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zokuダチ。セッション21 冒険編5

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ジャミルは拳を震わせながらユウが消えた天井を睨んだ。
 
「じゃあ、こいつらは私が見ているぞ、うな丼忘れんなよ!」
 
「分ったよっ!早く行ってくれっ!!」
 
ブウ子は、ケイとマフミを抱え、バカ力で壁に大穴を開け、破壊する。
……其処からのしのしと、外へと出て行った……。
 
「また戻ってくんじゃねえだろうな、戻ってくんなよ……、頼むから……」
 
ケイとマフミの洗脳はまだ解けていないかも知れないが、それでも今は
丁度気絶してくれている彼女達の監視をブウ子に頼む他はなかった。
 
「おーい、ジャミルーっ、チビーっ!」
 
「ジャミルも見~つけたっ!」
 
「や、やっと……、ジャミルさんにも又お会いできましたねえ~……」
 
「アル、いろは、こむぎ……」
 
アルベルト達が漸くジャミル達と合流した。ジャミルは先程の
経緯を話し、一方のアルベルトの方も無事に庭師を救出し、ダウドに
託した事もジャミルに話した。
 
「後はルーゼの野郎をとっちめて、アイシャとユウを助けるだけだ、
チビ、頼むぜ、引き続きアイシャ達の匂いを感じ取ってくれよ……」
 
「きゅぴ、チビに任せて!」
 
……いよいよ、相当長かった冒険編も今度こそクライマックスの流れへ……。


冒険編23 真実

一方、謎の部屋に閉じ込められたアイシャは、特に
拘束もされず、唯、椅子に只管座らされ、ルーゼに
睨まれ監視されているだけの状態であった。
 
「ねえ、私……、何時までこうしていればいいの?お願い、
……もう皆の所に帰して……」
 
「うるさいわね、あなたなんか本当は用はないのよ、旦那様が
本当に必要としているのは……、漸くそれが分ったのだから、
大きな前進だわよ……」
 
「な、何ですって……?」
 
アイシャがルーゼに問い質そうとした瞬間、領主がゆっくりと
アイシャに近寄って来た。
 
「……そう、もっと早く気づくべきであった、君は唯の囮だ……」
 
「……何を言っているのかさっぱり分からないわ……」
 
「分らなくてもいいのだよ、フフ……」
 
「!?」
 
領主はアイシャの顔を見て、ニヤリと口を半開きにし、
不気味な笑みを見せた。
 
「旦那様……、ルーゼ様……」
 
「……ユウちゃん!」
 
其処にユウが部屋に姿を現し、戻って来た。
 
「遅いじゃないの、何をしていたの、遊びであなたに
力を与えた訳ではないの、……もっとしっかり働きなさいっ!
この糞ゴミめっ!!」
 
「あっ……」
 
ルーゼは思い切りユウにビンタをし、忽ちユウの片頬が
真っ赤に腫上る。
 
「申し訳ございません、……旦那様、ルーゼ様……」
 
「……ユウちゃんっ、酷いわっ、なんて事するのっ!
ユウちゃんを操った上に変な能力まで与えて!もう
いい加減にしなさいよっ!!」
 
アイシャは咄嗟に椅子から離れ、ユウを庇う。だがユウは
それを拒否し、逆にアイシャの手をぴしゃりと叩き、
強く振り払った。
 
「……ユウちゃん?」
 
「うるさい、あなたには関係ない、私が悪いの、私の使命は
旦那様とルーゼ様に死ぬまで尽くす事なのだから……」
 
「小娘、余計な事するんじゃないのよっ!あんたは大人しく
椅子に座ってればいいんだよっ!……来いっ!」
 
「……痛っ、は、放してっ、痛いっ……!!」
 
ルーゼはアイシャの手を掴むと更に冷酷な態度を見せ始め、
アイシャの身体をヒールで蹴飛ばすと再び椅子へと突き飛ばした。
 
「……生意気な小娘がっ!!」
 
(……ジャミル、皆……、お願い……、早く助けに来て……、
私……、もう……)
 
