zokuダチ。セッション6 トラブルもどんと来い!?編
此方スネーク、変人屋敷侵入成功!前編
今度の事件はその日。島の郵便配達員であるドラゴンのチビが
ジャミル宛に巨大な段ボールを届けにエントランスに来た処から
騒動は始まる。
「ぴー!おとどけのお荷物でーす!はんこきゅぴー!」
「何だ何だ……、こりゃまた随分とまあ、でかい荷物だなあ……」
「早くはんこぴー!」
「分ってるよ、よいしょ、……これでいいか?」
「ありがとうきゅぴー!」
「それにしても、……誰だ?……何だ?これ、差出人が
書いてねえけど……」
ジャミルは届いた巨大な段ボールの宛名を確認するが、何処にも
相手の明記がないのである。
「そういうの駄目きゅぴ!ジャミル、ちゃんと差出人の人に
注意しておいてよお!」
「へえへえ、……って、誰から来たんか分かんねえのに
注意出来る訳ねえだろ!」
「きゅっぴぴー!」
チビは尻尾をふりふり、マンションから逃走した。
「たく、あの性悪あざとすドラゴンめ……、それにしても……」
「大きな荷物だねえ、ねえ、一体何入ってんの?」
「うわ!」
ダウド、ぬっと現れる。……どうやら、段ボールの中身に
期待を持っているらしい。
「凄いねえ、ねえ、中気になる!早く中開けてよお!」
「……うるさいっ!此処じゃ絶対開けねえ!ふ、ふんっ!」
ジャミルは意地でも段ボールを自部屋に持っていき、開封しようとするが。
……段ボールが重すぎで持ち上がらず。
「……畜生!こんなモン、チビの奴どうやって運んで来たんだよっ!
おかしいだろっ!!」
「あらら~、オイラ知らない、んじゃ、頑張ってねえ~!」
「ダ、ダウドてめっ!おいコラ!……薄情ものおーー!」
「ふ~んだ、中身見せてくんないんだもん、しーらない!」
いじけダウド、スタコラ自分の部屋に戻る。……エントランスに
残されたジャミル、持ちあがらない段ボールと格闘す……。
「うう~、誰か手伝ってくんねえかな……」
時折部屋から出てくる住人達を横目で見つつ、そう思うが、誰も手伝って
くれない様なので、ジャミルはもうええわいと思いつつ、仕方なしに
段ボールを蹴りながら部屋まで運んでいこうと決めた。自分の部屋は
1階にあるので、まだそれだけが救いであった。
「んじゃ、蹴ってみるか、……この距離から自分の部屋まで届くかね……、
よっ!……ド、ドライブシュート……」
「駄目よっ、ジャミルっ!大事な荷物にそんな事したら……駄目っ!」
「……あ、あら~?」
荷物を蹴ろうとしたジャミル、急に出て来たアイシャに止められ、
足を盛大に滑らせ宙を蹴る。
「オメーなあ……、いきなり出てくんなっての!」
「私も手伝うからっ!ほら、二人で荷物をお部屋に運びましょ?」
アイシャは優しいので、ジャミルにそう言ってくれるのは嬉しいの
だが、ジャミルでも重いのにアイシャではとても持ち上がりそうに
ないだろう。しかし、無理しなくていいと言った処で彼女が引く筈も
ないのも分かっていた。絶対に、「大丈夫だもん!」……と、無茶を
言うからである。またまたどうしたもんかとジャミルが困り始めた時……。
「んが~……」
「……?」
段ボールの中から、微かに鼾の様な音が……、聴こえる。
「ジャミル、……この中から……」
「ああ……」
二人は顔を見合わせる。そして頷く。今、この場で段ボールを
開封してしまおうと意見が一致した。
「はあ、さっきダウドがいた時から、やっぱり最初から
こうすりゃよかったあ、ぶつぶつ……」
言いながら、段ボールに貼られたガムテープをべりべりと
剥がしていく。アイシャも、どきどきしながら見守る中、
……箱の中から出て来たのは……。
「……此方スネーク、……変人屋敷に遂に潜入成功!」
「うわ!」
「きゃあ!?」
……中に入っていたのは、バンダナを頭に巻き、身軽な兵士
スタイルの格好の変な男。マシンガンやら、小型ミサイルやら、
危険武器に囲まれて幸せそうに眠っていた。恐らく先程
聞こえたのはこいつの鼾……、だろうが、寝ていた筈の男は、
段ボールの蓋が開いたと同時に勢いよく段ボール箱から
飛び出して来た。
「な、ななななな!また変なのかよ!いい加減にしろっ!」
しかし、危険物男はジャミルの叫びを無視、……アイシャに近寄る。
「ちょっと何よっ!来ないでよっ!」
「アイシャ!早く逃げろっ!」
「……嬢ちゃん、どうだい?俺とお茶でも?」
「は……」
アイシャは目が点になる。この変人男はどう見ても見るからに、
ホークと歳が近い様な感じである。しかし、平気でまだ10代の
彼女をナンパしてきたのである。同じ歳の若いジタンに散々
アプローチされた事は何度もある物の……、おっさんに直に
ナンパされたのはアイシャも初めてで、どうしたらいいのか
分からず戸惑う……。アイシャは困ってジャミルの方を見るが……、
情けない事にジャミルは固まって石になっていた……。
「ちょっとジャミルっ!しっかりしてよっ!バカーーっ!
