zokuダチ。セッション19 冒険編3
冒険編11 変態領主の屋敷
「……ルーゼ、い、いるかっ、お、俺だ……」
「どうぞ、ノックしなくても鍵は開いてるわ……」
「す、すまねえ……、うう……」
「どうしたのよ、ゲス……、その傷は……、とにかく中に……」
ルーゼの部屋に傷だらけの男性が倒れ込んで来た。紛れも無く、
あの荒くれ男である。どうやら本名は本当にゲスと言うらしい……。
「……情けないわね、ナンダ・カンダ家の用心棒ともあろう者が……、
一体誰にやられたの、言いなさい……」
「笑わないでくれよ……、糞ガキだ……、数人の、お、恐ろしい
ガキなんだ……」
「ハア、あなた、もう用心棒解雇時かしら……」
「だからっ!話を最後まで聞いてくれよ、俺が拉致して此処に
連れて来た娘の仲間だ、おまけに言葉を喋る凶悪なチビの
ドラゴンまで連れていやがったんだ……、娘の名前は……、
確かジャミルとか言ってたな……」
ルーゼは首を傾げ、不思議そうな表情を荒くれ……、ゲスと言う
男に向けた。
「……あら?おかしいわね、私が小娘に名前を問い質した時は、確か、
アイシャと言っていたわ……」
「な、なんだと……?」
「これは……、もう少し小娘を調べてみる必要がありそうね、で、
その、アンタをボコったガキ共はどうしたの……」
「小娘の居場所を教えろとしつこく付いて来たが、と、途中で
何とか煙に巻いたさ、所詮ガキはガキだったわ、ヘッ……」
「そう……、何だか情けない話だけれど、まあいいわ……、
でも、そのドラゴンだけは気になるわね、ふふ……」
「小娘は今どうしてる……?」
「今、お風呂に入って貰っている処よ、明日、旦那様と対面させるの……」
「そうか、いよいよか、ヘッ……、お気に召して貰えるといいな……」
「小娘の様子を話しただけで旦那様、大興奮だわよ、何がいいんだか、
あんな野蛮な原始人みたいな……、本当に旦那様の好みと趣味は
私には理解出来ないわ……」
ルーゼはそう言って、コツコツとハイヒールの音を靡かせ、
部屋を出て行った。
「何処行くんだい?」
「お風呂の後は食事をさせないとね、全く、家畜の世話状態よ、
あなたは少しこのまま私の部屋で休んでていいわ、じゃあ……」
「すまねえな、へへ……」
「……でも、あのほっぺたの柔らかい感触はどうしても
忘れられないわ……」
部屋から出たルーゼは微かにニヤリと又怪しい笑みを浮かべ、
ペロリと舌を出した……。
……そして、煙に巻かれた皆さん……
「ぴい~、皆、大丈夫……?」
「うん、大丈夫だよ、それにしても、ちょっと油断したね……」
「まさか~、睡眠スプレー持ってるなんてええ~、酷いよお~……」
「何かもうジャミルの匂いがしなくなっちゃった……、ぴい……」
「目が変、……おはなも変……、くしゅくしゅする……」
「こむぎ、大丈夫……?スプレーに追跡臭い消しでも混ぜて
あったのかな、酷い……」
荒くれの後に付いて行った一行は途中でうっかり油断し、チビも含め、
全員が睡眠ガススプレーをぶっ掛けられたのである……。
「でも、あのおじさん……、ジャミルをユーカイして、今度はいろはまで
捕まえようとしたんだ、……許さないよ、こんな気持ちはじめて……」
「……こむぎ……、でも、本当に有難う……、心配してくれて……、
助けに来てくれて嬉しかったよ……、私の為に必死で身体を張って
頑張ってくれて……、お蔭でひまちゃんもちゃんと無事だったよ……」
「♪えへへ、いろは、だ~いすきっ!」
「私もだよ、こむぎ!」
「……ジャミル、今頃どうしてるのかしら、辛い目に遭っていないと
いいんだけど……」
アイシャはじゃれ合うこむいろコンビを見て、元の姿のジャミルを
思い出す。暫くケンカも出来ない事も思い出し、急に淋しくなる。
意地っ張りでどうしようも無くて……、すぐにブン剥れるジャミルを……。
「……ジャミル……」
「すう~、すう~……」
「たいや~……」
「ボオ~……」
「……zzz」
しんのすけとひまわりの兄妹、シロ、ボーちゃんは完全に
眠ってしまったままぐっすり起きない。
「……私、諦めたくない、絶対にジャミルを助けるわ、どんな事が
あっても……」
「そうだよ!アイシャさん!一緒に頑張ろう!」
「……わたしもこのままあきらめないっ!絶対にジャミルを見つけるわん!」
「……いろはちゃん、こむぎちゃん……、そうね、力を貸してくれる?」
「はいっ!」
「わんっ!」
今はジャミルの姿ではあるが、中は立派な女の子、アイシャ。女の子同士、
硬く手をぎゅっと握り合い、誓うのであった。
「……だ、だけど~、あの変なのも見失っちゃったし、どうすれば……」
「だからウジウジしないのっ!ダウド、立ち止まったらダメだよっ!!
