キメツ学園の世界に転生した転生者達が徒党を組んだお話
「鬼神教?それは何だい?」
此処はキメツ学園の学生食堂。今は昼休み中であり、食堂の中では多数の生徒が食事を摂っている。この学園の高等部に通っている男子高校生『竈門炭治郎』はかけそばを啜りながら友人の男子高校生『我妻善逸』と話をしており、善逸の口から『鬼神教』という名前を聞いていた。聞き覚えの無い単語に炭治郎は疑問を顔に貼り付けている。
「まぁ...炭治郎には縁が無いか...」
「どういう意味だ?」
「お前はSNSとかあまりしないだろ?」
「?まぁ、偶にGo●gleで調べ物をする位だな...」
善逸は少し苦笑しながら言葉を続ける。
「“鬼神教”ってのはなぁ...性質の悪いネット民の集団だよ」
「?性質の悪い...?」
「お前もさぁ...前科者の個人情報を晒したりしている奴等がいるのは知っているだろ?」
「あぁ!そういう奴等なのか...」
「そんな中でも特に過激派って感じの奴等でさぁ~...自分達が“悪人”って見做した連中にスゲー迫害をしているんだよ」
「知っているのか?」
「あぁ、同じ市内の●●町に岩崎流剣道教室っていう剣道を教えている道場があるんだけど...其処の息子と仲がいい奴等がターゲットにされて道場自体が凄い嫌がらせをされているのを見た事があるよ」
善逸はSNSの動画だけでなく、用事で●●町に行った時に実際に見た事を友人に伝える。それを聞いた炭治郎は苦虫を嚙み潰した様な顔をしている。善逸は脳裏には敷地内に汚物が投げ込まれ、道場の壁や門に至るまで道場主の息子を始めとした門下生達に対する罵詈雑言が書かれた道場やSNSにアップされた“犯罪者予備軍に危険物は必要無い”という理由で破壊された乗用車の写真が浮かんでいた。他にもGo●gleマップに“人間のクズ育成センター”や“社会のゴミ捨て場”という施設名に変更されているのやレビューには以下の事柄が書き込まれていた。
『道場主の息子の性格からこの剣道教室に子供を通わせても碌な結果にならない』
『クズが感染するから止めた方がいい』
『金の無駄』
『人の皮を被った鬼...否...それ以下の人間』
『犯罪者予備軍』
『口だけ野郎の集団』
『人間のクズ』
『この世界には“少年法”がある...だから、近寄らない方がいい』
『雰囲気ブサメン』
『年頃の女の子......特に美少女は絶対に通わせていけない』
『そうそう♪レイ●されちゃうよ♪』
それらは読んでいるだけで書き込んだ人間達の怒りと憎しみが溢れているのが伝わって来ており、自分にも感情が感染しそうになっているのを感じて慌てて閉じたのだった。彼らは自分達の事を『鬼神教』と名乗り、彼らの教義は「この世には心有る人を鬼へと堕とす“人の皮を被った鬼”がおり、自分達はそんな奴から心有る人を護る事が役目である」らしい。
「俺もあそこの道場主の息子って直接は知らないけどさぁ......どうやったら、あそこまで憎まれるんだ?」
「そっ...そうなのか!」
「こんな事を言ったら...お前に軽蔑されるかも知れないけど、火の無い場所に煙は立たないって言うし...近付かない方が無難だよな」
「別に軽蔑なんてしないよ......俺だって其処までお人好しじゃない」
後輩達がそんな話をしている近くで上級生である男子高校生『素山狛治』が妻である女子高生『素山恋雪』と一緒に食事をしながら2人の話を聞いていた。2人は高校生だが、両親公認の仲である事と既に婚姻可能な年齢である事から既に結婚しているのである。狛治は何かを思い出した様な顔をしながら食後のお茶を飲んでいる。
「どうしたんですか?狛治さん」
「いや...岩崎流剣道教室って聞いて思い出してな」
「何かあったんですか?」
「うん...昔、調子に乗っていた頃に妙な連中に会ってな」
「妙な人達ですか?」
「あぁ、何か...俺のファンを名乗って“岩崎流剣道教室に関わるな”や“あそこの道場の息子はあんたの眼を盗んで恋雪さんの事を平気で狙うぞ!”、“素山さんの道場に火とか着けるぞ!”とか真剣な表情で忠告して来たんだよ」
「そっ...そうなんですか...!」
「それでよ......全員が凄いまっすぐな眼でこう言ったんだ...“あいつらは俺達がやる!貴方は恋雪さんと幸せになる事だけ考えろ!!”ってな」
「......///」
恋雪は知らない人達にも自分達の事を知られている事に少し赤くなっている。狛治は正直...気味が悪かったが、彼らが真剣に自分達の事を思ってくれている事だけは理解してしまった。
「それから...俺とそいつらが一緒にいたら当時の俺と同じ位の竹刀袋を持った連中が近くを通りかかったんだよ」
「竹刀袋?」
