zoku勇者 ドラクエⅨ編5 姫君と黒騎士・2
ジャミル達4人組はフィオーネから聞いたとおり、昔、
セントシュタイン城で彼女の乳母を務めていたと言う老婆が
隠居しているエラフィタ村に訪れている。此処でルディアノに
関する用途が出てくるというわらべ歌を聴き、ヒントに黒騎士の
故郷の手掛かりを得ねばならない。……村の中央にはこの村の
名物でもあり、そしてご神木らしい大きな桜の大木がお目見え。
ご神木以外にも村の中には桜の木が沢山並んでいる。
「本当、綺麗な桜ねえ~……」
「ハア、こんな忙しい状態でなければ……、お花見が
出来そうなのにねえ……」
御神木の桜にうっとりのアイシャと呑気なダウド。取りあえず4人は
一通り村の中を歩いて回る。小さな村ながらも一応装備品などを
取り扱う露店のよろず屋も。
「いらっしゃい!旅人さん、買っていってよ」
「そうだな、そろそろ装備品も新しいのにしとかねえとな……」
「ねえいい加減にオイラ、竹槍から卒業させてくれない……?」
「分ってるよっ!てか、お前はあまり普段からバトルは
積極的じゃねえ癖に、……プライドだけは高ぇんだからなあ……」
「ふーんだっ!」
ダウドがうるさいので、露天にて装備品を新調……、
しようかと思ったが、が、特にめぼしい物はなかったので、
今回は盾を4人分青銅の盾に変えただけ。後はアイシャが
うさぎのお守りを欲しがったので、それを1個購入。
「……びえええーーっ!いい加減にしてよおーーっ!!」
「ダウド、その内……、又何処かでいい武器が買えるから……」
ぐずり出したダウドをいつもの如く、アルベルトがどうどう。
……ダウド、モン、サンディ、……本当に大変な方達であった。
「ん……?ちょ、何でオイラもいつの間にかマスコット扱いなのさあ!?」
「大変な方達とか聞き捨てならねーんですケドっ!?」
「……いいからっ!早くフィオーネ姫のばあやさんを探さないと!」
「でも、本当に綺麗な桜なのー……、いい香り……」
「……おいっ!コラ!アイシャーーっ!勝手に動くなーーっ!
……まーたデコピンされてえのかあーーっ!!」
「……」
まーたフラフラ、桜にうっとりし一人でどっか行きそうに
なったアイシャを慌ててジャミルが捕獲しに追い掛けて行った。
それを見たアルベルトはぽつりと濁声で一言、『……駄目だこりゃ、
次行ってみよう……』、と、呟いた。
「……ぼ、僕は濁声は出してないよっ!!次行ってみようも
言ってないっ!!」
「……と、時間の都合で話を変えて……、此処だ、聞いた通り、
此処が姫さんの元ばあやの家か……それにしても……」
「何よジャミル、何で私の方見てるの……?」
「いや、何かお前見てると古代のクソゲー思い出すんだよ……っと、
コラ、書いてる奴、……また俺に何言わせんだよ!」
※此処での古代のクソゲーとは。FCのおにゃんこタウンの事。
捕まえても捕まえても家から意味も無く脱走する子ネコを母猫が
只管追い掛けて延々と捕まえるゲームです。
よろず屋の側の一軒家。動き回るアイシャを捕獲した後、
村人から情報を得た。どうやらソナという婆さんが此処に
住んでいるらしい。ジャミルが代表でドアをノックし、
挨拶した後、4人は中に入っていった。中にはテーブルを
囲んで老婆が2人。お茶タイムを楽しんでいるらしかった。
顔が丸いほんわかな感じの婆さんと、髪型が奇抜な婆さん。
……この婆さんのどちらかが、フィオーネの元ばあやだった
お婆さんなのだろうが。
「もうっ、ソナちゃんたら、また昔の話を持ち出して……」
「クロエちゃん、あたしゃアンタの事を心底羨ましく
思ったもんだよ……、おや?」
「どうも、こんちは……」
ジャミル達に気づいた婆さん達が会話を止めて4人の方を見る。
どうやらほんわか婆さんの方が探していたソナ婆さんらしい。
「あらあら、お客さん?どうぞどうぞ、こちらにいらっしゃって、
お菓子もありますよ」
クロエと言う婆さんの方がジャミル達にもお茶をと勧める。
……テーブルの上に並ぶ美味しそうなお茶菓子の数々。ジャミルは
うっかり手を出しそうになるが、アルベルトに肘で突かれ
目線で注意される……。
「コホン、分かってるよね……?」
「分ってるよっ!……畜生、腹黒めえ~……、んーと、
アンタがソナ婆さんかい?」
「はいはい、あたしゃ、確かにソナでございますが、……何かご用?」
ジャミルは自分達がこの村を訪れた目的、そして、フィオーネの
知り合いである事をソナに話す。
「そうですか、姫様のお友達の……、姫様はお元気で
しょうかねえ~、して、確かにあたしは昔城にて姫様の
ばあやを務めておりましたが……、はあ、……昔、姫様が
小さい頃によく歌って聞かせてあげた、わらべ歌……、ですか?」
「うん、姫さんから聞いたんだ、ルディアノって言う国の
手掛かりを知りたいんだ、是非、そのわらべ歌を聴かせて
欲しいんだけど……」
「いいですともいいですとも、こんなおばあちゃんの
歌声で良かったら、……それじゃ、クロエちゃん、合いの
手をお願いね」
「ほうほう、黒バラわらべ歌だね?お安いご用さ、それじゃあいくよ、
あ、よいよい、よいとなっ!♪」
2人の老婆は手を叩き、頭をふりふり、楽しそうに歌を歌い出す。
……4人は微笑ましいながらもその様子を真剣に眺め、歌詞一つ
一つの内容をしっかりと心に刻む。
♪闇に潜んだ魔物を狩りに黒薔薇の~騎士~立ち上がる
見事魔物を撃ち滅ぼせば白百合姫と結ばれる~
騎士の帰りを待ちかねて城中皆で宴の準備
あソーレ♪それから騎士様どうなった?
