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zokuダチ。セッション16 入れ替わり編

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俺がアイシャでアイシャが俺で……1

「待てよ、アイシャ!待てったら!!」

「……いやっ!絶対待たないっ!ジャミルのバカっ!べえ~!」

マンションの解放廊下を今日もけたたましくジャミルとアイシャが
駆け抜けてゆく。

「何だ、又やってんのか……、たく、うるさいねえ~、ドタバタ
ドタバタ……、あんた達っ!追い掛けっこなら外でやんなっ!
……こらっ、聞いてんのかっ!!」

しかし、2人はシフの声を無視し、2階へ駆け上がって行ってしまう。

「よしっ、今日こそは一発ホームラン打つからな!」

「無理だって、シグには……、それより先俺に打たせてよ!」

「いいや、今日は俺が先に打たせて貰う……」

「……てめーらもっ、此処でボール遊びすんなって毎回何回言ったら
分るんだっ!!学習する事をしろっ!知能の無い猿ガキっ!!」

「やべ、まーた見つかっちまったぞ、逃げろ、リウ、ジェイル!!」

「合点!」

「承知の助だ……」

「わざとやってんだろ、バカ共めっ!待ちなーーっ!!」

シフ、悪ガキトリオを追って外に飛び出した。そして、アイシャを追った
ジャミルは階段の途中でアイシャを捕まえる。

「何よっ!放してったらっ!ジャミルのバカっ!!」

「うるせーなっ!大人しくしろっつの!……の野郎!!」

「あっ、ジャミルさんとアイシャさん又喧嘩してるっ!」

「……ガルガルはダメだよっ!二人とも、なかよくしようよーっ!」

丁度、休日のショッピングに2人で出掛けようとしていたいろはと
ヒトバージョンのこむぎ。ジャミアイコンビの毎度お馴染の凄まじい
痴話喧嘩に遭遇。しかし、2人の声も無視。喧嘩は更にエスカレート。

「やーだっ!放してって言って……、ちょっとどこ触ってんのっ!!」

ジャミルは慌ててつい、アイシャの胸を掴んでしまったのであった。

「わきゃああーーっ!?」

「なんかわかんないけど、す、すごーいっ!」

「やべっ!……てか、触れる程、胸の感触ねえよ……」

「……何ですって……?も、もう……絶対許さないんだからっ!!きい~!!」

アイシャ、ジャミルに身体を捕まえられたままの状態で後ろを向いたまま
足でゲシゲシジャミルを蹴とばした。

「やめろっ!えーいっ!!静かにしろってのっ!!」

「止めて止めて、止めてくださあーーいっ!……あっ!?」」

「あぶないようーっ!」

「もうっ!いい加減にしてったらっ!は、な、し、て、っ……!!」


……チーン……


「お、おおおお……」

アイシャは等々ジャミルの急所にケリを入れたのだった……。

「……視界が……真っ暗だ、あはは……、あ~……」

「ちょっ、ジャミルっ!?きゃあっ!!」

「……ジャミルさんっ!アイシャさんっ!」

「おっこっちゃうーーっ!」

「うわああああっ!!」

「きゃああああっ!!」

いろはとこむぎが叫ぶ中、ジャミルはアイシャの身体を掴んだまま
意識が朦朧とし、階段で足を滑らせ、そのまま2人とも階段から
転げ落ちたのだった……。


そもそもの喧嘩の起こりはこうである。1時間前……。アイシャは
ジャミルの部屋におり持参していたアイドル雑誌を見ていた。
それはバーバラが勧めてくれ、プレゼントしてくれた物であった。

