zokuダチ。セッション5 騒動もっと盛り沢山編
大統領、参る?
今日は日曜日。んでもって、またマンションに新しい住人が入居して来た。
「やあ、どもどもどもっ!」
その男は軽く挨拶をし、マンションに入って来る。
黒毛ロンゲの青年で、……顔だけはイケメンであったが……。
「……あっ!」
いきなり……、共用玄関先で思いっ切り転倒したのであった……。
「あ、足がもつれちまった……」
「大丈夫ですかっ!?みらいー、リコー!大変っ!
このお兄さん、転がっちゃったよー!手を貸してー!!」
近場にいたはーちゃんが、1階の部屋にいるみらいとリコを大声で呼ぶと、
慌てて二人が部屋から飛び出して来た。
「平気ですか!?しっかりしてくださいっ!!」
みらいとリコが手を貸し、どうにか青年を助け起こす。
「ははは、わりいーねー、いやー、こんな可愛らしいお嬢さん達に
助けて貰えるとは……、俺ね、緊張すっと、何故か足がもつれて
すっころぶんだわ!」
青年はてへてへ、笑いながら頭を掻いている。
「あの、あなた、今日此処に入られる方でしょうか……」
「お?ああ、そうなんだけどさ……」
リコが訪ねると、何故か青年はちょっと困った表情をする。
「私、此処のマンションの担当責任者の方を呼んできますね、
ちょっとお待ち下さい……」
リコはそう言い、その場を離れた。
「中々しっかりしてんね、若いのになあ、俺とは大違いだわ!」
「……でも、リコってば、時々、真面目過ぎて……、色々悩んじゃう時も
あるんですよ……」
「だから、私達が色々、お話を聞いてあげたり、リコも私達の悩みや
お話を聞いてくれるし、お互いに支えあってるのっ!」
「そうか……、いや、俺にもね、昔ながらのダチがいっけど、
いっつも迷惑掛けてばっかなんだよ、それでも、よくダチやって
くれてると思うと……、本当に有難いね、君達も友情は大事にしなよ、
うん……」
青年は腕組みをし、一人で物思いにふけり、勝手に頷いた。
そして、マンションの担当責任者は……、自部屋でいつもの
メンバー……、ダウド、アイシャ、アルベルトの3人と、ピザの
宅配注文の激しいバトルを繰り広げていた。丁度ジャミルがお昼に
宅配ピザを頼もうとしていた処に、アイシャが2人を連れ、部屋に
押し掛けて来たのである。
「チーズダブルよっ!定番でしょっ!」
「いや、こってりのベーコンポテトがいいよお!」
「イタリアンシーフードがいいよ……、落ち着いた静かな海の感じで……」
「……お前らな、ええ加減にせえよ……、注文するのは俺なんだぞっ!!
何でオメーらが横ヤリ入れるんだよっ!!貸せっ、俺が食べたいのを
頼むんだっ!!」
「あ、……けち!」
ジャミルはダウドからピザの注文票をひったくると、携帯から
自分でピザ屋に宅配の電話を入れようとする。
「あ、もしもし?ペザーラさんっすか……?すんませんけど、
マルゲリータのソーセージミックスLを……」
「頼みませんよ、ベーコンポテトですよ!!」
「チーズダブルでっ!」
「……イタリアンシーフード!」
他の3人が電話越しに邪魔をし、妨害してくれるのであった……。
「ジャミルさん、お客様ですよっ、新しくマンションにご入居される方が
見えてます!」
リコがドアをノックし、ジャミルに声を掛けた。
「またか……、てか、何でいつも俺なん?」
「ジャミルさんは此処のマンションの責任担当者だからですよっ!
さあさあ、早くご挨拶に行って下さい!!」
「へえへえ、あ、アイシャ、今日は俺が部屋案内するから、オメー
此処にいていいぞ」
「そう……?」
ピザの注文も一時中断し、ジャミルはしぶしぶエントランスへ
向かうが……、一体、マンションの担当責任者、管理人とは何ぞや……、
と、未だに思うジャミルであった。
「あっ、来ました、あの人が……」
「はー!ジャミルだよ!とっても面白いお兄さんなの!」
「へえー、此処は管理人までこんなに若いんだなあ、ペ・ヤングマーン!
って、感じだよなあ!」
「……」
「あ、あれ?知らない?ペ・ヤングマン……、はあ、世代の違いかねえ……」
「で、あんたも今日から……、此処に入居すんだよな……?」
「おー!そうそう、自己紹介忘れてたっ!俺は、ラグナ・レウァール!
今はしがないジャーナリストのハシックレだけどさ、ま、一つ宜しく頼む!」
親指をびしっとつきだし、ラグナが挨拶する。
「記者さん……、なんですかあ、すごーい……」
「はー……」
「い、いや、本当に、んな大したタマじゃねえって、ははっ!本当だって!