「それで...話していた奴等の1人が一番偉そうな奴を指差しながら教えてくれたんだよ......“アイツが岩崎道場の息子だ”ってな」
「どう思いました?」
「正直......引かれるかも知れんが...既視感っていうのか?顔を見ただけで連中の言っているのと同じ事を俺も感じた......赤の他人相手に褒められた事ではないかも知れないが」
「......」
「そして、こう言われたよ......“世の中には腕力で勝てても、貴方の想定外の事をしてくる卑怯者が存在する...そんな奴等から大切な人を護るには関わりにならない、時には逃げる事も立派な護身術だ”とな」
「......その通りかも知れませんね」
「だけど...鬼神教というのが...アイツらだと思いたくないな」
「はい...」
もしも、鬼神教という集団が狛治が出会った人達と同じなら......彼や自分達を守る為にやっている可能性があるのだから
「嫌ねぇ~...また、岩崎さんのお宅よ...」
「あの人達も性質が悪いけど......何をどうしたら...あそこまでされるのかしら?」
「うちの子が言うには...岩崎さんの息子って昔から性格が悪いらしいわよ?乱暴な性格で女の子にまで暴力を振るったり...」
「そういえば...奥さん、実家に帰ったらしいわよ......旦那さんと息子を置いて」
「えぇっ!?何で!息子も連れて行かないのよ!!」
「あの人達......奥さんの実家や親戚の家も把握しているらしいわよ......マップに書き込みがあったんだって」
「其処までやる?特定班だっけ?相当に根性が据わっているわね...」
「臭いわねぇ......あの人達、ゴミ収集場からゴミを運んで岩崎さんの家に投げ込むから回収するのも一苦労だって収集車の人達が言っていたわ」
「いっその事、岩崎さん家をゴミ収集場にすればいいのよ......お似合いだわ」
「ちょっと......毒されてない?あの人達に......」
「あの人達......迷惑料だって近所に住んでいる私達の家の玄関近くにお金を落として行ったでしょ?警察に遺失物として届けて受け取ってくれって...岩崎さん達の口から巻き込んですまないとか謝罪の言葉があった?」
「......無いわ」
「多分さ......表沙汰になっていないだけで相当酷い事があったのよ!だから、あんな事をしているのよ!!」
「私も何か...そんな気になって来た...」
此処はキメツ学園の学生食堂。今は昼休み中であり、食堂の中では多数の生徒が食事を摂っている。この学園の高等部に通っている男子高校生『竈門炭治郎』はかけそばを啜りながら友人の男子高校生『我妻善逸』と話をしており、善逸の口から『鬼神教』という名前を聞いていた。聞き覚えの無い単語に炭治郎は疑問を顔に貼り付けている。
「まぁ...炭治郎には縁が無いか...」
「どういう意味だ?」
「お前はSNSとかあまりしないだろ?」
「?まぁ、偶にGo●gleで調べ物をする位だな...」
善逸は少し苦笑しながら言葉を続ける。
「“鬼神教”ってのはなぁ...性質の悪いネット民の集団だよ」
「?性質の悪い...?」
「お前もさぁ...前科者の個人情報を晒したりしている奴等がいるのは知っているだろ?」
「あぁ!そういう奴等なのか...」
「そんな中でも特に過激派って感じの奴等でさぁ~...自分達が“悪人”って見做した連中にスゲー迫害をしているんだよ」
「知っているのか?」
「あぁ、同じ市内の●●町に岩崎流剣道教室っていう剣道を教えている道場があるんだけど...其処の息子と仲がいい奴等がターゲットにされて道場自体が凄い嫌がらせをされているのを見た事があるよ」
善逸はSNSの動画だけでなく、用事で●●町に行った時に実際に見た事を友人に伝える。それを聞いた炭治郎は苦虫を嚙み潰した様な顔をしている。善逸は脳裏には敷地内に汚物が投げ込まれ、道場の壁や門に至るまで道場主の息子を始めとした門下生達に対する罵詈雑言が書かれた道場やSNSにアップされた“犯罪者予備軍に危険物は必要無い”という理由で破壊された乗用車の写真が浮かんでいた。他にもGo●gleマップに“人間のクズ育成センター”や“社会のゴミ捨て場”という施設名に変更されているのやレビューには以下の事柄が書き込まれていた。
『道場主の息子の性格からこの剣道教室に子供を通わせても碌な結果にならない』
『クズが感染するから止めた方がいい』
『金の無駄』
『人の皮を被った鬼...否...それ以下の人間』
『犯罪者予備軍』
『口だけ野郎の集団』
『人間のクズ』
『この世界には“少年法”がある...だから、近寄らない方がいい』
『雰囲気ブサメン』
『年頃の女の子......特に美少女は絶対に通わせていけない』
『そうそう♪レイ●されちゃうよ♪』
