zokuダチ。セッション12 バイト編&異世界からもお客様編
ジャミル、働いたら負けに負ける コンビニ編・1
「バイト?するの?ジャミルが……」
「ああ、玉には、ちょい働いてみるかな……、と思ってさ……」
「……ぷうううーーっ!」
「……あ、あ、あ……、何でそこで笑うんだよっ!このっ、
バカダウドっ!!」
ダウドの首を絞めに掛かるジャミル……。
「だってえ~、おかしいよおお、元の世界じゃオイラ達……」
「いーだろっ!玉には変わった事もしてみてーんだよっ!」
「そう、でも、いいんじゃない、真面目に働くのも……、プ……」
「……取りあえず、手っ取り早くコンビニにでも行ってみるかね、
短時間で金になるし……」
そう言ってジャミルは無料の求人案内ペーパーを取り出す。
「……実はあんまり、働く気ないでしょ……」
「短時間で気軽に働けて金になるのがいいんだ……」
真面目に働く気があるのか、ないのか……、そんなジャミルを
複雑そうな顔でダウドが見ていた。
と、いう事で……、ジャミルは近くのコンビニへ足を運んで、
バイトとして採用して貰う。時間は早朝から約10時までの
時間帯である。
「まだ、見習い期間だからね、とりあえず、まずは簡単な陳列の
仕事から……、朝、業者が商品を運んでくるからそれを棚に並べて
くれるかな、古い商品は前に、新鮮な商品は後ろにね……、素早くね!」
「了解……、です」
少々抵抗もあるが、其処は働く者として、店長に対し敬語を使ってみる。
(……ジンマシンがでりゅ……、あ、小悪魔になっちまう……)
早朝、配送業者がトラックで大量に運んで来たパン、おにぎりやら
弁当やらせっせと棚に並べて行く。
「……」
のそっと、サラリーマン風の客が入って来た。
(うわ、もうキタっ!まだ並べ終わってねーのに……)
ジャミルは慌ててサンドイッチを棚にせっせと並べる。隣では同じく、
バイトのおっさんが弁当を並べている。
プス……
(やっちまった……、まあいいか、音無しだし……)
ジャミルは構わずどんどんブツを棚に並べるが、処がこれが
良くなかったらしく、近くに物凄い悪臭が漂ってしまい……。
「……」
ジャミルの隣で弁当を並べていたおっさんが代わりに客に睨まれる。
どうやら、そちらが犯人と思われたらしかったが、おっさんは気づかず。
(すまソ……)
元々手先が器用なジャミルは陳列の仕事は何も問題なくテキパキと
すぐに慣れて覚える事が出来、客ピーク時間の前に全て商品を陳列し終える。
「楽勝だな、これで数時間単位で小遣い程度になりゃ、シメたもんさ……」
次はレジ打ちの仕事に入る。
先輩枠が丁寧に説明するが、化粧臭い上、最悪のオバチャンコースであった。
(オバーバラより悪いなあ……、顔がアレな分最悪、くっせ……)
「あんたっ!聞いてんの!?少々顔が良くて若いからって容赦しないよっ!」
「……聞いてますよ、はいはい……」
厚化粧の臭いに耐えながら、何とかレジ打ちの説明を受け実践に
入った。これもどうにか、ジャミルは器用なので直ぐに覚え熟す。
新人だが特にサポートも要らず出来るので、オバチャンはジャミルに
レジを任せっきりで自分は馴染みの客とベラベラ喋っていた……。
「……ハア、糞ババア……」
と、うっかり呟いてしまった処に、ジャミルの方のレジに客が来る。
糞ババアであった。
「……パイルドセブン、1カートン……」
ジャミルはタバコを大量買いし、店を出て行く客を羨ましそうに眺める。
(……俺だって、給料入ったらっ、……クソッ……)
時刻は9時近くになり、後1時間で、ジャミルの本日のバイトが終了する
時間が近づいて来た。
「まあ、初日から結構大丈夫だったかな、この調子で行けば何とか……」
と、呟いた処に遂に馴染みの顔が入って来る。
「よお!ジャミちゃん、バイトしてるってダウちゃんから聞いて、
ちょっくら来たよ!」
「……ジャミちゃんじゃねえっつーのっ!すっころび親父っ!
