ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん
26.冷やしがい
ゆ「唯ちゃん、来ちゃった〜」
縁「来ちゃった〜」
唯「はいはい。どうぞ」
ゆ「あー、なにか甘くて冷たくておいしいものが飲みたいなあ」
唯「図々しい上に回りくどいなあ。ちょっと待ってろ」
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ゆ「ふー、生き返るー」
唯「下降りてコップ出して3人分注いで上に持ってくのに数分かかったのに、ものの数秒で飲みきりやがった」
ゆ「大丈夫だよ、おかわりはまだいらないから」
唯「いずれは?」
ゆ「する」
唯「やっぱり図々しいな」
縁「あははははは」
ゆ「しっかし、これだけ冷たいと冷蔵庫も冷やしがいがあったろうね」
唯「冷やしがい……?」
ゆ「唯ちゃん、冷蔵庫はものを冷やすために生まれたんだから、冷やしがいがあるものを入れてくれたらうれしいに決まってるよ」
唯「うん、まあ。……でも、冷やしがいの有無はどこで判断するんだ」
ゆ「やっぱ入れた直後、ブォーンって喜びのおたけび、あげるよね」
唯「あれ、喜んでんの? じゃあなんで深夜とか突然やるんだよ」
縁「聞かれたら恥ずかしいから家族が寝静まるまで待ってたとか〜」
ゆ「そうそう、それ。誰も見てないとこでガッツポーズするタイプ」
唯「そっかー。うちの冷蔵庫、恥ずかしがり屋だったかー」
ゆ「唯ちゃんに似たんだねー」
唯「うっさい!」
縁「あはははははは」
作品名:ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん 作家名:六色塔



