二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zokuダチ。セッション17 冒険編1

INDEX|9ページ/9ページ|

前のページ
 

「本当はダウドだって嫌なのに、私達の事心配してくれてるから、
無理して此処まで付き合ってくれたのよね、悪いのは私達だわ……」
 
「私、ダウドさんの様子見てきますっ!」
 
「わたしもいくっ!」
 
「……いや、いいよ、お前らも疲れてるのにこれ以上
負担掛けらんねえよ、どうせいじけて動かねえんだろ、
俺が行って一発……」
 
「ジャミル、余計ダウドを刺激しちゃうだろ……、彼女達に
任せた方がいいかも、案外ちゃっかりしてるから、ダウドも……、
2人が行ってくれた方が効果的かも知れない……」
 
「大丈夫です、此処は任せて下さいっ!アルベルトさん!」

「わんわんっ!」
 
いろはこむぎと一緒に手を繋ぎながらダウドのいる場所まで
戻って行った。
 
「ダウドさあ~んっ!」

「ダウドっ、いた~っ!」
 
「……」
 
ダウドはやはりあのまま座りっぱなしで動かないでいた。何か
考え事をしている様にも見えた。
 
「あの、戻りましょう……?ジャミルさん達も……、心配してますよ?」

「ガルガルはダメだよっ!ダウドのお顔、何かガルガルしてるもん!」
 
「いろはちゃんとこむぎちゃん、まだいたんだ?……もうオイラ
置いて皆行っちゃったかと思った……」
 
ダウドは来てくれた2人の顔を見て、やるせなさそうな表情をする。
  
「別にー?オイラいつもこうだもん、不貞腐れてないよー?
ぜーんぜんっ、不貞腐れてませんよー!?……ガルガルなんて
してませんよっ、ぜーんぜんっ!もう少し休んだらちゃんと
動くよお!ふん!」
 
「……あ、あのう……、困ったねえ~……」
 
「もう~っ!ダウドってばっ!」

いろはとこむぎはダウドの対応に困り果てる。ジャミル達から
話には聞いていたが、彼のヘタレがまさか此処までとは思わず
甘く見過ぎていた。
 
「もう日も暮れますから、一人でいたら危ないですよ……」
 
「……ふん」
 
「……いろは、やっぱり一度戻ってジャミル達に言った方が
いいかもだよ……」
 
「そうだね、そうしようか……」

二人は一旦諦めて、体勢を立て直そうとした、……その時……。
 
 
……ガサッ……
 
 
「何の音だろ?……其処の茂みから……」
 
「……何だか嫌な感じがするよ……、どうしたのかなあ……?」
 
 
「フンガーーー!!」
 
 
茂みから現れたのは、かなり大きいイノシシであった。……流石、
未知の領域の山と言うべきか……。
 
「……おっきいイノシシさんっ!?」
 
イノシシはいろは達を仕切りに睨んでおり、今にも飛び掛かって
きそうな勢いである……。ジリジリと……、彼女達に迫る……。

「……ギャー!やばいよやばいよおおーー!!」

「ンモーっ!ダウドはおとこのこでしょっ、しっかりしなさいっ!」
 
「……だ、だってえええ~……」

「わたしがイノシシさんとお話してくるね、ちょっと待ってて!」

「……へ?あ、こむぎちゃんっ!危ないよお!」

「大丈夫ですよ、こむぎは動物さんとお話が出来ますから、
きっと……」

「で、でも……」

「お~いっ、イノシシさあ~んっ!イノシシさんもガルガルしちゃだめーっ!
なかよくしようよーっ!」

こむぎは平気で巨大なイノシシに向かって行く。だが、いろはは
静かに彼女を見守っている。パートナーの事を心から信頼している、
二人の絆……。だが。

「……え、えっ?違うよっ、ダウドは悪い人じゃ……、あっ!」

「えええーーっ!?」

イノシシはこむぎと暫く会話をしていた様だったが……、いきなり
ダウドの方に視線を向けると、ダウド目掛け飛び掛かってきた……。

「……ダウドさん、危ないーっ!」

「……うぎゃああーーっ!!」

「だめええーーっ!!」

……誰かがダウドを思い切り突き飛ばし……、ダウドは地面に倒れ、
頭を思い切りぶつけるが、間一髪で難を逃れる。だが、次の瞬間、
耳を劈く様な悲痛な声が……。

「いだだだ……、ひ、ひどい……、!?」

「……こむぎっ、こむぎっ!しっかりしてっ!!……こむぎっ!」

我に返ったダウドが目にした光景……。子犬の姿に戻っているこむぎを
いろはが泣きながら助け起こしていた。こむぎの腕からは血が流れていた。
こむぎはイノシシからダウドを庇った際、身体をぶつけられ、大怪我を
負っていた。

「……いろはちゃんっ、こむぎちゃんっ!」

「ダウドさん……、どうしよう……、こむぎが、こむぎが……」

いろはは顔を上げ、ダウドの方を見る。その顔は涙で溢れていた……。

「……あ、あっ……」

いのししは暫くダウドを睨んでいたが、そのまま再び茂みに消えた……。
 
「……いろはちゃん、ごめんね……、本当に……!此処は一旦戻って
ジャミル達に知らせに行こう、ごめんよ、オイラが勝手な事した所為で……、
こんな事になるなんて……!ごめんよ、ごめんよ、本当に……」
 
「……ううん、大丈夫です、私がしっかりしなくちゃ、今出来る事を
しないと……、泣いててもこむぎは助けられません、行きましょう、
ダウドさんっ!」

いろはは拳で涙をごしごし乱暴に擦って隠すとダウドに泣きの笑顔をみせた。
 
「……いろはちゃん、君、本当に強い女の子なんだね、それに比べて
オイラは……、何て情けない奴なんだ……」
 
ダウドの所為でこうなったのに、彼女はダウドを攻める事をしない。
そんな純粋ないろはを見ていると、ダウドは益々卑屈な自分が
情けなくなるのだった……。
 
一方の、ダウドといろは達を待つメンバー……
 
「あの、オラからもご提案があります……」
 
しんのすけがしゅたと右手を挙げた。
 
「何だよ、珍しいな、言ってみろ」
 
「あのね、チビが友達のドラゴンさん呼べるなら、オラ達も
ドラゴン谷までドラゴンさんに乗せてって貰えばいいと思うの……」
 
「……そうか、そりゃ考えてなかったな、お前案外頭いいな……」
 
「でしょ?オラ、ジャミルお兄さんよりも頭いいかも……」
 
「ボ……、です、ね……」
 
「おい……」
 
「駄目っ!それは駄目なのっ!!」
 
「チビ……?」
 
「お……?」
 
「ドラゴン谷に直に入った人間はこれまでいないんだよお、
ドラゴン達は勇気ある者以外は谷に入らせる事を絶対拒むの、
だから、最初からズルなんかしようと考える心の持ち主は
当然谷にも入れて貰えないんだよお!」
 
「そ、そうか、そうだよな……、厳しいな……」
 
「……試練を超えた者だけが谷に入る事を許されるんだね……、
成程……、あれ?」
 
「アル、どうかしたか……?」
 
「……ダウド達だ……、走って来るけど、何だか様子がおかしいよ……」
 
「え、ええ……?」