zoku勇者 ドラクエⅨ編6 ……いつもあなたと・1
さて、4人は天の箱船がある峠の道へとやって来たのだが……。
「ふうっ、久々にこの可愛い姿で出れるヨ~、って、あれ?
……ど、どゆこと?天の箱船何も変わってないじゃん!神サマが
アタシらを見つけてくれたのなら箱船が光って動き出しそうな
モンなのに……、も、もしかして、アタシの予想がハズれたっ!?
そ、そんなワケないヨ!中に入ったらきっと動き出すって!ホラ、
アンタら早く中に入るヨっ!」
「あの、ジャミル、聞くけど此処に一体何が……?」
「何もないわよ……」
「何も見えないよお~?」
「ん?ん~……」
ジャミルは困って頭を掻く。何せ現時点で船が見えているのは、
ジャミル、サンディ、そして空から降って来たという謎の果実の
欠片を食べてしまったモンだけなのである。基本的に船の姿が
見えない仲間達に対してどう説明してやったらいいか分からず
困り果てる。
「いーの、だからとにかく、アンタらは黙ってアタシらの後に付いてくれば
いーのっ!此処に船があるの!」
「そう言われても……」
アルベルトは強引にどんどん先へと勝手に事を進めるサンディに
汗を掻いた。アイシャとダウドも同様である。
「まあ、奴の言う事は本当だよ、お前らには見えないかも
知れないけど、目の前に本当に天の箱船があるのは本当さ、
騙されてる様な気にはなるだろうけどさ、とにかく俺の後に
付いて来いよ……」
「モンにもお船見えるんだモン!」
「そうなの、モンちゃんも見えるのね、凄いわ……、そうね、
アル、ダウド、此処はジャミル達を信じて前に進みましょ……」
「そうだね、立ち止まっていても仕方ないしね……」
「なーんか間抜けだよお~……」
まずは強引なサンディが先に箱船の中へ率先して入ったのだが……。
「ま、まじスか?……中もなんも変わってない……、もしかして、
アタシら神サマに見捨てられちゃった?い、いや、んなワケないヨ……」
「始まったな、やれやれ……」
次はジャミルが箱船内に入る。アルベルト達はジャミルの後に
付いていき、箱船の中へ。……無論、3人には船の外観は
見えていないので、3人にとっては実際は何もない只の場所
でしかないのだが……。
ぐらっ……
「うわっと!じ、地震かよっ!?」
「きゃあっ!?」
「……うわああーん!!」
「アイシャ、大丈夫だよ、ダウドも落ち着いて!もう収まったよ、って、
ダウド、僕の何処掴んでるの……」
「え?あ、ああああっ!」
興奮してしまったらしいダウドは間違ってアルベルトのあそこを
掴んでしまったらしく、顔を赤くして慌てて手を離した……。
「はう~、びっくりしたあ~、ねえ、てか、今の揺れ、アンタが
最初に船に入って来た瞬間じゃなかった!?ぐらっときたヨ!」
サンディはジャミルの方を見る。……その言い方だと、まるで俺が
相撲取りじゃねえかよ!とジャミルは変な顔をした。念の為、後ろを
振り返ると、ダウドが片手を突き出すごっつあんです!ポーズを
していた為、問答無用でブン殴っておいた。
「アンタが入って来た瞬間……、そうか、それヨ!」
「はあ~?」
「ジャミルが実はお相撲さんだったって事……?」
「……さっきからうるせんだよっ!バカダウドっ!!」
「黒騎士事件を解決した時に出た星のオーラのチカラでアンタに
天使のチカラが戻ったのヨ!天使が箱船に乗れば動き出すって
アタシの最初の予想、やっぱ当たってたんですケド!?」
「そうなの……?ジャミル……」
「ん~、何となく……、言ってた様な、言ってねえ様な……、
もう覚えてねえ……」
アイシャの言葉にジャミルは疲れた様に無表情で返事を返した。
「だったら話は早くネ?ジャミルがもっとも~っと、いっぱい
人助けをすれば箱船は動いちゃうんですケド!?よお~し、
それじゃ今度は早速お城の東にある関所を超えて新しい町に
いってみよー!誰か困ってるかも知れないしネ!なんか希望が
みえてキタっ!よーし、人助けの旅に出発シンコー!」
「うわ……」
さっきまで峠に行け行けと散々騒いでいたのが、もうこの
コロッとした変り様。4人は顔を見合わせた。
「今日は一旦宿屋に戻って休めないのかなあ~……」
「駄目だよ、また機嫌が悪くなると困るし……」
「でもこの先の町でも何か大きな事件が起きてるって言うし、
事を急がなきゃいけないのも事実だわ、仕方ないわよ……」
「そうだな、行くしかねえか……、てかマジ、ブラックコギャル
企業だなあ~、大変なのに雇われたモンだよ、俺らもよ……、しかも
事実上タダ働きだしな……」
「モモンのブーブー!」
「そこっ、何してんのっ!ホラ、早くするする!動く動く!」
