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zokuダチ。セッション7 夏はすぐ其所編

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ジャミルの長い一日、変人さんラッシュ

「……ごーんにーぢわあー……」


「ジャミル、又誰か来てるよ、今度は青い狸と眼鏡の人が来たよ!」

いつもの一声、今日はダウドがジャミルを呼びに来た。

「俺、今、手が離せないんで……」

「何がだよお!きのこの山もりもり食べてるだけじゃないかあ!」

ダウドは怒りながら、自分も一個、横からきのこの山を
ひょいっと摘んだ。

「……あ、俺のっ……!!」

「いいから早く行きなよお!お客さん待たせちゃ駄目だよ!」

ダウドは調子に乗り、また一つ、……また一つと、きのこの山を
どんどん口に入れ始める。

「おい、それ俺のだかんな、……残しとけよ、ぜーったい、残しとけよ!」

「ん、分かってるよお、行ってらっさい」

きのこの山を心配しながら玄関に行くと、確かに青い狸と、
同じく顔が青ざめた変なメガネ君が待っていた。

「ごんにぢわ、ぼぐどらいもんでず、じんじょうひんの
ゼールズにぎまじだ」

「……ぼく達は、株式会社、ノビータの者です、お願いです、
買って下さい……、買ってくれないと生活が……」

(押し売りかよ……)