ははは!」
「……んじゃ、アンタの部屋は2階にあるからさ、勝手に確認してくれや、
んじゃ……、これ、アンタの部屋の鍵だよ」
アイシャには、今日は自分で客を部屋案内すると言った物の。疲れて
セルフサービスに切り替えようとしていた。どうしようもない管理人である。
「あっ、ちょっと待って!俺、此処に来たばっかで、このマンションの
顔ぶれとかまだ全然わかんねーし!色々教えてくんねかね?」
ラグナはジャミルの肩を掴んで引き留めようとした。
「はあ、結局こうなるか、分ったよ……」
「おー!あんりがてえ!」
……どうにも、この男は時たま、奇妙な言語を使うらしかった……。
「良かった、それじゃ、私達、勉強の途中だったので、
部屋に戻りますねっ!」
「はー、ジャミルー!ラグナのお兄さーん、又後でねー!」
みらいとはーちゃんは自部屋へと戻って行く。
「さー、いこかね!お、お、お、おーっと!」
「……な、何やっ……、うわーっ!?」
いきなり、ラグナがすっころび、ジャミルを巻き添えにして
上に倒れて来た……。
「すまん、……またやっちまったよ、……さっき転がって……、
ぶつけた箇所がまだ痛くてよお……」
「……重いよ、あんた!早く立ってくれよ!」
「わり、ちょっと、肩貸して……」
「ったくっ、世話が焼けんなあ!!」
ジャミルはラグナを立ち上がらせ、肩を貸し、どうにか歩かせる……。
「階段、……ちゃんと、上がれるよな……?」
「多分、大丈夫のす……」
「……多分……?」
「よいしょ、まずは右足から……、っと!あ、あ、ああああ~っ!!」
「ま、待……うわーーっ!!」
酔っ払いの如く……、ラグナは階段で足を滑らせ、ジャミルを又も
巻き込んで正面を向いたまま、両者とも後ろ向きに転倒した……。
「……あてて、重ね重ね、申し訳ないね……、今度は後頭部
打っちまった……」
「……あーのーさーあー……」
2人とも……、真上を向いた体制のまま、肩を組んで転がっているので、
傍で見たらかなり間抜けな格好である。
「……プ、何やってるんスか……」
通りがかりのイガラシが笑いながら通り過ぎていった……。
「……笑ってんなら助けろーっ!!鬼畜猿ーーっ!!」
「えーと、あ、足に力を入れて、……いっせーので起き上がろう、
……せーの!」
ぐきっ!!
今日は日曜日。んでもって、またマンションに新しい住人が入居して来た。
「やあ、どもどもどもっ!」
その男は軽く挨拶をし、マンションに入って来る。
黒毛ロンゲの青年で、……顔だけはイケメンであったが……。
「……あっ!」
いきなり……、共用玄関先で思いっ切り転倒したのであった……。
「あ、足がもつれちまった……」
「大丈夫ですかっ!?みらいー、リコー!大変っ!
このお兄さん、転がっちゃったよー!手を貸してー!!」
近場にいたはーちゃんが、1階の部屋にいるみらいとリコを大声で呼ぶと、
慌てて二人が部屋から飛び出して来た。
「平気ですか!?しっかりしてくださいっ!!」
みらいとリコが手を貸し、どうにか青年を助け起こす。
「ははは、わりいーねー、いやー、こんな可愛らしいお嬢さん達に
助けて貰えるとは……、俺ね、緊張すっと、何故か足がもつれて
すっころぶんだわ!」
青年はてへてへ、笑いながら頭を掻いている。
「あの、あなた、今日此処に入られる方でしょうか……」
「お?ああ、そうなんだけどさ……」
リコが訪ねると、何故か青年はちょっと困った表情をする。
「私、此処のマンションの担当責任者の方を呼んできますね、
ちょっとお待ち下さい……」
リコはそう言い、その場を離れた。
「中々しっかりしてんね、若いのになあ、俺とは大違いだわ!」
「……でも、リコってば、時々、真面目過ぎて……、色々悩んじゃう時も
あるんですよ……」
「だから、私達が色々、お話を聞いてあげたり、リコも私達の悩みや
お話を聞いてくれるし、お互いに支えあってるのっ!」
「そうか……、いや、俺にもね、昔ながらのダチがいっけど、
いっつも迷惑掛けてばっかなんだよ、それでも、よくダチやって
くれてると思うと……、本当に有難いね、君達も友情は大事にしなよ、
うん……」
青年は腕組みをし、一人で物思いにふけり、勝手に頷いた。
そして、マンションの担当責任者は……、自部屋でいつもの
メンバー……、ダウド、アイシャ、アルベルトの3人と、ピザの
宅配注文の激しいバトルを繰り広げていた。丁度ジャミルがお昼に
宅配ピザを頼もうとしていた処に、アイシャが2人を連れ、部屋に
押し掛けて来たのである。
「チーズダブルよっ!定番でしょっ!」
「いや、こってりのベーコンポテトがいいよお!」
「イタリアンシーフードがいいよ……、落ち着いた静かな海の感じで……」
「……お前らな、ええ加減にせえよ……、注文するのは俺なんだぞっ!!
