zokuダチ。セッション6 トラブルもどんと来い!?編
「何だよ、アンタの彼女だろ?何で、んな嫌そうな顔するんだ?」
「彼女なんかじゃねえよ、……オレにはつり合いが
取れなすぎるんだよ……、ダガーは雲の上の人なんだ……」
急にジタンが俯いて、淋しそうな表情をする。
「ふーん?で、ダガーがいると、他の女をナンパしづらい
からか?オメーは結局、彼女が好きなのか?どっちだ?
はっきりしろ、このスケベ野郎!」
「……た、例えだな、……ダガーがオレの……、コレになって
くれたしてもっ、オレは世界中のレディとお友達になるんだよーーっ!!
オレの願望と野望だーーっ!!」
「やっぱり、ただのスケベじゃねえか……」
そして、日曜日……。
魔法ガールズ、美奈子、アイシャ、ダガー、ジタン、ジャミル+野原家の
ガキんちょ……、は、揃って市民プールへとぞろぞろ出掛ける。
魔法ガールズ組は、TV本編時の海水浴時に着用していたそれぞれの水着、
アイシャはペチャパイさんでもOKなフリルワンピースタイプ、ダガーは
ホルタータイプ系である。……美奈子は……、野郎悩殺用なのか、
上はセクシービキニで、下にはパレオを巻いている。
「……しっかし、相変わらず、お前も胸ねえなあ……」
〔げんこつ〕
「……いっつ~……」
「ふんだ!ジャミルのバカっ、スケベっ!!」
このマンションの先住人の女子もどんどん強くなっていく……
「あははーっ!プールだあーっ!ワクワクもんだぁーっ!」
「はーっ!早く泳ぎたいねーっ!」
「泳ぐモフーっ!」
「二人とも、そんなにプールサイド走ったら危ないわよーっ!!」
相変わらず、心配性のリコがみらいとはーちゃん、二人に
大声で注意する。
「よっしゃあー!いい男、ここらで一発ゲットよーっ!」
「……美奈ーーっ!」
このコンビも相変わらず。レーダーを張り、イケメンを狙う美奈子……、
と、苦労ネコ、お目付け役のアルテミス。
「……プール、の、中に……、石……、が、ある……」
「ちょい待ちっ!……んなモンねえからっ!頼むから大人しく
しててくれっての!」
「……ボ」
ジャミルはプールに頭から突っ込みそうになったボーちゃんを
思わず必死で掴んだ。
「お~?」
「たいやい?」
「はあ、私、泳げないのよねえ~、情けないけど……」
「……一応、泳げるけど、私もそんなに泳ぎ得意じゃないし……」
「わ、私も……、です……」
悲嘆に暮れるリコにアイシャがぼそっと呟き、ダガーも恐る恐る、
手を上げた。
カナヅチ下手糞系組 リコ アイシャ ダガー
優等生+多分普通組 美奈子 ことは みらい
護衛? 野郎 ジャミル ジタン
ガキ しんのすけ ひまわり ボーちゃん
「……で、俺はどうすりゃいいんだい?駄目組の方、コーチして
やろうか?」
「水泳教室じゃないんだから、いいわよっ!自由にしてて、今日は
遊びに来てるんだから!それに、ジャミルはすぐ怒るしスパルタ
なんだもんっ!」
横を向いてアイシャが膨れる。
「……しごかなきゃ上達しねえだろうがっ!!」
「じゃ、じゃあ……、その役目はオレが……!」
と、ジタンが片手を上げ、名乗り出た処に、ダガーがしんのすけと
ボーちゃんを突き出した。
「おお?」
「……ボ……」
「私達がひまわりちゃんの方を預かるから、ジャミルとジタンは
この子達をお願いね……」
女の子達はジャミル達にうるさい荷物を預け、さっさと
プールの方に移動した。
「……いいんだよ、オレにはこれがあるから……、よしっ!双眼鏡で
水着のお姉さん観察だっ!」
