zoku勇者 ドラクエⅨ編4 姫君と黒騎士・1
「ちょっと、ジャミルっ!?」
「ん~?……で、出やがったな……」
LV上げの為、セントシュタインの外に出た4人の前に
発光体から人間体へサンディが姿を現す。ジャミル、モン以外は
サンディの姿を見るのは初めてなので、ちょっとと言うか……、
かなりびっくりしている様子。
「な、何これ……、ジャミル、こんなのも飼ってるの……?」
「……ちょっとっ!そこの情けネーツラのオールバックッ!
聞き捨てならないんですケドっ!?このアタシを一体誰だと
思ってるワケっ!?」
「ひえええーーっ!?知らないから聞いたんじゃないかあーーっ!!」
ダウドは高飛車な態度で自分にガンをつけてきたサンディに慌て、
アルベルトの後ろに隠れる。
「ダウド、落ち着いて……、えーと、初めましてかな……、
君は誰……?」
「ふふ~ん、よくぞ聞いてくれたわネっ!金髪君!聞いて
驚きなさいっ!アタシはね、あの有名な天の箱舟……」
「まだその話はよせっての!ややこしくなるだろが!えーと、
説明すっとだな、……ま、とにかく無理矢理俺について来た訳だよ、
そう言う事……」
「はあ……」
アルベルトは首を傾げる。はっきりいって、彼女に関してはまだ良く
ジャミルも素性が分かっていない為、こう説明しておくしかなかった。
「キー!何そのテキトーな説明!チョードタマにくるんですけどっ!?
大体さあ、あんた達ニンゲンには普段はアタシのこの高貴な
姿は見せられないワケ!……それでもこれから先、一緒に付き合う
仲だからと思ってサ、わざわざアンタ達の前でも姿が見られる様に
してやってるのよ!?有難く思いなさいよネッ!?」
「……はあ……」
アルベルトは又も首を傾げた……。しかもどう反応していいのか
かなり困っている。
「高貴……?……香狂の間違いじゃないのかなあ……?」
「だから何っ!さっきからうっさいのよッ!この困りヅラッ!!」
「うぎゃああーーっ!?」
「……シャアーーっ!!」
「あっ、またアタシに向かって牙向けたねっ!いいわよ、受けて立つわよ!
掛かってこんかい!このデブ座布団っ!!」
「ジャミル、どうしたんだい?君、今回は何か随分大人しい
様な気が……」
アルベルトが心配し、やや控えめなジャミルに訪ねる。実は
此処に来る前にもサンディには散々我儘を言われ、挙句の
果てにはサンディはモンと毎日バトル。流石のジャミルも
疲れ切っていたのである。何せ自分を上回るトラブルメーカー
出現かもで、加えてヘタレのダウドが加わった事により、
とんでもない事になりそうだった。
「ま、またいつもの調子が出るさ、……その内にな……」
「そう、ならいいけど……、スリッパ使えないのも淋しいからさ、
元気出してね……」
「ああ……って、おい……、オメー、心配してんのか、それとも俺が
騒動起こすの待ってんのか……、どっちだよ……」
「さ、さあ~?」
「もうーっ!ダウドもやめなさいよっ!モンちゃんも駄目よ!……ね?」
「シャ~……」
忘れていた頃、女神様の仲裁が入る。アイシャはダウドに注意し、
モンの大口を閉じさせた。ジャミルは女の子のアイシャがいてくれた
事を思い出し、安心するが……。
「えーと、まずはちゃんと自己紹介ね?始めましてサンディ、
私はアイシャよ、こっちがアルベルトで、ダウド、これから先
一緒に旅するんだもん、女の子同志仲良くしてね!」
……流石である。人懐こいアイシャは糞生意気なサンディにも
動じず、友達になろうと率先して近寄って行った。
「ふ~ん、アンタ中々見どころあんじゃん!ま、このサンディちゃんと
仲良くしたいってんならいいわよ!ダチになったげる!そこの野郎共より
よっぽど話が合いそうだしサ!」
「うわ、……やっぱなんか最悪かも……」
「ダウドっ!」
またサンディに暴言を吐きそうになったダウドの脇腹を慌てて
アルベルトが突く。……しかし、アルベルトも顔に微かに血管が
浮かんでいた。そして、これで騒動が終わる筈もなく。
「んー……」
「え?ええええっ!?」
サンディはアイシャに顔を近づけ、……アイシャの顔をじろじろ見ている。
「あんたさあ、化粧地味じゃね?……女の子なんだもん、
もうちょっとオシャレした方がよくネ?」
「……ええーーっ!?」
「じゃーん!コレ見てみ?サンディちゃん愛用のメイクセット!