「やれやれ、それじゃ動くか……」
ブラック上司には逆らえず、4人は重い腰を上げ、休む暇もなく、
次の場所を目指し移動を開始する。しかし、歩き出す頃にはサンディは
また発光体に戻ると姿を消して休んでしまい、眠ってしまうのだった。
「ねえ、聞くけど、サンディはいつも何処にいるの?」
「多分、姿が見えねえ時は俺ん中だよ……」
「うわあ、……楽でいいねえ……」
「ダウド、またうっかり聞こえると大変だよ……」
アルベルトが愚痴り始めたダウドに注意。しかし、あの傲慢な
我儘ぷりは本当に何とかならない物かと、手元のスリッパを
見つめながらアルベルトは考えていた。……本気で考えていた……。
とにかく北東の関所を越えれば新しい町である。其処でも4人は
変態……、ではなく、大変な事態にまたも巻き込まれる羽目になる……。
冒険者に真の休息はあらず。
お騒がせ4人組、北東の関所を超え、次の目的地の町へ。此処の名称は、
ベクセリア……、というらしい。多くの建物が殆ど高台に面している
町である。新しい町を訪れたらまずは最初にすべき事、武器、防具の
調達で町を歩いて回ってみる事にしたが……。
「やっぱり、ただ事じゃ……、ないね、殆どの人間が家に引き籠もってる
みたいな感じだね」
「ああ、此処でも何か起きてんのは間違いねえなあ……」
「空気が凄く変だわ……、淀んでいるのかしら……」
「疲れたよお~、てか、モン……、何でオイラに負ぶさってんの……」
「モンだって飛びっぱなしは疲れるんだモン~……」
(あ~あ、アタシって楽チンだわ~!当分外に出るのよそう~っと!)
「……この物臭ガングロめ……」
4人はただ事ではない町の雰囲気を感じ取りながら買い物へ。店で武器と
防具を調達。大分資金も貯まっていたので、今回は大盤振る舞いで、
ジャミルとアルベルトは武器に鉄の剣、ダウドにロングスピア。特に
ダウドは泣く程喜んだ為、アルベルトに、何も泣かなくても……、と、
いつも通りのオーバーリアクションに苦笑。
「私もっ、今回は鞭系!バトルリボンよ!」
「アイシャ、かっこいいモン!」
「……」
鞭をぴしぴし振り回すアイシャの姿に、何だかとてつもなく不安を
覚えるジャミルであった。
「しばかれないように注意した方がいいよお、ジャミル……」
「何で俺の方見るかっ!馬鹿ダウドっ!……それにしても……」
「うん……」
「ふうっ、久々にこの可愛い姿で出れるヨ~、って、あれ?
……ど、どゆこと?天の箱船何も変わってないじゃん!神サマが
アタシらを見つけてくれたのなら箱船が光って動き出しそうな
モンなのに……、も、もしかして、アタシの予想がハズれたっ!?
そ、そんなワケないヨ!中に入ったらきっと動き出すって!ホラ、
アンタら早く中に入るヨっ!」
「あの、ジャミル、聞くけど此処に一体何が……?」
「何もないわよ……」
「何も見えないよお~?」
「ん?ん~……」
ジャミルは困って頭を掻く。何せ現時点で船が見えているのは、
ジャミル、サンディ、そして空から降って来たという謎の果実の
欠片を食べてしまったモンだけなのである。基本的に船の姿が
見えない仲間達に対してどう説明してやったらいいか分からず
困り果てる。
「いーの、だからとにかく、アンタらは黙ってアタシらの後に付いてくれば
いーのっ!此処に船があるの!」
「そう言われても……」
アルベルトは強引にどんどん先へと勝手に事を進めるサンディに
汗を掻いた。アイシャとダウドも同様である。
「まあ、奴の言う事は本当だよ、お前らには見えないかも
知れないけど、目の前に本当に天の箱船があるのは本当さ、
騙されてる様な気にはなるだろうけどさ、とにかく俺の後に
付いて来いよ……」
「モンにもお船見えるんだモン!」
「そうなの、モンちゃんも見えるのね、凄いわ……、そうね、
アル、ダウド、此処はジャミル達を信じて前に進みましょ……」
「そうだね、立ち止まっていても仕方ないしね……」
「なーんか間抜けだよお~……」
まずは強引なサンディが先に箱船の中へ率先して入ったのだが……。
「ま、まじスか?……中もなんも変わってない……、もしかして、
アタシら神サマに見捨てられちゃった?い、いや、んなワケないヨ……」
「始まったな、やれやれ……」
次はジャミルが箱船内に入る。アルベルト達はジャミルの後に
付いていき、箱船の中へ。……無論、3人には船の外観は
見えていないので、3人にとっては実際は何もない只の場所
でしかないのだが……。
ぐらっ……
「うわっと!じ、地震かよっ!?」
「きゃあっ!?」
「……うわああーん!!」
「アイシャ、大丈夫だよ、ダウドも落ち着いて!もう収まったよ、って、
ダウド、僕の何処掴んでるの……」
