zoku勇者 ドラクエⅨ編3 新たな出会いと旅立ち
目の前に立ち塞がりゆく手を阻む巨大な羊のモンスター。
ブルドーガ。こいつを倒し、ルイーダを救うのである。
地上での初の試練のバトルとなる。
「来いよ、何だって相手してやるからさあ!」
ジャミルは銅の剣を握り締めて構える。武器がこれでは
心元ないものの、この際贅沢は言っていられないのだから。
「ジャミル、気を付けてモン!」
「大丈夫だっ、任せとけ!」
ブルドーガが前足で地面を蹴り威嚇。すると地面がぐらぐら揺れ、
天井から瓦礫が落ちて来てジャミルの頭に当たりそうになるが、
素早いジャミルはとっさに瓦礫を避けて交わす。
「あ、あぶね……、んなモン落としやがってからにっ!
うっかり頭に命中してこれ以上アホになったらどうして
く……、自分で言ってて情けねえ……」
「モン~……」
急に落ち込みだすジャミルと、ジャミルの頭を
よしよしするモン。ルイーダはそんなジャミルを
ハラハラ見守りながら本当にあの子、……大丈夫
なのかしらと、どんどん不安な気持ちが増して来るのだった。
「ああっ!危ないっ!……避けなさいーーっ!!」
「え……?ああーーっ!!」
「ジャミルーーっ!!」
ルイーダが咄嗟に叫ぶが間に合わず、後ろから突進して来た
ブルドーガの体当たり攻撃によりジャミルは壁際に身体を
叩き付けられ、身動きが取れなくなる。モンはジャミルを
庇おうと、地面を蹴って興奮しているブルドーガの前に
立ち小さな身体でジャミルを庇った。
「……シャアーーーっ!!」
「いっつ……、!バ、バカっ!危ねえだろ、大丈夫だからっ、
ほれ、後ろ行ってろっ!ほれほれ!」
「モモモモモンー!」
ジャミルは慌ててモンを庇いながら立ち上がる。ホイミを掛け、
傷ついた体を癒す。そして再びブルドーガへと斬り掛って行った。
……ダメージを食らい、そしてまた立ち上がりホイミを掛け、
ダメージを与えで繰り返す事数分。ブルドーガも大分追い詰め
体力が無くなりつつあったが、ジャミルのMPも少なくなり、
ホイミを使えるのはもう後1回分ぐらいしか残っていなかった。
「此処で何とか決めとかなきゃな……、これで奴が
倒れなきゃ……、もう終わりだ……」
ジャミルは残りの全MPを使いホイミを掛けると、
全力の構えを取った。ブルドーガも必死である。
……雅に駆け引きバトルになりそうだった。
倒れるのは、ジャミルか、ブルドーガか……。
「俺が倒れちゃ困るっての!……来いよっ!これで
このバトルは終わりにしてやるっ!」
「……どうか頑張って……、お願いおチビさん!」
ルイーダも祈る中、最後の力を振り絞りブルドーガ猛突進。
ジャミルの決死の一撃、ブルドーガに当り、巨体の
ブルドーガは地響きを立てその場に倒れた。勝ったのである。
「ふ~……、終わった……、しかしこのシリーズ、
くたびれるなあ、色んな意味で……」
「やったモン!ジャミルっ!」
「まさか……、本当にあんな小さな子が……、私、何か
夢でも見てるのかしら……」
ブルドーガを倒したジャミルは急いでルイーダに駆け寄り、
モンも手伝って一緒にルイーダの足を潰している瓦礫を
どける作業に取り掛かった。……こうしてルイーダは
ジャミルのお陰で無事救助され事なきを得た。救出作業も
早かった所為で、足の怪我もそれ程化膿していない状態。
「あなた見掛けに寄らず強いのね、はあ~、奴から
逃げようとして天井から落ちてきた瓦礫に足を挟んで
しまって動けなくなって困っていたのよ……」
「お気の毒だったモン……」
「そうね、もう遺跡は沢山だわ……、さあさあ、こんな
辛気臭い場所いつまでもいないでさっさと外に出ましょ!
