zokuダチ。セッション20 冒険編4
冒険編17 突撃、再度傾れ込みへ
ジャミル達を匿い、逃がした事がばれてしまった庭師は屋敷内の
ルーゼの執務室へと連れて行かれ、取り調べを受けていた……。
「しつこいの、儂は何も知らんと言っておる……」
「そう……、実はね……、警備兵が皆一旦、屋敷の中に戻って
行ったでしょう?あの時よ、何人かに庭園を見張らせていたの、
……だから小娘達が逃げて行く処も当然、目撃しているのよ……」
「……何と卑怯な……、下賤な奴め……」
「ゲス、小娘共を追いなさい、街の方に逃げた筈だから、
まだあまり遠くには行かない筈よ、徹底的に探すのよ……!」
「オウ、任せとき!げへへっ!お前ら、行くぞ!」
ゲスは数名の兵を引き連れ、街へと繰り出して行った。
「のう、あの子達が一体何をしたと言うんじゃ、儂にはアンタの
考えておる事が分らぬよ……」
「うるさいわね!乞食の貴方には関係のない事よ!これはすべて
旦那様の命令!私はそれに従って動いているのみ!……それから
あなたは今日で庭師は解雇よ、もう用済み、あのゴミ庭園もすべて
焼き払う事になったわ……」
「……何と!?儂が解雇になるのは構わんが……、庭園を
焼き払うじゃと?旦那様が大切にしておられるあの庭園を……、
一体誰がそんな事を……」
「決まっているでしょう!旦那様の命令よ!さあ、あんた達!
この口うるさい爺さんをさっさと地下牢へ連れてお行き!
……うふふ、あなたは近い内にギロチン処刑よ……」
「……旦那様……」
庭師はショックのあまり、それ以上口を聞けず……、
両手には鎖を掛けられ、兵士に連行され、執務室から出された。
「……」
丁度、地下牢へと連行される処で、状況を見ていた領主と
庭師がすれ違った……。
「……残念だよ、じい、君とは昔からの長い縁だったが、何故、
私に逆らう様な真似を……、とてもショックだよ……、嘆かわしい……」
「……旦那様、きっとあなた様ももうすぐ救われますじゃろうて、
どうかお心を強くお持ち下さい……、どうか……、信じております……」
「……さっさと歩けっ!この老いぼれ爺めがっ!!」
庭師は兵士に鞭で叩かれ、脅されながら弱弱しい足取りで
よろよろしながらも地下牢への階段を降りて行った……。
領主も無言で自身の部屋へと戻って行く。
「何だ、あの爺さん、何か悪い事でもしたんかなあ?」
もう2組……、その時の状況を廊下で目撃していた者がいた。
不良娘のケイと暇人ブウ子である。
「おっほ!おっほっ!ほっほっ!」
「……あんた、相変わらずバカだねえ~……」
「きゃああああーーっ!お、お化粧してたら、ち、遅刻して
しまいましたかしら!ルーゼ様に怒られてしまうわあーっ!
きゃああーーっ!!」
マフミも、慌てて走って来た……。
「いや、全然セーフだよ、それにしても、今日又、
呼ばれてるのはこれだけ?馬鹿に少ないね……、あの
アイシャとか言う奴とユウはどうしたんだろ?今日は姿が
見えないけど……」
「はあ、ま、又旦那様に御呼ばれするなんてえーーっ!
きゃあああーーっ!!わ、私っ!どうしたらいいのかしらっ、
きゃああああーーっ!!」
「……いちいち絶叫するのやめれ、やかましいわ……」
ケイが溜息をつくと、ブウ子が踊り出した……。
「きっと、旦那様が美味い物食べさせてくれるんだっ!
おっ、ほっ、ほっ、ほっ!」
「はあ、こいつも呑気なブタだよ、たく……」
「あなた達、旦那様にご挨拶の時間よ、……此方へ
いらっしゃい……」
ルーゼが執務室から出、女の子達に声を掛けた……。
そして、場面は久しぶりに仲間サイドへと……。
「ダウド、起きなよ、朝だよ、また動かなくちゃ……」
「う……、アル……、も、もうちょっと……」
「オラのモーニング生屁だゾ!」
「ボー、サー、ビス……」
「……ちょ、わっ、わあああーーっ!起きるよ、起きるからあ!
