zokuダチ。セッション21 冒険編5
冒険編22 ブウ子乱舞
「なあ、ユウ……、俺だよ、ジャミルだよ……、分らないのか?
お願いだから……、元に戻ってくれよ、なあ……」
「……知らない、私はあなたなんか知らない、私はルーゼ様と旦那様に
忠誠を誓うだけ、この命尽き果てるまで……、それが私の使命だから……」
「ユウっ!!」
ジャミルが必死に呼びかけるが、ユウは目にも輝きが無くなっており、
今は唯の操り人形と化していた……。
「さっさと、やってしまいましょう、ユウ、そうよ、私達は使命を
果たすのみ……」
「了解……」
「ぴいっ!!お姉ちゃん達っ!!」
「……ケイっ!マフミっ!お前ら……、アイシャを一体何処へ
連れてったんだよっ!!」
ユウの横からケイとマフミも虚ろな表情で姿を現す。マフミはもはや、
語尾に変な口癖をつけて燥いで喋らなくもなっていた。
「私達、洗脳ガールズ……、あなたも私達の可愛さで
洗脳ドッキューン、愛のウッフン・アッハンパワーで
あなたも、もう私達の虜、洗脳ピンク、ユウ……」
「……洗脳ブルー、ケイ……」
「……洗脳イエロー、マフミ……」
「はああ!?」
「……ブウ子がいなくて良かった、だって、いたら彼女はメンバーに
入れないもの……」
「ブスだし……、餃子とキムチ臭いし……」
「デブだし……、メンバー不可……」
ユウの言葉に、ケイとマフミが頷く。例え洗脳されていても、
どことなく抜けている彼女達にジャミルは何となく安心感を覚えた。
「と、そんな場合じゃねえ……、チビ、何とかなんねえか?
洗脳の解けるブレスとか、吐けねえかな……?」
「そんなのないよお、無理きゅぴ……、ぴい……」
「ちっ、駄目かっ……!……お?」
ジャミルが舌打ちをする……、と、同時に屋敷に突如謎の
地響きが響き渡った。
「な、何っ!?」
「……きゃあ~っ!!何だかお屋敷が揺れていますーーっ!
きゃーきゃー!!きゃああーーっ!!きゃああーーっ!!」
「……やべえ、俺が舌打ちしたからかな……」
「……違うと思うきゅぴ、それよりジャミル、今一瞬マフミお姉ちゃんが
元に戻ったみたい!いつものきゃーーきゃーーって言ったよお!」
「チビ、……お前も大分ツッコミが上手くなったな……、てか、
本当だ!俺も見た!」
「うん!」
「……お前ら、……私が何だと?」
ズシンズシンと言う重い音と共に現れたのは、帰った筈のブウ子であった。
「……うわ、また出た……」
「ぎゅっぴ!!」
「あ、あんたっ!何でまた……、う、ひゃあああっ!?」
ブウ子は無言でケイの身体をむんずと両腕で強く掴み、ぐきっと
サバ折状態にした。
「言え、私に内緒でお前ら何を食う気だったんだっ!?言え、言わないと
この身体を真っ二つに本当に折ってやるっ!!フンっ!!」
「……あ、あべええええ~……」
ケイはブウ子に身体を押さえつけられたまま、動く事が出来ず
コロッと気絶する。チビはどうしてもブウ子が怖い様で、脅えて
ジャミルの後ろに隠れてしまった……。
「やめなさいーーっ、このっ……」
「うるせーこの野郎!邪魔だっ!」
「……ぎゃんっ!!」
ブウ子、近づいて来たマフミを片手で張り飛ばし、マフミはふっ飛ばされ、
近くの壁に衝突した……。
「この私に黙って、食い物を食おうとするからだっ!ふんっ!」
「……無茶苦茶なヤツだなあ~、それよか、おいっ、マフミっ、マフミっ!!」
「うう~ん、きゃああ~……」
「ジャミル、マフミお姉ちゃん、きゃあーって言ってるから
洗脳が解けたのかなあ?」
「どうだかなあ……、おい、お前もだ、ブタ……、ブウ子っ!
ちょっと来いや!」
「何だっ!?私は今、機嫌が悪いっ!気安くよぶなっ!!」
「……どうもすみません……、あのう……、お願いが
あるんですが……、こ、この2人を何処か安全な場所に
運んで、監視というか……、見守っていて頂けないで
しょうか、こ、事が済むまでの間なんですけど……」
ブウ子には流石の毒舌ジャミルもたじたじで、鳥肌を
立たせながら終始敬語になってしまうのであった。
「嫌だね、何で私がそんな事しなくちゃならないんだっ!!