「はあー、……ボウヨミ・イクゾーさんて、素敵ね、今大人気なのよね……」

アイシャは雑誌の写真の中の金髪の俳優さんに胸をときめかせてみる。

「ふん、こんなイケスカねえのさ、腹ん中真っ黒だろ!何考えてんのか
分かんねえよ!」

「?ジャミル、何怒ってるのよ、……あ、もしかして妬いてくれてる?」

アイシャはパタッと雑誌を閉じると嬉しそうにジャミルの顔を見た。

「べ、別にー?俺はお前が何に転ぼうがどうでもいいよ、唯、こいつの顔が
気に食わない、それだけ……」

ジャミルはムスッとし、アイシャが閉じた雑誌をわざわざ再び開き、
ボールペンでイクゾーさんの鼻に鼻毛、頭に巻グソを描きはじめた。

「……ちょっ!何してるのよっ、バカねっ!子供みたいっ!!」

アイシャはジャミルから雑誌を引っ手繰った。

「あ……、何すんだよっ!折角描いてやったのにっ!!よこせっ!」

「ちょっと!返しなさいよっ!!」

ビリッ……

「あ、ああ……」

そして、お約束で雑誌が真っ二つに破けたのである。

「……ひーどーい、……ジャミルのバカっ……!!」

「んだよ、んな下らねえ雑誌、又買えばいいだろっ!」

「……もう知らないわよっ!ジャミルのバカっ!!」

アイシャはジャミルに悪態をつくとそのまま廊下に飛び出して行ってしまう。

「おいっ!ちょっと待てっつんだよっ、アイシャっ!!」

……そして、先程の騒動になったのである……。


「……?」

「あ、アイシャ、目を覚ましたのかい、良かったー!」

ジャミルが気が付くと、ジャミルはあまり馴染みのない部屋に
寝かされていた。おまけに側にはバーバラがおり、良く分からない
事を言っている。

(なーんか、身体が変だ……、前より更に小さくなった様な気がする……)

「何か食べたい物はあるかい?買って来るよ」

「別に何も、それより、俺どうしてたんだ……?」

「ハア?どうしたのさ、ジャミルみたいな喋り方してさ、やだねえ、
この子は!」

バーバラはいきなりジャミルをぎゅっとハグするが……。

「……うわ!化粧くせえな!ちったあ匂いのきつくねえ香水に
抑えろってんだよ!この妖怪オババ!!あーくせえ!!」

「……アイシャ、アンタ、い、今なんて……」

「ハア?うるせーな!何言ってんだよ!何がアイシャだよ!俺は
ジャミルだっつーの!!」

「アンタ……、やっぱりさっき階段で落ちたから、頭を……、こ、
これは大変だよっ!」

「だーかーら!おめえの言ってる事もさっぱり分かんねえんだよっ!」

「バ、バーバラっ!……大変だよお!!」

バーバラが大混乱している処に、ダウドが部屋に駈け込んで来た。

「そっちも何かあったのかい!?」

「うん、ジャミルがおかしいんだよお!急にメソメソ泣き出して、
何言ってるのよ!私はアイシャよ!……とか、泣いてばっかり
なんだけど……、あ、おかしいのはいつもなんだけどさあ……」

「わ、分ったよ、すぐに行くよ!」

「あのさあ……」

「アイシャ、アンタは此処にいるんだよ、いいねっ!」

「ちょ、あ……」

バーバラとダウドはジャミルを部屋に残し、飛び出して行ってしまった。

「だーから、あいつらホントに何言って……、あ?あああ、
……あああーっ!!」

ジャミルは部屋に置いてあった鏡で自分の姿を見、声を張り上げた。

「俺、……アイシャになってる……」

俺がアイシャでアイシャが俺で……2

「まいったなあ……、どうすれば、どうすれば……」

「……ジャミル、いるんでしょ?私よ……」

ジャミルがオロオロしていると、小さく部屋のドアを叩く音がした。

「アイシャか?」

慌ててドアを開けると、自分の姿のアイシャが立っていた……。

「うはっ……」

「もうっ!どうしてこんな事になっちゃったのよっ!」

「俺が知るかっ!とにかく中へ入れっ!」