あっ、外に出るまではお姉さんをちゃんとエスコートしてね!」
「……あ、ああ!?」
言うが早いかルイーダと言う女性は最深部の部屋から
飛び出す。……ジャミルは一体彼女はどうやって先に
此処に入ったのか聞きたかったのだが、まあいいかで
済まそうと思った。走っているので足の怪我の方も
見るからにすっかり大丈夫そうだった。
「ジャミル、あのおねーさん行っちゃうモン」
「分ってるよ、しゃーねえ……」
……2人と1匹は漸く遺跡の外へ……。外の空気を吸った。
「此処まで来ればもう安心ね、改めて、私はルイーダ、
セントシュタインで酒場を営んでいるワケありの女よ、
そう言えば、あなたはセントシュタインの兵から私を
探してくれる様、頼まれていたんですってね……」
「ああ、俺はジャミル、今はウォルロ村で世話に
なってるのさ、んで、こっちはモーモンのモンだよ、
見ての通りモンスターだけど、ダチになったのさ、
ちゃんと言葉も喋れんだぜ」
「おろしくモンー!」
「ウォルロ……、そう、あなたウォルロ村から来たの……、
って、こうしてはいられないわ!私はウォルロ村に
用があるのっ!では、お礼はまた改めて、アデューーっ!」
「……あっ、おいってばっ!」
ルイーダは思い出すとジャミル達を置いてダッシュで
駆け出す。よっぽど急いでいたらしかったが。
「やれやれ、んじゃあ、戻るかね、俺らも……」
ジャミルも急いでウォルロへと引き返す。正門では
ジャミルを心配していたニードの子分が出迎えてくれたが、
先程、凄い勢いで変な女が駆け込んできて、宿屋の
場所を教えなさいと詰め寄られたという。
……ジャミルもリッカの宿屋へと向かうと、丁度
ルイーダが宿屋へと入って行く処を目撃した。
「さすがリベルトさんの宿屋ね、隅々までお持て成しの心が
行き届いているわ……」
「あの……、どちらさ……、も、もしかして、父さんの
お知り合いの方……、あなたが行方不明になってた
ルイーダさんですかっ!?私、行方不明になられたって
聞いて、凄く心配で……」
「ハアハア、足はええ~っての、……そうだよ、リッカ、
その人がルイーダだよ……」
「……ジャミルっ!?」
其処へ息を切らしたジャミルも宿屋へ到着。ルイーダが案外タフなのに
戸惑っているらしい。
「そう、私がルイーダよ、キサゴナ遺跡では私、本当にその子に
助けられたのよ、まさかとは思ったけど……、あんな巨体の
モンスターを倒してしまうなんてね……」
「そっか……、本当にジャミルが……、ルイーダさんを……、
ジャミル、有難う……、危険な場所にルイーダさんを助けに
行ってくれたんだね、無茶させてごめんね……、
怪我は?してない……?」
「い、いや……、俺案外こういうの慣れてるし、……暴走野郎だから、
へへへ、へへ!」
リッカはジャミルの手をぎゅっと握る。ジャミルは照れて
顔を赤くするのだった。
「リッカも、心配してくれて有難う、あなたはあの頃
まだ小さかったけれど、私の名前をちゃんと覚えてて
くれたのね、……処で、リベルトさんは何処かしら……」
ルイーダの言葉にリッカは一瞬戸惑うが、顔を上げて直ぐに
返答をする。
「やっぱり……、父さんに何か用があって来られたんですね……、
ですが、父さんは2年前に他界しています……」
「……ええっ!?リベルトさんは既に亡くなっているの!?
ああ、なんて事……」
「……」
ブルドーガ。こいつを倒し、ルイーダを救うのである。
地上での初の試練のバトルとなる。
「来いよ、何だって相手してやるからさあ!」
ジャミルは銅の剣を握り締めて構える。武器がこれでは
心元ないものの、この際贅沢は言っていられないのだから。
「ジャミル、気を付けてモン!」
「大丈夫だっ、任せとけ!」
ブルドーガが前足で地面を蹴り威嚇。すると地面がぐらぐら揺れ、
天井から瓦礫が落ちて来てジャミルの頭に当たりそうになるが、
素早いジャミルはとっさに瓦礫を避けて交わす。
「あ、あぶね……、んなモン落としやがってからにっ!
うっかり頭に命中してこれ以上アホになったらどうして
く……、自分で言ってて情けねえ……」
「モン~……」
急に落ち込みだすジャミルと、ジャミルの頭を
よしよしするモン。ルイーダはそんなジャミルを
ハラハラ見守りながら本当にあの子、……大丈夫
なのかしらと、どんどん不安な気持ちが増して来るのだった。
「ああっ!危ないっ!……避けなさいーーっ!!」
「え……?ああーーっ!!」
「ジャミルーーっ!!」
ルイーダが咄嗟に叫ぶが間に合わず、後ろから突進して来た
ブルドーガの体当たり攻撃によりジャミルは壁際に身体を
叩き付けられ、身動きが取れなくなる。モンはジャミルを
庇おうと、地面を蹴って興奮しているブルドーガの前に
立ち小さな身体でジャミルを庇った。
「……シャアーーーっ!!」
「いっつ……、!バ、バカっ!危ねえだろ、大丈夫だからっ、
ほれ、後ろ行ってろっ!ほれほれ!」
「モモモモモンー!」
ジャミルは慌ててモンを庇いながら立ち上がる。ホイミを掛け、
傷ついた体を癒す。そして再びブルドーガへと斬り掛って行った。
……ダメージを食らい、そしてまた立ち上がりホイミを掛け、
ダメージを与えで繰り返す事数分。ブルドーガも大分追い詰め
体力が無くなりつつあったが、ジャミルのMPも少なくなり、
ホイミを使えるのはもう後1回分ぐらいしか残っていなかった。
「此処で何とか決めとかなきゃな……、これで奴が
倒れなきゃ……、もう終わりだ……」
ジャミルは残りの全MPを使いホイミを掛けると、
全力の構えを取った。ブルドーガも必死である。
……雅に駆け引きバトルになりそうだった。
倒れるのは、ジャミルか、ブルドーガか……。
「俺が倒れちゃ困るっての!……来いよっ!これで
このバトルは終わりにしてやるっ!」
「……どうか頑張って……、お願いおチビさん!」
ルイーダも祈る中、最後の力を振り絞りブルドーガ猛突進。
ジャミルの決死の一撃、ブルドーガに当り、巨体の
ブルドーガは地響きを立てその場に倒れた。勝ったのである。
「ふ~……、終わった……、しかしこのシリーズ、
くたびれるなあ、色んな意味で……」
「やったモン!ジャミルっ!」
「まさか……、本当にあんな小さな子が……、私、何か
夢でも見てるのかしら……」
ブルドーガを倒したジャミルは急いでルイーダに駆け寄り、
モンも手伝って一緒にルイーダの足を潰している瓦礫を
どける作業に取り掛かった。……こうしてルイーダは
ジャミルのお陰で無事救助され事なきを得た。救出作業も
早かった所為で、足の怪我もそれ程化膿していない状態。
「あなた見掛けに寄らず強いのね、はあ~、奴から
逃げようとして天井から落ちてきた瓦礫に足を挟んで
しまって動けなくなって困っていたのよ……」
「お気の毒だったモン……」
「そうね、もう遺跡は沢山だわ……、さあさあ、こんな
辛気臭い場所いつまでもいないでさっさと外に出ましょ!