うう~、とほほ~……」
何処かの民家へと続く石の階段で寝ていたダウド。しんのすけと
ボーちゃんに臭い半尻を向けられる。……これでは起きるより
仕方がなかった。
「こむぎははやおきだわん!♪ダウドもいっしょにおさんぽしよっ!」
「う、うわ……、嬉しいけど、何だかなあ~……」
子犬モードのこむぎはダウドの頬をペロペロ舐めてあげる。
「こむぎ、ダウドさんだって疲れてるんだよ……」
「あれれ……、わんっ!なつかしいあしおとがするよ……!」
「どうしたの、こむぎ?……あ、あれ?」
「……おーいっ!」
「みんなーっ!」
「あれ?あれって……、ま、まさか……」
「ダウド、どうしたの……?」
声のする方向を見ていたダウドが震えだし……、アルベルトも
不思議がるが。
「みんなーっ!あははっ!」
「きゅぴーっ!」
「アイシャだ、……チビちゃんもいる……、戻って来た……、
ジャミル達が戻ってきたよおおーーっ!!」
「……えええええっ!?」
ダウドの声にアルベルトやいろは達も確認し、目を見はった。
確かに……、此方に向かって走ってくるのは間違いなく
ジャミル達であった。
「はあ~、……や、やーっと、此処まで何とか来れた、
……へへ、元気だったかい?」
「そのお気楽な態度、軽い口調……、まさか……、君……、
本当の身体のジャミルかい……?」
……アルベルトが半目で尋ねると、ジャミルが返事を返した。
「いやあ~、色々あったけど、お蔭さまで無事、俺ら元に
戻れたよ、ちゃんと花の蜜も吸わせて貰ったんだ、皆にも
迷惑掛けちまったけど……、ほ~んと、ありがとな!」
「ジャミルさん、アイシャさん、お2人とも……、も、元に
戻れたんですね!」
「ええ、いろはちゃん、……御免なさい、心配掛けてしまって……」
「ジャミル、アイシャ!おかえりなさーいっ!」
「こむぎちゃん、ありが……きゃっ!!
「良かったあーっ!本当に元にもどれて良かったねーっ!
アイシャっ!!わたしもうれしーよっ!!」
こむぎは少女モードになるとアイシャに飛びついて彼女の身体を
思い切り抱擁するのだった。
「うん、……本当に……、みんな……、ありがと……、
っく、ふぇえ……」
「アイシャさん、良かったです、本当に……」
「よかったねえ~!よかった……、わああ~んっ!」
無事に元に戻れたアイシャは、いろはやこむぎと泣きながら
頑なに抱き合う。女の子達、こっちは良かったのだが、
……ジャミ公の方は……。
「……良かった、本当に……、さて……」
「……アル?ちょ、ちょいお待ち!何だその真っ黒い面はよ!」
「うふふ、うん……、実は僕もね、この日をどんなに
待ち漕がれていた事か……、……も、もう、我慢出来なくて……、
うふふ、うふふふ……」
アルベルトも待ってましたとばかりに、スリッパをさっと取り出した……。
「わーっ!アル、落ち着きなよお!気持ちは分るけど、今は
ジャミル達の話も聞かなくちゃ!」
ジャミル達を匿い、逃がした事がばれてしまった庭師は屋敷内の
ルーゼの執務室へと連れて行かれ、取り調べを受けていた……。
「しつこいの、儂は何も知らんと言っておる……」
「そう……、実はね……、警備兵が皆一旦、屋敷の中に戻って
行ったでしょう?あの時よ、何人かに庭園を見張らせていたの、
……だから小娘達が逃げて行く処も当然、目撃しているのよ……」
「……何と卑怯な……、下賤な奴め……」
「ゲス、小娘共を追いなさい、街の方に逃げた筈だから、
まだあまり遠くには行かない筈よ、徹底的に探すのよ……!」
「オウ、任せとき!げへへっ!お前ら、行くぞ!」
ゲスは数名の兵を引き連れ、街へと繰り出して行った。
「のう、あの子達が一体何をしたと言うんじゃ、儂にはアンタの
考えておる事が分らぬよ……」
「うるさいわね!乞食の貴方には関係のない事よ!これはすべて
旦那様の命令!私はそれに従って動いているのみ!……それから
あなたは今日で庭師は解雇よ、もう用済み、あのゴミ庭園もすべて
焼き払う事になったわ……」
「……何と!?儂が解雇になるのは構わんが……、庭園を
焼き払うじゃと?旦那様が大切にしておられるあの庭園を……、
一体誰がそんな事を……」
「決まっているでしょう!旦那様の命令よ!さあ、あんた達!
この口うるさい爺さんをさっさと地下牢へ連れてお行き!
……うふふ、あなたは近い内にギロチン処刑よ……」
「……旦那様……」
庭師はショックのあまり、それ以上口を聞けず……、
両手には鎖を掛けられ、兵士に連行され、執務室から出された。
「……」
丁度、地下牢へと連行される処で、状況を見ていた領主と
庭師がすれ違った……。
「……残念だよ、じい、君とは昔からの長い縁だったが、何故、
私に逆らう様な真似を……、とてもショックだよ……、嘆かわしい……」
「……旦那様、きっとあなた様ももうすぐ救われますじゃろうて、
どうかお心を強くお持ち下さい……、どうか……、信じております……」
「……さっさと歩けっ!この老いぼれ爺めがっ!!」
庭師は兵士に鞭で叩かれ、脅されながら弱弱しい足取りで
よろよろしながらも地下牢への階段を降りて行った……。
領主も無言で自身の部屋へと戻って行く。
「何だ、あの爺さん、何か悪い事でもしたんかなあ?」
もう2組……、その時の状況を廊下で目撃していた者がいた。
不良娘のケイと暇人ブウ子である。
「おっほ!おっほっ!ほっほっ!」
「……あんた、相変わらずバカだねえ~……」
「きゃああああーーっ!お、お化粧してたら、ち、遅刻して
しまいましたかしら!ルーゼ様に怒られてしまうわあーっ!