「え?あ、ああああっ!」
興奮してしまったらしいダウドは間違ってアルベルトのあそこを
掴んでしまったらしく、顔を赤くして慌てて手を離した……。
「はう~、びっくりしたあ~、ねえ、てか、今の揺れ、アンタが
最初に船に入って来た瞬間じゃなかった!?ぐらっときたヨ!」
サンディはジャミルの方を見る。……その言い方だと、まるで俺が
相撲取りじゃねえかよ!とジャミルは変な顔をした。念の為、後ろを
振り返ると、ダウドが片手を突き出すごっつあんです!ポーズを
していた為、問答無用でブン殴っておいた。
「アンタが入って来た瞬間……、そうか、それヨ!」
「はあ~?」
「ジャミルが実はお相撲さんだったって事……?」
「……さっきからうるせんだよっ!バカダウドっ!!」
「黒騎士事件を解決した時に出た星のオーラのチカラでアンタに
天使のチカラが戻ったのヨ!天使が箱船に乗れば動き出すって
アタシの最初の予想、やっぱ当たってたんですケド!?」
「そうなの……?ジャミル……」
「ん~、何となく……、言ってた様な、言ってねえ様な……、
もう覚えてねえ……」
アイシャの言葉にジャミルは疲れた様に無表情で返事を返した。
「だったら話は早くネ?ジャミルがもっとも~っと、いっぱい
人助けをすれば箱船は動いちゃうんですケド!?よお~し、
それじゃ今度は早速お城の東にある関所を超えて新しい町に
いってみよー!誰か困ってるかも知れないしネ!なんか希望が
みえてキタっ!よーし、人助けの旅に出発シンコー!」
「うわ……」
さっきまで峠に行け行けと散々騒いでいたのが、もうこの
コロッとした変り様。4人は顔を見合わせた。
「今日は一旦宿屋に戻って休めないのかなあ~……」
「駄目だよ、また機嫌が悪くなると困るし……」
「でもこの先の町でも何か大きな事件が起きてるって言うし、
事を急がなきゃいけないのも事実だわ、仕方ないわよ……」
「そうだな、行くしかねえか……、てかマジ、ブラックコギャル
企業だなあ~、大変なのに雇われたモンだよ、俺らもよ……、しかも
事実上タダ働きだしな……」
「モモンのブーブー!」
「そこっ、何してんのっ!ホラ、早くするする!動く動く!」
「やれやれ、それじゃ動くか……」
ブラック上司には逆らえず、4人は重い腰を上げ、休む暇もなく、
次の場所を目指し移動を開始する。しかし、歩き出す頃にはサンディは
また発光体に戻ると姿を消して休んでしまい、眠ってしまうのだった。
「ねえ、聞くけど、サンディはいつも何処にいるの?」
「多分、姿が見えねえ時は俺ん中だよ……」
「うわあ、……楽でいいねえ……」
「ダウド、またうっかり聞こえると大変だよ……」
アルベルトが愚痴り始めたダウドに注意。しかし、あの傲慢な
我儘ぷりは本当に何とかならない物かと、手元のスリッパを
見つめながらアルベルトは考えていた。……本気で考えていた……。
とにかく北東の関所を越えれば新しい町である。其処でも4人は
変態……、ではなく、大変な事態にまたも巻き込まれる羽目になる……。
冒険者に真の休息はあらず。
お騒がせ4人組、北東の関所を超え、次の目的地の町へ。此処の名称は、
ベクセリア……、というらしい。多くの建物が殆ど高台に面している
町である。新しい町を訪れたらまずは最初にすべき事、武器、防具の
調達で町を歩いて回ってみる事にしたが……。
「やっぱり、ただ事じゃ……、ないね、殆どの人間が家に引き籠もってる
みたいな感じだね」
「ああ、此処でも何か起きてんのは間違いねえなあ……」
「空気が凄く変だわ……、淀んでいるのかしら……」
「疲れたよお~、てか、モン……、何でオイラに負ぶさってんの……」
「モンだって飛びっぱなしは疲れるんだモン~……」
(あ~あ、アタシって楽チンだわ~!当分外に出るのよそう~っと!)
「……この物臭ガングロめ……」
4人はただ事ではない町の雰囲気を感じ取りながら買い物へ。店で武器と
防具を調達。大分資金も貯まっていたので、今回は大盤振る舞いで、
ジャミルとアルベルトは武器に鉄の剣、ダウドにロングスピア。特に
ダウドは泣く程喜んだ為、アルベルトに、何も泣かなくても……、と、
いつも通りのオーバーリアクションに苦笑。
「私もっ、今回は鞭系!バトルリボンよ!」
「アイシャ、かっこいいモン!」
「……」
鞭をぴしぴし振り回すアイシャの姿に、何だかとてつもなく不安を
覚えるジャミルであった。
「しばかれないように注意した方がいいよお、ジャミル……」
「何で俺の方見るかっ!馬鹿ダウドっ!……それにしても……」
「うん……」
作品名:zoku勇者 ドラクエⅨ編6 ……いつもあなたと・1 作家名:流れ者