あっ、外に出るまではお姉さんをちゃんとエスコートしてね!」
「……あ、ああ!?」
言うが早いかルイーダと言う女性は最深部の部屋から
飛び出す。……ジャミルは一体彼女はどうやって先に
此処に入ったのか聞きたかったのだが、まあいいかで
済まそうと思った。走っているので足の怪我の方も
見るからにすっかり大丈夫そうだった。
「ジャミル、あのおねーさん行っちゃうモン」
「分ってるよ、しゃーねえ……」
……2人と1匹は漸く遺跡の外へ……。外の空気を吸った。
「此処まで来ればもう安心ね、改めて、私はルイーダ、
セントシュタインで酒場を営んでいるワケありの女よ、
そう言えば、あなたはセントシュタインの兵から私を
探してくれる様、頼まれていたんですってね……」
「ああ、俺はジャミル、今はウォルロ村で世話に
なってるのさ、んで、こっちはモーモンのモンだよ、
見ての通りモンスターだけど、ダチになったのさ、
ちゃんと言葉も喋れんだぜ」
「おろしくモンー!」
「ウォルロ……、そう、あなたウォルロ村から来たの……、
って、こうしてはいられないわ!私はウォルロ村に
用があるのっ!では、お礼はまた改めて、アデューーっ!」
「……あっ、おいってばっ!」
ルイーダは思い出すとジャミル達を置いてダッシュで
駆け出す。よっぽど急いでいたらしかったが。
「やれやれ、んじゃあ、戻るかね、俺らも……」
ジャミルも急いでウォルロへと引き返す。正門では
ジャミルを心配していたニードの子分が出迎えてくれたが、
先程、凄い勢いで変な女が駆け込んできて、宿屋の
場所を教えなさいと詰め寄られたという。
……ジャミルもリッカの宿屋へと向かうと、丁度
ルイーダが宿屋へと入って行く処を目撃した。
「さすがリベルトさんの宿屋ね、隅々までお持て成しの心が
行き届いているわ……」
「あの……、どちらさ……、も、もしかして、父さんの
お知り合いの方……、あなたが行方不明になってた
ルイーダさんですかっ!?私、行方不明になられたって
聞いて、凄く心配で……」
「ハアハア、足はええ~っての、……そうだよ、リッカ、
その人がルイーダだよ……」
「……ジャミルっ!?」
其処へ息を切らしたジャミルも宿屋へ到着。ルイーダが案外タフなのに
戸惑っているらしい。
「そう、私がルイーダよ、キサゴナ遺跡では私、本当にその子に
助けられたのよ、まさかとは思ったけど……、あんな巨体の
モンスターを倒してしまうなんてね……」
「そっか……、本当にジャミルが……、ルイーダさんを……、
ジャミル、有難う……、危険な場所にルイーダさんを助けに
行ってくれたんだね、無茶させてごめんね……、
怪我は?してない……?」
「い、いや……、俺案外こういうの慣れてるし、……暴走野郎だから、
へへへ、へへ!」
リッカはジャミルの手をぎゅっと握る。ジャミルは照れて
顔を赤くするのだった。
「リッカも、心配してくれて有難う、あなたはあの頃
まだ小さかったけれど、私の名前をちゃんと覚えてて
くれたのね、……処で、リベルトさんは何処かしら……」
ルイーダの言葉にリッカは一瞬戸惑うが、顔を上げて直ぐに
返答をする。
「やっぱり……、父さんに何か用があって来られたんですね……、
ですが、父さんは2年前に他界しています……」
「……ええっ!?リベルトさんは既に亡くなっているの!?
ああ、なんて事……」
「……」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編3 新たな出会いと旅立ち 作家名:流れ者