♪北往く鳥よ伝えておくれ ルディアノで~待つ白百合姫に
伝えておくれ黒バラ散ったと 伝えておくれ……
♪北往く鳥よ伝えておくれ 黒バラ散ったと伝えておくれ……
「……と、まあ、こんな感じですが、いかがでしたかの?」
「悲しい感じだけど、でも素敵な歌ね、お婆ちゃん達、
聴かせてくれてどうもありがとう!」
「いえいえ、……久々でしたけえ、声が出るかどうか不安じゃったが、
やれば出来るもんですねえ、クロエちゃん」
「本当、まだまだ捨てたもんじゃないねえ……」
喜んで絶賛するアイシャにソナ婆さんとクロエ婆さんは
恥ずかしそうに照れている。……そして、段々リズムにのってくる……。
「どうですか?リクエストあれば、電線音頭なんぞ……」
「クロエ婆ちゃんが踊りましょう、あ、チュチュンが……」
「い、いや、急いでるんで、それは又今度……、一刻も早くルディアノの
場所を探し当てなくちゃなんねえんで……」
困りだしたジャミルの顔を見て、よっぽど急いでいるんですねえと
ソナは了解。……もっと歌声を披露出来なくて少し残念そうであったが。
「そうですねえ、ポイントは北往く鳥へ……、のフレーズですかねえ、
歌と同じ様に北へ向かってみては如何ですか?」
「……北か、成程……」
『『ぎゃあああーーっ!……た、助けてくれええーーっ!!』
「は……、な、何だっ!?」
セントシュタイン城で彼女の乳母を務めていたと言う老婆が
隠居しているエラフィタ村に訪れている。此処でルディアノに
関する用途が出てくるというわらべ歌を聴き、ヒントに黒騎士の
故郷の手掛かりを得ねばならない。……村の中央にはこの村の
名物でもあり、そしてご神木らしい大きな桜の大木がお目見え。
ご神木以外にも村の中には桜の木が沢山並んでいる。
「本当、綺麗な桜ねえ~……」
「ハア、こんな忙しい状態でなければ……、お花見が
出来そうなのにねえ……」
御神木の桜にうっとりのアイシャと呑気なダウド。取りあえず4人は
一通り村の中を歩いて回る。小さな村ながらも一応装備品などを
取り扱う露店のよろず屋も。
「いらっしゃい!旅人さん、買っていってよ」
「そうだな、そろそろ装備品も新しいのにしとかねえとな……」
「ねえいい加減にオイラ、竹槍から卒業させてくれない……?」
「分ってるよっ!てか、お前はあまり普段からバトルは
積極的じゃねえ癖に、……プライドだけは高ぇんだからなあ……」
「ふーんだっ!」
ダウドがうるさいので、露天にて装備品を新調……、
しようかと思ったが、が、特にめぼしい物はなかったので、
今回は盾を4人分青銅の盾に変えただけ。後はアイシャが
うさぎのお守りを欲しがったので、それを1個購入。
「……びえええーーっ!いい加減にしてよおーーっ!!」
「ダウド、その内……、又何処かでいい武器が買えるから……」
ぐずり出したダウドをいつもの如く、アルベルトがどうどう。
……ダウド、モン、サンディ、……本当に大変な方達であった。
「ん……?ちょ、何でオイラもいつの間にかマスコット扱いなのさあ!?」
「大変な方達とか聞き捨てならねーんですケドっ!?」
「……いいからっ!早くフィオーネ姫のばあやさんを探さないと!」
「でも、本当に綺麗な桜なのー……、いい香り……」
「……おいっ!コラ!アイシャーーっ!勝手に動くなーーっ!
