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zoku勇者 ドラクエⅨ編1 性悪天使降臨

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ねえ、誰かいるの?
 
いるのだったら姿を見せてよ……
何か言ってよ
 
そんな人々の声が聞こえる
 
一体いつの頃からか
この世界を見守って来たのだろう、んな事知るかい
 
俺達は天使と呼ばれていた……
 
らしい
 
 
「……失礼致します、オムイ様……」
 
「イザヤールか?……入りなさい……」
 
「はっ……」
 
 
此処は天使界。人間界よりも遠く離れた遥か遠い空の
彼方に存在する天使達が暮す世界。この天使界の長でも
あるオムイがいる長老の間に如何にもで気真面目で
堅物そうな青年が訪れていた。スキンヘッドヘアの
天使の青年イザヤール。天使の中で最も優れた能力と
力を持つ上級天使である。……彼は自分の弟子の対応に
困り果て、相談事も兼ね、長老の間へと訪れたのである。
 
「お主、……その頭は……、またやられたのう……」
 
「……」
 
イザヤールは悔しげに無言でオムイに向かって頭を下げた。
彼のつるつるの頭部にはぼくはこのハゲだよ~、どうだ
すごいだろう、ハゲだぞと落書きが書き込んであった。
 
「とにかく動きが素早いので……、どう気をつけていても……、
気が付くと……、困った物です、先程、4、5発……、
仕置きをしておきましたが……、全然懲りないので……、
隠れて煙草を吸おうとするのも一向にやめません……、
本当に天使族なのでしょうか……」
 
「ふむ、確かにあやつは困り者だ、だが、一度となれば、
咄嗟に機敏に行動出来る凄い能力を持っておる、一見
のほほんとしておるようだが、現に何度も人間界の
困っている人間達を救ってきた、絶対に弟子など取らぬ
主義のお主があやつを弟子と認めたのもそんな処を見込んだ
からではないのかのう?」
 
「はあ……、私はオムイ様のご命令に随っているのみです……、
しかし、一体私にも何故なのか分りませんが、困っている
人間達を助ける時に見せる普段のふざけた茶らけた態度からは
まるで想像出来ない様な働きぷり、実に不思議で仕方がありません……」
 
「そうか、して、お主もそろそろ……、弟子の出世を考えておるのだな?」
 
「はい、もう担当場所枠も決めてあります……、私と……」
 
「ふむ……」
 
こんな風に。2人の天使が話を進めていた頃。……話題の話の張本人。
彼……、この賊シリーズの主人公事、ジャミル。……自室のベッドで
寝転がり只管うーうー項垂れていた。
 
「俺……、等々人間じゃなくなっちまったよ、しかも今回は天使に
されちまってるし……、この頭の輪っか……、背中の変な翼……、
天使って設定って事は、つまり……、もしかしたら何百年も
生きてるって設定なのか?俺……」
 
しかし、彼はどう考えても天使ではない、……小悪魔系である。
 
「何だっ!……この野郎!」
 
「ジャミル、いるか?……私だ、入るぞ、大事な話がある……」
 
「うわ!今いませんけどいまーすっ!」
 
「入るぞ……」
 
声の主は滅茶苦茶な返答を返すジャミルに構わず部屋に入って来る。
先程、長のオムイと話をしていた人物。……ジャミルに頭部に落書きを
された被害者。彼の師匠のイザヤールである……。
 
「う、うひゃひゃひゃひゃ!ま、まーだ消えてねえ!あ、頭っ!光ってるっ!」
 
「……油性で書いたのだから一向に落ちぬぞ、……どうしてお前はこう、
悪知恵ばかり働くのだ……、しかも、ベッドの枕の下のその本は何だ?」
 
「ああーーっ!きゃ、きゃああーーーっ!!それはだな、この間
人間界に行った時に騒動を解決したらお礼にくれ……ぎゃーーーー!!」
 
イザヤールは無言でジャミルが枕の下に隠した裸のお姉さんが
表紙の本を取り出す。そして拳と拳で頭部を挟み、グリグリの
刑を始めるのだった。
 
「……この様な心を乱す下らぬ本は私が処分しておこう、
……いいな?」
 
「へいへい、分りましたようー!本当はアンタ、読みたいん
じゃね?プ……」
 
「早く話を進めたいのだが……、もう一度やっておくか……」
 
「何でもないですーっ!さ、早く話進めて頂戴!さーさーさー!」
 
ジャミルは話を逸らそうと慌ててその場に正座。そんな彼の
態度を見て、普段から堅物で糞真面目なイザヤールは心底呆れる。
 
(一体何故本当に私は……、この様なお調子者を弟子になど……、
やはり考えても分からぬ……、しかし、何故かどうしても
惹かれる只者でない拒否出来ぬ何かが……こやつから溢れている……、
不思議だ……)
 
「……あのさ、人の顔見てないで早く言えよ」
 
「うむ、お前も知っているだろう、我等天使はそれぞれの
担当場所に着き、人間達の目では決して姿を見れない我らは
人間達を災いから守る義務がある、ジャミル、お前もそろそろ
独り立ちの時だ……、一人前の天使としてのな……」
 
「……?」
 
「お前の守護天使としての役目……、ウォルロ村だ……、
これからは私に代り、お前が村と人間達を守るのだ……」
 
それから数か月後。2人はある小さな村の上空から村を
見下ろしていた。ジャミルが天使としてのお役目として、
人間達の護衛を任された村、ウォルロ村である。村の中には
小さな滝が流れている。本当に目立たない小さな農村では
あったが、特にこの村は天使を敬う人々の信仰心の熱い場でも
あり、守護天使を祭る像も置かれている。
 
「……天使ジャミルよ、これまで良く頑張ったな、私に代りこの村の
護衛を任せた時は少々、……いや、大変、非常に不安ではあったが……、
お前の働きにより、この村の人々も安心して暮らしている、立派に
役目を引き継いでくれて、師、イザヤール、これ以上の喜びは無い、
これからは守護天使ジャミルと呼ばせて貰おう……」
 
イザヤールは本当にジャミルの活躍ぷりに心から喜んでいる。
あの性悪ガキ天使がよくぞここまで成長してくれ……、たと
思っていたが。すぐに撤回。ジャミルは背中の翼を広げ、パタパタ
そこら中を飛び回り遊び始めた。
 
「……」
 
(すげー、俺、本当に空飛んでるわ、前の話で、チビに空飛べるって
どんな感じなんだいって聞いた事あったけど、今度はマジモンで
空飛べんのな……、そうだ、この村に確か犬の手綱みてえな変な
名前のリーゼント頭の奴いたっけな、そいつ気に喰わねえから、
よし、通ったら上空から屁を……)
 
「……おい、聞いているのか……?やはりお前の心はまだまだ
隙だらけだな……」
 
「は?え……、な、何の事だよ……」
 
「むう、……む?」
 
頭を抱えるイザヤール。すると、何かに気が付いた様子。村への道を
誰かが急いで歩いている。歩いているのは、オレンジのバンダナを巻いた
可愛らしい少女と、どうやら少女の祖父らしき2人組である。老人の方は
もう歩くのに疲れ切っている様子。
 
「おじいちゃん、頑張って!ほら、村までもうすぐだよ!」
 
「ふぅ、すまんのう、リッカや……、年は取りたくないもんじゃ……」
 
「これはいかん、……モンスターだ!」
 
2人の背後から、モンスターのスライムベスとズッキーニャが忍び寄る。
少女と老人は脅威に気が付かずそのまま歩いて行こうとしている。