何でオメーらが横ヤリ入れるんだよっ!!貸せっ、俺が食べたいのを
頼むんだっ!!」
「あ、……けち!」
ジャミルはダウドからピザの注文票をひったくると、携帯から
自分でピザ屋に宅配の電話を入れようとする。
「あ、もしもし?ペザーラさんっすか……?すんませんけど、
マルゲリータのソーセージミックスLを……」
「頼みませんよ、ベーコンポテトですよ!!」
「チーズダブルでっ!」
「……イタリアンシーフード!」
他の3人が電話越しに邪魔をし、妨害してくれるのであった……。
「ジャミルさん、お客様ですよっ、新しくマンションにご入居される方が
見えてます!」
リコがドアをノックし、ジャミルに声を掛けた。
「またか……、てか、何でいつも俺なん?」
「ジャミルさんは此処のマンションの責任担当者だからですよっ!
さあさあ、早くご挨拶に行って下さい!!」
「へえへえ、あ、アイシャ、今日は俺が部屋案内するから、オメー
此処にいていいぞ」
「そう……?」
ピザの注文も一時中断し、ジャミルはしぶしぶエントランスへ
向かうが……、一体、マンションの担当責任者、管理人とは何ぞや……、
と、未だに思うジャミルであった。
「あっ、来ました、あの人が……」
「はー!ジャミルだよ!とっても面白いお兄さんなの!」
「へえー、此処は管理人までこんなに若いんだなあ、ペ・ヤングマーン!
って、感じだよなあ!」
「……」
「あ、あれ?知らない?ペ・ヤングマン……、はあ、世代の違いかねえ……」
「で、あんたも今日から……、此処に入居すんだよな……?」
「おー!そうそう、自己紹介忘れてたっ!俺は、ラグナ・レウァール!
今はしがないジャーナリストのハシックレだけどさ、ま、一つ宜しく頼む!」
親指をびしっとつきだし、ラグナが挨拶する。
「記者さん……、なんですかあ、すごーい……」
「はー……」
「い、いや、本当に、んな大したタマじゃねえって、ははっ!本当だって!
ははは!」
「……んじゃ、アンタの部屋は2階にあるからさ、勝手に確認してくれや、
んじゃ……、これ、アンタの部屋の鍵だよ」
アイシャには、今日は自分で客を部屋案内すると言った物の。疲れて
セルフサービスに切り替えようとしていた。どうしようもない管理人である。
「あっ、ちょっと待って!俺、此処に来たばっかで、このマンションの
顔ぶれとかまだ全然わかんねーし!色々教えてくんねかね?」
ラグナはジャミルの肩を掴んで引き留めようとした。
「はあ、結局こうなるか、分ったよ……」
「おー!あんりがてえ!」
……どうにも、この男は時たま、奇妙な言語を使うらしかった……。
「良かった、それじゃ、私達、勉強の途中だったので、
部屋に戻りますねっ!」
「はー、ジャミルー!ラグナのお兄さーん、又後でねー!」
みらいとはーちゃんは自部屋へと戻って行く。
「さー、いこかね!お、お、お、おーっと!」
「……な、何やっ……、うわーっ!?」
いきなり、ラグナがすっころび、ジャミルを巻き添えにして
上に倒れて来た……。
「すまん、……またやっちまったよ、……さっき転がって……、
ぶつけた箇所がまだ痛くてよお……」
「……重いよ、あんた!早く立ってくれよ!」
「わり、ちょっと、肩貸して……」
「ったくっ、世話が焼けんなあ!!」
ジャミルはラグナを立ち上がらせ、肩を貸し、どうにか歩かせる……。
「階段、……ちゃんと、上がれるよな……?」
「多分、大丈夫のす……」
「……多分……?」
「よいしょ、まずは右足から……、っと!あ、あ、ああああ~っ!!」
「ま、待……うわーーっ!!」
酔っ払いの如く……、ラグナは階段で足を滑らせ、ジャミルを又も
巻き込んで正面を向いたまま、両者とも後ろ向きに転倒した……。
「……あてて、重ね重ね、申し訳ないね……、今度は後頭部
打っちまった……」
「……あーのーさーあー……」
2人とも……、真上を向いた体制のまま、肩を組んで転がっているので、
傍で見たらかなり間抜けな格好である。
「……プ、何やってるんスか……」
通りがかりのイガラシが笑いながら通り過ぎていった……。
「……笑ってんなら助けろーっ!!鬼畜猿ーーっ!!」
「えーと、あ、足に力を入れて、……いっせーので起き上がろう、
……せーの!」
ぐきっ!!
作品名:zokuダチ。セッション5 騒動もっと盛り沢山編 作家名:流れ者