……きゃ!?」
「う~ん、このぐらいの歳にしちゃ、ちょっと発育が悪いなあ、
もっとこう、ボインボインでないとなあ、ちょっと魔法の
マッサージで施してやろうか、……どら」
むにゅっ……
「きゃ、きゃ……」
変態男、アイシャの胸にボインタッチ……。
「……いーーーーーーーやあああああああああーーーーーーー!!」
此方スネーク、変人屋敷侵入成功!後編
アイシャの絶叫を聞き付け、お姉さま達が駆けつける。
……情けない事に野郎の出番は全くなく、素早く現れたバーバラ、シフ、
エレンにより、変態男はぎったんぎったんに叩きのめされた。
こういう時、真っ先に率先してでしゃばるジタンも今日はダガーの
付き添いでデパートに出掛けている為、不在。
「はあ、一体何事かと思えば……、ふざけんじゃないよ、アンタっ!」
「……全く、ふてぶてしい野郎だね!……おい、ジャミル、お前は
いつまで固まってんだっ!」
「あいてっ!」
ジャミ公、シフに竹刀で叩かれ、漸く硬直状態から立ち直り我に返る……。
「アイシャ、……もう大丈夫よ……」
「……ふええ、……クローディア……」
クローディア、脅えてしまっているアイシャを優しく抱擁し、
慰めた。
「……2度と起き上がって来れない様に、この際、徹底的に
痛めつけてやろうかしらっ!?」
エレンが指をぼきぼき鳴らした。しかし、変態男は直後……。
「そうはいかない、……俺も今日から暫くこの変人屋敷に
滞在させて貰う男……、スネークだ!」
「……何っ!?」
「何だとっ!!」
「……ちょ、ちょっと!」
「まあ……」
変態男……、スネークと言うらしい……、は、くるりとお姉さま方の
見ている前で一回転し、床に着地。
「まあ、そう言う訳でね、俺も今日から此処の客なのさ、一つ宜しく、
……麗しきお嬢様方……、その強気な姿勢、……いいねえ、気に入ったぜ……」
……スネーク、今度はいきなり跪いたかと思えば、素早くお姉さま方の
手の甲にキスをする。……シフは激怒し、再び竹刀を振り上げるが……。
今度の事件はその日。島の郵便配達員であるドラゴンのチビが
ジャミル宛に巨大な段ボールを届けにエントランスに来た処から
騒動は始まる。
「ぴー!おとどけのお荷物でーす!はんこきゅぴー!」
「何だ何だ……、こりゃまた随分とまあ、でかい荷物だなあ……」
「早くはんこぴー!」
「分ってるよ、よいしょ、……これでいいか?」
「ありがとうきゅぴー!」
「それにしても、……誰だ?……何だ?これ、差出人が
書いてねえけど……」
ジャミルは届いた巨大な段ボールの宛名を確認するが、何処にも
相手の明記がないのである。
「そういうの駄目きゅぴ!ジャミル、ちゃんと差出人の人に
注意しておいてよお!」
「へえへえ、……って、誰から来たんか分かんねえのに
注意出来る訳ねえだろ!」
「きゅっぴぴー!」
チビは尻尾をふりふり、マンションから逃走した。
「たく、あの性悪あざとすドラゴンめ……、それにしても……」
「大きな荷物だねえ、ねえ、一体何入ってんの?」
「うわ!」
ダウド、ぬっと現れる。……どうやら、段ボールの中身に
期待を持っているらしい。
「凄いねえ、ねえ、中気になる!早く中開けてよお!」
「……うるさいっ!此処じゃ絶対開けねえ!ふ、ふんっ!」
ジャミルは意地でも段ボールを自部屋に持っていき、開封しようとするが。
……段ボールが重すぎで持ち上がらず。
「……畜生!こんなモン、チビの奴どうやって運んで来たんだよっ!
