zokuダチ。セッション15 ジャミ公の夏休み(?)編・3
「……結局俺がパシリにさせられんじゃねえかっ!!おい、ゲラ=ハ、
暇なんだろ、お前玉には動けよっ!」
「わ、私がですか……?ぎゃ、別に構いませんが……」
「コラ、人の相棒勝手に駆り出すな!オメーが行きゃいいんだよ、
オメーがよ!」
「あいてっ!……く、糞狸親父めえ~!」
「ジャミルのお仕事だもんねえ~、しょうがないよお~……」
ダウド、知ったこっちゃないと言った感じで、呑気に肉をもぐもぐする。
「つべこべ言うんじゃないよっ!ホラ、とっとと行くんだよっ!!」
「……ち~き~しょおおおお!厚化粧オババめえーーっ!揃いも揃ってっ!
今にみてろおおーーっ!!」
「あっ、待ってジャミル、私も一緒に行ってあげる!」
「アイシャ……、う、うん……、ああ……」
「行こう!」
アイシャ、ジャミルの手を握る。……普段はガサツでもこういう時、
意外とウブなジャミ公は顔が真っ赤である……。
「……ああ、やっぱお肉は美味いわあ~……、ワイ、涙がでるわ……」
「本当だね、こんなに美味しいの……、何だか申し訳ないね……」
「谷口さん、近藤にはあまり肉くれない方がいいんスよ、すぐ調子に
のるんスから、ブタがブタ食ったら共食いになりますからね!」
「あんたもだよ……」
「イガラシっ!……何か言ったか?」
「……何でもないス」
幸せそうに肉を啄む野球馬鹿達の横を、手を繋ぎ、顔の赤い
ジャミルとアイシャが慌てて突っ切って行くのであった。
奇妙で変で賑やかで、それはとても楽しい夜の一時となったのである。
作品名:zokuダチ。セッション15 ジャミ公の夏休み(?)編・3 作家名:流れ者