……まーたデコピンされてえのかあーーっ!!」
「……」
まーたフラフラ、桜にうっとりし一人でどっか行きそうに
なったアイシャを慌ててジャミルが捕獲しに追い掛けて行った。
それを見たアルベルトはぽつりと濁声で一言、『……駄目だこりゃ、
次行ってみよう……』、と、呟いた。
「……ぼ、僕は濁声は出してないよっ!!次行ってみようも
言ってないっ!!」
「……と、時間の都合で話を変えて……、此処だ、聞いた通り、
此処が姫さんの元ばあやの家か……それにしても……」
「何よジャミル、何で私の方見てるの……?」
「いや、何かお前見てると古代のクソゲー思い出すんだよ……っと、
コラ、書いてる奴、……また俺に何言わせんだよ!」
※此処での古代のクソゲーとは。FCのおにゃんこタウンの事。
捕まえても捕まえても家から意味も無く脱走する子ネコを母猫が
只管追い掛けて延々と捕まえるゲームです。
よろず屋の側の一軒家。動き回るアイシャを捕獲した後、
村人から情報を得た。どうやらソナという婆さんが此処に
住んでいるらしい。ジャミルが代表でドアをノックし、
挨拶した後、4人は中に入っていった。中にはテーブルを
囲んで老婆が2人。お茶タイムを楽しんでいるらしかった。
顔が丸いほんわかな感じの婆さんと、髪型が奇抜な婆さん。
……この婆さんのどちらかが、フィオーネの元ばあやだった
お婆さんなのだろうが。
「もうっ、ソナちゃんたら、また昔の話を持ち出して……」
「クロエちゃん、あたしゃアンタの事を心底羨ましく
思ったもんだよ……、おや?」
「どうも、こんちは……」
ジャミル達に気づいた婆さん達が会話を止めて4人の方を見る。
どうやらほんわか婆さんの方が探していたソナ婆さんらしい。
「あらあら、お客さん?どうぞどうぞ、こちらにいらっしゃって、
お菓子もありますよ」
クロエと言う婆さんの方がジャミル達にもお茶をと勧める。
……テーブルの上に並ぶ美味しそうなお茶菓子の数々。ジャミルは
うっかり手を出しそうになるが、アルベルトに肘で突かれ
目線で注意される……。
「コホン、分かってるよね……?」
「分ってるよっ!……畜生、腹黒めえ~……、んーと、
アンタがソナ婆さんかい?」
「はいはい、あたしゃ、確かにソナでございますが、……何かご用?」
ジャミルは自分達がこの村を訪れた目的、そして、フィオーネの
知り合いである事をソナに話す。
「そうですか、姫様のお友達の……、姫様はお元気で
しょうかねえ~、して、確かにあたしは昔城にて姫様の
ばあやを務めておりましたが……、はあ、……昔、姫様が
小さい頃によく歌って聞かせてあげた、わらべ歌……、ですか?」
「うん、姫さんから聞いたんだ、ルディアノって言う国の
手掛かりを知りたいんだ、是非、そのわらべ歌を聴かせて
欲しいんだけど……」
「いいですともいいですとも、こんなおばあちゃんの
歌声で良かったら、……それじゃ、クロエちゃん、合いの
手をお願いね」
「ほうほう、黒バラわらべ歌だね?お安いご用さ、それじゃあいくよ、
あ、よいよい、よいとなっ!♪」
2人の老婆は手を叩き、頭をふりふり、楽しそうに歌を歌い出す。
……4人は微笑ましいながらもその様子を真剣に眺め、歌詞一つ
一つの内容をしっかりと心に刻む。
♪闇に潜んだ魔物を狩りに黒薔薇の~騎士~立ち上がる
見事魔物を撃ち滅ぼせば白百合姫と結ばれる~
騎士の帰りを待ちかねて城中皆で宴の準備
あソーレ♪それから騎士様どうなった?
♪北往く鳥よ伝えておくれ ルディアノで~待つ白百合姫に
伝えておくれ黒バラ散ったと 伝えておくれ……
♪北往く鳥よ伝えておくれ 黒バラ散ったと伝えておくれ……
「……と、まあ、こんな感じですが、いかがでしたかの?」
「悲しい感じだけど、でも素敵な歌ね、お婆ちゃん達、
聴かせてくれてどうもありがとう!」
「いえいえ、……久々でしたけえ、声が出るかどうか不安じゃったが、
やれば出来るもんですねえ、クロエちゃん」
「本当、まだまだ捨てたもんじゃないねえ……」
喜んで絶賛するアイシャにソナ婆さんとクロエ婆さんは
恥ずかしそうに照れている。……そして、段々リズムにのってくる……。
「どうですか?リクエストあれば、電線音頭なんぞ……」
「クロエ婆ちゃんが踊りましょう、あ、チュチュンが……」
「い、いや、急いでるんで、それは又今度……、一刻も早くルディアノの
場所を探し当てなくちゃなんねえんで……」
困りだしたジャミルの顔を見て、よっぽど急いでいるんですねえと
ソナは了解。……もっと歌声を披露出来なくて少し残念そうであったが。
「そうですねえ、ポイントは北往く鳥へ……、のフレーズですかねえ、
歌と同じ様に北へ向かってみては如何ですか?」
「……北か、成程……」
『『ぎゃあああーーっ!……た、助けてくれええーーっ!!』
「は……、な、何だっ!?」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編5 姫君と黒騎士・2 作家名:流れ者