ダチになった印に今回は特別にアタシがアンタを変身させてあげる!」
「……ちょ、ちょっと待てーーっ!」
やっと大御所動き出す。サンディのメイクセット……、
という事は明らかにサンディはアイシャをガングロメイクに
染めようとしているのである。
「さあいっくよーっ!まずはファンデーションからっ!」
「やめろおおーーっ!このスットコガングローーっ!!」
すかさずサンディの暴挙をジャミルが間に割って入り阻止。
……ガングロアイシャなどそんな恐ろしい物は絶対に
見たくなかったんである……。
「ちょ、何っ!?アンタアタシ達の友情の儀式を邪魔する気?
其処どいてよッ!!」
「うるせーーっ!何が友情かあーーっ!何が何でも阻止いたすーーっ!!」
「や、やっとジャミルが暴れてくれそうだ……、やっぱり
こうでなくちゃね……」
「……アル、君ってさあ、やっぱり……」
「何?ダウド……」
「何でも……」
「あの、あの……」
アイシャを間に挟み、一触即発状態でサンディとジャミルが睨み合う。
……ジャミルはサンディの暴走を阻止出来るのか。
「ちょっとアンタ邪魔!……どきなさいって言ってんのッ!」
「るせー!冗談じゃねえ、……アイシャをガングロになんか
させて堪るかっ!」
「どうしようどうしよう……、えーとえーと……、ちら……」
アイシャは困ってちらっとアルベルトの方を見る。明らかに
アルベルトに助けを求めている……。しかし、余計な助け舟を
出したのはダウドの方であった。
「はあ~、あのね、ジャミルはね、実は前に女装した事が
あってね……、経験あるし、どうせやるならそっちの方が
面白いんじゃないかなあ~……、あ!」
「……ほお~?」
「……ダウドおおーーっ!テメー余計な事言うんじゃねえーーっ!!」
ついうっかり呟いてしまったダウド。サンディはそうか
そうかと言う黒い笑みを浮かべている……。
「ごめんね、オイラ嘘がつけないからさ、ついうっかり……、
あいたああーーっ!!」
「この野郎!……あいつの視線が今度は俺に向き始めたじゃねえか!
……どうしてくれるーーーっ!!」
ジャミルはダウドを殴りに掛かる。……騒動の相手がまたこっちに
戻ってきてしまった。
「あーんもうーっ!2人ともいい加減にしなさいようーっ!」
「大丈夫だよ、アイシャ、……さあ君達、頭を出して、
冷やそうね、少し……」
「え……?」
「へ……?」
「じゃあ行くよっ!……せえーのっ!」
……パンッ!パンッ!……パンッ!!
「ん~?……で、出やがったな……」
LV上げの為、セントシュタインの外に出た4人の前に
発光体から人間体へサンディが姿を現す。ジャミル、モン以外は
サンディの姿を見るのは初めてなので、ちょっとと言うか……、
かなりびっくりしている様子。
「な、何これ……、ジャミル、こんなのも飼ってるの……?」
「……ちょっとっ!そこの情けネーツラのオールバックッ!
聞き捨てならないんですケドっ!?このアタシを一体誰だと
思ってるワケっ!?」
「ひえええーーっ!?知らないから聞いたんじゃないかあーーっ!!」
ダウドは高飛車な態度で自分にガンをつけてきたサンディに慌て、
アルベルトの後ろに隠れる。
「ダウド、落ち着いて……、えーと、初めましてかな……、
君は誰……?」
「ふふ~ん、よくぞ聞いてくれたわネっ!金髪君!聞いて
驚きなさいっ!アタシはね、あの有名な天の箱舟……」
「まだその話はよせっての!ややこしくなるだろが!えーと、
説明すっとだな、……ま、とにかく無理矢理俺について来た訳だよ、
そう言う事……」
「はあ……」
アルベルトは首を傾げる。はっきりいって、彼女に関してはまだ良く
ジャミルも素性が分かっていない為、こう説明しておくしかなかった。
「キー!何そのテキトーな説明!チョードタマにくるんですけどっ!?
大体さあ、あんた達ニンゲンには普段はアタシのこの高貴な
姿は見せられないワケ!……それでもこれから先、一緒に付き合う
仲だからと思ってサ、わざわざアンタ達の前でも姿が見られる様に
してやってるのよ!?有難く思いなさいよネッ!?」
「……はあ……」
アルベルトは又も首を傾げた……。しかもどう反応していいのか
かなり困っている。
「高貴……?……香狂の間違いじゃないのかなあ……?」
「だから何っ!さっきからうっさいのよッ!この困りヅラッ!!」
「うぎゃああーーっ!?」
「……シャアーーっ!!」
「あっ、またアタシに向かって牙向けたねっ!いいわよ、受けて立つわよ!
