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zokuダチ。セッション19 冒険編3

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「ふむ、咲いた花は枯れてしまったが……、又新しい種を植え、
次の世代まで花の命を託そう、……それが今生きて此処のお世話を
させて貰っている儂の使命じゃ……」
 
「はい、……お爺さん、本当に有難うございました……」
 
「娘さん、悲しいお顔はもうよしなされ、ココロ花も
悲しむ……、折角元に戻ったんじゃ、どうかいつも笑顔を
忘れない様にしておくれ……」
 
庭師はそう言うと、笑ってアイシャの頭をそっと撫でた。
 
「はいっ……!」
 
「……おや?又庭が騒がしい様じゃが……」
 
 
……くっそっ!一体何処行きやがったっ!舐め腐ってからにっ!
 
もう一度、屋敷の中も調べた方が良さそうだな……
 
も、もたもたしてると、お、俺達がルーゼ様にっ……!!
 
 
「……あんたら、逃げるのなら今かも知れん、間抜けな警備兵が
屋敷に戻って行った様じゃ……」
 
「わ、分った……、でも……」
 
ジャミルは心配そうに庭師の方を見るが……。
 
「儂の事なら心配いらんて、それよりも、あんた達を信頼して
よいかのう、どうか、旦那様と、このナンダ・カンダ家を
救って欲しい……、頼む……」
 
「……ああ、約束するよ、俺達、必ず此処に戻って来る、任せろ!」
 
「待ってて下さい、お爺さんっ!」
 
「ぴきゅ、おじいさん……」
 
チビもお別れに庭師の顔をペロペロ舐めた。
 
「有難うな……、さあ、お行きなさい、急がないと
夜が明けてしまうぞ……」
 
「よしっ、行くぞっ、アイシャっ、チビっ!」
 
……ジャミル達は自分達を応援してくれ、そして力に
なってくれた、ユウ、庭師に心から礼を言い、無事屋敷を
脱出する事が出来たのだった……。
 
 
「はあ、……チビ、街まで後どれくらいだ?匂いで分るか?」
 
「……うん、もう、そんなに遠くないよお~……」
 
「うふふっ」
 
急にアイシャがジャミルの方を見て笑い出す。
 
「な、何だよ、なんかおかしいか?俺の顔……」
 
「ううん、……やっぱり……、その帽子はジャミルが
一番良く似合ってるわ……」
 
「うん、アイシャ……、お前もな……、その服……、やっぱ
お前じゃないとな……」
 
二人が顔を見合わせ、微笑んだ頃……、漸く日も昇り始め、
新しい朝がやって来た……。
 
 
「やれ、夜も空けたか……、坊や達はどうしたかの、無事街まで
辿り着けると良いが……」
 
「……おいっ!庭師っ!!」
 
……けたたましい罵声がし、警備兵が乱暴に温室のドアを蹴った。
 
「何ですかのう、こんな朝早くから……」
 
数人の警備兵が温室に傾れ込んでくる……。警備兵は庭師を
取り囲み、一斉にサーベルを向けた……。
 
「……ルーゼ様がお呼びだ、すぐに屋敷まで来い……」
 
「ふう、やれやれ、そんな物騒な物を向けんでも儂は行きますよ……」