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バイオハザード Fの起源 第3話 ソニアの脱走~エイダの罠

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「エイダの言葉に踊らされて、たった一人でこんな場所に飛び込むなんて。君は優秀なエージェントだが、まだ子供だ。大人しく俺に捕まれ。いいか、君は今、保護対象なんだ。そのことを忘れるな」

ソニアが予想していた、そのままのレオンの言葉に、ソニアは悔しそうに唇を噛んだ。
しかし、彼の言葉の裏には、彼女を心から心配する気持ちがあることも、ソニアには分かっていた。

レオンは、ソニアの手を掴み、そのまま抱きかかえるようにして部屋の外へと連れ出した。
ギプスをはめた手をぶらつかせながら、ソニアは抗議の声をあげたが、レオンの力強い腕からは逃れられない。
彼の胸板に顔を埋める形になったソニアの目から、堰を切ったように涙が溢れ出した。

悔しさ、情けなさ、そして、絶望的な状況から救われた安堵が、一気に押し寄せてきたのだ。

「ううっ…ひどい…私のこと、子供扱いして…」

レオンのワイシャツに、ソニアの涙が染み込んでいく。
彼はソニアの背中を優しく叩きながら、小さく溜息をついた。

「泣くなお姫様。君が無事でよかった」

彼の言葉に、ソニアはさらに顔を埋め、彼の胸にしがみついた。

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ペンタゴンに連れ戻されたソニアは、再び医療ラボのベッドに横たわっていた。

レオンは、彼女の傷の手当てが終わるまで付き添っていたが、その表情にはまだ安堵の色は見えない。

「もう二度と、無茶はするな。分かったか?」

レオンの声は、いつになく真剣だった。
ソニアはそっぽを向いたまま、小さな声で答えた。

「…分かってるわよ」

その夜、レオンはクリスと電話で話していた。

「ソニアはペンタゴンに戻った。エイダが情報を渡したようだ。彼女の出生の秘密についてな。…組織がソニアを狙っているのは間違いなさそうだ」

「そうか。エイダめ、余計なことを…」

クリスの声に、苛立ちが混じる。

「しかし、ソニアが無事に戻ったのは何よりだ。あとは、ペンタゴンが彼女をどう判断するか、だな」

レオンは窓の外に目を向けた。
ペンタゴンの厳重なセキュリティは、ソニアの脱走を許した。
そして、エイダが渡した情報が、組織の行動を誘発した可能性もある。

ソニアの脱走の混乱、そしてエイダの暗躍。
それらが、新たな悪夢の引き金となったのかもしれない。

レオンは、再び静かに立ち上がった。