フンっ!!」
ブウ子は怒りまくり、鼻の穴をフンカフンカ広げ、アップで
ジャミルに迫る。
「このブタ……、い、いや、お願いします、事を争いますので、
お願いします……」
「ブウ、……そうだなあ……、うな丼10杯で手を打ってやる、どうだ?」
「んだとっ!?このデブめ、調子に乗りやがって……、うな丼なんか
俺が食いたいぐらいだっ!!」
「ジャミルっ、駄目だよおっ!お姉ちゃん達に又邪魔されたら
アイシャを助けに行くのがどんどん遅くなっちゃう!!」
チビに必死で説得され、我に返った様にジャミルがはっとした。
「……アイシャ……、そうだ、アイシャを助けなきゃ!分ったよ、
うな丼でも何でも食わせてやる、但しちゃんと事が済んでからだ、
いいな!?」
「交渉成立だ、本当は10杯なんか足りなくて困るけどな、お前は
金が無さそうだ、私は心が広いから我慢してやる、ありがたく思え、
よし、こいつらはうな丼だ……」
ブウ子は気絶しているケイとマフミを嬉しそうにひょいっと担いだ。
金が無さそうと言われたのが癪に障ったのかジャミルはそれを
不満そうな表情で見つめた。
「おい、あのチビはいいのかよ?」
「……チビ?」
「ぎゅ、ぎゅぴっ!?」
チビは一瞬、ぎょっとするが、ブウ子はどうやらユウの事を
指している様である。
「……あ、忘れてたっ!ユウっ!!」
「はあ……、もう洗脳ガールズは解散なのね、お早い事だわ……」
ユウはふわりと宙に浮かび上がると、空中から遠目でジャミル達の方を見た。
「……私は屈しないわ、何があっても……、ルーゼ様に
この事は報告します……」
「ユウ……、なあ、俺、信じてるから……、お前はそんな子じゃ
ないってさ……、元の優しいユウに戻ってくれるって……、
信じてるよ……」
「……お、に……い……、さ……ま……、ユ……ウ……は……」
「ユウ……?」
「きゅぴ!ジャミル、ユウちゃんが!」
「ユウっ!!」
(……そいつらはあなたを騙そうとしているの、罠にはまるんじゃ
ないのよ……)
「……あ、う……、……わ、私は……、あなたなんか知らない、
大嫌い……」
ユウは一瞬元に戻り掛けるが、何者かに妨害され再び表情から
生気が無くなった。
(あなただけでいいわ、一旦こっちへ戻って来なさい、……早く……、
旦那様もお待ちよ……)
「……分りました、ルーゼ様、今、参ります……」
「くそっ!やっぱりっ、ルーゼの奴かっ!!」
「……ぎゅぴいっ!!」
「……」
ユウはジャミル達の方を一瞬見たが虚ろな表情をし、再びその場から
姿を消した。
「く、逃げられたか、畜生!アイシャ、ユウ、待ってろよ、二人とも
絶対助けに行く……」
「なあ、ユウ……、俺だよ、ジャミルだよ……、分らないのか?
お願いだから……、元に戻ってくれよ、なあ……」
「……知らない、私はあなたなんか知らない、私はルーゼ様と旦那様に
忠誠を誓うだけ、この命尽き果てるまで……、それが私の使命だから……」
「ユウっ!!」
ジャミルが必死に呼びかけるが、ユウは目にも輝きが無くなっており、
今は唯の操り人形と化していた……。
「さっさと、やってしまいましょう、ユウ、そうよ、私達は使命を
果たすのみ……」
「了解……」
「ぴいっ!!お姉ちゃん達っ!!」
「……ケイっ!マフミっ!お前ら……、アイシャを一体何処へ
連れてったんだよっ!!」
ユウの横からケイとマフミも虚ろな表情で姿を現す。マフミはもはや、
語尾に変な口癖をつけて燥いで喋らなくもなっていた。
「私達、洗脳ガールズ……、あなたも私達の可愛さで
洗脳ドッキューン、愛のウッフン・アッハンパワーで
あなたも、もう私達の虜、洗脳ピンク、ユウ……」
「……洗脳ブルー、ケイ……」
「……洗脳イエロー、マフミ……」
「はああ!?」
「……ブウ子がいなくて良かった、だって、いたら彼女はメンバーに
入れないもの……」
「ブスだし……、餃子とキムチ臭いし……」
「デブだし……、メンバー不可……」
ユウの言葉に、ケイとマフミが頷く。例え洗脳されていても、
どことなく抜けている彼女達にジャミルは何となく安心感を覚えた。
「と、そんな場合じゃねえ……、チビ、何とかなんねえか?
洗脳の解けるブレスとか、吐けねえかな……?」
「そんなのないよお、無理きゅぴ……、ぴい……」
「ちっ、駄目かっ……!……お?」
ジャミルが舌打ちをする……、と、同時に屋敷に突如謎の
地響きが響き渡った。
「な、何っ!?」
「……きゃあ~っ!!何だかお屋敷が揺れていますーーっ!
