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zoku勇者 ドラクエⅨ編4 姫君と黒騎士・1

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「……お父様!どうして其処まであの方の事を悪く言うのです……!!」
 
「ふんっ!ルディアノなどと言う国なぞ儂は聞いた事がないわ!
フィオーネ、ジャミル、お前達も奴に騙されているのじゃよ!
……よいかジャミル、奴は再びフィオーネを狙い、この国に
攻め込んでくるつもりじゃ!今度こそ奴の息の根を止めよ!
……それまでお前達への褒美はおあずけじゃ!」
 
「別に褒美なんか要らねえけど、……ただ……」
 
ジャミルも他の3人も心配そうにフィオーネの方を見る。……彼女は
怒りと悲しみで震えており、堪えていた涙を一滴ぽとりと床に溢した。
 
「……何故……、信じてあげられないの……、本当に国に帰れなくて……、
困っているかもしれないのに……」
 
「のう、フィオーネや、これは父として、……全てお前の為を思って
言っている事だ、……聞き分けなさい……」
 
「……うううっ!」
 
「……フィオーネ姫っ!」
 
フィオーネは両手で顔を覆い再度ダッシュでその場を去る。
ジャミル達も急いで急いで姫の後を追い、国王の間から離れる。
……4人も非常に不愉快になっており、こんな所、何時までも
いたくなかった。

「……」
 
「フィオーネ姫っ!」
 
ジャミル達は慌ててフィオーネを追い掛ける。……フィオーネは
国王の間の扉の前で突っ立ったまま肩を振るわせ泣いている。しかし、
後を追って追い掛けて来てくれた4人の姿に気付くと、涙に暮れた目で
ジャミル達の方を振り返った。
 
「皆さま、取り乱したりして申し訳ありません……、どうか少しお話を
聞いて頂けないでしょうか……、ルディアノ王国の事です……」
 
「!」
 
「……此処では大きな声では言えませんので、特に父に聞かれると
大変ですし、……此方へ……」
 
フィオーネは4人を東側の通路の先に有る自分の部屋へと通す。
……流石のジャミルも王族の、しかも姫の部屋……、に、
入るのは戸惑ったが、フィオーネが話を聞いて欲しいと言う手前、
部屋にお邪魔させて貰う事に。
 
「ジャミルも一応礼儀はあったんだあ……」
 
「……うるっせー!バカダウっ!」
 
「あの、どうかなさいましたか……?」
 
「あっ、ははは!いや、何でもっ!」
 
「はあ……」
 
フィオーネは揉め出したジャミル達を心配する。……姫の手前、
いつもの通りダウドを殴る訳に行かずジャミルは仕方なしに堪える。
横でダウドがザマミロという表情。……ちなみにこの分は後で
しっかり返す予定。
 
「……お呼び立てしてしまいまして申し訳ありません……、
この話を父に聞かれても反対されるだけですから……、
先も申した通り、ルディアノに関する事です……」
 
4人はフィオーネの話に耳を傾ける。……フィオーネは
何かルディアノに関する事を知っているらしいのか……。
 
「♪お~けしょうパタパタ~、モン」
 
「……うわ!」
 
「きゃあっ!?」
 
「モン、美しくなるモン」
 
……が、モンがフィオーネの化粧セットで悪戯をしだし、
その場はエライ事になっていた。
 
「モンっ!……お前、な、何しとるーーっ!!」
 
「こらっ!モンちゃんっ!駄目よーーっ!!」
 
(……ぎゃははははっ!ス、スゲーバカズラっ!)
 
ジャミルとアイシャがモンを止めようとするが既に遅し。
モンは怪物メイク完了。発光体のサンディは只管大爆笑。
無論、フィオーネには聞こえていない。……4人は只管
フィオーネに頭を下げて謝るしかなかった……。
 
「あらあら、……いいんですのよ、……それにしても、
本当に面白いぬいぐるみさんね!色んな事をして遊ぶのね、
ふふふ、癒されますわ、有難う……」
 
「モン~!」
 
フィオーネはモンを抱き上げると更に抱擁する。……黒騎士の事で
心を痛めていたフィオーネ。……どうやらモンのお蔭で返って
少し心が落ち着いた様子。事なきを得た4人はほっとするが、
……もう冷や冷や、……たまったモンじゃねえ~……、状態だった。
 
「此処にリボンを着けても可愛いかも知れませんわ……、
あら、似合うわ!」
 
「……姫さん、あのさ……、話……」
 
「!あらっ、ご、ごめんなさい!私ったら……」
 
「モンもお姫様みたいモン?」
 
「ええ、とても可愛いわよ、モンさん、ふふっ!」
 
フィオーネはそのままモンで遊びだしてしまう。ジャミルに
言われ、漸く我に返る。しかし、突発性のモンの悪戯のお蔭で
確実に元気は取り戻しているかも知れなかった。暫くモンと戯れて、
癒しを貰ったフィオーネは改めて4人の方を向いた。
 
「その、ルディアノに関する事……、なのですが、昔ばあやに
よく歌って貰ったわらべ歌の中にルディアノと言う国の名前が
出て来た様な気がするのです……」
 
「……わらべ歌?」
 
「ええ、もしかしたらその歌が何かの手掛かりになるかも
知れません……、ばあやは今、彼女の故郷、エラフィタ村で
隠居している筈です、……エラフィタ村はシュタイン湖の
西の方にある小さな村です……」
 
「分った!エラフィタだな?よし、行ってみるか!」
 
ジャミルの言葉に他の3人も頷く。又あの国王が黒騎士の事で
騒ぎ出さない内に事は急がねばならない。
 
「……どうかお願いします……、ジャミル様、皆さん、あの黒騎士は
父の言葉とは違う、悪い方ではないと私は信じています、……どうか
あの方のお力になってあげて下さい……」
 
「……姫さん、やっぱアンタ其処まで……、分ったよ!任せな!」
 
「ジャミル様……」
 
フィオーネはジャミルの方を見る。何としても黒騎士を救い、
無実を証明してやりたい、彼女の為にも。そう思わずには
いられなかった。
 
「と、もう一つ……、お願いがあるのですが……」
 
「ん?」
 
フィオーネは顔を赤くしてモンの方を見ると、もう一つのお願いを
ぼしょぼしょ喋り出す。
 
「……暫くの間……、モンさんを私に貸して頂けないでしょうか……、
この子がいるととても落ち着くのですわ……、抱っこしたりしていると
特に……、このふよふよのお腹なんて……」
 
「そ、それは……、困ったなあ……」
 
ジャミルはちらっとアルベルト達の方を覗い、意見を
聞いてみるが。……モンが大人しくしていれば別に
構わないが、アホのモンがそれこそ先程の様な壮大な
悪戯をすれば又大変な事になってしまう……。それでも
フィオーネは自分が責任を持つので、どうかモンと暫く
一緒にいさせて下さいと頭を下げてまで頼み込むのだった。
……ぽんぴこぴーのモンを相当気に入っている様だった。
 
「フィオーネ姫、そんな……、どうか頭をお上げ下さい!これでは
僕らが困ってしまいます……」
 
「でもさあ~、……プチジャミルをお預りして貰う様な
モンだからねえ~……」
 
「はい、モンです」
 
「……んだと?……ダウド、てめえ、このやろ……」
 
「ああ、本当に可愛いわ……、モンさん!」
 
フィオーネはますますモンをハグギュウする。その様子を見ていた
4人は更に困惑。……これでは本当に暫くモンをフィオーネの元に
置いて行かざるを得なくなってしまう……。