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zokuダチ。セッション9 集え英雄(ヒーロー)編・1

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集えヒーロー・1 発端編

「……雨だな……」

「雨、だねえ……」

ある日の日曜。窓の外を二人そろってアホの様に眺める
ジャミルとダウド。梅雨入り前なのに此処の処、異様に雨ばかり
降っている冴えない天気ばかりである。

「うーんっ!つまんなあーいっ!!」

「……オウっ!?」

水着と浮き輪装着姿のアイシャがジャミルの部屋にとてとて入って来た。

「……アホかお前、何て恰好してんだよっ!!んなカッコで
チョロチョロすんなっ!早く着替えて来い、しっしっ!」

「とか、何とか言ってさあ~、ホントは嬉しい癖に~……、
おスケベさんねえ~……」

「何だっ、ダウドっ!」

「何でもないですう~!」

「だってー、これじゃプール行けないじゃない、……ここんとこ
ずーっとこうなんだもん、つまんないよー!ぶうー!だからせめて、
気分だけでも味わってるのっ!」

「俺に文句言うなよ、天気に言ってくれや……」

「……あ、じゃ、アイスおごってー、ねえねえ!」

「おい、何でそうなる……」

「あ、じゃあ、折角だからオイラも波に乗ろうかな……」

「……君達、お兄さんはこれでも忙しいんだよ、じゃあな……」

逃げてその場から去ろうとしたジャミルにダウドとアイシャが
飛びついて来た。

「駄目っ!そんな事言って、どうせ又タバコ買いに行くんでしょっ!」

「……アイスう~!!」

「しつこいぞっ、お前らっ!!」

……アイシャとダウドに取りつかれたまま根性で玄関に向かうと
又誰か来ていた様であり、シフと立ち話していた。

「IRPO……?知らないねえ……」

「俺達は特殊秘密組織の者です、……決して怪しい者では……」

見た処、20歳前後ぐらいの若者であったが、青い髪の毛がツンツン逆立ち、
まるで鳥の巣の様な何となく鬱陶しい様なヘアタイルであった。

「いや、どう見たって怪しいだろ、その頭……、パイナップルの
先みてえな……」

「んだとっ!ヘアスタイルは関係ないだろうがよっ!!」

ツンツンヘアの青年は、髪型をコケにされ、かなりジャミルに対して
相当激怒している様子であった。

バキッ!

「……ったあーっ!!」

「わりィすねー、ウチのモンがご迷惑お掛けしました様で、こいつ、
一応見習いでまだ入ったばっかりなんで、新米ですんで、まあ一つ
勘弁してやって下さいねえー!」

青年は、後から来た別の青年に後頭部に踵落しを喰らったようであった。

「何すんだよっ、ヒューズっ!!」

「るせー!テメーは黙って大人しくしてろっ!!あ、それでですね、
俺たちゃ本当に怪しいモンじゃねえんですぜ、これ、名刺……」

「……Inter Region Patrol Organization  これの略でIRPOなのかい、
ふ~ん、で、これが何だって……?」

名刺を覗き込んでいたシフは良く分からんといった様な
怪訝な表情を見せた。

「それにしても……、お嬢ちゃん、随分とまあ大胆だねえ、そんな恰好で、
若いっていいねえ、羨ましいねえ!!」

ヒューズと呼ばれた青年が先程からアイシャの水着格好が
気になっていたらしくアイシャをじろじろ眺めていたのであった。

「きゃ、や、やだっ!!」

「……だから言ったんだよっ、早く着替えて来いっ!!」

流石のアイシャも漸く部屋へと着替えに慌てて戻って行った。

「ははは、安心しな、俺はロリコンじゃないからさ、それよりも
本題に入ろう、俺達はある悪の組織を壊滅させる為に戦っている、
奴らはリージョンシップと呼ばれる特殊な船で移動し、今回はこの島に
逃げて来たってワケ!」

「えー!?わ、悪い奴が、この島に潜伏してるの……?」

「そうだよ、ボウヤ、組織の名前はブラッククロスだ……」

ダウドがオロオロしながらジャミルの顔を見上げた……。

「……まあ、この話に至ってはそんな大事にならねえだろ、
心配するこたあねえよ……」

「そうかも知れないけどさあ……、何で悪の組織がこんなとこ来るの?
何かこの島に重大な秘密が隠されてるとか……」

「組織の拡大の為に恐らくこの呑気な島の征服を狙ったのさ、
乗っ取るつもりだろう……、この島をな……」

「……え、えええ~?こんな変な島を……?か、変わってる……」

「フン、馬鹿な事を考える輩もいたもんだ、下らない、
まあ、いざとなったら、この性悪ボウズが何とかしてくれるさ……」

「あのさあ……」

シフがジャミルの顔を見て、笑いながら部屋に引っ込んで行った。

「オイラも部屋に戻るよ、じゃあ……、お仕事頑張って下さい……」

ダウドもそそくさと部屋に逃げて行き、……いつも通りジャミルだけが
取り残された。

「で、あんたらはそのブラック何とかを壊滅させる為に、奴らを追って
潜伏しているこの島に来たと……?」

「そう言う事、ま、暫くはこの辺りで調査してっからさ、何かあったら
すぐ俺達に連絡してくれ、これは俺のスマホでの緊急連絡先、
それから、このアホの単細胞馬鹿はレッドだ、宜しくしてやってくれ」

「……誰が単細胞馬鹿だよっ、くそっ!」

ヒューズは鳥の巣頭……、レッドを連れて一旦マンションを去って行った。

「はあ、どうしてこう、次から次へと……、……どうせ俺が
巻き込まれるんだろ、はは、ははは……」

そう言いながらジャミルも外へ出てみると、雨はすでに上がっていたが。


「キー!」

「キー!」


もう何かが始まっているらしく、何処かで見た様な……、
赤と黄色の特撮怪人が道端で暴れていたのであった。

「きゃあーー!!」

「一体何がどうなっているんですかあー!?」

こういった事態に慣れていない島の住人達は戸惑い、逃げ回る……。
しかし、まだ外に出ていないマンションの住人達は只管まだ呑気である。

「誰だよ、前回の話の最後で今日もこの島は平和ですとか言ったヤツ……」

わて、知りません。

「やっぱりこうなるか……、うーん、何とか戦えっかなあ~、
一応やってみるか……!」

ジャミルは拳を構えると怪人に向かって突っ込み、パンチをお見舞いし、
ついでにキックで蹴り飛ばした。

「キ、キーー!!」

「よっしゃ!民間人モードでもやれば結構出来るな、腕は鈍ってねーぞっ!」

「キー!よくもっ、だがしかしこの不思議空間、トワイライトゾーンに
入れば我々の力は何倍にもなるのだっ!貴様など糞と屁でもないわっ!!」

怪人達が作り出した空間に怪人達自らが入ると、力が何倍にもなり
パワーアップしてしまう。

「う、卑怯者っ……!!」

怪人達が今にもジャミルに飛び掛かろうとしたその時……。

「レイブレードっ!!」

「キーーっ!?」

……光の刃があっという間に怪人達を切り倒した。

「お前は……」

「天知る地知る我知る人知る、悪を倒せと俺を呼ぶ、
……正義の使者、アルカイザー!……ケンザンっ!!
さあ、此処は俺に任せて、早く逃げろ!」

「……???」

(ふふ、驚いているな、決まった……)

ジャミルは少々困惑した様子で、目の前に突如現れたヒーローを見上げた。

「あ、俺……、帰っていいの?んじゃ……」