キメツ学園の世界に転生した転生者達が徒党を組んだお話:オマケ
鬼神教
「鬼神教か......奴等が何かをしたのか?」
「あぁ、あのやっている事が陰湿なのに派手な連中...また、何処かの誰かをターゲットにしたらしいぜ」
此処はキメツ学園の学生食堂。今は昼休み中であり、食堂の中では多数の生徒や教職員が食事を摂っている。この学園の科学教師『伊黒小芭内』と美術教師『宇髄天元』が同じテーブルで顔を突き合わせながら食後の雑談をしている。宇随から聞き覚えのある単語を聞いた伊黒は不快げに目元を細めている。話している宇髄も顔を顰めていた......彼ら当人は過激派のネット民達の集団『鬼神教』のターゲットになった事は無いが、一方的に被害者扱いされて父親や親戚を攻撃された事があるので鬼神教に良い印象を持っていなかったのである。まぁ、某剣道教室よりは酷く無かったが...
「今度は誰だ?」
「さぁ...聞き覚えの無い名前だったな...SNSの情報を視た限りじゃガチの犯罪者っぽかったな」
「そうか...」
「しかし、あいつらは色々な意味で本気で性質が悪いからな」
「あぁ、奴等はいい意味でも悪い意味でも口だけじゃない、肝も据わっている」
「所謂、無敵の人って奴か?あれだけの行動力と団結力がありゃあ...何でも出来るだろうによぉ」
宇髄がお茶を啜りながら思い出した様に口を開いた。伊黒絡みで鬼神教が起こした一件を思い出したのである。
「そういえば......あいつらの標的にされた従姉妹は元気か?」
「あぁ......心療内科に通いながらだが、それなりに回復しつつある」
「俺の親父もだが......お前の場合は母方の親族の女性全員が奴等に叩かれたからな」
「特に彼女は酷かった......金銭の為なら他人の命なんて意にも介さない、強盗殺人も平気で行う犯罪者予備軍だと氏名を完全に晒されたからな」
「そんで......俺等は一族の良心...遠回しな虐待の被害者か...」
「母さんは一時期...奴等の誹謗中傷を本当の事だと錯覚して首を吊ろうとした事がある...父さんが止めたがな」
伊黒は怒りと嫌悪を満ちた表情で独白している。この世界での彼は虐待なんて受けた事なんて無いし、母方の一族も“蛇鬼”等という変な土着信仰に嵌った狂人達でもないのである。母親も姉妹も従姉妹も鬼神教の言う様な“人の皮を被った鬼”等ではない......平和な世界で真っ当に生きている普通の人達なのだ。宇髄の父親も時代の変化を受け入れられない頑迷な老害でもない......少なくともこの世界では
「そういえば......甘露寺絡みでもやらかしたよな?あいつら...」
「あぁ、あの冴えない奴か......!」
「おいおい!あれはあいつらが奴を装ってやった事だろ?」
「......奴等の肩を持つつもりは無いが、奴は甘露寺の敵だと俺の勘が言っている」
「まぁ...思うだけは自由だけどよ」
彼らが言っている甘露寺蜜璃絡みの事件とは......彼女が高校三年生の時に同校の男子生徒『菅原芳雅』のSNSを乗っ取り、彼女の容姿を中傷したりする様な書き込みを投稿したのである。“告白されたが...人間は熊や猪とは付き合えない”や“自分と彼女は釣り合わない”といった分不相応極まりない自分語りを菅原本人の写真を公開した上で行った事で学校の内外の人間を敵に回したのである。伊黒は本気で激怒しており、宇随達が止めなかったら本気で殴る寸前まで行ったのだった。
『うわぁ~!何を勘違いしてんの?アイツ?』
『引くわ~!甘露寺さんがお前みたいな陰キャを相手にする訳ないだろ!!』
『バ~カ!この身の程知らずが!!』
『甘露寺さんが熊や猪だったら!お前は鼠かゴキブリだろが!!』
『いったぁ~い!陰キャの妄想乙!!』
『気持ち悪い』
『馬鹿じゃね?』
『違う!僕じゃない!僕じゃないんだぁ!!』
学校の内外から責め立てられた事で菅原は精神を壊して卒業間近に学校を自主退学して自宅へと引き籠ったのだった。そして、菅原が学園を消えた頃......甘露寺本人の前に複数の男達が現れて土下座して謝罪するという出来事が起こったのである。男達は自分達を鬼神教と名乗り、ターゲットを追い詰める為にSNSで誹謗中傷をしてすみません!!と謝った後、彼女の目前に慰謝料の入ったトランクケースを置いて一目散に逃げて行ったという。そして、SNSには“貴方達のおかげでクズ野郎に天罰を与える事が出来ました!正常な眼と価値観を持った皆さん、ありがとうございました!!”という書き込みが菅原のアカウントを名前が鬼神教に変更されて行われたのだった。そして、人伝だが...学園を辞めた菅原が人気の無い場所で男達に街中で全裸にされた姿で発見されたという話が耳に入った。
