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五月雨ドジっ子完全克服プロジェクト

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 西脇提督は人差し指を立てて、悪戯っぽく笑う。

「五月雨、お前がパフェを運んでくるんだ。もしこぼしたら……時雨と夕立が掃除すること。いいな?」
「えええええ!?」

 時雨と夕立の悲鳴が響き渡る。皐月は、困ったように、でもどこか嬉しそうに笑った。

「は、はい!頑張ります!」

 その返事は、少しだけ震えていたけれど、前よりもずっと力強いものに聞こえた。廊下に響く少女たちの賑やかな声を聞きながら、西脇は静かに微笑んだ。完璧な艦隊など存在しない。それぞれが持つ個性と、それを補い合う絆こそが、何よりも強い力になるのだ。五月雨のドジは、きっとこれからも続くだろう。
 だが、もう彼女は一人で抱え込むことはない。頼もしい姉妹艦と、理解ある提督が、すぐそばにいるのだから。


 廊下を歩きながら、夕立がそっと五月雨の腕に自分の腕を絡めた。

「ねえさっつん、もしパフェこぼしそうになったら、ゆうがキャッチしてあげるからね!」
「いや、君は余計なことをして被害を拡大させそうだから、何もしないで。ぼくが横について、万全の態勢でサポートするから」

 時雨が冷静に、しかし以前とは違う温かみのある声で言う。そんな二人のやり取りを見て、五月雨はくすくすと笑った。

「うん。ありがとう、二人とも」

 彼女たちの前には、甘くて美味しい、そして少しだけハラハラするような、幸せな時間が待っている。