「ほほーい!尻尾のお兄さん、中々やりますなあ~、オラにも
貸してくれる?」
「おっ、一緒に見るか?しんのすけ!」
「ブ・ラジャー!」
「……ボ」
「……に、似た者同士、バカ兄弟……???」
そして、此方も。
「ああ~ん、中々いい男って引っ掛からないモンなのねえ~、
こうなったらいっその事わざと溺れてカッコイイ監視員さんに
助けて貰って……、ああ、素敵な出会い……」
と、言い、美奈子はちらっと監視台の方をちら見。……本日の
監視員の方はムキムキマッチョで汗臭そうな身体中胸毛だらけの
赤いビキニパンツのおっさん。
「……やめたやめた、やっぱ、アタシはアタシだけのヒトを
追い掛けるのよっ、待っててねえ~、グレイさ~ん、……まだ
見ぬ美奈子の王子様ああーー!」
「……美奈……、だ、誰も待ってないから……、とほほ~……」
「……げっぷ……」
残されたジャミルは、チェアに座って売店で買ったジュースを
飲みまくり、泳ぎにも行かず、只管昼寝……。ジュースの飲み過ぎで
胃と腹はタポンタポン。……ついでにたこ焼きをやけ食い、お腹の
中へと押し込んだ。
「へへーい!そこのおねいさーん、オラと一緒にミルク飲みに
行きませんかーっ!?あ、ねえねえねえ、かーのじょっ、
あそんでええーん!」
「あはは、やだっ、見てっ、可愛いー!」
水着のお姉さん達が笑いながらしんのすけに手を振る。
「お前、すげえなあ、幼稚園児の癖に、よし、オレもっ!」
……急にジタンが気合を入れ出した。
「ねえん、おねいさあーん!オラの尻尾見てーっ!可愛いでしょっ!
……実は、前にも尻尾が……」
……みしっ……
「……何してるの、ジタン……、全く、はあ……、猫の手ラケット
持って来ておいて良かったわ、やっぱりあなたから目を離すと駄目ね、
じゃあ、しんちゃんとボーちゃんも私達と一緒に、ね?」
「ほほーい!」
「……ボー」
「……とほほ、面目ねえ……」
ダガーがジタンを引っ張り、プールの方に連れて行った。
……結局、ジャミルは一人になり、只管だらしなく寛いでいた。
其処にアイシャがとてとてやって来る。
「起きなさいよっ!もうっ!だらしないなあ~、ほらっ、立って!
……口の回り中、青のりが付いてるわよ……、何食べたの……」
「……今は、立たない、俺のは元気がない……、ほっとけ……」
「……ちょ、それじゃないわよっ!ジャミルのバカっ!!
……少しぐらいなら……、しごいてもいいから、泳ぎ、教えてよ……、
上手くなりたいのよ」
顔を赤くして、アイシャがジャミルの手を取った。
「え?ええっ、マ、マジっ!?」
「うん……」
ダラダラしていたジャミルが急に起き上がった。どうやらこの展開を
待っていたらしい。
「だから、早く行こうよ……」
「よしっ、行くべっ!」
……やっと、ジャミルの青春が動き出した処に……。
ポツ……
「あれ?雨だ……」
「降って来ちゃったね……」
「……ウソ……、だろ……」
……ジャミルが呆然とする中、プールで遊んでいた女の子達も
慌てて引き返して来た。楽しいプールも本日はお開きである。
「ジャミルが、あそこで蹲ってるケド、……ぷっ、やだ、お腹でも
壊したワケ???」
美奈子が指差す方向を全員が一斉に見た。
「……」
「ちょ、ちょっと、いじけちゃってるの、あはは、皆、
気にしないで、……ホラっ、ジャミルっ、立って!
着替えて帰るよっ!みっともないでしょっ!!」
「……ちーきーしょおおおー……、何で室内プールじゃ
作品名:zokuダチ。セッション6 トラブルもどんと来い!?編 作家名:流れ者