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ブロンズ・ハーミット
ブロンズ・ハーミット
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早乙女さん家のラスボス系お姉ちゃん2

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【お前には男を捨てて貰います】




「ぐぁ!」
「あっ!」

道場から聞こえて来る声を居間で聞きながら天道家の次女『天道なびき』はお茶を飲みながら株式投資の本を読んでいる。テーブルの左隣には姉で長女『天道かすみ』、右隣には父親『天道早雲』も座っている。

「おじいちゃん…最近、変わったわね」
「えぇ、最近は道場で乱馬くんやおじ様達と熱心に稽古をしているし」
「師匠なりに悔しかったんだな…あかねと同い年の少女にあっさりと負けて…」
「下着泥棒は相変わらずだけどね…」
「あれはもう病気だよ…止めたら逆に体調を崩してしまう」

早雲は何処か嬉しそうな顔をしていた…多分、親友の娘である美少女の才覚が八宝斎の武闘家としての“血”を呼び覚ましてくれたのが嬉しいのだろう。

「師匠は何処かで退屈だったんだな……何かに挑戦するって情熱を無くしてさ」
「正直、私には分かんないけど…そういうモノなのかしらね」
「そうね…私も少し分かんないかな」

なびきはお茶を啜りながら父親に話を振った。

「でさぁ…お父さんはどうなの?今でもまどかちゃんが怖いの?」
「うっ…流石に普通に接している分は怖くないよ!礼儀正しいし…気配りは出来るし……手合わせをする度胸は無いけど」
「私は何処が怖いのか分からないけど…普通に良い子だと思うわよ?」
「それでいいのよ…かすみお姉ちゃん」

居間で天道家の面々がそんな会話をしていると天道家の末娘『天道あかね』が胴衣姿で現れた。どうやら、許婚や玄馬と一緒に八宝斎から稽古を付けられていたらしい。

「お姉ちゃん!Pちゃんを見なかった!?」
「Pちゃん?あの子豚ちゃん?見なかったわよ」
「そう…さっきまでいたんだけど」
「あの子豚ちゃん…神出鬼没な処があるから放っておけば、ヒョッコリと現れるわよ」
「そうよね」

あかねが姉の言葉に肯いている頃……天道家の屋根にPちゃん、いや…Pちゃんの正体である我流の武闘家『響良牙』が借りて来た猫の様に正座をしており、彼の正面に女体化したライバルにそっくりな黒髪美少女が立っている。

「俺に何の用があるのでしょうか?」
「何を怯えているのです?」

良牙はライバル『早乙女乱馬』の姉『早乙女まどか』に対して敬語を使っていた。彼女の圧倒的な闘気とPちゃんとして想い人に抱かれている時に見たまどかが乱馬と彼の父親『早乙女玄馬』の二人を手玉に取っている姿から“今の自分では勝ち目の無い相手”として恐れているのである。

「あなた…我流とはいえ、武闘家でしょう?女の子相手に恥ずかしくないのですか?」
「はぁ…それは自分でも解っています」
「まぁ…小動物の姿を活かして女の子にセクハラ行為をしている方はこんな者でしょうね…」
「セクハラ!俺があかねさんに!?」
「違うのですか?乱馬達を受け入れている天道家の皆さんを相手に隠す必要なんて無いでしょう?」
「そっ…それは!!」

確かに……殆ど変身体質の持ち主をあかねさんは普通に受け入れている。自分があかねさんに知られたくないのは正体を知られると可愛いがって貰えなくなるからである。

「うん?あのぅ~?」
「何ですか?」
「何故?貴女は黒豚になった俺が呪泉郷に落ちた人間だって解ったんです?乱馬の野郎に聞いたんですか?」
「あぁ…それですか」

まどかは良牙の質問に少し考えてから答える。

「説明しても解らないかも知れませんが…弟達が呪泉郷に落ちてから彼らの体の周りに黒いオーラ?みたいなのが見えるんです」
「黒いオーラ…ですか?」
「多分、呪いという奴でしょうね…乱馬達に水やお湯を掛けるとそれが弟達の体をバチバチと電流の様に走って作り替えているのです」
「……」

