zoku勇者 ドラクエⅨ編4 姫君と黒騎士・1
「もうっ!……ジャミルもダウドもよしなさいよ!えっと、フィオーネ姫、
それじゃあ……、モンちゃんの事、お願い出来ますか?……なるべく
お部屋の外には出さないで貰いたいんです……、それなら何とか大丈夫かと……」
「おい、アイシャ……」
「大丈夫だったら!心のカウンセリングも立派なお仕事よ、モンちゃん、
フィオーネ姫を癒してあげてね!」
「モン!」
「ええ、アイシャさん、有難う!私、モンさんと沢山お喋りしたいですわ!」
……アイシャはモンをアニマルセラピーか何かと勘違いしているんではと
ジャミルは思うが。しかしフィオーネが元気になってくれるのなら
まあいいかと思いつつ、モンをこのまま預けて行く事にした。
「じゃあ、俺ら行くけど……、モン、くれぐれも悪戯すんじゃねえぞ……」
「分かってるモン!プー!」
そう言いながら、モンはジャミルにケツを向けておならを一発。
「……モン……、おめえなあ~……」
「仕方ないだろっ、どうしたって君の悪い処は似ちゃうんだよ!」
「そうだなあ……って、……アルーーっ!!」
「で、では僕らはこれで……、何とかルディアノの手掛かりを掴んでまいります!」
「……いててて!っく!畜生ーーっ!覚えてろっ、この陰険腹黒ーーっ!!」
「ほら、早く外に出るっ!……では、姫様、失礼致します……」
「あはは、騒がしくて……、どうもごめんなさいです……、あう~……」
「モンちゃん、フィオーネ姫様の事、お願いね!」
「モンモン!行ってらっしゃいモン!」
アルベルトは騒がしいジャミルを小突きながらフィオーネの寝室から
出させる。ダウドとアイシャもフィオーネに挨拶し、部屋を後にする。
……段々姫君の前でもこの4人は既にすっかりいつもの地が出て
しまっていたが……、それでもフィオーネは別に気にしてはいなかった。
心から黒騎士の事を願い、思いを4人に託さずにはいられなかった。
「ジャミル様、……皆さん、どうかお気をつけて……、黒騎士の事を
どうかお願いします……」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編4 姫君と黒騎士・1 作家名:流れ者