」
 
少年はそっと小悪魔の手を握りしめる。
 
「フン……」
 
 
……幸せな時間は永遠に続かず……。
 
 
それから数日後の早朝……、小悪魔は、冷たくなって
ソファーの上で死んでいた少年の姿を見る……。急に持病の
発作が出、静かに息を引き取った様であった。
 
「おい、……目を覚ませ……、りゅ、ふざけんなりゅ……、
……冗談じゃねえりゅ……、おい、……糞、返事しろりゅ……」
 
……悪魔族がまだゾーマの下部であった頃……、小悪魔は何度も
何度もこの目で、魔界の王である自分の父親が人間達を平然と
惨殺する光景を目の辺りにしていた。人間なんぞ大嫌いだった
小悪魔は別に何とも思わなかった。人間共が殺される事、いずれ
滅びる事、それが当たり前だと思っていた……。
 
しかし、今……、自分の目の前で……、動かなくなった少年を見、
初めて人間に対し、……不思議で複雑な感情が芽生える……。
 
 
「やっぱり……、人間なんぞ嘘吐きりゅ……、大嫌いりゅ……、
でも、リトルはちゃんと約束は守ってやるりゅ、お前をお前の
ままで側近にする事はもう出来ないけど……、でも……、必ず
見つけてやるりゅ……」
 
 
……小悪魔は少年の冷たくなった遺体を決して誰も訪れる
事の無いであろう……、薄暗い……、荒れた畑の傍に穴を
掘り亡骸を埋葬する……。
 
 
「もうお前の事なんか誰も知らないし、覚えてないりゅよ……、
ルンペンの野垂れ死にりゅ、けど、リトル様だけは覚えていて
やるりゅ、お前のその哀れな姿と存在、……惨めな一生を……、
この身体の中に取り込んでおいてやるりゅ……、お前を人間で
リトル様の一の子分に認定してやるりゅ……、有難く思えりゅよ、
人間なんぞ反吐が出るほど嫌いだけど……、お前だけは特別りゅ……」
 
 
……小悪魔は歩き出す。魔法を掛け、自らの姿を死んだ少年の姿に
変えてもう1人の自分となる。少年とのもう一つの約束を果たす為、
……そして、生まれ変わった彼と再び彼と巡り合う為……。
 
 
……でもね……、もしも僕が死んだら……、僕を探し出して
見つけてね、僕、必ずドラゴンに生まれ変わるからね……、でも、
生まれ変わったら……、僕は多分君の事忘れてると思うから……、
もしも僕の事、見つけてくれたら……、……記憶を思い出させてね……
 
 
そして……、暫しの時間は流れ……。
 
 
「……あの、皆さま……、お仕事をお探しですか……?」
 
「ん?あんた何だい?」
 
 
「……皆様に……、その、新たな洞窟の最初の探検者として……、
洞窟レポのお仕事をお願いしたいのですが……」
 
 
そして、……小悪魔の物語も動き出す……。
 
To Be Continued …


ラスト・エピソード

闇の国の使者との戦いも終り、アリアハンの民も漸く又当たり前の
生活を送る様になり……。
 
「きゅぴ、ファラ、チビがお皿運ぶきゅぴ!」
 
「ありがとーっ!チビちゃん!ホントにアンタって子はよく
お手伝いしてくれるから助かるよーっ、……ただ食べるだけの
どっかの野郎共と違ってさ!」
 
「……」
 
ファラが台所に引っ込むついでに……、男共を横目で見て
通り過ぎて行く……。
 
「はあ、大人になったね、チビちゃんも……、最近はあんまり
お漏らしもしなくなって……、自分で頑張ってご用意足しに
行ける様にもなったしね……」
 
「そうかあ~?昨日、又急に糞したいって催して困ってたけど
なあ~……」
 
何となく、アイシャが淋しそうな顔をしているのを見て、
ジャミルが横ヤリを入れてみる。
 
「食べ過ぎちゃうと、どうしても突然……、大量にするから……、
って、何でこんな話になるのよっ、ジャミルのバカっ!……私も
ファラのお手伝いしてくるっ!」
 
怒りながらアイシャが台所へと走って行き、その場には
男だけ残される。そして、黙っていたアルベルトが口を開いた。
 
「……僕は明日、故郷へ帰るよ、……チビ、アリアハンの皆と
仲良くするんだよ、まあ、チビなら心配ないと思うけどね、
……一応、ジャミルとダウドの言う事もちゃんと聞いてね……、
悪戯もしちゃ駄目だよ……」
 
「ぴい……」
 
寂しそうに項垂れるチビの頭をアルベルトが優しく撫でた。
 
「……一応てのは何だよ、まあ、アルにも随分冒険を
延長させちゃったしなあ……、暫くはアイシャも此処に
いてくれるからさ……、アルもあんまり心配すんなよ……」
 
「うん、チビもそんな顔しないで……、遠く離れてても
僕らはいつも一緒だからね……」
 
「ぴい~、ずっと一緒!チビ達、ず~っと友達!」
 
チビがアルベルトに頬を寄せ、スリスリしてくる。そして、
あっという間に夕方になる。小悪魔リィトも囲んでお楽しみの
夕食タイムとなった。
 
「今日はカレーか、ファラがいるからアイシャも変なモン
いれねえし助かるよ」
 
「……何よっ!ジャミルのバカっ!」
 
「アルベルトも……、明日から暫く皆と会えなくなっちゃうんだ
からさあ、今日は沢山食べて行ってね!おかわりもあるよ!」
 
「有難う、ファラ……」
 
……複雑な気分になりながら、アルベルトがカレーを口に運んだ。
 
「私もお手伝いしたもーんっ!ね、ファラ、私もおかわり
沢山していい?」
 
「うん、いっぱい食べなよ」
 
「きゅぴ!チビも食べるっ!」
 
「おい、団子……、そんなに食べたら団子がますます団子になるよ……」
 
「……またリィトってば……、どうしてそう……」
 
「ほっとけよ、ダウド、中身は小悪魔なんだからさ、しょうがねえよ、
口の悪いのはよ……、一生治んねえよ!」
 
……アンタもそうだろう……、とダウドは思うが黙っていた。
 
「……何よ、その言い方……、もういい加減にやめてよねっ!」
 
「団子なんだからしょうがないだろ、団子っ!」
 
「……ちょっとっ!」
 
「わわわ!やめなよお~、2人ともー!」
 
「……はあ、悪いけど……、やっぱりお前達人間の食べる物は
僕の口にはどうにも合わないみたいだ……、このカレーって奴、
どうも……、うんこみたいでさ……」
 
リィトはそう言って席を立つ。
 
「もういらないのかい?何処行くの?」
 
「散歩……」
 
ファラが訪ねると、リィトは後ろを向いたまま返事を返し、
そのまま外に出て行ってしまった。