ダウドの野郎……、もう喋りやがったな……」
困ったラグナを制しようとするが、別の客と話しているオバチャンが
ちらっとジャミルの方を向いた。
「何だよ、……俺、今、レジ入ってんだからさあ、うっかり、客と
話してんの見られたら困るワケ……、給料減らされるからさあ~……」
こそっと話すが、あっちのベテランのオバチャンはそゆ事しても
誰にも注意されない、怒られないので実に差別的である。
「うん、ごめんよ、実はね、今度の週刊誌の記事でね、新作の
コンビニ弁当の取材させて貰おうと思ってね、来たんだよ」
「んじゃ、店長に言えよ、俺じゃ分かんねえから……」
「そうさせて貰うかな、……店長いる?」
「店の奥だよ……、ちょっと待って……」
ジャミルは店の掃除をしていた別の店員の女の子に頼んで、店長を
奥から呼んで来て貰う。
「へへっ、わりいねえ~……」
「……わりいよっ!」
やがて、店長が奥から出て来て、ラグナの取材を受け始めた。
「ほうほう、これが新作の~、へえ~、ゴールデン焼肉弁当ですか……、
へえ~……」
「肉は100パーセント、特質の霜降り牛ですよ!これはモ~、
お勧め出来ます!」
ラグナはへえへえ言いながらメモを取っている。
「……」
ジャミルは店長のギャグが余りにもつまらないので、逆の意味で
少し吹きそうになったが堪えた。
「……ああ、俺そろそろ時間だわ、交代の人が来るかな……」
15分前になり、代わりのバイトが来たので交代して店長に挨拶し、
本日のバイトは無事終了し、マンションへと帰宅する。
「……ふーん、そうなんだあ~、結構やるもんだねえ~……」
「何だよ、ダウド、その言い方、何か馬鹿にしてるだろ……」
「そんな事ないよお~…」
「ふう、時給1時間800円だから、3000円ぐらい稼いだろ、
何とかなるさ、給料入ったら少しぐらい奢ってやってもいいぜ?」
「……うん、有難う……」
しかしダウドは薄々感づいていた。この話でそんなに事が
何時までも上手く続く筈がない事を……。
……プルルル……
と、ジャミルの携帯に着信が鳴る。
「もしもし……?あ、先程はどうも、あ、…分りました……、
心得ときます……」
「誰から?」
「コンビニの店長だよ、夜間の部で働いてる店員が急病で
来られなくなって、急遽、俺に代理で頼みたいんだとさ、やっぱり
俺の素早い仕事っぷりが良かったのかなあ?」
「うん、で、又夜行くんだねえ、頑張ってね……」
……しかしダウドは薄々感づいていた。この話でそんなに事が
何時までも上手く続く筈が……。
「おーいっ!」
「……あてっ!ご、ごめん、つい冥想に入っちゃった、えへへ……」
「まあ、いいけどさ、んじゃあ夜に備えて俺は寝るからさ……」
「備えなくても普段はいつも寝てるくせに、んじゃあオイラ
部屋に戻るね……」
「ん……」
ジャミルは部屋を出て行くダウドにぴらぴらと手を振った。
そして、再び夜20時、夜間の仕事場へ向かうと、外のゴミ箱
処理掃除を店長自ら行っている処であった。
「今晩はです!」
「バイト?するの?ジャミルが……」
「ああ、玉には、ちょい働いてみるかな……、と思ってさ……」
「……ぷうううーーっ!」
「……あ、あ、あ……、何でそこで笑うんだよっ!このっ、
バカダウドっ!!」
ダウドの首を絞めに掛かるジャミル……。
「だってえ~、おかしいよおお、元の世界じゃオイラ達……」
「いーだろっ!玉には変わった事もしてみてーんだよっ!」
「そう、でも、いいんじゃない、真面目に働くのも……、プ……」
「……取りあえず、手っ取り早くコンビニにでも行ってみるかね、
短時間で金になるし……」
そう言ってジャミルは無料の求人案内ペーパーを取り出す。
「……実はあんまり、働く気ないでしょ……」
「短時間で気軽に働けて金になるのがいいんだ……」
真面目に働く気があるのか、ないのか……、そんなジャミルを
複雑そうな顔でダウドが見ていた。
と、いう事で……、ジャミルは近くのコンビニへ足を運んで、
バイトとして採用して貰う。時間は早朝から約10時までの
時間帯である。
「まだ、見習い期間だからね、とりあえず、まずは簡単な陳列の
仕事から……、朝、業者が商品を運んでくるからそれを棚に並べて
くれるかな、古い商品は前に、新鮮な商品は後ろにね……、素早くね!」
「了解……、です」
少々抵抗もあるが、其処は働く者として、店長に対し敬語を使ってみる。
(……ジンマシンがでりゅ……、あ、小悪魔になっちまう……)
早朝、配送業者がトラックで大量に運んで来たパン、おにぎりやら
弁当やらせっせと棚に並べて行く。
「……」
のそっと、サラリーマン風の客が入って来た。
(うわ、もうキタっ!まだ並べ終わってねーのに……)
ジャミルは慌ててサンドイッチを棚にせっせと並べる。隣では同じく、
バイトのおっさんが弁当を並べている。
プス……
(やっちまった……、まあいいか、音無しだし……)
ジャミルは構わずどんどんブツを棚に並べるが、処がこれが