きゃーきゃー!!きゃああーーっ!!きゃああーーっ!!」
「……やべえ、俺が舌打ちしたからかな……」
「……違うと思うきゅぴ、それよりジャミル、今一瞬マフミお姉ちゃんが
元に戻ったみたい!いつものきゃーーきゃーーって言ったよお!」
「チビ、……お前も大分ツッコミが上手くなったな……、てか、
本当だ!俺も見た!」
「うん!」
「……お前ら、……私が何だと?」
ズシンズシンと言う重い音と共に現れたのは、帰った筈のブウ子であった。
「……うわ、また出た……」
「ぎゅっぴ!!」
「あ、あんたっ!何でまた……、う、ひゃあああっ!?」
ブウ子は無言でケイの身体をむんずと両腕で強く掴み、ぐきっと
サバ折状態にした。
「言え、私に内緒でお前ら何を食う気だったんだっ!?言え、言わないと
この身体を真っ二つに本当に折ってやるっ!!フンっ!!」
「……あ、あべええええ~……」
ケイはブウ子に身体を押さえつけられたまま、動く事が出来ず
コロッと気絶する。チビはどうしてもブウ子が怖い様で、脅えて
ジャミルの後ろに隠れてしまった……。
「やめなさいーーっ、このっ……」
「うるせーこの野郎!邪魔だっ!」
「……ぎゃんっ!!」
ブウ子、近づいて来たマフミを片手で張り飛ばし、マフミはふっ飛ばされ、
近くの壁に衝突した……。
「この私に黙って、食い物を食おうとするからだっ!ふんっ!」
「……無茶苦茶なヤツだなあ~、それよか、おいっ、マフミっ、マフミっ!!」
「うう~ん、きゃああ~……」
「ジャミル、マフミお姉ちゃん、きゃあーって言ってるから
洗脳が解けたのかなあ?」
「どうだかなあ……、おい、お前もだ、ブタ……、ブウ子っ!
ちょっと来いや!」
「何だっ!?私は今、機嫌が悪いっ!気安くよぶなっ!!」
「……どうもすみません……、あのう……、お願いが
あるんですが……、こ、この2人を何処か安全な場所に
運んで、監視というか……、見守っていて頂けないで
しょうか、こ、事が済むまでの間なんですけど……」
ブウ子には流石の毒舌ジャミルもたじたじで、鳥肌を
立たせながら終始敬語になってしまうのであった。
「嫌だね、何で私がそんな事しなくちゃならないんだっ!!
フンっ!!」
ブウ子は怒りまくり、鼻の穴をフンカフンカ広げ、アップで
ジャミルに迫る。
「このブタ……、い、いや、お願いします、事を争いますので、
お願いします……」
「ブウ、……そうだなあ……、うな丼10杯で手を打ってやる、どうだ?」
「んだとっ!?このデブめ、調子に乗りやがって……、うな丼なんか
俺が食いたいぐらいだっ!!」
「ジャミルっ、駄目だよおっ!お姉ちゃん達に又邪魔されたら
アイシャを助けに行くのがどんどん遅くなっちゃう!!」
チビに必死で説得され、我に返った様にジャミルがはっとした。
「……アイシャ……、そうだ、アイシャを助けなきゃ!分ったよ、
うな丼でも何でも食わせてやる、但しちゃんと事が済んでからだ、
いいな!?」
「交渉成立だ、本当は10杯なんか足りなくて困るけどな、お前は
金が無さそうだ、私は心が広いから我慢してやる、ありがたく思え、
よし、こいつらはうな丼だ……」
ブウ子は気絶しているケイとマフミを嬉しそうにひょいっと担いだ。
金が無さそうと言われたのが癪に障ったのかジャミルはそれを
不満そうな表情で見つめた。
「おい、あのチビはいいのかよ?」
「……チビ?」
「ぎゅ、ぎゅぴっ!?」
チビは一瞬、ぎょっとするが、ブウ子はどうやらユウの事を
指している様である。
「……あ、忘れてたっ!ユウっ!!」
「はあ……、もう洗脳ガールズは解散なのね、お早い事だわ……」
ユウはふわりと宙に浮かび上がると、空中から遠目でジャミル達の方を見た。
「……私は屈しないわ、何があっても……、ルーゼ様に
この事は報告します……」
「ユウ……、なあ、俺、信じてるから……、お前はそんな子じゃ
ないってさ……、元の優しいユウに戻ってくれるって……、
信じてるよ……」
「……お、に……い……、さ……ま……、ユ……ウ……は……」
「ユウ……?」
「きゅぴ!ジャミル、ユウちゃんが!」
「ユウっ!!」
(……そいつらはあなたを騙そうとしているの、罠にはまるんじゃ
ないのよ……)
「……あ、う……、……わ、私は……、あなたなんか知らない、
大嫌い……」
ユウは一瞬元に戻り掛けるが、何者かに妨害され再び表情から
生気が無くなった。
(あなただけでいいわ、一旦こっちへ戻って来なさい、……早く……、
旦那様もお待ちよ……)
「……分りました、ルーゼ様、今、参ります……」
「くそっ!やっぱりっ、ルーゼの奴かっ!!」
「……ぎゅぴいっ!!」
「……」
ユウはジャミル達の方を一瞬見たが虚ろな表情をし、再びその場から
姿を消した。
「く、逃げられたか、畜生!アイシャ、ユウ、待ってろよ、二人とも
絶対助けに行く……」
作品名:zokuダチ。セッション21 冒険編5 作家名:流れ者