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zokuダチ。セッション14 ジャミ公の夏休み(?)編・2

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何もしませんから!

「おい、ジャミル……」

今日はシフよりも非常に珍しい客がジャミルの部屋を訪ねて来た、
グレイである。彼が大体ジャミルの部屋を訪れる時は、大概怒って
殴り込みに来るか、からかいにくるかしかないのだが……。

「あーん?……グレイか、珍しいな、金ならねえぞ……」

ジャミルは部屋に寝転がったままの体制で、部屋の入口に立っている
グレイを見上げた。

「……貴様になど金を借りるほど落ちぶれてはいない、仮に無いとしても
お前などに誰が借りるか……、それにしてもだらしのない部屋だ……、
……部屋にいる奴も相当だらしがないがな、フッ……」

「……おい、用事があるなら早く言えっての……!」

「大分前……、相当前だったと思うが……、ガラハドの事だ……、
近いうちに此処に越して来るそうだ、部屋を提供してやってくれ、
それだけだ……」

「あ?確か、お前の知り合いだったっけ、ふ~ん、んな様な事最初に
言ってたっけ、そうかい、やっと来るのかい、成程、成程……、じゃあ、
8月の住人確保一人は達成か、後は誰でも彼でも何でも気軽に来て
くれりゃいんだかんな!あー良かった!」

「アホが、……じゃあな……」

……グレイは顰めツラをしてジャミルの部屋を去る。余りにも時間が
立ち過ぎていた為、すっかり諦め、忘れ掛けていたジャミルであった。
そして、グレイが報告に来て数日が過ぎ……。

「ジャミル、お客さんよ、……えーと、紫色のスーツ着てて、顔に
傷があるお兄さん、……ガラハドさんよ、確かグレイのお友達の人よね……」

「ああ、来たのか、んじゃまあ、行って来るか……」

アイシャが知らせに来たので、ジャミルも腰を上げて、総合玄関まで
迎えに出て行く。行くと、確かにガラハドが来ていた。元の世界にいた
時から糞真面目で堅苦しい性格の彼が、この世界で着用している服は、
アイシャの言った通り、びしっとした紫のスーツ。しかし、ガラハドは何故か、
そわそわ落ち着かない様子であり……。

「よお、ご苦労さん、アンタも今日から此処に……」

「!な、なにをする、きさまらー!!」

「……ハア?」

ジャミルが声を掛けると、ガラハドはさっと身構え、ジャミルを
警戒しだす……。

「……はっ、す、すまん、つい、癖でな……」

「まあ、仕方ねえか、この話じゃ多分大丈夫だからよ……、
世界観別だし……」

「……常に誰かに狙われている様な気がしてな、……本当にすまん……」

「んじゃ、アイシャ、3階に空き部屋がたっぷりあるからさ、
案内宜しく頼む……」

「あ、うん、……じゃあ、ガラハドさんのお部屋は3階よ……」

「3階か、……まだ此処に来たばかりなのでなるべく……、
グレイの部屋が近くに有る方が安心でいいのだが……」

「おい、あんまり我儘言うなよ、いい歳こいて……、てか、
実年齢わかんねえけど……、3階だったら3階なんだよ、たく……」

「そうか、では仕方ないな……、我慢するか……」

何となく、肩を落としている様に見えたが、それでも我儘を言って
貰っても困る為、諦めて3階に行って貰う……。やがて、ガラハドを
部屋まで送って行ったアイシャが階段を降りて来た。

「どうだったい?」

「うん、何となく、落ち着かないのかしら、彼方此方見たり、
そわそわしてたわ……」

「まあ、何もないって分りゃ、その内落ち着くさ……、多分な……」

「そうね、早く此処の生活に慣れてくれるといいわね、ガラハドさん……」

ジャミルとアイシャは不安そうに階段の上を見つめながら、取りあえず
自分達も部屋に戻った。そして、早速、騒動は起る……。

「ねえっ、ジャミルっ!」

「何だよ……、今度はマリカか、……又バカ共がガラスでも割ったか……?」

「そうじゃないわよ!……新しく3階に来た、茶髪の顔キズのおっさん!
……何なの、あれっ!」

「……は?……ガラハドか?何かしたのか……?」

「新顔さんみたいだからさ、一応、あたしが代表で、3階の部屋に
わざわざ挨拶に行ったのよ、そしたら、なんて言われたと思う!?
……な、なにをするー、きさまらーっ!!……とか、言いだすわけよ、
何なのよっ!何もしやしないわよっ!あーっ、あったまきた!折角
こっちがわざわざ挨拶に行ったのに何よあの態度っ!」

「そうか、……悪かったな……」

「あーっ、腹立つっ!それだけよっ、じゃあね!」

……マリカはありったけの怒りをジャミルにぶつけると、ジャミルの
部屋を出て行った。

「てか、何で俺が怒られるん……?」

……このままでは又何か起りそうな気がし、ジャミルは取りあえず、
グレイに何とかして貰おうと思い、今度は自分からグレイの部屋を
訪ねに行った。

「おい、ちょっと、話があるんだけどさ……」

「今いない、後にしろ……」

「……しっかりいるじゃねえか、この野郎……!あのな、……ガラハドの
事だけどさ!ちょっと態度が悪いらしいぞ、おい、お前ダチなんだろ、
注意したれや……」

「俺には関係ない、……奴が自分でどうにかする事だ……」

「あのなあ……、オメー、それでも友人かっての!冷てえ奴だなあ!」

「……俺は元々冷たい男だ……」

グレイはそう言いながら、アイスソードを磨いている……。

「前から思ってたんだけどさ、……それ、ガラハドのじゃね?」

「そうだ、……無理矢理奪った、……ころしてでも……は、
しなかったがな……」

「おーい……、返してやれよ、……だから対人恐怖症に
なるんだろうがよ!」

「俺が預かっていた方が奴の為だ、何時、誰に狙われるか、奪われるか
分からんからな……、気を遣って守ってやっているんだ、……フン、
貴様には関係ない、さあ、分ったら出て行け……」

……良く分からない二人の関係に首を曲げ、呆れつつも今度はジャミルは
直にガラハド本人の部屋へ……。本当に管理人は大変である。

「おい、ガラハド、ちょっと話が……」

「な、なにをするー!」

「だから……、何もしねえっつーんだよ、……出て来てくれや……」

「そうか、すまんな……、どうも癖で……」

ガラハドが慌てて部屋のドアをいそいそと開けた。ジャミルは
それを見て溜息をついた。

「あのな、……アンタ、グレイにアイスソード持ってかれたらしいけど、
奴はあれでも気を遣ってるんだと、アイスソード持ってるとアンタが
狙われかねないからだそうだ、まあ、元の話とこの話は違うからよ、
……基本馬鹿ギャグだし……、アンタもそんな常に脅える事ねえと思うよ……」

「それは俺も分かっている、……最初、グレイにアイスソードを
持っていかれた時は……な、なにをされたのか……、頭が真っ白だった……」

「まあ、此処に来た以上、マンションの皆と仲良くしてくれや、頼むよ……、
何も心配する事ねえからさ……、あんまりビクビクしないでくれ……、
まあ、たまげるのもいるかもで、うっかり会ったら最初はびっくりすると
思うけど、慣れりゃ大丈夫だよ……」

「そうか、……さっきの娘さんに失礼な言い方をしてしまったな、
……後で謝りに部屋に顔を出しておこう……」

「そうしてくれ、じゃあな……」