おかしいだろっ!!」
「あらら~、オイラ知らない、んじゃ、頑張ってねえ~!」
「ダ、ダウドてめっ!おいコラ!……薄情ものおーー!」
「ふ~んだ、中身見せてくんないんだもん、しーらない!」
いじけダウド、スタコラ自分の部屋に戻る。……エントランスに
残されたジャミル、持ちあがらない段ボールと格闘す……。
「うう~、誰か手伝ってくんねえかな……」
時折部屋から出てくる住人達を横目で見つつ、そう思うが、誰も手伝って
くれない様なので、ジャミルはもうええわいと思いつつ、仕方なしに
段ボールを蹴りながら部屋まで運んでいこうと決めた。自分の部屋は
1階にあるので、まだそれだけが救いであった。
「んじゃ、蹴ってみるか、……この距離から自分の部屋まで届くかね……、
よっ!……ド、ドライブシュート……」
「駄目よっ、ジャミルっ!大事な荷物にそんな事したら……駄目っ!」
「……あ、あら~?」
荷物を蹴ろうとしたジャミル、急に出て来たアイシャに止められ、
足を盛大に滑らせ宙を蹴る。
「オメーなあ……、いきなり出てくんなっての!」
「私も手伝うからっ!ほら、二人で荷物をお部屋に運びましょ?」
アイシャは優しいので、ジャミルにそう言ってくれるのは嬉しいの
だが、ジャミルでも重いのにアイシャではとても持ち上がりそうに
ないだろう。しかし、無理しなくていいと言った処で彼女が引く筈も
ないのも分かっていた。絶対に、「大丈夫だもん!」……と、無茶を
言うからである。またまたどうしたもんかとジャミルが困り始めた時……。
「んが~……」
「……?」
段ボールの中から、微かに鼾の様な音が……、聴こえる。
「ジャミル、……この中から……」
「ああ……」
二人は顔を見合わせる。そして頷く。今、この場で段ボールを
開封してしまおうと意見が一致した。
「はあ、さっきダウドがいた時から、やっぱり最初から
こうすりゃよかったあ、ぶつぶつ……」
言いながら、段ボールに貼られたガムテープをべりべりと
剥がしていく。アイシャも、どきどきしながら見守る中、
……箱の中から出て来たのは……。
「……此方スネーク、……変人屋敷に遂に潜入成功!」
「うわ!」
「きゃあ!?」
……中に入っていたのは、バンダナを頭に巻き、身軽な兵士
スタイルの格好の変な男。マシンガンやら、小型ミサイルやら、
危険武器に囲まれて幸せそうに眠っていた。恐らく先程
聞こえたのはこいつの鼾……、だろうが、寝ていた筈の男は、
段ボールの蓋が開いたと同時に勢いよく段ボール箱から
飛び出して来た。
「な、ななななな!また変なのかよ!いい加減にしろっ!」
しかし、危険物男はジャミルの叫びを無視、……アイシャに近寄る。
「ちょっと何よっ!来ないでよっ!」
「アイシャ!早く逃げろっ!」
「……嬢ちゃん、どうだい?俺とお茶でも?」
「は……」
アイシャは目が点になる。この変人男はどう見ても見るからに、
ホークと歳が近い様な感じである。しかし、平気でまだ10代の
彼女をナンパしてきたのである。同じ歳の若いジタンに散々
アプローチされた事は何度もある物の……、おっさんに直に
ナンパされたのはアイシャも初めてで、どうしたらいいのか
分からず戸惑う……。アイシャは困ってジャミルの方を見るが……、
情けない事にジャミルは固まって石になっていた……。
「ちょっとジャミルっ!しっかりしてよっ!バカーーっ!
……きゃ!?」
「う~ん、このぐらいの歳にしちゃ、ちょっと発育が悪いなあ、
もっとこう、ボインボインでないとなあ、ちょっと魔法の
マッサージで施してやろうか、……どら」
むにゅっ……
「きゃ、きゃ……」
変態男、アイシャの胸にボインタッチ……。
「……いーーーーーーーやあああああああああーーーーーーー!!」
此方スネーク、変人屋敷侵入成功!後編
アイシャの絶叫を聞き付け、お姉さま達が駆けつける。
……情けない事に野郎の出番は全くなく、素早く現れたバーバラ、シフ、
エレンにより、変態男はぎったんぎったんに叩きのめされた。
こういう時、真っ先に率先してでしゃばるジタンも今日はダガーの
付き添いでデパートに出掛けている為、不在。
「はあ、一体何事かと思えば……、ふざけんじゃないよ、アンタっ!」
「……全く、ふてぶてしい野郎だね!……おい、ジャミル、お前は
いつまで固まってんだっ!」
「あいてっ!」
ジャミ公、シフに竹刀で叩かれ、漸く硬直状態から立ち直り我に返る……。
「アイシャ、……もう大丈夫よ……」
「……ふええ、……クローディア……」
クローディア、脅えてしまっているアイシャを優しく抱擁し、
慰めた。
「……2度と起き上がって来れない様に、この際、徹底的に
痛めつけてやろうかしらっ!?」
エレンが指をぼきぼき鳴らした。しかし、変態男は直後……。
「そうはいかない、……俺も今日から暫くこの変人屋敷に
滞在させて貰う男……、スネークだ!」
「……何っ!?」
「何だとっ!!」
「……ちょ、ちょっと!」
「まあ……」
変態男……、スネークと言うらしい……、は、くるりとお姉さま方の
見ている前で一回転し、床に着地。
「まあ、そう言う訳でね、俺も今日から此処の客なのさ、一つ宜しく、
……麗しきお嬢様方……、その強気な姿勢、……いいねえ、気に入ったぜ……」
……スネーク、今度はいきなり跪いたかと思えば、素早くお姉さま方の
手の甲にキスをする。……シフは激怒し、再び竹刀を振り上げるが……。
作品名:zokuダチ。セッション6 トラブルもどんと来い!?編 作家名:流れ者