早乙女さん家のラスボス系お姉ちゃんVS主将!!地院家若美2
「私もよ…追い掛けるってのは意外といい物ね」
若美は体を起こすと…まどかに声を掛けながら手を差し出す。彼女も差し出された手を受け入れる。
「また、やりましょう?」
「喜んで」
二人が握手を交わしている処を周囲にいる面々は微笑ましげな…ある者は嫉妬を籠めた表情で見ていたという。
「私とも!やりましょう!!まどかさん!!」
「うん?あなたは?」
「地院家流合気柔術の弟子!桃戸美柑です!!」
「ちょっと!美柑!?」
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おまけ
「ねぇ、皆!こんな手紙が人数分、入っていたんだけど…」
「えっ!なぁに?」
「これは…」
此処は天道家の居間。天道家の面々が寛いでいた処に長女で天道家の家事を担当しているかすみが大量の手紙を持って来た。次女のなびきが開封して中身を確認し始める。
「何々…『この度は突然のお手紙を失礼致します。我々は二階堂グループで呪泉郷の研究をしている者です…』」
「二階堂グループって何だ?」
「!あんた、知らないの!?世界的な大資本よ!」
「そんな処が呪泉郷の研究?しかも家に手紙なんて…悪戯じゃないか?」
早雲が訝しげな表情をしていると次女が手紙を読み続けている。
「『なお…この手紙は呪泉郷に関係している方々全てに発送しているアンケートです。ご不明の点があれば…何時でもご電話での連絡を受け付けております』」
「それなら…安全かな?」
「『この度…弊社は呪泉郷のメカニズムの解明に成功し、人工の呪泉郷を創り出す事に成功しました』」
「なっ!?人工の呪泉郷だって!?」
「マジか!?」
「『なので…我が二階堂グループの会長の好奇心と遊び心から以下の人物に変身体質を付与してあげる事としました…あなたが似合うと感じた組み合わせに選んで返信用の封筒に入れて1か月後まで送って下さい』」
「へっ!?何で!?そんな話になるの!?」
「私に聞かれても解らないわよ…皆も手紙を見たら?」
「あっ…あぁ!」
「うっ…うん!」
居間の面々が手紙を開封して読み始めると何処かで盗み撮りしただろう写真が貼られており、以下の事が書かれていた…
1:天道あかね…ゴリラ。理由:似合うと思ったからです。
2:天道あかね…ヒグマ。理由:同上。
3:天道早雲…コウテイペンギン。理由:親友がジャイアントパンダだからです。
4:九能帯刀…アライグマ。理由:特に無い。
5:九能小太刀…アナコンダ。理由:似合うからです。
6:五寸釘光…カメレオン。理由:お前は止水桶で元に戻れなくしてやる。
7:久遠寺右京…イノシシ。理由:似合うからです。
その他…好きな組み合わせを書いて下さい。
注意:無記入だと1に投票したと見做します(笑)、そして、既に呪泉郷に溺れた事のある方はその他で選べません…と上記の事が顔写真付きで書かれてあった。
「えぇっ!?私をゴリラかヒグマにするですって!!」
「なっ…何だとぉ!!あかねをゴッ…ゴリラっ…にっ…」
「あんた!笑ってんじゃないわよ!!」
乱馬がニヤけているのを気付いたあかねは怒声を上げている。
「落ち着かんか!乱馬くん達と同じ変身体質になるだけだろう?」
「だけって…水を被ったらゴリラになるなんて嫌よ!しかも…させられるなんて…」
「分かったよ!お前には入れねぇよ!九能の奴や五寸釘もいるからな」
「そうよ♪何処まで本気か分かんないけど…九能ちゃんがアライグマに変身するなんて似合うじゃない?」
娘達がそんな会話をしている横で早雲は独り言の様に呟いていた。百歩譲って...あかねがゴリラなのは理解出来るが、強面な中年男性である自分が小さくて可愛らしいペンギンにされるというのが理解出来なかった。
「しかし……何で?私はペンギンなんだ?理由は早乙女君だってあるし…」
「そうだな……どういう意味だ?」
早雲と玄馬が首を傾げているとかすみが口を開いた。
「最近の流行りみたいですよ?お父さん」
「流行りかい?」
「えぇ…近所の子持ちのお母さんから聞いたんですが…最近の動物が喋るタイプのアニメとかでパンダが登場する時はペンギンがお友達として登場する作品が多いみたいです」
「ペンギンがかい?正直…接点が無いと思うんだが…」
「そういうもんよ?漫画とかって…」
「それで…怠け者のパンダをしっかり者で真面目なペンギンが助ける話が多いらしいです…私もおじ様を見た子供達に尋ねられた事があるわ…“ペンギンはいるの?”って」
「確かに…おじさんにピッタリだな……俺が言えた事じゃねぇけど」
「確かに…ペンギンになったお父さんが……パンダになったおじ様と一緒にいるの…ちょっと見たいかも♪」
「あかね!乱馬くんも!微笑ましげな顔で言うのは止めなさい!」
「嬉しそうだぞ?天道くん♪」
娘達の会話に早雲も想像してしまい…一瞬いいかな?と思ってしまったのは内緒である。
「取り敢えず……あかねがゴリラかヒグマにされる以外に入れて送りましょう…宝くじみたいに賞品が当たるみたいだし」
なびきがそう話を締め括ったのであった。
「この僕をアライグマにするだとぉ!?……おさげの女と兎と!」
「わたくしをアナコンダにするですって!?1の天道あかねっ…と」
「ウチをイノシシにする!?あかねちゃんをゴリラやヒグマになんて冗談でも出来へん!ここはおじさんのペンギンや!!」
「あかねがゴリラなのは似合うけど…あいつがゴリラになったらやりにくくなるネ…まどか様はどうするネ?」
「私は天道のおじ様のペンギンです……もしも、無理矢理に溺れさせる気なら考えがありますが」
「じゃあ!私も!」
「(しかし……この五寸釘という男…不愉快な面構えですね…カメレオンにされた後……姿を固定化させられるみたいですが……こいつは構いませんね…)」
「あかねがゴリラやヒグマになるのは可哀想ね…」
「うん!うっちゃんがイノシシになるのも何か…ねぇ?」
「ここは五寸釘でいいんじゃねえ?この文章からこの手紙の人達もあいつをカメレオンにしたいみたいだし」
「「「「「そうしよう!!」」」」」
「なっ!?何でぇぇぇえええ!?」
「来るのですぜ!この性犯罪者予備軍が!!」
「貴様の様な男はカメレオンがお似合いだ」