きゃああーーっ!!」
マフミも、慌てて走って来た……。
「いや、全然セーフだよ、それにしても、今日又、
呼ばれてるのはこれだけ?馬鹿に少ないね……、あの
アイシャとか言う奴とユウはどうしたんだろ?今日は姿が
見えないけど……」
「はあ、ま、又旦那様に御呼ばれするなんてえーーっ!
きゃあああーーっ!!わ、私っ!どうしたらいいのかしらっ、
きゃああああーーっ!!」
「……いちいち絶叫するのやめれ、やかましいわ……」
ケイが溜息をつくと、ブウ子が踊り出した……。
「きっと、旦那様が美味い物食べさせてくれるんだっ!
おっ、ほっ、ほっ、ほっ!」
「はあ、こいつも呑気なブタだよ、たく……」
「あなた達、旦那様にご挨拶の時間よ、……此方へ
いらっしゃい……」
ルーゼが執務室から出、女の子達に声を掛けた……。
そして、場面は久しぶりに仲間サイドへと……。
「ダウド、起きなよ、朝だよ、また動かなくちゃ……」
「う……、アル……、も、もうちょっと……」
「オラのモーニング生屁だゾ!」
「ボー、サー、ビス……」
「……ちょ、わっ、わあああーーっ!起きるよ、起きるからあ!
うう~、とほほ~……」
何処かの民家へと続く石の階段で寝ていたダウド。しんのすけと
ボーちゃんに臭い半尻を向けられる。……これでは起きるより
仕方がなかった。
「こむぎははやおきだわん!♪ダウドもいっしょにおさんぽしよっ!」
「う、うわ……、嬉しいけど、何だかなあ~……」
子犬モードのこむぎはダウドの頬をペロペロ舐めてあげる。
「こむぎ、ダウドさんだって疲れてるんだよ……」
「あれれ……、わんっ!なつかしいあしおとがするよ……!」
「どうしたの、こむぎ?……あ、あれ?」
「……おーいっ!」
「みんなーっ!」
「あれ?あれって……、ま、まさか……」
「ダウド、どうしたの……?」
声のする方向を見ていたダウドが震えだし……、アルベルトも
不思議がるが。
「みんなーっ!あははっ!」
「きゅぴーっ!」
「アイシャだ、……チビちゃんもいる……、戻って来た……、
ジャミル達が戻ってきたよおおーーっ!!」
「……えええええっ!?」
ダウドの声にアルベルトやいろは達も確認し、目を見はった。
確かに……、此方に向かって走ってくるのは間違いなく
ジャミル達であった。
「はあ~、……や、やーっと、此処まで何とか来れた、
……へへ、元気だったかい?」
「そのお気楽な態度、軽い口調……、まさか……、君……、
本当の身体のジャミルかい……?」
……アルベルトが半目で尋ねると、ジャミルが返事を返した。
「いやあ~、色々あったけど、お蔭さまで無事、俺ら元に
戻れたよ、ちゃんと花の蜜も吸わせて貰ったんだ、皆にも
迷惑掛けちまったけど……、ほ~んと、ありがとな!」
「ジャミルさん、アイシャさん、お2人とも……、も、元に
戻れたんですね!」
「ええ、いろはちゃん、……御免なさい、心配掛けてしまって……」
「ジャミル、アイシャ!おかえりなさーいっ!」
「こむぎちゃん、ありが……きゃっ!!
「良かったあーっ!本当に元にもどれて良かったねーっ!
アイシャっ!!わたしもうれしーよっ!!」
こむぎは少女モードになるとアイシャに飛びついて彼女の身体を
思い切り抱擁するのだった。
「うん、……本当に……、みんな……、ありがと……、
っく、ふぇえ……」
「アイシャさん、良かったです、本当に……」
「よかったねえ~!よかった……、わああ~んっ!」
無事に元に戻れたアイシャは、いろはやこむぎと泣きながら
頑なに抱き合う。女の子達、こっちは良かったのだが、
……ジャミ公の方は……。
「……良かった、本当に……、さて……」
「……アル?ちょ、ちょいお待ち!何だその真っ黒い面はよ!」
「うふふ、うん……、実は僕もね、この日をどんなに
待ち漕がれていた事か……、……も、もう、我慢出来なくて……、
うふふ、うふふふ……」
アルベルトも待ってましたとばかりに、スリッパをさっと取り出した……。
「わーっ!アル、落ち着きなよお!気持ちは分るけど、今は
ジャミル達の話も聞かなくちゃ!」
作品名:zokuダチ。セッション20 冒険編4 作家名:流れ者