言っているまどかも首を傾げている。良牙もこういう事を他者から言われるのは初めてだったが…何となく眼前の美少女ならそういう事も見えるのでは?という不思議な信頼感を持っていた。良牙は覚悟を決めるとまどかに向き直った。

「それで…何を聞きたいのでしょうか?」
「弟やあかねさんの交流関係が知りたいのです」
「交流関係…ですか?」
「私は乱馬のこれから次第で……あかねさんから弟を取り上げるつもりです」
「えっ!?」
「なので…あかねさんのアフターケアをする為の情報が欲しいのです」
「わっ…解りました!何なりとお聞き下さい!!」

良牙は内心で「ラッキー!」と思いながら乱馬やあかねを取り巻く恋愛関係に付いて話し始めたのであった。

「うん?何か…天井から良牙くんの声がしなかった?」
「はぁ…はぁ…気のせいだろ?今は良牙の事を気にしている余裕はねぇ…」
「あかねちゃん…タフだな~!わしはもう動けんよ」
「おじ様…ちょっと嬉しそうですね?」
「そうかい?…師匠が少しだけやる気を取り戻してくれたからだろうな」
「そうですね…ちょっとだけ見直したかも」

あかねは少し嬉しそうに乱馬と組み手をしている八宝斎を見ていた。




「乱馬~!おはようネ!!」
「シャンプーか?おはよう」
「ハッ!」

翌朝…風林館高校に向かっている乱馬とあかねの前に自転車に乗った中国人美少女『シャンプー』が現れて想い人に挨拶して来たと思ったら警戒している様子で辺りをキョロキョロと見回し始める。

「どうしたんだよ?シャンプー?」
「そうよ?そんなビクビクして?」

そんな可愛いチャイナ美少女に二人は尋ねる。

「らっ、乱馬…あの女は!あの女はもう街にいないネッ!?」
「あの女?」
「あの女ネッ!女乱馬にそっくりな!乱馬のお姉ちゃんネ!!」
「ねっ…姉ちゃん!?姉ちゃんならお袋と一緒に住んでいる家に帰ったと思うけどよ…」
「そっ…そうネ…はぁ~!」
「あんた…まどかさんが怖いの?」

珍しく怯えているシャンプーにあかねが尋ねる。

「乱馬…私が乱馬に負けた後…あの女が女傑族の村に残ったの覚えてる?」
「あぁ…そういえば!姉ちゃんもお前に勝ったのか?」
「うん……何度も何度も!負けたネ!!村の皆と一緒に!!」

シャンプーは遠い目をしながら中国で想い人の姉との間に起こった事を語り始めた。襲う度に必要以上に怪我をしない様に手加減をされた上で制圧され続け……挙げ句の果てに奥義を見ただけで盗まれ、その発展系を目の当たりにした統領であるコロンに“天災”として認定されてしまい、“負けても仕方が無い存在”として『早乙女まどか』という少女は女傑族の歴史上初めて殿堂入りしてしまったのである。

「あの女…食事に毒を混ぜても見抜いて私の口にねじ込んだり、寝込みを襲っても返り討ちにされて朝まで抱き枕にされたネ」
「「……」」

シャンプーは少し紅潮した顔で言葉を続けている。あかねは女の自分からも見ても可愛いシャンプーが抱き枕にされているのを想像して少し赤くなっている。

「コロンお婆ちゃん…すっかり、あの女の強さの虜ネ……お婆ちゃんが言うには……中国の強い武闘家の一族は軒並み…あの女に倒されたらしいネ」
「そっ…そうなのか!?」
「そこまで…強いの?」
「そうネ!あの女は“女神”か“天女”のどっちかだって女傑族の皆の間で評判ネッ!」