「わりいけど、ウチは要らねえから帰ってくれる?」

「なんででずが?ぎみはいらなぐても、ごごはまんじょんでじょ?
ほかのがだがほじいひどがいるがもじれないでじょ!!」

……狸は濁声で延々と商品のセールスを始めるのであった。

「一応、何取り扱ってるか、それだけでも見てやらあ、高かったら
買わねえけどな」

と、口では言うが、結局は買う気など心にもないジャミ公。

「でわ、ごれ、ガタログでず、ごらんになっで……、うふふ~」

「ふーん、……新商品、地球破壊爆弾……、て、おい……」

「ぐふふうー」

「……ぐふふうー、じゃねえっつんだよ!帰れコラ!!」

ジャミルは慌てて狸と眼鏡を蹴って追い返した。


「……たく!」

ブリブリ怒りながら自部屋へ戻ると、哀れ、きのこの山はもうダウドが
食べ尽くした後であった。

「だって、手が止まらなくなっちゃったんだよお~!……珍○の
山ならあるけど……」

「……いらねーよっ!後で責任もってプレミアム買って来いっ!!」

「あうううー!」

ジャミル、不貞腐れて部屋で昼寝を始める。そして、漸く心地よい
眠りにつき始めた頃。

「ジャミルっ、お客さんよ、何かね、縞々のちゃんちゃんこ
着てる子でね、喋る目玉さんも一緒なのよ!」

……結局、又アイシャに起こされるのである。

「うう~……、何でいつも本当に俺なんだよ、全く全く全く、
……まあーったくううううー!!」

寝起きで更にジャミルの機嫌の悪さが悪化する。

「父さん、間違いないです、此処にいる筈です、妖気が漂っています!」

「ウム、間違いないのじゃな、ギ太郎!」

……エントランスには又、訳の分からない連中が現れ、ジャミルの
機嫌メーターのレベルが不機嫌LVマックスの赤になりそうであった。

「ハッ!あ、妖しい妖気がどんどんどん……、あああ!父さん、
見て下さい、僕の髪の毛がこんなに逆立ってます、……と、
あそこもこんなに立ってます……!!」

「おい……!何だよ、オメーら!別に此処に入居する訳じゃ
ねえんだろ、だったら……」

「すみません、勝手に入ってしまった事はお詫びします、
……ですが、此処にどうやら凶悪な妖怪が入り込んでいる様
なんです……!!」

「妖怪だと……?」

「うむ、わしら親子は悪い妖怪を退治して回っておるのじゃよ……」

ボイスチェンジで声を変形させた様な声で、目玉が淡々と喋った。

「……はっ、父さん、来ました、妖怪ですっ!!」

「遂に現れおったか!!」

「で、出たのかっ!?」

ジャミルが慌てて後ろを振り向くと、其処にいたのは……。

「……何さ、あんた達、何騒いでんだい……?」

バーバラであった……。

「出たなっ、妖怪厚化粧婆!!……僕等が来たからにはお前の
好きにはさせないぞっ……!!」

「……あーんだとおぅぅぅ……?」

妖怪厚化粧婆は変な親子を追い掛け、そのまま外へ走って行った。

「はあ、ありゃ負けるな、強いぞおー、妖怪厚化粧婆は……、
俺知らね……」

ジャミルは事が済んだようにやれやれと部屋に戻って行った。


PM:19時……

「zzzz」

「ジャミルったら、又寝てるの?そんなに寝たら、これから
寝られなくなるよっ!」

「起こさないでくれ、アイシャ、俺は今日、何故か倍眠い日なんだよ……」

「何言ってんのよ!ご飯も食べないでっ!寝太郎になっちゃうでしょ、
ほら、しゃきっとしなさいよっ!」

アイシャに背中を叩かれ、ジャミルは漸く観念した。

「ねえ、眠気覚ましに公園行こうか?夜風で目も覚めるよ!」

「いいのか?……こんな日は狼さんが出るんだぞー!」

「……シルベンの事?クローディアの部屋にいるわよ?」

「けっ、オメーって、ほんっと、お子ちゃま!!……まあいいや……」

ジャミルは舌うちをするとアイシャよりも先に歩き出す。

「……変なジャミル、変なのはいつもなんだけど……」


「おう、おめえか?賊組の邪美瑠ってんのはよ……」

「……はあ~?」

本日ン回目、エントランスに行くと、又変なのが待ち構えていた。

「おりゃあ、天茶中の山崎銀次郎っつーモンだあ、……俺の子分の
コオロギと勝が、おめえにボコボコにされたって聞いてよ、
……仇討ちに始末付けさせて貰いに来たんじゃあ……」

「わあ、あなた、変わった格好してるのねえー!」

……大昔の学帽に学ランスタイル、そして、腹巻である……。

「け、女連れかよ、どうせパイパイでも飲んどるんじゃろうが……、
それにお前、チビじゃの……」

「な、何いっ!?何だテメー!!いきなりっ!!それに、おめえの
子分なんか顔も見た事ねえっつんだよ!……変な言いがかりつけんなっ!!
……オメーだって背が低いじゃねえか!!」

「あの、多分、人違いだと思うわ……」

アイシャも声を掛けるが、キレてる銀次郎、言う事を聞かず、
着ていた学ランをばっと放り投げた。

「……うるせーこの野郎!!メスは黙ってろ!男、山崎銀次郎、
売られた喧嘩は返したらああああーーっ!!」

「いらねーモンをてめーが売ってきたんじゃねーかっ!!
……あああーッ、こうなったら……、やってらあーーっ!!」

「タイマン勝負じゃいーーーっ!!」

……急に暑苦しい劇画バトルが始まりそうになるが……。

「だめえええーーーっ!!こんなとこで、喧嘩しちゃ駄目なのーっ!!
きゃーーっ!!」

アイシャが間に割って入り、銀次郎に拳パンチする……。

「……おああああーーっ!!ごべっ……」

「マンションの皆の迷惑なのーっ、やめてえええーーっ!!」

覚醒暴走モードアイシャ、勢いが止まらず、更に銀次郎に
飛び蹴りを噛ます……。

「ぐ、ぐふっ……、ぐえっ……」

「おい、大丈夫か?……首の骨……、折れたんじゃね……?」

「……ふぇぇ、怖かったよう……、あれ?あなた、どうして
倒れてるの!?大丈夫!?」

また暴れた時の記憶がないらしく、アイシャが銀次郎を
慌てて助け起こした。