からだを動かすのっ!ほら、いっちにいわんわんだよっ!」
「ううう~……」
ダウド、こむぎに一喝される……。
「あの男の口調からするとジャミルは絶対この街の何処かに
いる筈だ、今は情報でも何でもとにかく集めよう、それしかないよ……」
アルベルトの言葉に他のメンバーも頷いた。
(そうよ、私だっていつも守られてばっかじゃいないんだからっ!
ジャミル、待ってて……)
アイシャは心の中でもそう誓い、硬く唇を噛んだ……。
そして、場面は再びジャミルに変わる……。
「お嬢様、下着のお着替えでございます……」
「お、お嬢?ハア、もう勘弁してくれっつーの、ハア……」
ジャミルは風呂に入る際に、脱衣所まで数人のメイドに
纏わりつかれウンザリしていた……。
「お背中をお流しいたします……」
「いいっての!自分で出来るっ!頼むから外、出ててくれる……?」
「しかし、ルーゼ様にお嬢様のお世話を申し付けられております故……」
「いいよ、ホントにっ!何かあったら呼ぶからさ……」
「作用でございますか、では、……私共は廊下でお待ちしております……」
「……」
メイド集団は漸く脱衣所から出て行こうとしたが……。
「ンモー!やってられませんってのさ!」
「お嬢様!いけません!お身体はお隠し下さい!」
「……わ、分ったよ、これでいいのか?」
ジャミルはさっとバスタオルで胸と上半身を隠した。
「結構なお姿です、ですが、タオルはくれぐれも浴槽には
お入れになりませぬ様に……」
「ふんっ!」
……お世話メイドから解放されたジャミルは蟹股歩きで
ドスドス風呂まで歩いて行った。
「ふう、やっと一人になれた、皆……、今頃どうしてんのかな、
探してんだろうな……、くそっ、女に暴力振るうとか、ちょっと
荒いけど……、あの女ブン殴ってでも逃げるべき……?」
浴槽でジャミルがブツブツ呟いていると、又浴室の戸がガラリと開いた。
「……だ、誰っ!?……ん?」
「今晩は」
入って来たのは、茶色の髪に三つ編みヘア、今のアイシャの
姿よりも更に背の小さい体格も小柄な女の子だった。
「……ルーゼ、い、いるかっ、お、俺だ……」
「どうぞ、ノックしなくても鍵は開いてるわ……」
「す、すまねえ……、うう……」
「どうしたのよ、ゲス……、その傷は……、とにかく中に……」
ルーゼの部屋に傷だらけの男性が倒れ込んで来た。紛れも無く、
あの荒くれ男である。どうやら本名は本当にゲスと言うらしい……。
「……情けないわね、ナンダ・カンダ家の用心棒ともあろう者が……、
一体誰にやられたの、言いなさい……」
「笑わないでくれよ……、糞ガキだ……、数人の、お、恐ろしい
ガキなんだ……」
「ハア、あなた、もう用心棒解雇時かしら……」
「だからっ!話を最後まで聞いてくれよ、俺が拉致して此処に
連れて来た娘の仲間だ、おまけに言葉を喋る凶悪なチビの
ドラゴンまで連れていやがったんだ……、娘の名前は……、
確かジャミルとか言ってたな……」
ルーゼは首を傾げ、不思議そうな表情を荒くれ……、ゲスと言う
男に向けた。
「……あら?おかしいわね、私が小娘に名前を問い質した時は、確か、
アイシャと言っていたわ……」
「な、なんだと……?」
「これは……、もう少し小娘を調べてみる必要がありそうね、で、
その、アンタをボコったガキ共はどうしたの……」
「小娘の居場所を教えろとしつこく付いて来たが、と、途中で
何とか煙に巻いたさ、所詮ガキはガキだったわ、ヘッ……」
「そう……、何だか情けない話だけれど、まあいいわ……、
でも、そのドラゴンだけは気になるわね、ふふ……」
「小娘は今どうしてる……?」
「今、お風呂に入って貰っている処よ、明日、旦那様と対面させるの……」
「そうか、いよいよか、ヘッ……、お気に召して貰えるといいな……」
「小娘の様子を話しただけで旦那様、大興奮だわよ、何がいいんだか、
あんな野蛮な原始人みたいな……、本当に旦那様の好みと趣味は
私には理解出来ないわ……」
ルーゼはそう言って、コツコツとハイヒールの音を靡かせ、
部屋を出て行った。
「何処行くんだい?」
「お風呂の後は食事をさせないとね、全く、家畜の世話状態よ、
あなたは少しこのまま私の部屋で休んでていいわ、じゃあ……」
「すまねえな、へへ……」
「……でも、あのほっぺたの柔らかい感触はどうしても
忘れられないわ……」
部屋から出たルーゼは微かにニヤリと又怪しい笑みを浮かべ、
ペロリと舌を出した……。