『なっ...何ですか!あなた達は!?』
『甘露寺さんに感謝しろよ?俺達はお前が彼女よりも長生きするのも許せねぇんだが...』
『あの人は......お前みてぇな野郎でも自分が原因で死んだら悲しむだろうからな...』
『だから、これで済ませてやるよ』
『何を言っているんですか!?僕が何をしたと言うんですかぁ!?』
『強いて言えば......お前は運が悪かったんだよ♪』
「あんな地味な野郎の何がそんなに気に食わなかったのか知らねぇが......アカウント乗っ取りまでやって陥れるとはなぁ」
「あの時は...まんまと騙された!」
「そろそろ...昼休みも終わりか」
「そうだな...次の授業の準備とするか」
宇髄と伊黒が上記の会話をしていた頃、市内の●●町近辺のファミレスで店長と思われる中年男性がアルバイトである男子高校生と話をしている。
「じゃあ、もう岩崎流剣道教室とは関係無いんだね?」
「はい...経営者の息子はSNSの通りに短気で嫌な奴だし、あそこにいるだけで犯罪者予備軍扱いされるからバイトを始める前に辞めました」
「そうか...君も市内に住んでいるなら知っていると思うが」
「えぇ......“岩崎流剣道教室に通っている人間は全員が卑劣漢”や“勝負で勝てない相手には飲み物に毒を入れたり、大勢で1人の相手を襲撃するなんて普通にやる”って噂が広まっているのも知っています」
「そうだ......ほら!つい最近、マンションの貯水槽に毒を入れられて7人も無くなった事件があっただろ?同じ市内でさ......」
「はい......剣道教室の噂が広まる少し前ですよね?覚えています」
「だからさぁ...この近辺の...否...市内全体が警戒しているんだよね」
「......」
「悪いけど......“毒殺流剣術”なんて呼ばれている人達の一員として個人情報がSNSに拡散されている君が店にいると他のバイトの皆もお客さんも怖いんだよ...悪いね」
「すみませんでした」
男子高校生『高橋伸弥』は店長に頭を下げると荷物を纏めて事務所を出て行ったのだった。他のアルバイト店員達は遠巻きにしている中で店長は少し悲しそうに男子高校生の背中を見ていたという。
「何で!?あんな奴の巻き添えでこんな目に遭わないといけないんだよ!!」
「鬼神教か......奴等が何かをしたのか?」
「あぁ、あのやっている事が陰湿なのに派手な連中...また、何処かの誰かをターゲットにしたらしいぜ」
此処はキメツ学園の学生食堂。今は昼休み中であり、食堂の中では多数の生徒や教職員が食事を摂っている。この学園の科学教師『伊黒小芭内』と美術教師『宇髄天元』が同じテーブルで顔を突き合わせながら食後の雑談をしている。宇随から聞き覚えのある単語を聞いた伊黒は不快げに目元を細めている。話している宇髄も顔を顰めていた......彼ら当人は過激派のネット民達の集団『鬼神教』のターゲットになった事は無いが、一方的に被害者扱いされて父親や親戚を攻撃された事があるので鬼神教に良い印象を持っていなかったのである。まぁ、某剣道教室よりは酷く無かったが...
「今度は誰だ?」
「さぁ...聞き覚えの無い名前だったな...SNSの情報を視た限りじゃガチの犯罪者っぽかったな」
「そうか...」
「しかし、あいつらは色々な意味で本気で性質が悪いからな」
「あぁ、奴等はいい意味でも悪い意味でも口だけじゃない、肝も据わっている」
「所謂、無敵の人って奴か?あれだけの行動力と団結力がありゃあ...何でも出来るだろうによぉ」
宇髄がお茶を啜りながら思い出した様に口を開いた。伊黒絡みで鬼神教が起こした一件を思い出したのである。
「そういえば......あいつらの標的にされた従姉妹は元気か?」
「あぁ......心療内科に通いながらだが、それなりに回復しつつある」
「俺の親父もだが......お前の場合は母方の親族の女性全員が奴等に叩かれたからな」
「特に彼女は酷かった......金銭の為なら他人の命なんて意にも介さない、強盗殺人も平気で行う犯罪者予備軍だと氏名を完全に晒されたからな」
「そんで......俺等は一族の良心...遠回しな虐待の被害者か...」
「母さんは一時期...奴等の誹謗中傷を本当の事だと錯覚して首を吊ろうとした事がある...父さんが止めたがな」
伊黒は怒りと嫌悪を満ちた表情で独白している。この世界での彼は虐待なんて受けた事なんて無いし、母方の一族も“蛇鬼”等という変な土着信仰に嵌った狂人達でもないのである。母親も姉妹も従姉妹も鬼神教の言う様な“人の皮を被った鬼”等ではない......平和な世界で真っ当に生きている普通の人達なのだ。宇髄の父親も時代の変化を受け入れられない頑迷な老害でもない......少なくともこの世界では
