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ブロンズ・ハーミット
ブロンズ・ハーミット
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早乙女さん家のラスボス系お姉ちゃん2

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どうやら、シャンプーはまどかを畏れつつも…その強さに魅了もされている様である。あかねはシャンプーを見ながら“あのお姉さん…女になった乱馬に似ているけど…妙な色気があるのよね……存在そのものに惹き付けるモノが有るっていうか”とまどかを想い出しながら内心で呟いていた。

「“女神”かよ…確かに“伝説”になってもおかしくない強さだってジジイが言ってたけどよ」
「もうなってるかもよ?中国で…」

それから、シャンプーは二人と別れると中華料理店の仕事に戻って行き、残された二人は学校へと向かったのだった。




それから、授業や昼休みを経て放課後になった頃…乱馬達のクラスの教室に見知った人影が現れた。

「ねっ…姉ちゃん!?」
「九能先輩!?」

それは風林館高校剣道部の主将『九能帯刀』が意識の無い状態でまどかに片手で持ち上げられている姿であった。もう一方の手には九能の得物である木刀を持っており、九能は何故かパンツ一丁であった。

「えっ!?乱馬が二人!?」
「女になった乱馬…いや…別人か」
「今…早乙女君、お姉ちゃんって言わなかった?」
「あぁ…お姉さんなのね?」

生徒達はざわめき出している中でまどかは特に動じずに九能の体を床に投げ落とした。

「お前に会う為、校内を歩いていたら…この男に話し掛けられたのですが」
「そっ…そうか!何か遭ったのか?」

まどかの容姿は九能先輩が大好きな“おさげの女”=女乱馬にそっくりである…見かけたら話し掛けたりはするだろう。だが…何でパンツ一丁なのだろう?九能先輩は変人として認知されているが…女性を襲うタイプの変態ではない。

「お前の学校での生活を色々と聞いたら……自分の事をお前の好敵手等と言ったので立ち会いを頼んだのです」
「そっ…そうなんですか……でも、何で裸なんです?」
「この男から木刀を奪った後…彼の真似をして剣術の真似事をしたらこうなりました」
「姉ちゃん……剣も使えるんだな」
「えぇ…お母さんの代わりにお前達の介錯する為に会得しました」
「へっ…!?」

乱馬は目を剥いていた…姉から父親が自分を武闘家として立派に育てる事を嫌がる母親に誓って家を出た事は知っているが…どういう約束なのかは知らなかったのである。

「それよりも…この程度の相手と何時も遊んでいるのですか?お前は?」
「こっ、この程度!?」
「まぁ…まどかさんにとっては九能先輩って…この程度よね?」
「あっ…あかねくん!?」
「おっ…起きてたのか!?九能!?」
「うぅ~~!まさか!この九能帯刀!この様な屈辱を味わうとは!!」
「うるさいですね……正々堂々と立ち会った末に負けたのだから黙りなさい」
「うぅ~!確かに!全く反応出来なかったが!!」

九能先輩は少し嬉しそうな顔をしている……大好きな“おさげの女”そっくりのクールな美少女にパンツ一丁に剥かれた上にドSな対応をされた事で変な扉が開き欠けているみたいである。

「九能先輩……(何か…目覚め始めてる…?)」

そんな変態を放置してラスボス系美少女は弟へと向き直る。

「天道家に出入りしている武闘家から聞いたのですが…お前はあかねさんという許嫁がいながら何人もの女性と遊んでいるらしいですね?」
「天道家に出入りしている武闘家?」
「あの…バンダナの響という男です」
「良牙か!?姉ちゃん!おれは自分から女を騙す様な真似はしてねぇ!!」
「だけど…あかねさん以外の女性にはっきりとした態度も取ってはいないのでしょう?異性に好かれるのは心地良いのは理解出来ますが…それが相手の時間やより良い相手と巡り会える可能性を潰している事に気付かないのですか?」
「うぅ…!」
「たっ…確かに!」

同級生の一人が納得しているとあかねが声を上げた。

「ちょっ!まどかさん!確かに私達は許婚同士だけど…私はまだ了承した訳じゃないんです!!」
「あかねさん?」
「その…お互いに考える時間が欲しいっていうか…そういう時期なんです…!」
「あっ…あかね…!」

相手が実力では絶対に勝てないと認めている相手なので普段は意地っ張りなあかねも流石に少しだけ本音をさらけ出している。

「ふぅ…あかねさんの気持ちは解りましたが…私にとって重要なのはお前の事です……乱馬」
「ねっ…姉ちゃん!」
「お前が武闘家として…男として…お母さんの息子として恥じない生き方をしているかは…この私に腕で証明しなさい」
「……分かった」

乱馬は了承すると…姉に向かって構える。あかねは流石に心配そうに許婚を見つめている。

「響良牙」
「はい」
「良牙?」
「良牙くん?」

まどかが声を掛けると臣下の様に良牙が教室に入って来た。

「彼が合図をします…それで勝負を開始します」
「分かった…何で良牙なのか分かんねぇけど」
「何となくです」
「そうか…」

姉弟がそんな会話を交わしていると良牙が二人の間に立って右手を振り上げて下ろすと同時に力強い声を発した!!

「始め!!」

その声と同時にまどかの動きがシュン!と消えたと同時に乱馬の体が教室の外へと吹き飛んでいた!!

「がぁっ…!?」

「らっ!乱馬ぁ!?」
「はっ、速ぇ!?」
「なっ!僕を倒した時と段違いの動きだ!?」

吹き飛ばされ乱馬は空中で意識を取り戻して態勢を立て直すと

「遅いですね…待ちくたびれました」
「なぁ!?」

眼前には退屈そうな姉の姿があった…どうやら、弟が意識を取り戻して態勢を整えるまで待っていた様である。

「っ…『火中天津甘栗拳』!!」

乱馬は咄嗟にそんな姉に向かって必殺技『火中天津甘栗拳』を繰り出した。女傑族の奥義で一瞬で何百発のパンチを繰り出す技であり、無数のパンチがまどかを襲う。

「遅い」

「なぁ!?」

ラスボス系美少女は弟が繰り出した何百発のパンチを軽々と片手のみで防いだのであった…そして、

「お返しです…火中天津甘栗拳!」

弟の攻撃を防いだ後…まどかは自身も女傑族の武闘家から見ただけで覚えた奥義『火中天津甘栗拳』を繰り出したのであった!乱馬とは比べモノにならない速さと威力を併せ持った…無数の拳が彼を襲った!!



「がぁ!?」



乱馬は咄嗟に防御の構えを取ったが……まどかの拳は乱馬のガードをいとも簡単に突き崩して乱馬を吹き飛ばす!そして、

「あぅ……!!」

乱馬の体は空中から学校の敷地内にあるプールに張られた水の中へと叩き付けられるのであった!!

「はぁっ!?はぁ!はぁ…」

プールから上がった乱馬は水を浴びた事で女へと変化しており、姉とそっくりな顔で彼女に酷似した声を発しながら息を吐いている。

「まだまだですね…」
「姉ちゃん…」

乱馬が顔を上げるとフェンス上に着地している姉が立っていた。傍目から見たら双子の姉妹にしか見えない美少女二人が向かい合っている。其処に教室からあかねや良牙といった面々が走り寄って来るのが見える。

「これでは…切腹は避けられませんね」
「切腹……何の話だよ?」
「お父さんから聞いていないのですか?お前が“男の中の男”に育たなかったら…お父さんと一緒に腹を斬るのですよ」
「なぁ!?何ぃ~~!?」

驚く乱馬にまどかは涼しい顔で言葉を続ける。