良くなかったらしく、近くに物凄い悪臭が漂ってしまい……。
「……」
ジャミルの隣で弁当を並べていたおっさんが代わりに客に睨まれる。
どうやら、そちらが犯人と思われたらしかったが、おっさんは気づかず。
(すまソ……)
元々手先が器用なジャミルは陳列の仕事は何も問題なくテキパキと
すぐに慣れて覚える事が出来、客ピーク時間の前に全て商品を陳列し終える。
「楽勝だな、これで数時間単位で小遣い程度になりゃ、シメたもんさ……」
次はレジ打ちの仕事に入る。
先輩枠が丁寧に説明するが、化粧臭い上、最悪のオバチャンコースであった。
(オバーバラより悪いなあ……、顔がアレな分最悪、くっせ……)
「あんたっ!聞いてんの!?少々顔が良くて若いからって容赦しないよっ!」
「……聞いてますよ、はいはい……」
厚化粧の臭いに耐えながら、何とかレジ打ちの説明を受け実践に
入った。これもどうにか、ジャミルは器用なので直ぐに覚え熟す。
新人だが特にサポートも要らず出来るので、オバチャンはジャミルに
レジを任せっきりで自分は馴染みの客とベラベラ喋っていた……。
「……ハア、糞ババア……」
と、うっかり呟いてしまった処に、ジャミルの方のレジに客が来る。
糞ババアであった。
「……パイルドセブン、1カートン……」
ジャミルはタバコを大量買いし、店を出て行く客を羨ましそうに眺める。
(……俺だって、給料入ったらっ、……クソッ……)
時刻は9時近くになり、後1時間で、ジャミルの本日のバイトが終了する
時間が近づいて来た。
「まあ、初日から結構大丈夫だったかな、この調子で行けば何とか……」
と、呟いた処に遂に馴染みの顔が入って来る。
「よお!ジャミちゃん、バイトしてるってダウちゃんから聞いて、
ちょっくら来たよ!」
「……ジャミちゃんじゃねえっつーのっ!すっころび親父っ!
ダウドの野郎……、もう喋りやがったな……」
困ったラグナを制しようとするが、別の客と話しているオバチャンが
ちらっとジャミルの方を向いた。
「何だよ、……俺、今、レジ入ってんだからさあ、うっかり、客と
話してんの見られたら困るワケ……、給料減らされるからさあ~……」
こそっと話すが、あっちのベテランのオバチャンはそゆ事しても
誰にも注意されない、怒られないので実に差別的である。
「うん、ごめんよ、実はね、今度の週刊誌の記事でね、新作の
コンビニ弁当の取材させて貰おうと思ってね、来たんだよ」
「んじゃ、店長に言えよ、俺じゃ分かんねえから……」
「そうさせて貰うかな、……店長いる?」
「店の奥だよ……、ちょっと待って……」
ジャミルは店の掃除をしていた別の店員の女の子に頼んで、店長を
奥から呼んで来て貰う。
「へへっ、わりいねえ~……」
「……わりいよっ!」
やがて、店長が奥から出て来て、ラグナの取材を受け始めた。
「ほうほう、これが新作の~、へえ~、ゴールデン焼肉弁当ですか……、
へえ~……」
「肉は100パーセント、特質の霜降り牛ですよ!これはモ~、
お勧め出来ます!」
ラグナはへえへえ言いながらメモを取っている。
「……」
ジャミルは店長のギャグが余りにもつまらないので、逆の意味で
少し吹きそうになったが堪えた。
「……ああ、俺そろそろ時間だわ、交代の人が来るかな……」
15分前になり、代わりのバイトが来たので交代して店長に挨拶し、
本日のバイトは無事終了し、マンションへと帰宅する。
「……ふーん、そうなんだあ~、結構やるもんだねえ~……」
「何だよ、ダウド、その言い方、何か馬鹿にしてるだろ……」
「そんな事ないよお~…」
「ふう、時給1時間800円だから、3000円ぐらい稼いだろ、
何とかなるさ、給料入ったら少しぐらい奢ってやってもいいぜ?」
「……うん、有難う……」
しかしダウドは薄々感づいていた。この話でそんなに事が
何時までも上手く続く筈がない事を……。
……プルルル……
と、ジャミルの携帯に着信が鳴る。
「もしもし……?あ、先程はどうも、あ、…分りました……、
心得ときます……」
「誰から?」
「コンビニの店長だよ、夜間の部で働いてる店員が急病で
来られなくなって、急遽、俺に代理で頼みたいんだとさ、やっぱり
俺の素早い仕事っぷりが良かったのかなあ?」
「うん、で、又夜行くんだねえ、頑張ってね……」
……しかしダウドは薄々感づいていた。この話でそんなに事が
何時までも上手く続く筈が……。
「おーいっ!」
「……あてっ!ご、ごめん、つい冥想に入っちゃった、えへへ……」
「まあ、いいけどさ、んじゃあ夜に備えて俺は寝るからさ……」
「備えなくても普段はいつも寝てるくせに、んじゃあオイラ
部屋に戻るね……」
「ん……」
ジャミルは部屋を出て行くダウドにぴらぴらと手を振った。
そして、再び夜20時、夜間の仕事場へ向かうと、外のゴミ箱
処理掃除を店長自ら行っている処であった。
「今晩はです!」
作品名:zokuダチ。セッション12 バイト編&異世界からもお客様編 作家名:流れ者