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ブロンズ・ハーミット
ブロンズ・ハーミット
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ヒロアカ世界でありそうな事~人気調査~

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【出会い】




「転校生の窓貨君だ。皆、仲良くしてやれよ」
「窓貨錠助(まどかじょうすけ)です。よろしく」
此処は灰原学園高等部1年B組の教室。それぞれの席へと座っている生徒達の前で担任の男性教師と一人の青年が立って自己紹介をしている。どうやら、このクラスに転校生が来た様である。生徒達は転校生を見ながらヒソヒソと話している。
「......ねぇ、何か怖そうな人だね」
「......うん、ヤンキーって奴かな?」

生徒達は青年の容姿が原因で警戒している様子である。転校生『窓貨錠助』は身長180cm以上はある長身で引き締まった体躯をしており、眼つきが鋭くて精悍な顔立ちをしている。おまけに銀髪をリーゼントヘアにしているのも強面に拍車を掛けている。生徒達の怯えを含んだ視線に錠助は諦め半分慣れ半分という感じで受け止めている。

「......(またか...この学校で何時も通りなんだろうな)」

「窓貨、窓際の最後尾の生徒の隣が空いているだろう、あそこの席に座ってくれ」

「「「「「!?」」」」」

「はい」

担任教師の指示した席を聞いた生徒達は再び、騒めき始めた。錠助はそんな生徒達の変化を敏感に感じ取った。

「...四世に調べさせるって事か?」
「...うん、四世君ならどんな人か?少しは判るでしょ?」
「...四世の様子次第で...転校生にどう接するか決めようぜ」

「...?(何だ?一体...)」

錠助は疑問に感じた状態で他人に指示された席へと到着すると...隣の席に座っている男子生徒が話しかけて来た。眼鏡を掛けた童顔で中肉中背という体型をした少年である。少年はまるで好きな芸能人に会った様な表情で仗助へと顔を向けながら握手を求めている。

「初めまして!俺は四世調(よせしらべ)って言うんだ!よろしくな!!」
「あぁ...よろしく」

調からの友好的な挨拶に少し戸惑いながらも錠助は彼の出した手を握っている。そんな二人を見ながら周囲の生徒達は何処か安心した様な顔をしながらヒソヒソと話し始める。

「四世君があんな風に接するって事はいい人なのかな?」
「えぇ...明らかに“人気者”に接する態度ね」
「あいつも“向こうの世界”での人気者って奴か...」
「俺も仲良くしてみようかな...」

「うん?」

錠助は自分達への生徒達の態度に疑問を感じながらも新天地での生活を始めるのだった。




「窓貨くん!私じゃ背が足りなくて代わりに上の方へポスターを貼ってくれない?」
「分かった!上の方へは俺がやるよ」
「ありがとう!後でコーヒーを奢るね!」

「錠助、今日は皆でカラオケに行くんだけど、一緒に行こうぜ」
「あぁ、暇だからいいぜ」

錠助が転校してから一か月後...彼はすっかりクラスへと馴染んでいた。人を見る眼という信用されているらしい四世の様子から安心して錠助へと話しかけたクラスメイト達は彼の真面目で優しい性格を気に入り、幾人かの生徒と友達となっていた。錠助は少し戸惑いながらもクラスでの生活を楽しんでいた。そんなある日、錠助は仲の良い女子生徒『森川萌』と一緒にクラスで配布するプリントを運んでおり、二人で廊下を歩いていると聞き覚えのある声が聞こえて来た。

「えっと...俺に君の好きな人を見て欲しいの?」
「はい、先輩ってそういうのが判るんですよね?お願いします!」
「でもさ...俺の“個性”じゃ“彼ら”の知らない事は判らないよ?」
「構いません、致命的な何かが無ければ良いです」
「分かった。視るだけ視て分かる事だけ教えるよ」
「はい!お願いします」

調と下級生らしき女子生徒がそんな会話をしているのが聞こえており、錠助には何が何だか解らなかったが...横にいた萌には理解出来る様で納得したという感じで呟いた。

「なるほどね。いつものか...」
「うん?いつもの?どういう事だ?」
「えっ!?知らないの!?」
「何をだ?」
「四世クンの“個性”の事だよ!錠助クン、仲が良いじゃん!?」

萌にそう言われた錠助は少し考え込んだ後に口を開いた。

「そう云えば...調とそういう話をした事が無いな」
「ふ~ん、まぁ、そういう事もあるか」
「でよ...調の“個性”が何なんだ?もしかしてよ...皆が俺の事を受け入れてくれたのと関係あんのか?」
「えっ!?まぁ...あるかな」

萌は少し後ろめたそうに言い淀むも意を決して伝える事とした。

「四世クンってさぁ...学校の皆から厄介に思われている反面で信用もされているんだよね」
「厄介?あの大人しい調がか?」
「うん、普段は大人しいんだけどさぁ...いざっていう時の行動力が非常に高いんだよ」
「いざっていう時?」
「誰かが酷い目に遭った時や遭いそうな時とかそういう感じの時かな...」
「......ソイツは悪い事なのか?」
「悪い事じゃないけどさ...いるでしょ?無条件で厄介事が嫌いな人って...」
「そうだな...」

錠助は少し険しい顔で頷いた。そんな彼の顔を見ている萌は調の見たモノがどういう事なのか?に独りで納得していた。錠助は萌に再び尋ねる。

「それで...調の“個性”って何なんだ?」
「それがさぁ...“人気調査”って呼ばれているわ」
「?“人気調査”?」
「錠助クンって漫画とか読む?」
「あぁ...読むけど」
「それでさ、漫画を読んでいると、登場人物が作者の事とか話していたり、自分が創作物の登場人物だって理解している様な場面って読んだ事ある?メタフィクションって言うんだっけ?」
「?あるけど...それがどうした?」

萌は少し躊躇した後に言った。

「四世クンの“個性”は自分が“創作物の登場人物”として存在している世界での“人気”を調査する事が出来るって能力なのよ」
「へっ!?どういう意味だ!?」
「つまり!“漫画の登場人物”という立場から“作者の世界”で“読者”達からどう思われているのか?を知る事が出来るって能力なの!!」
「ちょっ!?待ってくれよ!!じゃあ!俺達は漫画の登場人物って事か!?」
「何処かの平行世界?に私達が創作物の登場人物として存在している世界があるって事でしょ?」
「まっ...マジかよ!?幾ら...超能力ってのが実在している世界だからって信じているのか?」
「四世クンの“個性”は自分の見た物を...“読者”達の声を他の人にも伝える事が出来るの」

“少なくとも四世クンに見えているモノがある”と付け加えた後、萌は説明し始めた。調は人の顔を見る事で相手が“創作物の登場人物”として存在している世界でどんなジャンルの作品の登場人物でどれ位の人気があるのか?やYouTubeチャンネルを始めとしたSNSや掲示板といったネットの書き込みを視る感覚でコメント等も視る事が出来るという。そして、対象別にコメントや映像をストックする事が可能としており、手を繋ぐといった身体的接触でそれを相手の脳へとダイレクトに伝達する事や黒板やノートにコメントを、テレビ等に映像を念写させる事も出来るのである。

「ほら、この学園って幼稚園から大学まである一貫校でしょ?だから、大抵は顔見知りなんだよね」
「だから、そんなに詳しいのか?」