zokuダチ。セッション8 さらにトラブル続発編
「あの、……お兄さん、今日、初めまして……、ですよね……?
僕ら何処かでお会いした事がありましたっけ……?」
「!か、風間……っと、やべ!」
「えっ?やっぱり、知ってるんですか?どうして……?」
どうやら、防衛隊の方も、昨日の事は全く記憶にない様で、
初対面の筈のジャミルを不思議がる……。
「なーんか、ネネ、お兄さんと会った事ある気がするのよねえ~、
どうしてかしら……」
「えへへへ……、何か、ふしぎだねえ~……」
「……い、いや、んな事ないぞっ、俺はお前らなんか全然知らねーぞ、
これっぽっちも……、今初めて顔合わせたんだろうがよっ……!!」
「いいえ、……そんな事ないですわ……!」
「……う、うわ!」
あいちゃんがジャミルに顔を近づけ……。
「これは、前世からのきっと、巡り合いですわ……、そうよ、あい達、
時を超えて、今日、巡り合う運命だったのですわ……!だって、あい、
お兄さんの事、何だかずっと昔から知っている様な気がするのですもの!!」
「……あ、あいちゃあ~ん……」
「ケッ、……勝手にやっとれ、この尻軽女めがあ!!」
「ひ、ひえええええ~っ!!」
……ジャミル、暑さと恐怖で冷や汗ダラダラである……。
「ほおほお~、何だか分りませんが、凄い恋ですなあ~……」
「……はっ、しん様っ!!だ、駄目っ、……私には、しん様、
しん様があああーーっ、で、でも……、この恋は……、この恋は……」
「本当に、何だか分かんねえ、じゃっ……!」
「……ああっ、お、お待ちになってえーっ!私の前世の愛しい方っ!!」
早足で逃走しようとするジャミルをあいちゃんが追い掛ける。
「オラも一緒に逃げる、ねえ、何処行くのー?」
「……オメーのダチだろうがっ!!ついてくんなっ、ちゃんと
相手しろってのっ!!」
「しん様っ、しん様っー!!あいは、あいは、一体どちらの殿方を
お婿さんに選んだらいいのかしらっ!!」
「勝手に選んどけっ!!こんのボォケ女めがああっ!!」
「……あいちゃんっ、まってええええっ!!」
「ぼ、僕だってっ、……マサオ君、抜け駆けは許さないぞっ!!」
「……ボオオオオ~!!」
……色んな人間同士が複雑に絡み合い、今日もこのマンションは平和です……。
作品名:zokuダチ。セッション8 さらにトラブル続発編 作家名:流れ者