……そして、煙に巻かれた皆さん……
「ぴい~、皆、大丈夫……?」
「うん、大丈夫だよ、それにしても、ちょっと油断したね……」
「まさか~、睡眠スプレー持ってるなんてええ~、酷いよお~……」
「何かもうジャミルの匂いがしなくなっちゃった……、ぴい……」
「目が変、……おはなも変……、くしゅくしゅする……」
「こむぎ、大丈夫……?スプレーに追跡臭い消しでも混ぜて
あったのかな、酷い……」
荒くれの後に付いて行った一行は途中でうっかり油断し、チビも含め、
全員が睡眠ガススプレーをぶっ掛けられたのである……。
「でも、あのおじさん……、ジャミルをユーカイして、今度はいろはまで
捕まえようとしたんだ、……許さないよ、こんな気持ちはじめて……」
「……こむぎ……、でも、本当に有難う……、心配してくれて……、
助けに来てくれて嬉しかったよ……、私の為に必死で身体を張って
頑張ってくれて……、お蔭でひまちゃんもちゃんと無事だったよ……」
「♪えへへ、いろは、だ~いすきっ!」
「私もだよ、こむぎ!」
「……ジャミル、今頃どうしてるのかしら、辛い目に遭っていないと
いいんだけど……」
アイシャはじゃれ合うこむいろコンビを見て、元の姿のジャミルを
思い出す。暫くケンカも出来ない事も思い出し、急に淋しくなる。
意地っ張りでどうしようも無くて……、すぐにブン剥れるジャミルを……。
「……ジャミル……」
「すう~、すう~……」
「たいや~……」
「ボオ~……」
「……zzz」
しんのすけとひまわりの兄妹、シロ、ボーちゃんは完全に
眠ってしまったままぐっすり起きない。
「……私、諦めたくない、絶対にジャミルを助けるわ、どんな事が
あっても……」
「そうだよ!アイシャさん!一緒に頑張ろう!」
「……わたしもこのままあきらめないっ!絶対にジャミルを見つけるわん!」
「……いろはちゃん、こむぎちゃん……、そうね、力を貸してくれる?」
「はいっ!」
「わんっ!」
今はジャミルの姿ではあるが、中は立派な女の子、アイシャ。女の子同士、
硬く手をぎゅっと握り合い、誓うのであった。
「……だ、だけど~、あの変なのも見失っちゃったし、どうすれば……」
「だからウジウジしないのっ!ダウド、立ち止まったらダメだよっ!!
からだを動かすのっ!ほら、いっちにいわんわんだよっ!」
「ううう~……」
ダウド、こむぎに一喝される……。
「あの男の口調からするとジャミルは絶対この街の何処かに
いる筈だ、今は情報でも何でもとにかく集めよう、それしかないよ……」
アルベルトの言葉に他のメンバーも頷いた。
(そうよ、私だっていつも守られてばっかじゃいないんだからっ!
ジャミル、待ってて……)
アイシャは心の中でもそう誓い、硬く唇を噛んだ……。
そして、場面は再びジャミルに変わる……。
「お嬢様、下着のお着替えでございます……」
「お、お嬢?ハア、もう勘弁してくれっつーの、ハア……」
ジャミルは風呂に入る際に、脱衣所まで数人のメイドに
纏わりつかれウンザリしていた……。
「お背中をお流しいたします……」
「いいっての!自分で出来るっ!頼むから外、出ててくれる……?」
「しかし、ルーゼ様にお嬢様のお世話を申し付けられております故……」
「いいよ、ホントにっ!何かあったら呼ぶからさ……」
「作用でございますか、では、……私共は廊下でお待ちしております……」
「……」
メイド集団は漸く脱衣所から出て行こうとしたが……。
「ンモー!やってられませんってのさ!」
「お嬢様!いけません!お身体はお隠し下さい!」
「……わ、分ったよ、これでいいのか?」
ジャミルはさっとバスタオルで胸と上半身を隠した。
「結構なお姿です、ですが、タオルはくれぐれも浴槽には
お入れになりませぬ様に……」
「ふんっ!」
……お世話メイドから解放されたジャミルは蟹股歩きで
ドスドス風呂まで歩いて行った。
「ふう、やっと一人になれた、皆……、今頃どうしてんのかな、
探してんだろうな……、くそっ、女に暴力振るうとか、ちょっと
荒いけど……、あの女ブン殴ってでも逃げるべき……?」
浴槽でジャミルがブツブツ呟いていると、又浴室の戸がガラリと開いた。
「……だ、誰っ!?……ん?」
「今晩は」
入って来たのは、茶色の髪に三つ編みヘア、今のアイシャの
姿よりも更に背の小さい体格も小柄な女の子だった。
作品名:zokuダチ。セッション19 冒険編3 作家名:流れ者