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みとなんこ@紺
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それも悪くないだろう?

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地味に派手な閉会宣言の後、宿へと戻る道すがら。
・・・やっぱり兄はご機嫌斜めだった。
「…ったく、やる事が一々気障なんだよな」
「でもカッコ良かったよねぇ」
そこで何故オレに同意を求めるのか、弟よ。
胡乱な目つきで眺めやった兄に全く頓着せずに、弟は遠慮なくゴキゲンな声を上げた。
「さっきね、大佐と中尉にお祭りの話してたんだよ」
「祭り?」
「リゼンブールの夏祭りの話」
カシャ、と鎧を軋ませながら、アルフォンスは東方司令部の方向を振り返った。



「母さんと兄さんと、よく小川に蛍を見に行ったって」



ああ、もう本当に。








「・・・アル」
「うん」
「・・・今度、寄る時は何か差し入れでも持って行ってやろーぜ」
よくわからねー事しやがる司令官殿に振り回される皆の健闘をたたえて、さ。
そう、悪戯気に笑う兄の顔からは、ここしばらくまとわって離れなかった濃い疲労の影が消えている。
「…うん!」
足取りが軽い。
大事な事を思いだして、ほんの少しだけ、心も軽くなった(ような気がした)。
声に出して、態度に出して大まっぴらに感謝することでもないけれど、せめてほんの少しだけ何か返せたら。
2人はそれぞれ考えた。
今度、ここに戻ってくる時の為の、そんな事を。