掛かってこんかい!このデブ座布団っ!!」
「ジャミル、どうしたんだい?君、今回は何か随分大人しい
様な気が……」
アルベルトが心配し、やや控えめなジャミルに訪ねる。実は
此処に来る前にもサンディには散々我儘を言われ、挙句の
果てにはサンディはモンと毎日バトル。流石のジャミルも
疲れ切っていたのである。何せ自分を上回るトラブルメーカー
出現かもで、加えてヘタレのダウドが加わった事により、
とんでもない事になりそうだった。
「ま、またいつもの調子が出るさ、……その内にな……」
「そう、ならいいけど……、スリッパ使えないのも淋しいからさ、
元気出してね……」
「ああ……って、おい……、オメー、心配してんのか、それとも俺が
騒動起こすの待ってんのか……、どっちだよ……」
「さ、さあ~?」
「もうーっ!ダウドもやめなさいよっ!モンちゃんも駄目よ!……ね?」
「シャ~……」
忘れていた頃、女神様の仲裁が入る。アイシャはダウドに注意し、
モンの大口を閉じさせた。ジャミルは女の子のアイシャがいてくれた
事を思い出し、安心するが……。
「えーと、まずはちゃんと自己紹介ね?始めましてサンディ、
私はアイシャよ、こっちがアルベルトで、ダウド、これから先
一緒に旅するんだもん、女の子同志仲良くしてね!」
……流石である。人懐こいアイシャは糞生意気なサンディにも
動じず、友達になろうと率先して近寄って行った。
「ふ~ん、アンタ中々見どころあんじゃん!ま、このサンディちゃんと
仲良くしたいってんならいいわよ!ダチになったげる!そこの野郎共より
よっぽど話が合いそうだしサ!」
「うわ、……やっぱなんか最悪かも……」
「ダウドっ!」
またサンディに暴言を吐きそうになったダウドの脇腹を慌てて
アルベルトが突く。……しかし、アルベルトも顔に微かに血管が
浮かんでいた。そして、これで騒動が終わる筈もなく。
「んー……」
「え?ええええっ!?」
サンディはアイシャに顔を近づけ、……アイシャの顔をじろじろ見ている。
「あんたさあ、化粧地味じゃね?……女の子なんだもん、
もうちょっとオシャレした方がよくネ?」
「……ええーーっ!?」
「じゃーん!コレ見てみ?サンディちゃん愛用のメイクセット!
ダチになった印に今回は特別にアタシがアンタを変身させてあげる!」
「……ちょ、ちょっと待てーーっ!」
やっと大御所動き出す。サンディのメイクセット……、
という事は明らかにサンディはアイシャをガングロメイクに
染めようとしているのである。
「さあいっくよーっ!まずはファンデーションからっ!」
「やめろおおーーっ!このスットコガングローーっ!!」
すかさずサンディの暴挙をジャミルが間に割って入り阻止。
……ガングロアイシャなどそんな恐ろしい物は絶対に
見たくなかったんである……。
「ちょ、何っ!?アンタアタシ達の友情の儀式を邪魔する気?
其処どいてよッ!!」
「うるせーーっ!何が友情かあーーっ!何が何でも阻止いたすーーっ!!」
「や、やっとジャミルが暴れてくれそうだ……、やっぱり
こうでなくちゃね……」
「……アル、君ってさあ、やっぱり……」
「何?ダウド……」
「何でも……」
「あの、あの……」
アイシャを間に挟み、一触即発状態でサンディとジャミルが睨み合う。
……ジャミルはサンディの暴走を阻止出来るのか。
「ちょっとアンタ邪魔!……どきなさいって言ってんのッ!」
「るせー!冗談じゃねえ、……アイシャをガングロになんか
させて堪るかっ!」
「どうしようどうしよう……、えーとえーと……、ちら……」
アイシャは困ってちらっとアルベルトの方を見る。明らかに
アルベルトに助けを求めている……。しかし、余計な助け舟を
出したのはダウドの方であった。
「はあ~、あのね、ジャミルはね、実は前に女装した事が
あってね……、経験あるし、どうせやるならそっちの方が
面白いんじゃないかなあ~……、あ!」
「……ほお~?」
「……ダウドおおーーっ!テメー余計な事言うんじゃねえーーっ!!」
ついうっかり呟いてしまったダウド。サンディはそうか
そうかと言う黒い笑みを浮かべている……。
「ごめんね、オイラ嘘がつけないからさ、ついうっかり……、
あいたああーーっ!!」
「この野郎!……あいつの視線が今度は俺に向き始めたじゃねえか!
……どうしてくれるーーーっ!!」
ジャミルはダウドを殴りに掛かる。……騒動の相手がまたこっちに
戻ってきてしまった。
「あーんもうーっ!2人ともいい加減にしなさいようーっ!」
「大丈夫だよ、アイシャ、……さあ君達、頭を出して、
冷やそうね、少し……」
「え……?」
「へ……?」
「じゃあ行くよっ!……せえーのっ!」
……パンッ!パンッ!……パンッ!!
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編4 姫君と黒騎士・1 作家名:流れ者