「そういえば......甘露寺絡みでもやらかしたよな?あいつら...」
「あぁ、あの冴えない奴か......!」
「おいおい!あれはあいつらが奴を装ってやった事だろ?」
「......奴等の肩を持つつもりは無いが、奴は甘露寺の敵だと俺の勘が言っている」
「まぁ...思うだけは自由だけどよ」
彼らが言っている甘露寺蜜璃絡みの事件とは......彼女が高校三年生の時に同校の男子生徒『菅原芳雅』のSNSを乗っ取り、彼女の容姿を中傷したりする様な書き込みを投稿したのである。“告白されたが...人間は熊や猪とは付き合えない”や“自分と彼女は釣り合わない”といった分不相応極まりない自分語りを菅原本人の写真を公開した上で行った事で学校の内外の人間を敵に回したのである。伊黒は本気で激怒しており、宇随達が止めなかったら本気で殴る寸前まで行ったのだった。
『うわぁ~!何を勘違いしてんの?アイツ?』
『引くわ~!甘露寺さんがお前みたいな陰キャを相手にする訳ないだろ!!』
『バ~カ!この身の程知らずが!!』
『甘露寺さんが熊や猪だったら!お前は鼠かゴキブリだろが!!』
『いったぁ~い!陰キャの妄想乙!!』
『気持ち悪い』
『馬鹿じゃね?』
『違う!僕じゃない!僕じゃないんだぁ!!』
学校の内外から責め立てられた事で菅原は精神を壊して卒業間近に学校を自主退学して自宅へと引き籠ったのだった。そして、菅原が学園を消えた頃......甘露寺本人の前に複数の男達が現れて土下座して謝罪するという出来事が起こったのである。男達は自分達を鬼神教と名乗り、ターゲットを追い詰める為にSNSで誹謗中傷をしてすみません!!と謝った後、彼女の目前に慰謝料の入ったトランクケースを置いて一目散に逃げて行ったという。そして、SNSには“貴方達のおかげでクズ野郎に天罰を与える事が出来ました!正常な眼と価値観を持った皆さん、ありがとうございました!!”という書き込みが菅原のアカウントを名前が鬼神教に変更されて行われたのだった。そして、人伝だが...学園を辞めた菅原が人気の無い場所で男達に街中で全裸にされた姿で発見されたという話が耳に入った。
『なっ...何ですか!あなた達は!?』
『甘露寺さんに感謝しろよ?俺達はお前が彼女よりも長生きするのも許せねぇんだが...』
『あの人は......お前みてぇな野郎でも自分が原因で死んだら悲しむだろうからな...』
『だから、これで済ませてやるよ』
『何を言っているんですか!?僕が何をしたと言うんですかぁ!?』
『強いて言えば......お前は運が悪かったんだよ♪』
「あんな地味な野郎の何がそんなに気に食わなかったのか知らねぇが......アカウント乗っ取りまでやって陥れるとはなぁ」
「あの時は...まんまと騙された!」
「そろそろ...昼休みも終わりか」
「そうだな...次の授業の準備とするか」
宇髄と伊黒が上記の会話をしていた頃、市内の●●町近辺のファミレスで店長と思われる中年男性がアルバイトである男子高校生と話をしている。
「じゃあ、もう岩崎流剣道教室とは関係無いんだね?」
「はい...経営者の息子はSNSの通りに短気で嫌な奴だし、あそこにいるだけで犯罪者予備軍扱いされるからバイトを始める前に辞めました」
「そうか...君も市内に住んでいるなら知っていると思うが」
「えぇ......“岩崎流剣道教室に通っている人間は全員が卑劣漢”や“勝負で勝てない相手には飲み物に毒を入れたり、大勢で1人の相手を襲撃するなんて普通にやる”って噂が広まっているのも知っています」
「そうだ......ほら!つい最近、マンションの貯水槽に毒を入れられて7人も無くなった事件があっただろ?同じ市内でさ......」
「はい......剣道教室の噂が広まる少し前ですよね?覚えています」
「だからさぁ...この近辺の...否...市内全体が警戒しているんだよね」
「......」
「悪いけど......“毒殺流剣術”なんて呼ばれている人達の一員として個人情報がSNSに拡散されている君が店にいると他のバイトの皆もお客さんも怖いんだよ...悪いね」
「すみませんでした」
男子高校生『高橋伸弥』は店長に頭を下げると荷物を纏めて事務所を出て行ったのだった。他のアルバイト店員達は遠巻きにしている中で店長は少し悲しそうに男子高校生の背中を見ていたという。
「何で!?あんな奴の巻き添えでこんな目に遭わないといけないんだよ!!」