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zokuダチ。セッション16 入れ替わり編

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「アイ……、何して……、ジャミル!落ち着きなよお!いつも通り、
部屋まで案内してあげればいいんだよお!……今日はオイラが部屋まで
お客さんをエスコートするから……」

アイシャ、錯乱し、ジャミルの声のままでそのままきゃーきゃー喋り、
普段の自分の素がすっかり出てしまっていた。

「……そ、そうだったわっ!えとえと……」
(え、えーっと……、ジャミルになりきらなくちゃ、こういう
時ははと……、ジャミルの口調なら……)

「……お、俺が管理人のジャミルだよ、宜しくな!お前らの部屋は
3階だよ、ダウド、部屋まで案内してやってくれ」

(よっし!ちゃんと言えたわ!やれば出来るじゃない、アイシャっ!)

アイシャは心で小さくガッツポーズを取る。

「……有り難う、それじゃ、暫くの間、宜しくお願いするよ、
グレミオ、行こう……」

「はいっ!このグレミオ、此処でも全力で盾になりぼっちゃんを
お守り致しますっ!……例えヤリが飛んでこようと!」

「だから、飛んで来ないよ……、もういいってば……、ハア……」

興奮し、両手を振り回し、鼻の穴を広げている、少年の付き添い、
グレミオに少年は頭を抱えている。二人とも、誠実そうな客ではあるが、
護衛人は何処かオーバー過ぎて壊れている感じである。取りあえずは、
無事に部屋まで送れそうな感じではあったが、少年が通り過ぎる際に
何故かアイシャの方をじっと見ている。

「……」

「な、何かし……、何だよ……」

「大変なんだね、君も、色々と……、頑張って……、負けちゃ
駄目だよ……」

「!?」

「それじゃ、また……」

少年は静かに、ジャミル、……アイシャに微笑みかけ、手を振ると、
ダウドの案内により、ボッチャンボッチャンやかましい護衛人と共に
姿を消す。……アイシャは疲れてその場にしゃがみ込んだのであった。

「ハア、私も一旦ジャミルの処に戻ろうかしら……、心配だし」

腰を上げ、元の自分の部屋に戻ろうと。取りあえず、今日はこれで
何とか終わると思っていた直後……。

「ごめんくさーい、客だよー!客ー!」

「……あ、はい?」

其所に、再び客が現れる。しかも、予期せぬ、変な男女の客二人組である。
……先程の客人とは違い、男は変な顔のリーゼント頭にチンピラ風の格好、
連れは如何にも性格最悪そうの鼻毛伸ばしたブス女である。

「……ポスター観てわざわざ来てやったんだよ、……汚えマンションだな!
さっさと部屋まで案内しろや!」

「……あのう……、きゃっ!?」

「ふんっ!」

ブス女の方はアイシャに向け、乱暴に持っていた鞄をぶん投げる。
その重さに耐えきれず、アイシャは思わず尻餅をついてしまう。

「……いたたた……」

「何だあんた!男の癖に!だらしがないねえ!大事な荷物なんだよ!
ちゃんと受け取れ!この糞バカ!」

「……バカって……、ひ、酷いっ!何よおっ!」

……ブス女の余りの態度にアイシャはカチンと来、プッツン切れた。
素のままの自分で……。

「……おもしれえな、コイツ……、兄ちゃんカマかよ、それともゲイかい?
あーっはっはっはあ!」

「ホントホント、ばっかみてえ!」

糞客二人は顔を真っ赤にし、震えているアイシャの姿を見て大爆笑。
そして、遂にアイシャはプッツン行動に出てしまう……。

「違うもんっ!オカマじゃないのようーーっ!バカああーーっ!!」

「うごおおーーっ!!」

アイシャ、拳で男の顔面を殴り飛ばし、壁へと叩き付けた……。
ブス女は慌てて不細工男に駆け寄り、ヤジを飛ばす……。

「!ご、ごめんなさい!つ、つい……」

「ダーリンっ、大丈夫っ!?何て事すんのよ、この糞野郎!マンションも
ウンコだけど、管理人もオカマで最悪じゃねえか!……こんな危ねえ処
住めるかっ!帰りましょ、ダーリンっ!」

「……いちちち、お、覚えてろ!このまま只で住むと思うなっ!」

悪質客二人はアイシャに暴言を吐き、さっさと退場。……住む事は
なかったが、残されたアイシャはその場に尻餅を付いたまま、
暫く呆然と……。其所に、客人を部屋まで送って戻って来た
ダウドが……。

「アイシャ、何か騒がしかったみたいだけど、どうし……」

「ダウド、どうしよう……、私、私……」

……

「ジャミル、ごめんなさい……」

「オメーな、だからあれ程……、あいちち……」

アイシャの部屋には、事情を知っているメンバー、ダウド、アルベルト、
いろは、こむぎの姿が。皆、心配してまた来てくれたのである。

「……アイシャさんは悪くないですっ!アイシャさんいっぱいいっぱい
頑張ってますよっ!だから……、落ち込まないで……」

「いろはちゃん、有難う……、でも私、ドジだから……」

「まあ、元はと言えば……、こんな事になったのも俺の責任だしな……、
わりィのは俺かも知んねえ、ごめんな、アイシャ……」

「ジャミル……」

ジャミルはベッドにねっ転がったまま、皆から顔を背ける様に横を向いた……。

「……俺かも……、じゃなくて、完全に君なんだよ、ジャミル……」

「そうだよっ!……ジャミルはちゃんとはんせーしなさいっ!めっ!」

「……こ、こら、アルっ!オメー、スリッパ持ち出すなっての!
……犬娘っ!オメーに言われたかないっ!」

「わん?」

「アル、やめてよーっ!だからそれは私の身体なのようーーっ!」

「はっ、そ、そうだった、……心はジャミルでも身体はアイシャ
なんだった……、分かっていても何か口調だけ聞くと、ついカッと
なって異様に反応してしまうよ……」

アルベルトは汗を拭き拭き、スリッパを引っ込めた。

「もうこうなったら……、一刻も早くモンブラン山へ逃走で暫く
雲隠れするしかねえ……、けど、あれからチビも来ねえし、情報が
御無沙汰なんだよなあ……」

「はあ~……」

部屋にいた全員が溜息をつく。……ジャミルとアイシャ、2人は元に
戻れないまま、日数だけが無駄に過ぎてゆく。そして、ジャミルのアレも
まだどうにかならない状態で、数日が過ぎた……。