 
「ぴ?」
 
皆の先頭に立ち、ふよふよと飛んでいたチビが立ち止まった……。
 
「チビ、どうしたんだ……?」
 
「アイシャの匂いがする、……この近くから……」
 
「感じるんだね、アイシャの気を……」
 
「うん、でも……、何だかアイシャからとっても悲しい
気持ちを感じるよお、……アイシャ泣いてる!」
 
「……んだとお!?まさかルーゼの奴っ!!アイシャに
何かしやがったんじゃねえだろうなっ!!」
 
「……ジャミルさん、どうか落ち着いて……、焦りは禁物ですよ……」

 「アイシャ、もうすぐ皆で助けに行くよっ、あともう少しだよ!」
 
「手遅れにならない内に急ごう、チビ、アイシャの部屋に!」
 
「きゅぴっ!こっち!!」
 
ジャミル、アルベルト、いろは、こむぎの4人はチビに付いて行き、
アイシャの捕まっている部屋へと急ぐのだが……。
 
 
「あら、お喜びなさいな、あなたのナイト様達が来たんじゃ
ないのかしら?」
 
急にルーゼが部屋の外の方を見、一瞬険しい表情を見せ、何か気配を
感じ取った様子であった。
 
「……ジャミル達が?近くに来てるのっ!?」
 
アイシャは思わず椅子から身を乗り出し、歓喜の声を上げた。
 
「あらあら、随分と……、まるで本当にヒロイン気取りね……」
 
「……べーっだ!アンタなんかすぐジャミルがやっつけて
くれるんだからねっ!」
 
アイシャは椅子から降りると部屋のドアをガンガン叩き、
ありったけの大声を出す。
 
「ところで気になっていたのだけれど、あなたに最初に名前を
聞いた時はアイシャって言ったけれど……、ゲスがボコられた時、
ゲスに向かってあなたの連れのチビドラゴンが、あなたの事を
ジャミルを何処へ連れてったのかと聞いていたそうじゃない、
それに、元々俺は女じゃないとも言っていたわね、気になって
仕方が無かったのよ、どう言う事かそろそろ説明して貰おうかしら、
それに急に性格が豹変した事も……」
 
しかし、ルーゼに構わずアイシャは必死で部屋のドアを叩き続けた。
 
「……ジャミルーっ!みんなーっ!私は此処よーっ!早く助けてっ、
お願いっ!!」
 
「無視ね、聞いてないわね、まあ今更いいわ……、だって……、ね……」
 
ルーゼはクスリと笑うと領主の方を見、領主も葉巻を
口に銜えながら頷いた。
 
 
「今、確かにアイシャの声がしたぞ!」
 
「僕も微かに聞こえた……」
 
「で、でもこれ以上、もう道がないよっ!」
 
こむぎの言う通り、もう通路は道が無く、行き止まりになっていた。
 
「……この糞屋敷の事だ、何処かに何かある筈なんだっ!どっかにい~っ!!」
 
「ジャミル、この先の行き止まりの通路から凄くアイシャの
匂いがする、アイシャの気を感じるよお……」
 
「何いっ!?チビ、やっぱりかっ!んなろお、糞仕掛けなんか
しやがって!皆、アイシャはこの先だ、行くぞっ!!」
 
ジャミルが真っ先に行き止まりの通路に突っ込んで行き、
その後に、アルベルト達、チビも続く……。
 
 
「もういい加減にしなさいっ!早く戻るのよっ!本当に
ギャーギャーと糞猿みたいにうるさいわね!」
 
ルーゼは再びアイシャの腕を強く掴み、椅子に戻そうとする。
 
「嫌っ!あっち行ってっ!!来ないでっ!!」
 
「!?こ、このガキ……、よくも私の手に噛み付いたわね……、
私の丹念に手入れした美しい手に……、許さないわ、
美しさの為なら毎日のマニキュアもネイルも欠かせない、
そのバラの様な私の手に……、旦那様……」