それらは読んでいるだけで書き込んだ人間達の怒りと憎しみが溢れているのが伝わって来ており、自分にも感情が感染しそうになっているのを感じて慌てて閉じたのだった。彼らは自分達の事を『鬼神教』と名乗り、彼らの教義は「この世には心有る人を鬼へと堕とす“人の皮を被った鬼”がおり、自分達はそんな奴から心有る人を護る事が役目である」らしい。
「俺もあそこの道場主の息子って直接は知らないけどさぁ......どうやったら、あそこまで憎まれるんだ?」
「そっ...そうなのか!」
「こんな事を言ったら...お前に軽蔑されるかも知れないけど、火の無い場所に煙は立たないって言うし...近付かない方が無難だよな」
「別に軽蔑なんてしないよ......俺だって其処までお人好しじゃない」
後輩達がそんな話をしている近くで上級生である男子高校生『素山狛治』が妻である女子高生『素山恋雪』と一緒に食事をしながら2人の話を聞いていた。2人は高校生だが、両親公認の仲である事と既に婚姻可能な年齢である事から既に結婚しているのである。狛治は何かを思い出した様な顔をしながら食後のお茶を飲んでいる。
「どうしたんですか?狛治さん」
「いや...岩崎流剣道教室って聞いて思い出してな」
「何かあったんですか?」
「うん...昔、調子に乗っていた頃に妙な連中に会ってな」
「妙な人達ですか?」
「あぁ、何か...俺のファンを名乗って“岩崎流剣道教室に関わるな”や“あそこの道場の息子はあんたの眼を盗んで恋雪さんの事を平気で狙うぞ!”、“素山さんの道場に火とか着けるぞ!”とか真剣な表情で忠告して来たんだよ」
「そっ...そうなんですか...!」
「それでよ......全員が凄いまっすぐな眼でこう言ったんだ...“あいつらは俺達がやる!貴方は恋雪さんと幸せになる事だけ考えろ!!”ってな」
「......///」
恋雪は知らない人達にも自分達の事を知られている事に少し赤くなっている。狛治は正直...気味が悪かったが、彼らが真剣に自分達の事を思ってくれている事だけは理解してしまった。
「それから...俺とそいつらが一緒にいたら当時の俺と同じ位の竹刀袋を持った連中が近くを通りかかったんだよ」
「竹刀袋?」
「それで...話していた奴等の1人が一番偉そうな奴を指差しながら教えてくれたんだよ......“アイツが岩崎道場の息子だ”ってな」
「どう思いました?」
「正直......引かれるかも知れんが...既視感っていうのか?顔を見ただけで連中の言っているのと同じ事を俺も感じた......赤の他人相手に褒められた事ではないかも知れないが」
「......」
「そして、こう言われたよ......“世の中には腕力で勝てても、貴方の想定外の事をしてくる卑怯者が存在する...そんな奴等から大切な人を護るには関わりにならない、時には逃げる事も立派な護身術だ”とな」
「......その通りかも知れませんね」
「だけど...鬼神教というのが...アイツらだと思いたくないな」
「はい...」
もしも、鬼神教という集団が狛治が出会った人達と同じなら......彼や自分達を守る為にやっている可能性があるのだから
「嫌ねぇ~...また、岩崎さんのお宅よ...」
「あの人達も性質が悪いけど......何をどうしたら...あそこまでされるのかしら?」
「うちの子が言うには...岩崎さんの息子って昔から性格が悪いらしいわよ?乱暴な性格で女の子にまで暴力を振るったり...」
「そういえば...奥さん、実家に帰ったらしいわよ......旦那さんと息子を置いて」
「えぇっ!?何で!息子も連れて行かないのよ!!」
「あの人達......奥さんの実家や親戚の家も把握しているらしいわよ......マップに書き込みがあったんだって」
「其処までやる?特定班だっけ?相当に根性が据わっているわね...」
「臭いわねぇ......あの人達、ゴミ収集場からゴミを運んで岩崎さんの家に投げ込むから回収するのも一苦労だって収集車の人達が言っていたわ」
「いっその事、岩崎さん家をゴミ収集場にすればいいのよ......お似合いだわ」
「ちょっと......毒されてない?あの人達に......」
「あの人達......迷惑料だって近所に住んでいる私達の家の玄関近くにお金を落として行ったでしょ?警察に遺失物として届けて受け取ってくれって...岩崎さん達の口から巻き込んですまないとか謝罪の言葉があった?」
「......無いわ」
「多分さ......表沙汰になっていないだけで相当酷い事があったのよ!だから、あんな事をしているのよ!!」
「私も何か...そんな気になって来た...」
作品名:キメツ学園の世界に転生した転生者達が徒党を組んだお話 作家名:ブロンズ・ハーミット